キヤノン

東京都大田区にある精密機器メーカー

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キヤノン株式会社(読みは“きゃのん”、英語表記は“Canon Inc.”)は、カメラプリンタ複写機をはじめとする事務機器、デジタルマルチメディア機器などを製造する日本を代表する精密機器メーカーである。芙蓉グループ東証一部及びニューヨーク証券取引所(ティッカー:CAJ)上場企業であり、外国法人等の持株比率が50%超である。特許戦略は世界的に定評。製販が分離しており、マーケティング・販売業務は、地域統括販売会社(キヤノンMJキヤノンUSAキヤノンヨーロッパキヤノン中国キヤノンオーストラリア)を中心に展開されている。コーポレート・ステートメントは「make it possible with canon」(メーク・イット・ポシブル・ウィズ・キヤノン―それ、キヤノンで出来るようにしましょう)。

キヤノン株式会社
Canon Inc.
ロゴ
種類 株式会社
市場情報
東証1部 7751
1949年5月16日上場
大証1部(廃止) 7751
1953年12月8日上場
本社所在地 146-8501
東京都大田区下丸子三丁目30番2号
設立 1937年8月10日
(精機光学工業株式会社)
業種 電気機器
法人番号 6010801003186 ウィキデータを編集
事業内容 電子部品
光学機器
OA
半導体
代表者 御手洗冨士夫代表取締役会長
内田恒二(代表取締役社長
資本金 1,747億62百万円
(2008年12月末現在)
売上高 連結:4兆941億61百万円
単独:2兆7,212億94百万円
(2008年12月期)
営業利益 連結:4,960億74百万円
単独:3,587億06百万円
(2008年12月期)
純利益 連結:3,091億48百万円
単独:2,241億35百万円
(2008年12月期)
純資産 連結:2兆6,597億92百万円
単独:1兆8,650億05百万円
(2008年12月期)
総資産 連結:3兆9,699億34百万円
単独:2兆6,189億98百万円
(2008年12月期)
従業員数 連結:166,980人
(2008年12月末現在)
決算期 12月31日
主要株主 第一生命保険相互会社 7.00%
モクスレイ&Co. 5.17%
ステート・ストリート・バンク&トラスト505103 2.62%
主要子会社 主な連結子会社を参照
関係する人物 吉田五郎御手洗毅
外部リンク http://canon.jp/
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本社社屋
本社社屋遠景
ガス橋からのぞむキヤノン本社

会社の概要

社名の由来

キヤノンの前身は、1933年に創立された精機光学研究所。創立者の吉田五郎は、観音菩薩を熱心に信仰していたことから、同年発売予定の精密小型カメラを「KWANON」、そのレンズを「KASYAPA」(カサパ)と命名した。KASYAPAは、釈迦の弟子のひとりである迦葉に由来している。 なお性能が良すぎて「光だけでなく音まで観える」という意味も兼ねている。

1935年、世界で通用するカメラのブランド名として、Canon(キヤノン)が採用された。「聖典」「規範」「標準」という意味を持ち[1]正確を基本とする精密工業の商標にふさわしいことと、KWANONに発音が似ていることが、この名称を採用した理由とされている。

正式な表記

日本語における正式な表記は、「キノン」であり、小字を用いた「キノン」ではない。これは「キャノン」では、「ャ」の上に空白が出来てしまい、穴が空いたように感じてしまうので、それを避けたためとされている。ただ、読み方は、「キノン」である。(写真業界では富士フルム並んで広く知られている。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。他に同様の企業名としてキユーピーシヤチハタオンキヨージヤトコなどがある。歴史的仮名づかいでは拗音小字表記は一般的ではなかったため、設立が戦前の企業を中心として同様の例は多数存在する)。

事業所

沿革

1933年に発足した精機光学研究所がルーツとなっている。創設者である吉田五郎、義弟の内田三郎、後援した御手洗毅が中心となり、高級カメラの製作を目的として研究を重ねた。尚、「キヤノン」「Canon」は1935年に商標登録された。

歴代社長

主な事業・製品

2004年末現在では総売上の大半を事務機器部門が上げている。また、カメラ事業においては一時縮小傾向にあったが、『IXYデジタル』の発売以降デジタルカメラの売上げが好調な事からここ10年では毎年増加の傾向にあり、2004年末時点で総売上の4分の1強を占めている。

映像機器

 
EOS-1Ds Mark III
 
EF 135mm f2L と 24-70mm f2.8L

原点であるカメラデジタルカメラ写真レンズを中心に、デジタルビデオカメラ双眼鏡の開発・製造・発売を手がけている。デジタル一眼レフ市場では近年までシェア1位だったが、ニコンに間近シェアで逆転されるなど、熾烈な戦いが展開されている。カメラ・デジタルカメラについてはキヤノンのカメラ製品一覧の項も参照。

放送・業務用ビデオカメラ用レンズ分野では、世界トップシェアを誇り、一時参入していたニコンの追随を許さなかったほどである。その他にも業務用として、XL-H1シリーズを始めとしたHDVカメラや監視カメラ用のCCTVレンズ、ネットワークカメラでも高いシェアを誇っている。

近年ではディスプレイ事業への進出を目指し、SED有機EL、薄型リアプロジェクションテレビの開発も行っている。

OA機器

各種プリンター複写機複合機イメージスキャナプロジェクターファクシミリ等といったOA機器やコンピュータ用周辺機器、関連ソフトウェアを開発・製造・発売している。なお、ファクシミリについては、パーソナル向けを2006年12月に販売終了、ビジネス向けのみとなっている。

複写機・レーザープリンター

 
オフィス向け複合機 iR2270

1960年代に複写機の開発を開始。それまでゼロックスが特許を盾に市場を独占していたがゼロックスの特許を全く使わずに、独自の電子写真方式「NP方式」の開発に成功、1969年に初の製品を発売した。このときの攻防がプロジェクトX〜挑戦者たち〜で紹介された。以後複写機の分野ではゼロックスと並ぶシェアを誇る。

現在ではほとんどの製品がデジタル複合機に移行し、「imageRUNNER(イメージランナー、iR(カラーはiRC))」「imagePRESS(イメージプレス)」のブランドで発売している。また、この技術をもとにレーザープリンターを開発、「LASER SHOT(レーザショット)」、現在では「Satera(サテラ)」のブランドで発売している。なお、レーザープリンター商品はオンデマンド定着式[2]を採用しており省エネに貢献している。

これら製品に関連し、文書管理やプリンター管理、帳票設計などのソフトウエア製品群を、「imageWARE(イメージウェア)」ブランドで開発・販売している。

インクジェットプリンター

 
キヤノンインクジェットプリンター S520
ファイル:CanonMP600Printer-Monitor.JPG
キヤノンインクジェット複合機 MP600のモニター

1980年代にインクノズル内のヒーターを加熱して発生させた泡(バブル)の圧力によりインクを噴出させることにより、精密なイメージを印刷可能にした「バブルジェット方式」(サーマル方式インクジェット)を開発、1985年からこの方式を採用した「BJプリンタ」を発売。オフィスから家庭まで幅広く普及し、現在のキヤノンの売上げの大きな核となった。

現在では「PIXUS(ピクサス)」ブランドとして展開、日本市場ではセイコーエプソンカラリオと激しいトップシェア争いを繰り広げており、2004年後半頃にセイコーエプソンよりシェアNo.1の座を奪い返している。また現在では、PictBridgeなどに対応し、カメラからのダイレクトプリントも可能なものがある。なお、この技術の基本特許の大半はキヤノンが保有しており、他社へライセンスを供給する形となっている。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。なるべく独自技術の特許を他社に開放せず、技術を囲い込む戦術はキヤノンの特徴的なマーケティング戦略であると言える。

産業用光学機器

製造機器分野では、半導体露光装置(ステッパーなど)および液晶基板露光装置の開発・製造を手掛けており、キヤノンの半導体製造装置は世界の企業の 半導体・製造装置メーカー売上高ランキングで08年度は6位につけている。医療機器分野では、眼科用測定機器、X線写真撮影機器、医療画像記録機器の開発・製造を手がけている。写真用カメラEOS-5で世界初の「視線入力(見た所にピントが合う)オートフォーカス」を開発・搭載したが、眼球をセンサーが追うという技術や特許を有し、その技術の応用したことによって実現した機能といえる。

その他の事業

バーチャルリアリティ技術の一種である複合現実 (en:Mixed reality)を実現する機器やプラットフォームを開発している。[3]


関連会社の事業

キヤノン株式会社からの事業移管、あるいはグループ会社の自主事業として、関連領域のビジネスを展開している。

情報機器

キヤノン電子が、ハンディターミナルスキャナーを、キヤノン電産香港有限公司電卓電子辞書などのパーソナル情報機器を、キヤノンファインテックおよびニスカRFIDカードプリンターを、それぞれ開発・製造・販売している。

ITサービス

キヤノンMJグループ を筆頭に、キヤノン電子グループ、Canon Technology Solutions(キヤノンUSAグループ)などの関係会社が、インターネットサービスやSI、各種ソフトウェアの販売、エンベデッドBPOなどのITサービス事業を展開している。また、画像処理やネットワーク接続技術(BluetoothやIEEE.802.11)を得意とするキヤノンアイテックおよびキヤノンイメージングシステムズでもエンベデット事業を手掛けているほか、キヤノン製品の開発関連会社[4]にも、ソフトウエア開発に携わる企業が多くある。

製造装置

真空技術やメカトロ技術をコアに、半導体をはじめディスプレイや太陽電池、ストレージなどのさまざまな製造装置を開発・製造・販売している。これらのビジネスは、キヤノンマシナリーキヤノンアネルバトッキの各社が中心となって展開されており、キヤノングループの生産自動化や内製化の推進にも貢献している。また、キヤノンMJ では、RAVE社やmattoson、Zygoなどの海外メーカーの関連装置を輸入・販売している。

その他

イオンビーム(IBE)関連装置、業務用生ごみ処理装置、スピーカーなどの開発・製造・販売を行っている。

撤退した事業

Macintosh 512Kを日本語対応化した「DynaMac」、MSX規格機、AX規格機、DOS/V機(INNOVAシリーズ)、キヤノン・キャットのようなオフィス専用機、またNeXTからハードウェア部門を買収して、PowerPC用のチップセット事業も行っていた。
  • パーソナル向けファクシミリ(ファクスホン)
  • デジタル印刷機(DPシリーズ)
  • フォント
TrueTypeフォント「FontGallery」シリーズを発売していた(Windows3.0時代にはWIFEフォントとして発売された)が、2007年1月31日で販売終了した。安価な割にデザインが良い事に加え、他のフォントベンダーに比べ使用条件が緩い。中でも「FG角ゴシック体Ca」「FG丸ゴシック体Ca」は、最近ではテレビ番組テロップ表示で多く使われている。使用場面も多く、ニュース番組では毎日放送札幌テレビ放送九州朝日放送などの局で標準のニューステロップとして使用しているほか、数多くのバラエティ番組アニメ番組でも使用されており、「サザエさん」を始め、「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション」や「魔法先生ネギま!」などで使用されている。

キャッチコピー

  • make it possible with canon

過去

  • 映像ワンダーランド
  • 世界のブランド

 

主な連結子会社

開発・生産・販売


生産

販売

提供番組

現在

※2009年4月現在

過去

日本テレビ

フジテレビ

TBS

その他

CMイメージキャラクター

キヤノンでは「コミュニケーションパートナー」という名称で呼んでいる。

現在

過去

東郷鐘吾

契約スポンサー

その他

脚注

  1. ^ 英語のcanonの意味三省堂提供英和辞典
  2. ^ 大分のキヤノン、1,177人解雇計画 - しんぶん赤旗 - 2008年12月5日付記事ー2008年12月10日確認。
  3. ^ Canon to cut 1,100 Japan contract workers - NHK - ロイター通信 - 2008年12月3日付記事 - 2008年12月10日確認
  4. ^ 佳能裁员1100人应对销售疲软[1] - 北京商報 - 2008年12月5日付記事 - 2008年12月10日確認。

外部リンク