BitCash
BitCash(びっときゃっしゅ)とはビットキャッシュ株式会社が提供する、インターネットにおける電子商取引上の仮想通貨によるプリペイド型電子決済サービスの名称である。
概要
1997年6月より事業を開始。Web上でIDを入力して認証決済を行う方式の為、2002年に実用化した電子マネーEdyとPaSoRiの組み合わせによるWeb決済とは異なり、カードリーダーなどの機器は要しない。
後年には、アスキー系のウェブマネーやKDDIなども同分野に参入している。
購入すると「16文字の平仮名(ひらがな)」による固有のIDが、プラスチックカード・紙面(シート)・Web上の何れかの方法で表記されている。そのIDをコンテンツ購入時に入力することで、ビットキャッシュの課金サーバーと認証し、サーバー上で管理されている残高の範囲内で、インターネット上での電子決済を行えるものである。
日本において、クレジットカードやインターネットサービスプロバイダの収納代行とは切り口が異なるコンテンツ決済の先駆けのサービスであり、
- 事前登録を要さずに煩わしさが無い
- 利用者の匿名性が非常に高い
- 前払い式のため使いすぎの心配が無い
- 安全性が肯定できない共用パソコン(ネットカフェなど)において、決済時に入力したクレジットカード番号やオンラインバンキングの認証番号などが、仕組まれたキーロガーを通じて悪用されるリスクを回避することが出来る。
といった特徴がある。
また、当初より2バイト文字がIDであるため、正規のIDを偽造して悪用されるリスクも低いとされている。
なお、BitCashの残高はサーバー上において管理されているため、手許の「16文字のひらがなのID」そのものには金銭としての価値は無く、前払式証票(プリペイドカードなどが該当)の規制対象外である。
当初は壁紙やミニゲームなどのデジタルアクセサリー、シェアウェアや音楽配信サイトなどのデジタルコンテンツサイトで使われてきたが、時代の流れによりパソコンゲームソフト、インターネットテレビ、オンラインゲームなどブロードバンドを反映した多岐に亘るコンテンツサイトが加盟店となっている。また、少数ではあるが、livedoor デパートなど物販のインターネットショッピングでも決済手段として扱える。
種類
BitCashは複数の形状がある。
- カード型(テレホンカードサイズのプラスチックカードで、目隠し部分をスクラッチするとIDが現れる)
- シート型(コンビニで注文後に印刷された「購入控え」用紙にIDが印字されており、購入が確認されると有効となる)
- バーチャルBitCash(BitCashのWebサイト上で注文し、購入するとIDが発行・表示される。)
コンテンツ対象年齢により、2種類設定されている。
- BitCash ST-20歳以上対象とした成人向けコンテンツ(主にアダルト要素を含む動画配信サイト・テレホンサービスなど)以外の全ての商品購入ができる。
- BitCash EX-成人向けコンテンツを含めた全ての商品を購入することができる。購入時に年齢確認や認証が必要である。
購入方法
- カード型は、現在ノベルティ用途の流通が中心となっているが、am/pmや家電量販店などの取扱店で購入可能である。但し、金券ショップやインターネットオークションでは偽造・変造されて、残高が無効となっているBitCashも多く出回っていることから、決済目的で入手するのは十分な注意を要する。有価証券偽造罪などの刑法による捜査も期待できない。
- シート型は、セブン-イレブンのマルチコピー機、ローソンのLoppi・ファミリーマートのFamiポートなどのマルチメディアキヨスク端末で注文を行い、レジで精算することで、IDが印字された用紙が手渡される。
- バーチャルBitCashは、BitCashのWebサイト上で注文し、クレジットカード・オンラインバンキングの即時決済などで購入するとIDが発行・表示される。