胡軍
胡軍(フー・ジュン、1968年3月18日 - )は、中華人民共和国[注 1]の男優。舞台を経て現在はテレビドラマや映画を中心に活動。『藍宇』『天龍八部』等の出演作で知られている。
フー・ジュン 胡 軍 | |||||
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本名 |
繁体字 = 胡軍 簡体字 = 胡军 ピン音 = hú jūn 英語表記 = Hu Jun | ||||
生年月日 | 1968年3月18日(57歳) | ||||
出生地 |
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国籍 | 中華人民共和国 [注 1] | ||||
民族 | 満族(満州族) | ||||
血液型 | O型 | ||||
職業 | 俳優 | ||||
ジャンル | 映画・テレビドラマ・舞台 | ||||
活動内容 |
1987年:中戯入学 1991年:北京人芸入団 1995年:『東宮西宮』出演 2000年:『藍宇』出演 2002年:『天龍八部』出演 2007年:『レッドクリフ』出演 | ||||
主な作品 | |||||
中国映画 『東宮西宮』 香港映画 『藍宇』 テレビドラマ 『天龍八部』 『画魂』 | |||||
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備考 | |||||
身長:185cm 星座:魚座 所属:北京人民芸術劇院(1991年 - ) マネジメント契約:北京橙天拾捌文化経紀有限公司(通称:橙天娯楽、2005年 - ) | |||||
来歴
父・胡宝善と伯父・胡松華は著名な歌手[注 2]、母・王亦満は元舞台女優という家庭に育つ。兄弟は姉1人妹1人。幼い頃より父に歌の手ほどきを受けバイオリンを習うなどしてはいたが、当時芸術方面に進む意思はなかったという。
高校時代はジャーナリストを志望したが大学受験前に体調を崩し成績が落ちた為断念。幼稚園時代の恩師の勧めがきっかけとなり、1987年母の母校でもある北京の演劇大学・中央戯劇学院表演系を受験し合格[注 3]。卒業後は中国現代演劇の最高峰・北京人民芸術劇院(略称:北京人芸)に入団。舞台劇の他多数のテレビドラマや映画に出演し様々な経験を積む。
1997年のカンヌ国際映画祭で話題を呼んだ『東宮西宮』では同性愛者に翻弄される警官役でイタリアのタオルミナ国際映画祭主演男優賞を受賞。しかし中国国内では上演禁止、俳優として脚光を浴びることなく雌伏の日々を送った。
2001年、映画『藍宇 情熱の嵐』でバイセクシャルの男性役を好演し、香港金紫荊奨最優秀主演男優賞を受賞。これが出世作となり、武侠ドラマ『天龍八部』の主演に選ばれた。以降は話題作に立て続けに出演する売れっ子となり、香港映画のヒット作にも顔を出している。『藍宇』の監督スタンリー・クワンの信望を得て、彼の作品に3作連続で出演した。
2007年、『レッドクリフ』で国際合作映画に初出演。2008年には映画制作の為の個人工作室を設立し[注 4]、俳優活動の拠点がテレビから映画中心へと移行しつつある。
人物
中国でしばしば「陽剛」と賞賛される胡軍の魅力は、浅黒い肌に恵まれた体格とはりのある美声、明朗でさっぱりとした気性による。酒豪でもあり、「(『天龍八部』の当たり役)蕭峯そのままのようだ」とも形容される。故に青年時代は正義感溢れる警察官や軍人、熱血漢といった役が多く、近年は時代劇の英雄役者として豪放磊落かつ硬派なイメージが定着した。
一方で強者の脆弱な内面心理や落魄の哀感を繊細に表現する演技力にも定評があり、傲慢さゆえ身を滅ぼすがどこか憎めないキャラクターを得意とする。
現代劇に於いては小心者や小市民的な役どころにも取り組み、好評を博している。
1995年(舞台公演)と2005年(東京国際映画祭のゲスト[注 5])の2度来日したことがある。
夫人は舞台女優(北京人芸所属)の盧芳(ルー・ファン)。4年の交際を経て1999年に結婚。2001年に長女が誕生、愛妻家・子煩悩としても知られる。『藍宇』では兄妹役で夫婦共演した。
出演作品
- 一部を除き製作年順に記述、中国語タイトル[注 6]の詳細一覧については中国語版ウィキの作品一覧を参照。
- ★は日本での一般公開(テレビドラマの場合は放映)歴、 ★は日本国内映画祭での上映歴有り。 ★は日本発売ソフトを有す。
映画
- 烈火恩怨 (1990年) 蔡修明 - 青年弁護士
- 悪狼与天使 (1990年) 朱戈 - マフィア
- 黒雪[注 7] (1991年) 陸 - 警官
- 黒火 (1992年) 虎哥 -
- 狂心滅情 (1993年) 大偉 - 孤児のちに警官
- 怒海紅顔 (1994年) 龍二 - 警官
- 歌手 (1995年) ★ 江倫 - 音楽プロデューサー
- 東宮西宮 (ビデオ邦題:インペリアル・パレス 1996年) ★ ★ ★ 小史
- 冲天飛豹 (1998年) 凌知遠 - 人民解放軍のパイロット
- 紅娘 (1998年) -
- 藍宇 情熱の嵐 (ビデオ邦題:情熱の嵐 ~ LAN YU ~ 2001年) ★ ★ ★ 陳捍東
- 平原槍声 (2001年) 馬英 - 八路軍の闘士
- 金鶏 (2002年) 葉子強 - 流れ者のやくざ
- インファナル・アフェア 無間序曲 (2003年) ★ ★ 陸啓昌(ルク)
- 長恨歌 (2005年) ★ 李忠徳(李主任)
- 好奇害死猫 (2005年) 鄭重
- A + B = C [1] (短編映画、2006年) ★ 登場人物C
- 落葉帰根[2] (映画祭上映邦題:帰郷 2006年) ★ 長距離トラックの運転手
- 魚不在水里 (2007年) 花店店主
- 戦場のレクイエム (2007年) ★ ★ ★ 劉澤水
- レッドクリフPartⅠ (2008年) ★ ★ ★ 趙雲
- レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- (2009年) ★ 趙雲
- 一個人的奥林匹克[3] (2008年) 張学良
- 我的唐朝兄弟[4] (2008年、公開待機中) 薛十三 - 唐代の強盗
- 機器侠[5] (2009年8月中国公開予定) 徐大春 - 警官
- 建国大業[6] (2009年9月中国公開予定) 顧祝同
- 花木蘭[7] (製作中) 冒頓単于
- 十月囲城[8] (製作中) 暗殺者
- 用心跳[9] (出演予定作)
主なテレビドラマ
- 費家有女 (1994年) 高建設 - 費家の娘婿
- 北京深秋的故事 (1996年) 許文正 - 記者
- 危情時刻 (1997年) 秦川 - 警官
- 東周列国 -春秋篇- 第21話『覇主荘王』 (1997年) ★ 華元
- 老虎、棒子、鶏 (1998年) - 農村青年
- 候車大廳 第20話 (1998年) 毛毛 - 駅の待合室の客
- 滄海情仇 (1999年) 劉天龍 - 家同士の争いに巻き込まれる青年
- 驚涛 (1999年) 李桂林 - 長江の洪水災害と闘う軍人
- 我心換你心[10] (1999年) 李楽天 - 起業家を目指す青年
- 熱血警官―至高栄誉 第5・6話 (2001年) 容疑者
- 背信~真実の愛~ (2001年) ★ 程浩
- 臥底 (2002年) 呉建偉 - 麻薬取締り班の警官
- 天網孽情 (2002年) 李亦東 - 警官
- 中国足球 (2002年) 于毅 - プロサッカー選手
- 熱血痴心 (2002年) 高寒 - 刑事
- 天龍八部 (2003年) ★ ★ 喬峯→蕭峯/若き日の蕭遠山 (二役)
- 画魂 (DVD邦題:画魂 愛の旅路 2003年) ★ ★ 潘贊化
- 康定情歌 (放映邦題:ダルツェンド情歌 2004年) ★ 洛桑
- 大漢風~項羽と劉邦~ (2004年) ★ ★ ★ 項羽
- 一江春水向東流 (2004年) 張忠良
- 大明帝国 朱元璋 (2005年) ★ 朱元璋
- 歳月[11] (2005年) 梁致遠
- 復讐の春秋 -臥薪嘗胆- (2006年) ★ 呉王夫差
- 西安事変[12] (2007年) 張学良
- 金婚2[13] (出演予定作)
その他
- 神雕侠侶 (2005年) ★ ★ エンディングテーマ曲『江湖笑』に歌手の1人として参加。
脚注
- ^ a b 2008年3月、香港行政府が定める「zh:優秀人才入境計劃」により香港の市民権を獲得した(サーチナ『中国俳優フー・ジュン、香港の居住資格を取得』)。
- ^ 我愛這藍色的海洋:胡宝善簡介
中国国際放送局『民族音楽:胡松華』 - ^ 同期の俳優に徐帆、何冰、江珊、陳小芸、等がいる。
- ^ 新浪網『胡軍成立個人電影工作室 并未離開橙天拾捌』
- ^ 第18回東京国際映画祭関連報道 (サーチナ)
- ^ 中華圏各地域でタイトルが異なったり、ビデオ再発時にタイトルも変わるケースが少なくない。
- ^ 同タイトルの香港映画(マギー・チャン出演)とは別作品。
- 出演作品紹介
- ^ Short Shorts Film Festival 2008 『A + B = C』
- ^ 中国国際放送局 『落葉帰根』
- ^ 中国国際放送局 『一個人的奥林匹克』
- ^ Infotainment China Media 『The Robbers(英題)』 黒澤明生誕100周年記念及び『七人の侍』へのリスペクト作品。2009年6月に『苦竹林』からの改題が報道された(新浪網 『胡軍三走紅毯創記録』 )。
- ^ 新浪網 『機器侠』 人造人間が登場するSFコメディ。
- ^ 新浪網 『建国大業』 中国建国60周年記念作。
- ^ 木蘭(ムーラン)伝承を題材とした作品。
- ^ 新浪網 『十月囲城』 清朝末期の孫文暗殺計画を題材とした作品。
- ^ 新浪網 『用心跳』制作発表会見記録(2009年6月8日) スタンリー・クワン監督初のミュージカル作品。
- ^ 新浪網 『我心換你心』
- ^ 新浪網 『歳月』
- ^ 新浪網 『西安事変』
- ^ 新浪網 『金婚2』 話題作『金婚』(2007年)のスタッフが、再び1組の夫婦の50年間を描く。