土管

粘土を焼いて作った円管

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土管(どかん)とは、陶器などで製作された管のこと。「陶管」、「素焼土管」などの名称で呼ばれることもある。太さは様々である。環境への負荷が少なく、機能寿命が長い。その原材料によって下水道管地下水の浄化・排水、河川等に使い分けられている。

海辺の土管

概要

土管とは陶器などで製作された管のことで、土管同士を接続するため、管の一方が膨らんだ独特の形状をしている。管径は様々で、6 cmほどの物から、トラックが通れるほどの大きさ物もある。 「陶管」、「素焼土管」などの名称で呼ばれることもある。  現在では、素焼土管が農地、宅地、グラウンドなどの過剰な地下水を排除するための暗渠排水用の吸水管として利用されている。素材が陶器であるため、強度、耐食性、耐薬品性に優れ、機能寿命が長い。また自然素材(天然の粘土を成形乾燥後窯で焼成するので、地球の地殻組成とほぼ同じ)で出来ているため環境汚染など環境への負荷が少ない。環境微生物との親和性すなわち環境適応性に優れていることから、河川や地下水浄化などへも応用されている。

コンクリート製のものもあり、主に下水道管など地中埋設用に用いられる。下水道内には硫黄を含んだ化合物が流れているため、下水中で硫酸塩還元細菌により硫化水素が発生し、さらには水中から硫化水素が出ると、今度は硫黄酸化細菌により硫酸が発生するために、コンクリート製の土管が腐食するという問題も起きている[1]。 また、酸性の廃液が流れてもコンクリート製の土管の腐食は起こる。道路の下に埋設されている下水管が腐食し、崩れて道路が陥没する事故も起こっている。

架空世界での扱い

任天堂のゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』シリーズにおいては、地下のダンジョンへの入り口やワープゾーンや敵の出現ポイントなどとして用いられているし、さらに『スーパーマリオブラザーズ3』では「土管の国」という土管が非常に多く配置されたステージ群まで存在する。また藤子・F・不二雄原作の漫画『ドラえもん』においては空き地に3本積み上げられているのが度々登場しているし、その周辺がしばしば溜まり場として利用されている。他にもテレビ番組『お笑いマンガ道場』では富永一朗の作品で鈴木義司の住まいに使われている。 これらが広く知られていることから、日本において土管といえば人が入れるほどの大きさのものをイメージする人が多いが、実際には多種多様な大きさの土管があるのは上記の通りである。 なお、『土管』という名称の作品[2]も存在する。

関連項目

脚注

  1. ^ 日本下水道事業団 『硫酸塩還元細菌&硫黄酸化細菌』
  2. ^ 佃典彦 『土管』 1998年8月30日発行