熱帯
地球上で緯度が低く年中温暖な地域
熱帯(ねったい)は地球上で緯度が低く年中温暖な地域のことである。緯度による定義、気候区分による定義が存在する。


緯度による定義では、赤道を中心に北回帰線(北緯23度26分22秒)と南回帰線(南緯23度26分22秒)に挟まれた帯状の地域を意味する。英語で熱帯を意味するtropicsは、回帰線(tropic)から生まれた言葉である。
気候区分による定義は気象学者によって複数存在する。以下では、気候区分による定義、それもケッペンの気候区分における定義に基づいた内容を紹介する。ケッペンの気候区分における記号はA。
定義
ケッペンの気候区分においては次のように定義される。
特色
両回帰線にはさまれた地域は日射量が多いため年中温暖となり、それによって上昇気流が生ずるため低気圧地帯となる(熱帯収束帯)。この低気圧によって豊富な雨量が得られ、直下には熱帯雨林が形成される。この熱帯収束帯は季節によって太陽の通る緯度が変わるため、それにあわせて南北に動く。これによって夏にのみ熱帯収束帯に入る地域は、冬に乾期が来るサバナ気候となる。ただし、大陸東岸ではモンスーンの影響のため乾期が目立たず、熱帯モンスーン気候と呼ばれる。
分布地域
アマゾン川流域およびカリブ海沿岸周辺地域、コンゴ川流域を中心とするアフリカ大陸中部、インド、インドシナ半島、フィリピン、インドネシアからオーストラリア北部およびその周辺地域、ミクロネシア、ポリネシアおよびメラネシアなど太平洋の島々などが主な分布地域である。
日本では東京都小笠原村の南鳥島[1]、硫黄島[2]、沖縄県の多良間島[3]、石垣島[1]、西表島[1]、与那国島[1]、波照間島[3]、沖大東島[4]などがこれに該当する。