ダニエル・K・イノウエ国際空港

アメリカ・ハワイ州にある空港

これはこのページの過去の版です。Belle Equipe (会話 | 投稿記録) による 2010年1月1日 (金) 11:48個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (コミューター・ターミナル)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ホノルル国際空港( -こくさいくうこう、Honolulu International Airport)は、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島ホノルル近郊にある国際空港。

ホノルル国際空港

IATA: HNL - ICAO: PHNL
概要
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
所在地 ハワイ州ホノルル市
種類 官民共用
標高 4 m (13 ft)
座標 北緯21度19分07秒 西経157度55分20秒 / 北緯21.31861度 西経157.92222度 / 21.31861; -157.92222座標: 北緯21度19分07秒 西経157度55分20秒 / 北緯21.31861度 西経157.92222度 / 21.31861; -157.92222
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
08L/26R YES 3,749×46 舗装
08R/26L YES 3,658×61 舗装
08W/26W NO 1,524
04L/22R NO 2,119×46 舗装
04R/22L YES 2,743×46 舗装
04W/22W NO 914
リスト
空港の一覧
テンプレートを表示

概要

太平洋地域のハブ

ハワイ州最大の都市であるホノルル市、真珠湾の南東に位置するハワイ州最大の国際空港で、オアフ島のみならずハワイの空の玄関口である。

アメリカとアジアを結ぶ太平洋航空路の結節点に位置することから、アメリカの航空会社のみならず日本フィジーフィリピンカナダオーストラリアニュージーランドなどの環太平洋地域各国の航空会社も多く乗り入れる太平洋地域のハブ空港的存在である。また、オアフ島に隣接するハワイ諸島へのハブ空港にもなっている。

24時間空港

 
リーフ・ランウェイ
 
ウィキウィキバス

24時間空港で日中夜間を問わず発着数も多く、4つの主要な滑走路と水上飛行機用の滑走エリアを持ち、海側にある08R/26L(「リーフ・ランウェイ」と呼ばれる)はスペースシャトルの緊急着陸用滑走路に指定されている。

なお、ホノルル国際空港をハブ空港とするハワイアン航空が全座席提供数の45%を占めシェア1位で、ユナイテッド航空が7.7%で2位に、日本航空が7.4%で3位となっている。

ウィキウィキバス

メインターミナル中心部を使用する便以外の国際線旅客の多くは、ターミナル到着後に到着ゲートからメイン・ターミナルの入国審査場まで「ウィキウィキバス(Wiki Wiki Bus)」と呼ばれる2両連結のバスによって移動する。このバスは同空港のシンボル的存在となっている。

しかし旧型のバスは車内に空調設備がない上、乗り換え時に空調のない屋外へ出なければいけないことや、段差がありバリアフリー対応が難しいことから、新しく建設される連絡通路と動く歩道の完成後には全廃されることになった。2009年10月16日より、ゲート26から34までのターミナル北側のウイングについて先行して工事が開始されたが、2009年末現在、動く歩道はごく一部しか設置されていないため、国際線が先述のゲートに到着した場合は、車椅子利用など介助の必要なケースのみ2階からウィキウィキバスで移動、他の大半の利用者は3階の数百メートルある通路のほぼ全区間を徒歩で移動することが必要となっている。

団体客専用出口

なお、日本をはじめとした周辺諸国から団体ツアー客が多く訪れることもあり、ターミナルの国際線旅客用出口には、団体ツアー客向けの大型バスの駐車場に直結した団体客専用出口が用意されている。

ヒッカム空軍基地

隣接地にアメリカ合衆国空軍ヒッカム空軍基地があり、滑走路をホノルル国際空港と共有している。同基地は太平洋の中心に位置することもあり、アメリカの世界戦略における重要拠点の一つである。

就航路線と航空会社

ターミナルは国内線と国際線が使用するメイン・ターミナルと、ホノルル国際空港をハブ空港とするハワイアン航空が使用するインター・アイランド・ターミナル、ハワイ諸島内の便が使用するコミューター・ターミナルの3つがある。なお、出発カウンターや連絡通路などの空港内の公共スペースの多くがオープンエアとなっている。

メイン・ターミナル

 
メイン・ターミナル
ロビー 4
ロビー 5
ロビー 6
ロビー 7
ロビー 8

インター・アイランド・ターミナル

 
インター・アイランド・ターミナル

コミューター・ターミナル

 

廃止された航空会社

日本からの直行便

ホノルルを含むハワイ州を訪れる日本人観光客は、1964年の海外旅行自由化以降増加を続け、1988年12月のアメリカ合衆国の観光ビザ免除以降増加に拍車がかかり、円高もあって1997年には年間約222万人とピークを迎え、同年夏スケジュールでは、ホノルルに向け東京から週69往復(成田週64往復+羽田週5往復)、大阪から週35往復、名古屋から週21往復、福岡から週14往復、札幌から週7往復、仙台から週5往復の週計151往復もの定期便が運航されていた[1]

その後、海外旅行先の多様化を受けて日本人観光客は漸減し、2001年アメリカ同時多発テロ事件2003年SARS流行などの影響でさらに減少、さらに2007年世界金融危機2008年には原油高による燃油サーチャージ導入とほぼ時を同じくしたリーマン・ショックなども追い打ちをかけ、2008年の年間日本人観光客数はピーク時のおよそ半分の年間116万人強程度となり[2]、観光ビザ免除制度が導入されて以来最少となった。そのため、一時は日本航空を中心に日本各地の最大8空港[3]から運航されていたホノルル国際空港への定期直行便も、2025年10月現在では成田国際空港関西国際空港中部国際空港との間のみ、週70往復(+JALウェイズコナ国際空港直行便の折り返しホノルル経由週7便)と全盛期の半分以下となっている。

2009年になり、2月まで対前年比での減少傾向は続いていたものの、前年から続く円高の影響もあって3、4月は前年比で日本人観光客の数は増加に転じ、通年でも対前年同数に近付く傾向が見られていた。しかし新型インフルエンザの世界的流行によりゴールデンウィーク頃から日本人観光客が激減、対前年同月比で5月は約85%、6月に至っては約67%となり、年間累計でも対前年90%を割る状態に再び悪化、その後も8月までは前年比90%強程度の人数で推移したため[4]ノースウエスト航空などは閑散期に一部の日本路線を間引き運航するなどしている。

2025年10月現在でも、日本-ホノルル間は、5つの航空会社により1日に11便から13便[5]が運航され、その多くがワイドボディ、もしくはセミワイドディ機で運航されるという、日本有数の需要を誇る中距離国際線の1つではあるが、日本航空やノースウエスト/デルタ航空が使用している大型機材の大半はボーイング747などのうち長年使用された機材のため、機材不良による遅延や運休が頻発する一因になっている。

JALグループ

国際線シェア1位

 
日本航空のボーイング747-400型
 
ホノルル線専用機材「アロハ・エクスプレス」

1950年代から現在に至るまで1日に複数便を乗り入れている(1970年代までは、航空機の航続距離の関係でホノルルを経由しアメリカ本土に行く路線も運航されていた)日本航空グループは、日本の航空会社として唯一複数の地点から1日に複数便を運航している。

なお日本航空グループは、その殆どの便がボーイング747-400で運航されていることもあり、同空港の座席供給数でシェア3位を占めており、国際線並びに外国航空会社としては1位のシェアを誇っている。

また、繁忙時には増便されるほか、年末年始やゴールデンウィーク、さらには同社がスポンサーとなっている「ホノルルマラソン」の開催時には臨時便が運航され、その結果、成田国際空港と関西国際空港、中部国際空港から1日8便から10便が運航される上に、地方発のチャーター便も運航され、その結果10機以上の同グループの航空機がホノルル国際空港に並ぶこともある。

充実したサービス

これらの事から、メイン・ターミナルのロビー5は日本航空グループのみが利用している(日本航空グループ以外でメインターミナルのロビーを1社で占有しているのは、ロビー8を占有している座席供給数シェア2位のユナイテッド航空のみ)。

また同社は、日本の航空会社として唯一、ファーストクラスの設定がある便を運航しているだけでなく、上級クラスおよびマイレージ上級会員向けの専用ラウンジである「サクララウンジ」をホノルル国際空港内で提供している。

1980年代には「アロハ・エクスプレス」と命名された2機のボーイング747-200B型機を、ホノルル線専用機材として運航していたこともある。

チャーター便

東京国際空港発着の深夜チャーター便や、かつて定期便が運航されていた上記の空港をはじめとする主要地方空港から、日本航空などによるチャーター便が運航されることも多い。

廃止された路線

 
ユナイテッド航空のボーイング747型機とパンアメリカン航空のボーイング707型機(1973年

日本-ホノルル線を運航していたものの撤退した航空会社は多く、古くは英国海外航空の世界一周便の一部として東京国際空港からの直行便が1970年代初頭まで運航されていた他、タイ王国のエア・サイアムが運航していたこともある。また、開設当初から同路線のアメリカ側航空会社の主力であったパンアメリカン航空は、1985年に同社の経営状況悪化により路線をユナイテッド航空に譲渡した。

その後、1990年代には日本エアシステムが成田国際空港との直行便を運航していたが、短期間で運休した他、全日空の名古屋空港と関西国際空港からの直行便も就航から数年で運休した。また近年の渡航者の減少を受けて、ユナイテッド航空(関西国際空港。先述の全日空路線が運休された際に路線継承しコードシェア運航していた)やコンチネンタル航空(成田国際空港と中部国際空港)、ノースウエスト航空名古屋空港(当時)などの直行便も相次いで運休となった。

なお、過去にはノースウエスト航空(運航開始当初はハワイアン航空名義)およびJALウェイズによって福岡空港との間にも直行便が運航されていたが、収益率が低いことを受けて前者は1990年代後半に、後者は2005年10月5日をもって運休となった。また、日本航空グループは新千歳空港仙台空港との間にも毎日定期便を運航していたほか、広島空港新潟空港などの地方空港との間にも週2往復程度直行便を運航していたが、いずれも近年の日本からハワイへの渡航者の減少と、乗客当たりの収益率が低いことを受け運休となった。

その他、アシアナ航空韓国)、エバー航空中華民国)などもそれぞれの国から直行便を運航していたが、いずれも短い期間で運休となったほか、かつてカナディアン航空が運航し、その後同社を買収したエア・カナダが路線を引き継ぎ運航していたホノルル―シドニー便も運休となった[6]

また、ホノルル空港とハワイ諸島各地を結んでいたアロハ航空が2008年4月1日をもって運航停止、その数日後には、アメリカ西海岸複数都市とホノルルを結んでいた格安航空会社ATA航空が相次いで運行を休止、原油価格の高騰もあり、一時ハワイ諸島間、米本土との間の航空運賃が高騰する原因となった。

空港へのアクセス

現在ホノルル市内と空港を結ぶ鉄道地下鉄は存在しないが、ホノルル市内とは路線バスThe Bus」や、主要ホテルなどとの間を結ぶエアポート・エクスプレスで結ばれている他、州間高速道路H-1号線を使いタクシーで25-30分程度で行くことができる。また、空港内には多くのレンタカー会社のカウンターが設置されており、多くの旅客が使用している。

脚注

  1. ^ 地球の歩き方」⑤ハワイ1998〜1999年版P493掲載「★日本→ホノルルのフライト・スケジュール★」97年6月現在
  2. ^ 2008 Monthly Final ハワイ州経済局(DBEDT)
  3. ^ 羽田経由であったチャイナエアラインはその後成田に集約されたが、2000年代前半に新潟空港広島空港から週2便が定期運航されていた。
  4. ^ Monthly Visitor Statistics ハワイ州経済局(DBEDT)
  5. ^ アロハストリート
  6. ^ ACによるホノルル―バンクーバー国際空港間は継続運航。なおホノルル―シドニー間の路線はジェットスター航空ハワイアン航空が運航中。

関連項目

外部リンク