リスアカネ
リスアカネ(りす茜、学名 Sympetrum risi risi )は アカネ属のトンボの一種。国内では本州、四国、九州に分布する。北海道産は別亜種のヒメリスアカネ(姫りす茜、学名 Sympetrum risi yosico )とされる。和名のリスはスイスのトンボ学者の名前に由来するもので、ネズミ目リス科のリス(栗鼠)とは全く関係がない。
| リスアカネ | |||||||||||||||||||||||||||
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上から見た成熟雄。ほっそりした体型。
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| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Sympetrum risi risi (Bartenef, 1914) | |||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
| リスアカネ |
形態
成虫は体長36~43mm程で、翅の先端に褐色の斑紋がありノシメトンボ、コノシメトンボに似る。ノシメトンボよりもひと回り小型。コノシメトンボと比べても若干小型で体型は全体的にやや細身である。
雄の腹部の黒斑はあまり発達せず、背面まで回り込まないこと、第7節~第9節の黒斑が繋がっているように見えるのが特徴である。雌は区別が難しいが、翅の褐色斑はコノシメトンボと比べるとかなり薄い。雌雄とも顔面に眉班はなく、成熟が進むと翅の先端のみならず、翅全体がやや褐色を帯びてくるようになる。
また、これら三種は胸部側面の斑紋の形状がそれぞれ異なることで区別することができる。本種は胸部側面の3本の黒条のうち、中央の1本が両端の2本より少し短く、上端までわずかに達しない。しかし、まれにノシメトンボのように上端にまで達している個体があらわれることもあり、注意が必要である。
生態
成虫は6月下旬頃から羽化が始まり、11月下旬頃まで見られる。アカネ属の中で最も薄暗い環境を好む種。平地から丘陵地にかけての、周囲を樹林に囲まれたような閉鎖的な池沼でよく見られ、あまり明るく開放的な環境では見られないことが多い。アキアカネなどとは違い遠くまで移動することはなく、羽化後も羽化水域の近くに留まる。
未熟なうちは雌雄とも黄褐色の体色をしており、成熟した雄は腹部がやや朱色を帯びた赤色に、胸部は濃い褐色になる。雌は成熟しても体色が全体に濃くなる程度であるが、寒冷地ではまれに腹部背面の赤化する個体が現れる。産卵は打空産卵で、水のない池畔の土や枯れ草の上で雌雄が連結して行うことが多いが、雌が単独で産卵することもある。
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縄張りを守る成熟雄
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成熟した雌
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雌の顔。眉斑はない。