トップをねらえ!
『トップをねらえ!』(Aim for the Top GunBuster) は、1988年、ガイナックスにより1話30分、全6話のOVAとして製作・販売され、人気を博したSFロボットアニメである。第21回(1990年度)星雲賞メディア部門受賞。
| トップをねらえ! | |
|---|---|
| ジャンル | ロボットアニメ、SFアニメ |
| OVA | |
| 原作 | 岡田斗司夫 |
| 監督 | 庵野秀明 |
| キャラクターデザイン | 美樹本晴彦 |
| メカニックデザイン | 宮武一貴 |
| アニメーション制作 | GAINAX |
| 製作 | 早川忠継、生明俊雄 |
| 話数 | 全6話 |
| 映画:トップをねらえ! 劇場版 | |
| 監督 | 庵野秀明 |
| 制作 | GAINAX |
| 封切日 | 2006年10月 |
| 上映時間 | 95分 |
| テンプレート - ノート | |
概要
ビデオ1巻につき2話収録。1巻あたりの制作費は2500万円。1巻あたり3万本を販売[1]。VHS、ベータマックス、LD、VHD、ビデオCDの5方式にて各全3巻リリース。のちに『新世紀エヴァンゲリオン』を手がける庵野秀明が初監督を務めた。当然カラー作品だが、最終回の第6話はほぼ白黒であり、ラストシーンのごくわずかな着色を際立たせている。このラストは企画段階ですでに構想されており、庵野と岡田は「これならいける」という確信があったという。
そもそも本作品はガイナックス第1回製作アニメ『王立宇宙軍〜オネアミスの翼』の興行不振により生まれた借金を返済する為に作られた(本来、ガイナックスは『王立~』だけを制作して解散するはずの組織だった)。秀作ではあったが地味目の作風がアニメファンへ受けが悪かった『王立~』の反省を踏まえ、この作品では、キャラクターデザインに当時『超時空要塞マクロス』などで人気のあった美樹本晴彦を起用、アニメ『エースをねらえ!』や映画『トップガン』を始めとする往年の作品のパロディ的な構成(題名は両作の合成)とし、昭和時代の名作アニメ・特撮作品に対するオマージュを盛り込むなど、あからさまなまでにファンの受けを意識した作風となった。この結果、狙い過ぎとの批判も生んだ(過多に露出されたデザインの戦闘服や妙に揺れる胸、不必然に多数挿入される女性の裸体シーンなど)ものの、思惑通り大多数のアニメファンに歓迎され、ビジネスとして成功している。
受け狙いのみならず、ジョー・ホールドマンのSF小説『終りなき戦い』から着想を得て、「ウラシマ効果」を積極的にストーリーに取り入れるなど、根底には(後の庵野作品にも通じる)重厚なSF描写や細かい科学設定があり、21世紀に入ってもなお根強い人気を誇っている。日本国外では正式なリリースはされなかったものの、私的に入手するなどした他国のアニメファンなどからも高い評価を受けた。
発売当時の宣伝等では主人公であるタカヤ・ノリコとその声優である日高のり子、そしてオープニングテーマ『アクティブ・ハート』・エンディングテーマ『トライAgain…!』を歌っている当時はアイドル歌手だった酒井法子の「トリプルノリコ」を売りにしていた。岡田斗司夫によれば、当初は酒井にノリコ役を演じることも依頼しようと検討されていたらしい。
第5話の合体したガンバスターによる戦闘シーンの収録は「絶叫で喉がつぶれてもいいように」との理由から、必殺技名を叫ぶシーンのアフレコだけが敢えて最後に回された。第5・6話の他シーンの収録が終わったあと、一部の関係者が居残ってアフレコが行われた。監督の庵野秀明はスタジオ内に入り、日高の目の前で「自ら必殺技名を絶叫してみせる」という体当たりの演技指導を行った。汗だくで息も絶え絶えにベンチに倒れ込んだほど熱を入れて指導する庵野の姿勢に、日高は奮起して更に真剣にアフレコに臨んだという。同席していた佐久間レイや川村万梨阿は「本当に血と汗と涙のアフレコ」「収録の後は(日高から)エクトプラズムが出ていた」と証言している。現場の凄まじい雰囲気が伝わるエピソードである。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。
なお、登場人物の名前はスタッフやガイナックス関係者に近しい人々の名前から取られているものが多い。例えば主人公のノリコは絵コンテ・設定を担当した樋口真嗣夫人で当作品の美術スタッフ・高屋法子から。オオタコーチは岡田斗司夫の友人である漫画家・みんだ☆なお(眠田直)の本名・太田宏一朗(ただし眠田は自分のプロフィールでは本名を公開していない)からなどである。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ストーリー
人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は宇宙生物群(通称・宇宙怪獣 (STMC))による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の後継機であるバスターマシン「ガンバスター」を製造。その搭乗員に選ばれたトップ部隊隊員の一人であるタカヤ・ノリコの双肩に人類の未来がかかる。
登場人物
- タカヤ・ノリコ
- 声 - 日高のり子
- 沖縄女子宇宙高校・通称「沖女(オキジョ)」生徒。宇宙に憧れ、宇宙を目指す少女。未熟だったが持ち前の努力心と人並外れた根性をコーチ(コウイチロウ)に見出され猛特訓し、徐々にその力をつけていく。搭乗機はRX-7(愛称:ナウシカ)とガンバスター(バスターマシン1号)。宇宙怪獣との戦闘、スミスとの死別、トラウマの克服など様々な経験をし、心身ともに飛躍的に成長する。数々の苦難を乗り越えた彼女は終盤では雲の上の存在だったカズミをそれまでとは逆に叱咤激励するまでに至る。
- 2006年9月12日生まれ。血液型はO型。中学は大阪市立三陵中学校を卒業している。父親は宇宙軍の提督で戦艦「ルクシオン」の艦長であったが、突如遭遇した宇宙怪獣の奇襲により指揮する艦隊が全滅、戦死している。
- 「タヌキ顔」とされ、バストは小さい(と、されているが、作画上はそれなりのボリュームで描かれている。また、最終話では成長し「B86くらい」になっている)。設定資料には彼女の全裸の画像もあり、局部まで描かれていたようだが、本編映像ではモザイク処理された。
- 無類のアニメ好きで、自分の部屋に『風の谷のナウシカ』などのポスターを貼っている。初めて宇宙に出るとき、カズミ、コウイチロウともに東京オリンピック開会式での日本選手団風のブレザーを着用していた。名前は先述のとおり樋口真嗣夫人で、スタジオジブリ作品でハーモニー処理を手掛ける高屋法子から。本編では終始標準語で喋っているが、庵野執筆のコミックでは南大阪出身という注釈つきで少しだけ関西弁を披露している。
- アマノ・カズミ
- 声 - 佐久間レイ
- 沖女生徒。才色兼備の優等生だがそれは日々の鍛錬に裏付けられたものである。ノリコを始め、彼女を慕う女生徒からは「お姉様」と呼ばれる。ノリコの力を疑問視していたが、次第にパートナーとして認めていく。落ち着いた性格の一方で精神的にもろい部分がある。また、「夕雲流(無住心剣流)」剣術の使い手でもある。搭乗機はRX-7(カスタム機、愛称:ジゼル)とガンバスター(バスターマシン2号)。太陽系絶対防衛戦の後にコウイチロウと結婚し沖女のコーチになったが、最終決戦に志願し、バスターマシン3号(ブラックホール爆弾)に搭乗して銀河中心殴り込み艦隊に合流した(決戦においてはユングからバスターマシン2号を譲られる)。
- 2004年11月15日生まれ、血液型B型。小説「トップをねらえ!魂」によれば、父はアマノ・ヒロユキ帝国宇宙軍少佐、母はアマノ・ツキコ航空物理学者(インコム社社員)、ともにコウイチロウの同級生で、カズミ自身も小学校入学頃からの知り合い。2018年宇宙怪獣捕獲事件の際、父は艦長を務めていた電子偵察艦ゆきかぜでワープし行方不明、母は重体となった。またその際、試作ガンバスターでコウイチロウとともに宇宙怪獣と闘い、バスタートマホークとファイナルイナズマキックで勝利する。
- 名前はガイナックス社員の岡田和美(旧姓・天野)から。
- ユング・フロイト
- 声 - 川村万梨阿
- 宇宙に上がったノリコたちが出会ったロシア(作品発表当時はソビエト連邦)からの候補生(月面基地所属)。タツミからは「天才」と呼ばれている。負けず嫌いで感情の起伏が激しく、ノリコ達に烈しいライバル心を抱いていたがやがて親友になる。「キツネ顔」とされ、バストが大きく重力が苦手。搭乗機はRX-7(カスタム機、愛称:ミーシャ)とシズラー黒(ブラック)。カズミに最初に仕掛けた技は「ジャコビニ流星アタック」(漫画『アストロ球団』に登場するジャコビニ流星打法に由来)。銀河系中心部では当初バスターマシン2号に搭乗していたが、最終決戦でカズミに譲り自分はシズラーに搭乗する。『トップをねらえ! NeXT GENERATION』によれば、地球帰還後に銀河連邦初代大統領となった。
- 2004年9月12日生まれ。なお、パイロット三人娘は全員音痴でユングが一番ひどいらしく、サントラCDに収録されたCDドラマでは、試作の音波砲(人間の声を音源に敵を撃退する兵器)の試射で自らの歌声によってエクセリヲンの第三艦橋やレーダーを大破させている。名前は精神分析の祖ジークムント・フロイトとその弟子カール・グスタフ・ユングの合成。
- オオタ・コウイチロウ(コーチ)
- 声 - 若本規夫
- 沖女の講師にしてガンバスター開発者。元はノリコの父親の部下で、ルクシオン艦隊の数少ない生き残りの一人である(その時怪我により右目を失明)。ノリコの才能に注目し過酷なまでの試練を課す。一見冷徹に思えるがその心は「炎」のように熱い。実は不治の病・宇宙放射線病を抱えている(続編『トップをねらえ2!』では既に治療法が確立されている)。小説「トップをねらえ!魂」によれば、2016年2月18日オオタ大尉は軍事裁判で無罪確定、少佐となり自ら起草したRX計画(ガンバスター開発計画)の責任者(とともに沖女の講師)となった。2018年宇宙怪獣捕獲事件の際、カズミとともに試作ガンバスターで宇宙怪獣に勝利、中佐に昇進した。2033年、銀河中心殴り込み艦隊の出撃直前にカズミと結婚するも、同年12月19日没。
- 名前は漫画家の眠田直の本名・太田宏一朗から(「コーチ」の愛称とも引っ掛けたダブルミーニングである)。なお使用している杖は『ウルトラマンレオ』の主人公に過酷な試練を課すモロボシ・ダンが使用している物と同型である。
- ヒグチ・キミコ
- 声 - 第1話渕崎ゆり子、第5・6話勝生真沙子
- 沖女時代のノリコの親友。ウラシマ効果により、地球に残った彼女と宇宙にいるノリコ達との外見年齢の差が徐々に大きくなってゆく。宇宙怪獣との戦闘にあけくれているノリコの身を案じている。第5話では結婚して姓がアカイになった。娘の名前はタカミで後に沖女に進学している。
- 2006年6月10日生まれ。OVA版では少女時代を渕崎ゆり子、成長後を勝生真沙子が声を担当したが、再編集劇場版では一貫して渕崎ゆり子が担当している。
- 名前は漫画家のひぐちきみこ(赤井孝美夫人)から。ひぐち自身、第1 - 3話エンディングの手書きテロップも担当している他、「コミックガンバスター」ではヒグチ・キミコ名義で作品を執筆し寄稿している。『トップ2』でも公式HPにて劇中では知られざる裏話を披露する漫画「不適なトリビア!」を連載。
- タシロ・タツミ
- 声 - 大木民夫
- ヱクセリヲン艦長。後に銀河中心殴り込み艦隊司令官。好々爺。緊急時に敵味方区別なく砲火にさらすなど、あわて者だが自身に課せられた使命と搭乗員たちの命の重さは十二分に理解している。「何てこった」が口癖。『トップをねらえ! NeXT GENERATION』によれば、地球帰還後にユングらと共にクーデターを起こし銀河連邦を建国した。
- 名前および顔は音響監督の田代敦巳(グループ・タック社長、『宇宙戦艦ヤマト』音響監督)から。
- 副長
- 声 - 西村知道
- 本名不明。ヱクセリヲン副長。冷静沈着で理論的。
- スミス・トーレン
- 声 - 矢尾一樹
- 宇宙に上がったノリコが出会った青年。アメリカテキサス州出身。タカヤ・ユウゾウ提督に憧れパイロットを目指し、三流の宇宙高校から水兵を経てマシーン兵器パイロットになる。搭乗するRX-7の愛称は「イーグルサム」。提督の娘であるノリコの事を気にかけていて、彼女を激励し、良い雰囲気にもなったが、直後の戦闘で未帰還となる。彼を助けられなかったトラウマのためノリコはマシーン兵器パイロットとしての能力を喪失しかけるが、それを克服させるためコウイチロウはガンバスターの操縦訓練を始めさせる。地球帰還後、ノリコはスミスの家族に彼の最期を伝える手紙を出し、スミスの兄から感謝の手紙とスミスの写真を受け取っている(小説版。スミスの写真は本編第6話にも登場している)。
- 名前はアメリカでの(日本の)マンガ翻訳のパイオニアであり、一時期ガイナックスに出入りしていたトーレン・スミスから。
- カシハラ・レイコ
- 声 - 勝生真沙子
- 沖女生徒。ノリコがトップにスカウトされた事が気に入らず、ノリコに対し陰湿ないじめをしていた。そしてノリコに決闘を挑むも必殺技・イナズマキックを浴びせられ敗北、彼女の実力を思い知った。粘着質な性格かと思いきや潔い面もあり、素直にノリコとの対決の敗北を受け入れ、彼女らを笑顔で送り出すシーンが見られる。第5話では沖女の教師になって後進の育成にあたっており、最終話では沖女の校長としてカズミと会話を交わしている。
兵器
バスターマシン、マシーン兵器
- マシーン兵器 (RX-7)
- 一人乗りの小型戦闘機怪獣対戦用の大型人型機動兵器。日産自動車とフォルクスワーゲンの共同開発という設定になっている。武装は、カリホルニウムを利用した原子爆弾とプラズマランサー。
- 直接の戦闘以外の用途にも使用されており、地球上ではバスターマシン発進時の管制など、銀河中心殴り込み艦隊では艦載砲の砲手として使われている。
- シズラー
- 量産型ガンバスター。性能はオリジナルに対してやや劣るが、開発者によるとガンバスターより実用性は優れているらしい。
宇宙戦艦
艦内インテリアやデータ表示はほぼ日本風で統一されている(人類の宇宙進出以前の日米戦争で日本がマシーン兵器の活躍によって勝利し、地球帝国を建国したという背景設定があるため)。ヱクセリヲン艦内の交通手段として鉄道が走っており、それも日本の国電を模したものとなっている。もっとも、ヱクセリヲンの艦名は英語で表記されており、ヱルトリウム時代になると艦内の表記も英語のものが増えていることが確認できる。
- ヱクセリヲン
- ルクシオンの後継艦として建造された戦艦でヱクセリヲン級のネームシップ。宇宙怪獣の研究等を目的とする艦隊を組織して出航、10年後に帰還する。この航海で艦隊はヱクセリヲンとガンバスターを除き全滅。ただ、このタイプはかなり汎用性が高いらしく、改良型のスーパーヱクセリヲン級が銀河中心殴り込み艦隊の主力として多数就役している。
- ヱルトリウム
- 地球脱出用の船として建造された全長70km超の超巨大宇宙戦艦で、ヱルトリウム級のネームシップ。太陽系絶対防衛戦後に銀河中心殴り込み艦隊の旗艦として出撃する。また、2番艦としてアレクシオンがある。『トップ2』では、建造中止された同型艦を再利用した軌道都市「木星」が登場。
注1:建造中止された同型艦と言うと、3番艦用の船体を使用しているととれる表記となるが、 確定している事はヱルトリウム級が最低2隻建造された事と、14282年に稼動可能なように見える同型の艦が発見されている事だけである。コミックにおいてアレクシオンが起動する前の段階で、既に地球の科学技術は衰退しており、単素粒子船体の製造技術は失われている。 シリウスを目的地として出発しており、後の時代に搭載されていたグレートガンバスターがシリウスに到着している事が確認されている。
注2: また、トップ世界では、後述の架空の惑星と共に冥王星も惑星として認められており、更に惑星の判定基準は新旧いずれの現実世界での基準とも厳密には異なる。 具体的には、トップ2では、天然の旧雷王星は残存核と呼ばれ、ブラックホールエグゼリオが新惑星とされている。従って「木星」と言う名前の(太陽公転)軌道都市なのではなく、ヱルトリウム級の艦体を利用した軌道都市は、木星である。
- ルクシオン
- 人類初の超光速宇宙戦艦。外宇宙の探索に出発するが宇宙怪獣と遭遇、攻撃を受け戦闘不能になり放棄。艦長はタカヤ・ユウゾウ提督。15年後に太陽系に亜光速で飛来し、再び外宇宙へ飛び去って行った。レーザー砲や宇宙魚雷を装備するが宇宙怪獣と戦うことは想定しておらず、歯が立たなかった。艦名はタキオンに対する光速で移動する粒子に由来。
- ツインヱクセリヲン級
- 銀河中心殴り込み艦隊所属。ヱクセリヲン級を横に2隻繋げたような形をしている。縦に繋げたものもあるが、名称は明らかではない。
- スーパーヱクセリヲン級
- 銀河中心殴り込み艦隊所属。銀河中心部で遭遇した宇宙怪獣には歯が立たなかった。全長約30km[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。
- トライオン
- 級名不明。『NeXT GENERATION』に登場する。分離子艦トライオンβはほぼヱクセリオン級と同型と見られ、その3倍程度の大きさである。
宇宙軍艦隊(巡洋艦、艦載機など)
- たーじおん
- ヱクセリヲン艦隊に所属する巡洋艦。リーフ64会戦で轟沈。戦闘シーンはなく、重力ターンを終了した初登場シーンから、次の登場シーンでは真っ二つに折れてしまっていた。艦名はタキオンに対して光速には達しない粒子に由来。
- ボゾン
- ヱクセリヲン艦隊に所属する重巡洋艦。火星沖会戦で操舵不能に陥った。画面には登場しない。艦名は整数のスピンを持つ粒子に由来。
- フェルミオン
- ヱクセリヲン艦隊に所属する巡洋艦。火星沖会戦で自沈。ヱクセリヲンとガンバスター以外で唯一最後までねばっていた艦。艦名は整数+1/2のスピンを持つ粒子に由来。
- コスモアタッカー
- 宇宙戦闘機。ビーム砲やミサイル、イナーシャル・キャンセラーを装備し、戦闘直前に組み立て発進する。RX-7と並ぶ対宇宙怪獣用の小型戦力。
- 亜光速回収艇
- 太陽系内ならば十分に活動できる小型宇宙船。ルクシオン飛来時にコウイチロウがノリコとカズミを回収するために使った。
- ルクシオンの脱出艇
- ルクシオン内部に搭載されている。戦闘不能に陥ったルクシオンの乗組員49名を乗せて地球に帰還した。
- 続編『トップ2』ではこのシーンのオマージュとして戦艦カラコルムの脱出艇が数秒間登場する。
兵器など
- 縮退炉
- アイス・セカンドの重力崩壊を利用する動力機関。暴走するとボイド効果により人工ブラックホールとなる。人類が生み出した最大の動力であり、ワープ航法を可能にした他、人工重力、慣性制御やバリヤーなどに用いられる。シズラーに搭載されている星3号縮退炉の生み出す熱量は太陽と同じだとされる。本作の後の世界では、縮退炉が宇宙怪獣を引き寄せる可能性があるとして大半が封印された。
- プラズマランサー
- RX-7やシズラーの使う電撃兵器で、両端から電撃を発する。電撃に弱いという宇宙怪獣の弱点に着目している。
- プラズマソード
- 同じくRX-7の電撃兵器。こちらは敵に刺突して電撃を浴びせるもの。ユングはこれを主に使っている。剣として用いることも可能。
- カリホルニウム核爆弾
- RX-7に搭載する遠距離兵器であり、兵隊級宇宙怪獣に使用される。核弾頭としての寿命が3時間と短いので、戦闘では必ず使用することが求められる。
- レーザー砲
- 艦艇による砲撃など様々なものが見られる。宇宙軍の標準装備と言ってもよい。宇宙怪獣に対してはそれなりの効果があるらしい。色は赤。ちなみに『トップ2』では青になっていた。
- 光子魚雷
- 人類初の縮退兵器。戦艦に搭載される必殺兵器だが、巡洋艦級の宇宙怪獣はこれを数発食らっても生きていた。ガンバスターが指先から連射するバスターミサイルも光子魚雷。こちらはかなり大型の宇宙怪獣を消滅させた。ヱクセリヲン艦内にある格納庫では光子魚雷のケースに核兵器を示す放射能マークがついている。
- バリアー
- トップをねらえには、複数の種類のバリアーや防御兵装が存在する。後述の通り、一部はパロディ的効果を狙ったものもある。
交通機関
- ウルトラひかり
- 作中世界の高速交通機関として、第五話に登場。東京 - 沖縄間をわずか数時間で結んでいる。作品中で「時速750km」の表記が見られる。
- 軌道ロープウェイ
- 第6話に登場する、地上基地と宇宙ステーション・メリディアンスターとを結ぶ軌道往還交通機関。「太陽系絶対防衛戦の英雄」オオタ(アマノ)・カズミと案内役の宇宙軍士官のバスターマシン3号=ブラックホール爆弾に関する対話の背景である。軌道エレベータのパロディ。車内放送もリアルに作られているが、宇宙まで行くのに耳がツーンとする事があるというアナウンスなどもある。
- ヱクセリヲン鉄道
- 作中に登場する宇宙戦艦ヱクセリヲン内を走る鉄道である。略称はEX THUBE(EXELION THUBEの略)。
- 路線は、右舷線、中央線、左舷線、上甲板線、工事中路線があり、第一艦橋、第二艦橋、主機関室、主推進機前、主電探室に停車する環状快速電車も存在する。(株)ヱクセリヲン高速鉄道という表記があることから、地球帝国宇宙軍の管轄ではないことが伺える。使用車両は103系200番台(作中での登場車両はクモハ103-231、モハ103-221)。車両は路線によって塗装が異なる。架線がないことから第三軌条方式を採用していることがわかる。
サブタイトル
- 第1話「ショック! 私とお姉様がパイロット!?」
- 沖女におけるカズミとノリコのパイロット選抜に関するエピソード。
- 第2話「不敵! 天才少女の挑戦!!」
- ユング登場。太陽系外縁部に光速で飛来した物体の調査作戦が行われる。
- 第3話「初めてのときめき☆初めての出撃」
- リーフ64会戦。スミス登場。
- 第4話「発進!! 未完の最終兵器!」
- 宇宙怪獣に裏をかかれ、太陽系への侵入を許す。火星沖会戦。ガンバスター初出撃。
- 第5話「お願い!! 愛に時間を!」
- 太陽系絶対防衛戦。バスターマシン1号、2号での初出撃。そしてガンバスターに合体。
- 最終話「果てし無き、流れのはてに…」
- バスターマシン3号が完成、銀河中心部いて座A*にて最終決戦「カルネアデス計画」。
科学講座用語
『トップをねらえ!』の世界に設定された科学講座にでてくる用語。以下は『サイバーコミックスNO05』(バンダイ、1988年(昭和63年)12月25日)を出典とする。
- エーテル理論
- 1995年に天才物理学者R・タンホイザー(? - 2013年5月4日失踪)が「Pacific Sci-ence」誌上に発表した「運動する物体のエーテル電磁気学」にはじまる、1995年 - 1999年におよぶ一連の論文により確立された。内容はゲージ理論、超弦理論、高次元空間理論により電磁、弱、強、重力相互作用を量子化し述べたもので、超統一理論であった。それによると互いに回転する複数のブラックホールに(エネルギー運動量が保存されない)高次元時空の泡が存在することが示されのちにタンホイザー・ゲートの名で知られる事になる。タンホイザーはこの功績で5年連続ノーベル賞を受賞している。
- タンホイザー・ゲート
- (名称はSF映画『ブレードランナー』の終盤の台詞から)
- バニシング・エンジン(バニシング・モーター)
- タンホイザー・ゲートを利用し、この世界唯一のCプラス航法(光速を越えたように観測される航宙方法のこと)であるワープを可能とするエンジンのこと。なお超光速航法の正式名称は「次元波動超弦励起縮退半径跳躍重力波超光速航法」である。
- イナーシャル・キャンセラー
- Gレーザー(GRASER, GRavity Amplification by Stimulated Emission of Radiation:放射誘導放出による重力増幅。イギリスのウィンズゲールにあったGレーザー研究所による研究段階では多量の水素原子を融合させ強大な重力波を得る)の技術による慣性消去システム。主にタンホイザー・ゲート内を超光速で移動していたワープ装置搭載の宇宙船がワープアウトし通常空間にもどった際などに、光速の90%もの速度による慣性を制御するため使用される。ただし小型化できコスモアタッカーにも搭載されている。岡田斗司夫の発言によると、ワープ、人工重力、イナーシャル・キャンセラーとバリアーは全て、バニシングモータで形成したタンホイザーフィールドの、様々に形を変えた使用法に過ぎない。イナーシャル・キャンセラーは自身の慣性の制御の他に、第4話で宇宙怪獣を受け止めた時のような使用も可能である。『スーパーロボット大戦シリーズ』では、敵の攻撃を防ぐバリアーとして登場し、バスターシールドとは別のシステムと設定されている。
- バニシング事件
- 2007年10月に人類初のワープ装置が実験中に消滅した事件。これがバニシング事件と呼ばれ、後にワープ装置はバニシング・モーターと命名された。原因のひとつはMBH(マイクロブラックホール)制御技術とイナーシャル・キャンセラーが実用化にまで至っていなかったことである。
トップ世界の太陽系
『トップをねらえ!』の世界では冥王星(製作当時は第9番惑星とされていた)より外側に4つの惑星と太陽の伴星「ねめしす」が発見されている。
| - | 10 | 11 | 12 | 13 |
|---|---|---|---|---|
| 名前 | 魔王星 Lucifer |
智王星 Metis |
神無月星 Kaminatukisei |
雷王星 Jupiter2 |
| 軌道要素 | ||||
| 軌道半長径 (a) | 45.306AU | 89.609AU | 97.997AU | 281.72AU |
| 離心率 (e) | 0.021 | 0.042 | 0.025 | 0.448 |
| 公転周期 (P) | 666.00年 (逆行) |
744.44年 | 856.78年 | 5659.8年 |
| 衛星の数 | 3 | 0 | 1 | 0 |
| 物理的性質 | ||||
| 直径 | 764,700km | 14,864km | 3,444km | 164,200km |
| 質量 | 154,200 (地球=1) |
1.347 | 0.073 | 427.11 |
| 平均密度 | 1.97 | 4.2 | 5.0 | 1.2 |
| 赤道重力 | 16.819G | 0.97G | 0.077G | 2.66G |
| 自転周期 | 1.875日 | 2.838日 | 216.22日 | 98.100日 |
第5話の「太陽系絶対防衛戦」における雷王星軌道付近でのエクセリヲンの自沈によって、魔王星と智王星は軌道を外れ、雷王星も構成物質の9割を失った。また木星はバスターマシン3号(ブラックホール爆弾)建造のために使われ、やはり消滅した。
雑学
- 終盤で登場するカタカナのキーワードが一文字だけ逆さなのは、特定の文字文化が衰退してしまい、その時点で解読が困難だったからという設定(考案者の岡田斗司夫の発言、BSアニメ夜話より)。
- グレートアトラクター編によると主人公の帰還後急いでいたために間違えたとなっている。
- 概要でトップガンの構成も書かれてはいるが製作当時庵野監督は「見た事がない」と公言している。
スタッフ
関連作品
漫画
- コミックガンバスター
- バンダイ出版から刊行された全2巻のコミックアンソロジー。作品に直接関わったスタッフはもちろん、多数の豪華ゲストがコミックやイラスト、小説を寄稿。設定資料集としても充実しており、作中では語られなかったエピソードや裏設定なども多数公開されるなど、本編の副読書的内容にもなっている。
小説
- 『トップをねらえ!』『トップをねらえ! 完結編』
- 著者:飯野文彦(ケイブンシャノベルズ)
- 前後編。ストーリーはほぼ本編と同一。
- TOP GUN BUSTER
- 著者:苑崎透(『コミックガンバスター』バンダイ 1989年 ISBN 4891890312)
- 2015年のルクシオン遭難事件について(前日譚)。
- トップをねらえ!魂
- 著者:三雲岳斗(『SFJapan』SFアニメ特集・GAINAX(vol.05 2002 夏期号 徳間書店 ISBN 4197202148))
- 2018年の宇宙怪獣捕獲事件について(前日譚)。
ゲーム
- 読者参加ゲーム『トップをねらえ!』
- コンプティークに隔月連載(偶数月)。一定の条件で2人1組のキャラクターを作成し投稿。作戦遂行と帰還を目指す。帰還の回数が増えるごとにポイントが上がっていく。
- キャラの出身校は沖女は勿論キエフやカリフォルニア、香港など様々な場所を選べ、出身校ごとに特色のある武器が使えた(沖女=トンファー、キエフ=斧、カリフォルニア=投げ縄、香港=ヌンチャクなど)。
- トップをねらえ! 燃えろ!国際マシーン兵器大会!!
- 1989年にバンダイ文庫から発売されたゲームブック。本編の外伝的内容となっている(バンダイ文庫出版 山口宏著・スタジオハード編)。
- トップをねらえ! GunBuster
-
- Vol.1 - 1992年6月(PCエンジン・スーパーCD-ROM²)
- Vol.2 - 1993年3月(同上)
- アニメ映像を使用したデジタルコミック(アドベンチャーゲームの一種)。発売元は共にリバーヒルソフト。
- トップをねらえ! GunBuster
- 2005年2月(プレイステーション2)
- バンダイより発売の3Dアクションゲーム要素のあるアドベンチャーゲーム。後述するCD「音楽大全集」の解説書に収録されていた“昭和63年9月24日 - 平成元年3月18日まで26話放映された幻のTVシリーズタイトル”(あくまでも架空のタイトルリスト)に基づき、欠番設定の1話を除いた全25話でストーリーを構成。
この他、バンプレストのゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』において、本作のキャラクター・メカ・ストーリーの一部が登場している。
なお、1990年にガイナックスより発売されたPC-8801・PC-9801・MSX2版のクイズゲーム『電脳学園3 トップをねらえ!』については「電脳学園」の項を参照。また、後年に『新世紀エヴァンゲリオン』を題材にした脱衣麻雀ゲーム『エヴァと愉快な仲間たち 脱衣補完計画!』にも本作のキャラクターが多数登場している。
トップをねらえ! NeXT GENERATION
ノリコたちトップ部隊が銀河中心へ旅立ってから数百年後、科学技術が衰退した地球軍と地球からシリウス星系へ移住し「理力」と呼ばれる精神エネルギーを使う技術を身につけたシリウス軍の人間同士の戦いが続く時代(西暦2489年以降)を描いた続編シリーズ。タイトルの『NeXT』の「e」が小文字なのは『NeXTコンピュータ』から。小説やコミックなど複数の媒体で異なる年代のストーリーを展開する年代記形式だったが、永らく未完のまま頓挫している。『トップをねらえ2!』が完結した現在はストーリーの補完とシリーズ完結にむけての企画が再始動中。
- 『NeXT GENERATION』の第一シリーズ。本来は「タンホイザー編」にあたるのだが連載打ち切りによりプロット中盤のアレクシオン発進で終了となったため現在のサブタイトルとなる。
- 2007年3月に上下巻で初の単行本化が実現した。ただし諸般の事情から未だ完結部分の原稿は執筆・収録されておらず、下巻収録のインタビュー中で内容が語られるという形式をとっている。初期の構想ではノリコの地球帰還後の話となっていた。
- 『トップをねらえ! NeXT GENERATION』
- 著者:苑崎透(ケイブンシャノベルズ)
- 『NeXT GENERATION』シリーズの小説版。シリーズの中では最もOVA本編に近い時代が舞台である。単行本は長らく絶版となっていたが、のちにムック本『トップをねらえ! Next GENERATION Easter』に再録。
- 読者参加ゲーム『トップをねらえ! NeXT GENERATION』
- コンプティークの読者参加ゲームの続編、地球連邦vsシリウス同盟の対戦。
続編
- トップをねらえ2!
- GAINAX設立20周年記念として製作されたOVA作品。2006年8月25日に最終話「あなたの人生の物語」が発売された。シリウスや凍結艦隊など『NeXT GENERATION』で用意された設定が一部で使用されており(細かい部分での記述や設定に矛盾は生じるものの)、基本的に『NeXT GENERATION』の物語はあったものとして扱われている事がムック本等の資料で言及されている。
劇場版
- トップをねらえ! 劇場版
- 再編集版として公開。
- トップをねらえ! & トップをねらえ2! 合体劇場版!!
- オリジナルキャストによる再アフレコおよび再編集版として公開。
CD
- トップをねらえ! 音楽大図鑑
- ビクターエンタテインメント 1989年
- 主題歌やBGMといった普通のサントラのほか、以下のようなものが収録されている。
- 往年の特撮番組のソノシートを彷彿させるミニドラマ。内容解説には、過去に特撮関係書籍の挿絵を手がけた画家によるイラストも。
- 「キミも音響監督!~名セリフ大行進」と銘打って声優の一言の台詞にチャプターを付けたもの。これはチャプターを極限の99まで使い切るという意図から収録された。
- トップをねらえ! ウルトラ音楽大全集~田中公平の世界
- ビクターエンタテインメント 1996年 ASIN B00005GX2P
- 1990年発売同盤の再版。架空のテレビ設定26話を初公開。予告編1, 2, 6, 8, 11, 14, 16, 19, 20, 23, 24話音声収録。
- トップをねらえ! 響綜覧
- ビクターエンタテインメント 1994年 ASIN B00005GXEW
- トップをねらえ! なるほど大百科を付録。『トップをねらえ! 音楽大図鑑』、『トップをねらえ! ウルトラ音楽大全集~田中公平の世界』を合わせたCD。他に前2CDに未収録だった音楽、新録楽曲なども収録。音声付録は全26話(欠番含む)の予告編など収録。
- 「トップをねらえ!」 業務用BGM集
- ビクターエンタテインメント 1996年 ASIN B00005GX2O
脚注
関連項目
- トップをねらえ! シリーズサポーターズクラブ 「お前ら全員バスター軍団!」
- タブリエ・コミュニケーションズが運営するサポーターズコミュニティーサイト「BEWE」にて2006年2月10日に開設された。
- 終りなき戦い
- ベトナム戦争の従軍経験がある作家ジョー・ホールドマンによる戦記SF。トップの多くの題材はこの作品から採られている。
- レトロフューチャー
- はいぱぁナイト
- アニラジのはしりともなったKBS京都の人気ラジオ番組。ノリコ役の日高のり子が担当した金曜日では、毎回「トップ」の予告編パロディが用意されていた。庵野もたびたびゲスト出演し、「空母そそそそ」のあだ名でリスナーに親しまれていた。
- ラリー・ニーヴン
- 長い年月を経た後の文字の一部反転は「時間外世界」、絶対壊れない船殻は「ノウンスペース・シリーズ」に由来。
外部リンク
- ガイナックス公式サイト(WORKS→「トップをねらえ!」)
- ゲーム版公式サイト(バンダイ)
- バンダイチャンネル(公開中止中)
- トップをねらえ!スペシャルサイト 平和のパチンコ「CRトップをねらえ!」のプロモーションサイト。(2010年1月から全六話を無料で視聴可能になっている。動画配信システムはバンダイチャンネルが担当。)
| 星雲賞メディア部門 | ||
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第20回 1989年度
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第21回 1990年度 '『トップをねらえ!』
庵野秀明監督 |
第22回 1991年度
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