パトリック・チャン
パトリック・チャン(英語: Patrick Chan, 繁体字: 陳偉群、簡体字: 陈伟群、Chan Wai-Kwan, 1990年12月31日[3] - )は、カナダのフィギュアスケート選手(男子シングル)。2010年バンクーバーオリンピック5位。2009年世界選手権2位。2009年四大陸選手権優勝。
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![]() 2009年四大陸選手権の表彰式で | ||||||||||
生誕 |
1990年12月31日(34歳) オンタリオ州オタワ | |||||||||
身長 | 170 cm[1] | |||||||||
選手情報 | ||||||||||
代表国 |
![]() | |||||||||
コーチ | ローリー・ニコル[2] | |||||||||
所属クラブ | グラナイトクラブ | |||||||||
ISUパーソナルベストスコア | ||||||||||
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人物
1990年12月31日、オンタリオ州オタワで生まれる[3]。母は20才の時に香港からカナダに移住。父は幼少時に香港からカナダに移住してきた元卓球選手で、現在はケベックでコーチをしている[4]。
2007年度はあまり学校の授業に出ることができず、留年することにした。2008年度はオンライン授業を取っている。2009年1月からは普通の授業に戻って高校を卒業するという[3]。
エッジ全体で氷に吸い付くようなスケーティングと、15歳で出場した2006年NHK杯以来たびたびレベル4も認定されているステップが持ち味[5]。定評のあるそのスケーティングは、オズボーン・コルソンのもとで繰り返したコンパルソリーの練習が基礎になっているとされる[5]
以前は振付や衣装のデザインもオズボーン・コルソンが手がけていた。コルソンの没後はローリー・ニコルが振付を担当するようになり、2008-2009シーズンからはチャンがトロントにいる時の練習も見ているという。現在のコーチであるドン・ロウズはコルソンの教え子で、ニコルはロウズの教え子である[要出典]エラー: タグの中に無用な文字が含まれていないか、{{要出典範囲}}と{{要出典}}を間違えていないかを確認してください。貼り付け年月は「date=yyyy年m月」、チップテキストに表示する文字列は「title=文字列」と指定してください。。
2009年世界選手権でブライアン・ジュベールが4回転挑戦に消極的なライバル達を批判したことを受け、「4回転は必ずしも必要ではない。ジュベールは(負けた時の)言い訳が欲しいだけ」と反論した[6]。以前にも2008年世界選手権でチームメイトのジェフリー・バトルを批判したジュベールを「負け惜しみ」と評していた。後にジュベールは謝罪した上で反論した[7]。
経歴
5歳のときにフィギュアスケートのレッスンを受け始める。もともとはアイスホッケーをするためのスケート技術を身につけようと始めたのだが、やっているうちにフィギュアスケートの方が楽しくなったのだという[3][4]。
2005年、カナダ選手権のジュニアクラスで優勝。世界ジュニア選手権に初出場し、7位となった。翌シーズンはISUジュニアグランプリ (JGP) に参戦し、JGPモントリオールで優勝。JGPファイナルにも進出した。
2006年7月、長らく師事してきたオズボーン・コルソンが90歳で亡くなったため、2006-2007シーズンは天野真の指導のもとISUグランプリシリーズに参戦。世界ジュニア選手権では銀メダルに輝いた。その後、ドン・ロウズをメインコーチに迎え、主に彼の拠点であるフロリダで技術指導を受けるようになる。[3]。
2007-2008シーズン、エリック・ボンパール杯でGPシリーズ初優勝を果たし、GPファイナルに駒を進めた。年明けにはジェフリー・バトルを抑えてカナダ選手権を制した。17歳での優勝は史上最年少[8][9][10]。初めての世界選手権でも9位に入った。
2008-2009シーズン、GPシリーズで2戦続けて優勝。GPファイナルこそ5位に沈んだが、その後はカナダ選手権、四大陸選手権と連勝。四大陸選手権ではショートプログラムでISU歴代2位の得点をマークした。2度目の出場となる世界選手権では、銀メダルを獲得した。
2009-2010シーズン、左ふくらはぎの怪我でロステレコム杯を欠場[11]、スケートカナダでは精彩を欠き6位に終わった。カナダ選手権では3連覇を果たし、バンクーバーオリンピック代表に選ばれた。五輪では地元の大歓声や後押しの中、5位入賞を果たした。
主な戦績
大会/年 | 2004-05 | 2005-06 | 2006-07 | 2007-08 | 2008-09 | 2009-10 |
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冬季オリンピック | 5 | |||||
世界選手権 | 9 | 2 | ||||
四大陸選手権 | 1 | |||||
世界国別対抗戦 | 4 | |||||
カナダ選手権 | 1 J | 7 | 5 | 1 | 1 | 1 |
GPファイナル | 5 | 5 | ||||
GPエリック杯 | 5 | 1 | 1 | |||
GPスケートカナダ | 1 | 6 | ||||
GPスケートアメリカ | 3 | |||||
GPNHK杯 | 7 | |||||
世界Jr.選手権 | 7 | 6 | 2 | |||
JGPファイナル | 5 | |||||
JGPモントリオール | 1 | |||||
JGPスケートスロバキア | 4 |
- J = ジュニアクラス
詳細
2009-2010 シーズン | ||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
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2010年2月16日-18日 | バンクーバーオリンピック(バンクーバー) | 7 81.12 |
4 160.30 |
5 241.42 |
2010年1月15日-17日 | カナダフィギュアスケート選手権(ロンドン) | 1 90.14 |
1 177.88 |
1 268.02 |
2009年11月20日-21日 | ISUグランプリシリーズ スケートカナダ(キッチナー) | 6 68.64 |
6 130.13 |
6 198.77 |
2008-2009 シーズン | ||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
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2009年4月16日-17日 | 世界フィギュアスケート国別対抗戦2009(東京) | 9 66.03 |
2 151.95 |
4 217.98 |
2009年3月25日-30日 | 2009年世界フィギュアスケート選手権 | 3 82.55 |
2 155.03 |
2 237.58 |
2009年2月2日-8日 | 2009年四大陸フィギュアスケート選手権(バンクーバー) | 1 88.90 |
1 160.29 |
1 249.19 |
2009年1月14日-18日 | 2009年カナダフィギュアスケート選手権(サスカトゥーン) | 1 88.89 |
1 165.93 |
1 254.82 |
2008年12月10日-14日 | 2008/2009 ISUグランプリファイナル(高陽) | 6 68.00 |
5 137.16 |
5 205.16 |
2008年11月13日-16日 | ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(パリ) | 1 81.39 |
1 156.70 |
1 238.09 |
2008年10月31日-11月2日 | ISUグランプリシリーズ スケートカナダ(オタワ) | 2 77.47 |
3 137.98 |
1 215.45 |
2007-2008 シーズン | ||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
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2008年3月17日-23日 | 2008年世界フィギュアスケート選手権(ヨーテボリ) | 7 72.81 |
11 130.74 |
9 203.55 |
2008年1月16日-20日 | 2008年カナダフィギュアスケート選手権(バンクーバー) | 2 73.42 |
1 159.26 |
1 232.68 |
2007年12月13日-16日 | 2007/2008 ISUグランプリファイナル(トリノ) | 6 68.86 |
5 139.27 |
5 208.13 |
2007年11月15日-18日 | ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(パリ) | 2 70.89 |
1 144.05 |
1 214.94 |
2007年10月25日-28日 | ISUグランプリシリーズ スケートアメリカ(レディング) | 3 67.47 |
3 145.86 |
3 213.33 |
2006-2007 シーズン | |||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 | |
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2007年2月26日-3月4日 | 2007年世界ジュニアフィギュアスケート選手権(オーベストドルフ) | 1 64.10 |
4 120.45 |
2 184.55 | |
2007年1月15日-21日 | 2007年カナダフィギュアスケート選手権(ハリファックス) | 11 57.42 |
5 130.12 |
5 187.54 | |
2006年11月30日-12月3日 | ISUグランプリシリーズ NHK杯(長野) | 8 60.80 |
6 113.54 |
7 174.34 | |
2006年11月17日-19日 | ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(パリ) | 6 57.82 |
5 122.10 |
5 179.92 |
2005-2006 シーズン | |||||
開催日 | 大会名 | 予選 | SP | FS | 結果 |
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2006年3月6日-12日 | 2006年世界ジュニアフィギュアスケート選手権(リュブリャナ) | 6 105.10 |
3 59.54 |
6 108.65 |
6 168.19 |
2006年1月9日-15日 | 2006年カナダフィギュアスケート選手権(オタワ) | 4 29.75 |
6 63.85 |
10 108.71 |
7 202.31 |
2005年11月24日-27日 | 2005/2006 ISUジュニアグランプリファイナル(オストラヴァ) | - | 9 43.72 |
3 110.88 |
5 154.60 |
2005年9月22日-25日 | ISUジュニアグランプリ モントリオール(モントリオール) | - | 2 52.82 |
1 115.01 |
1 167.83 |
2005年9月1日-4日 | ISUジュニアグランプリ スケートスロバキア(ブラチスラヴァ) | - | 8 47.27 |
3 100.72 |
4 147.99 |
2004-2005 シーズン | |||||
開催日 | 大会名 | 予選 | SP | FS | 結果 |
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2005年2月28日-3月6日 | 2005年世界ジュニアフィギュアスケート選手権(キッチナー) | 2 110.22 |
11 53.24 |
6 107.77 |
7 161.01 |
2005年1月17日-23日 | 2005年カナダフィギュアスケート選手権 ジュニアクラス(ロンドン) | - | 1 53.08 |
1 98.79 |
1 151.87 |
プログラム
シーズン | SP | FS | EX |
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2009-2010 | タンゴ・デ・ロス・エクシラドス[12] 作曲:Walter Taieb, 演奏:ヴァネッサ・メイ 振付:ローリー・ニコル |
ファンタジア~「オペラ座の怪人」組曲 by アンドルー・ロイド・ウェバー 演奏:ジュリアン・ロイド・ウェバー、サラ・チャン 振付:ローリー・ニコル |
美しき生命 曲・演奏:コールドプレイ 振付:カート・ブラウニング |
2008-2009 | チェロソナタ + ピアノ協奏曲第2番[13] 作曲:セルゲイ・ラフマニノフ 振付:ローリー・ニコル |
コン・テ・パルティロ ボーカル:アンドレア・ボチェッリ | |
2007-2008 | 映画『女帝エンペラー』より 作曲:譚盾 |
四季 作曲:アントニオ・ヴィヴァルディ |
誰も寝てはならぬ 『トゥーランドット』より 作曲:ジャコモ・プッチーニ |
2006-2007[14] | グルメ・ワルツ・タルタール 『ハンニバル』より 作曲:クラウス・バデルト 振付:ローリー・ニコル |
四季 作曲:アントニオ・ヴィヴァルディ 振付:ローリー・ニコル |
誰も寝てはならぬ 『トゥーランドット』より 作曲:ジャコモ・プッチーニ |
2005-2006 | La Represion 作曲:ラロ・シフリン Feline 作曲:E. van Dijken |
ギター協奏曲 作曲:ジョン・ウィリアムズ Symphony #2 - Romantic 作曲:ハワード・ハンソン Romance from Concerto for Violin and Orchestra 作曲:エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト |
- |
2004-2005 | La Represion 作曲:ラロ・シフリン Feline 作曲:E. van Dijken |
『バックドラフト』サウンドトラック 作曲:ハンス・ジマー & Jay Rifkin |
脚注
- ^ http://www.olympic.ca/en/athletes/patrick-chan/
- ^ http://web.icenetwork.com/news/article.jsp?ymd=20100108&content_id=7892404&vkey=ice_news
- ^ a b c d e 『ワールド・フィギュアスケート 35』新書館、2008年12月、p.39
- ^ a b 国際スケート連盟によるバイオグラフィー
- ^ a b 斎藤貴子編『フィギュアスケート07-08シーズンフラッシュバック』実業之日本社、2008年3月、p.45
- ^ 「4回転は必要か否かでジュベールにチャンが反論」『スポニチ Sponichi Annex ニュース』2009年3月25日更新、同日閲覧、共同通信配信記事
- ^ AFP BB news ジュベール チャンの批判に反論、世界フィギュア[1]
- ^ Smith, Beverly (2008年1月19日). “Chan becomes youngest men's champion”. Globe and Mail 2009年3月15日閲覧。
{{cite news}}
: 不明な引数|coauthors=
が空白で指定されています。 (説明)⚠ - ^ Little, Lyndon (2008年1月19日). “Chan youngest to nab Canadian crown”. Vancouver Sun 2009年3月15日閲覧。
{{cite news}}
: 不明な引数|coauthors=
が空白で指定されています。 (説明)⚠ - ^ Cleary, Martin (2008年1月30日). “More skating success stories begin this week in Ottawa”. The Ottawa Citizen 2009年3月15日閲覧。
{{cite news}}
: 不明な引数|coauthors=
が空白で指定されています。 (説明)⚠ - ^ 【フィギュア】チャンがロシア杯欠場 左ふくらはぎの故障で「産経ニュース」2009年10月16日、2010年2月23日閲覧
- ^ 『WFS35』p.32
- ^ 『WFS35』p.33
- ^ 境田優「06-07シーズン振付師相関図」『フィギュアスケートDays vol.2』DAI-X出版、2007年3月、pp.32-35