涼宮ハルヒの消失 (映画)

2010年の日本のアニメ映画

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涼宮ハルヒの消失』(すずみやはるひのしょうしつ 英題:The Disappearance of Haruhi Suzumiya)は、谷川流ライトノベル及びそれを原作とする2010年2月6日公開の日本アニメーション映画。本項では後者について記述する。

涼宮ハルヒの消失
ジャンル SFセカイ系・学園
映画
監督 石原立也武本康弘
制作 京都アニメーション
封切日 2010年2月6日
上映時間 2時間42分53秒
関連作品
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テンプレート - ノート

概要

2009年テレビ放送の『涼宮ハルヒの憂鬱』の最終回放送終了直後、特報にて劇場公開が発表された[1]。シリーズ初の劇場版アニメーション作品で、テレビアニメ版に引き続き、京都アニメーションがアニメーション制作を担当した。物語はテレビアニメ版最終回から続く形となっており、複数の伏線が回収される、アニメ版ハルヒの集大成的な位置付けとなっている。単館系としては驚異的な興行成績を記録した。

公開当初は全国24館での上映に留まったが、3月から順次追加上映が開始され、3月9日時点で上映館数は49館に上っている(上映予定を含む)。

興行成績

シネマサンシャイン池袋では初日早朝から約500人の行列が並び終日満員となり、各館でも初日満席の回が続出した[2]。全国24館のみという小規模公開ながら、公開1週目時点で興行収入2億円、動員数14万人を記録[3]。また、2月末時点で既に興行収入は4.5億円に達しており、5億円突破は確実視されている。

ストーリー

高校1年生の冬、ハルヒ率いるSOS団の面々は以前と変わらず普通の学校生活を送っており、来るクリスマスに向けて部室で鍋パーティを開くことを企画していた。

12月18日の朝、いつもの登校路でキョンは風邪を引いた谷口との会話が噛み合わないことに違和感を持った。教室に入ると風邪が流行しているらしく、多くのクラスメイトが欠席しており、ハルヒもその中に含まれているようだった。昼休みになり、キョンは国木田と昼食を共にしたが、ここでも会話が噛み合わない。そのとき、風邪から回復したらしい女子生徒が教室に入ってきた。本来ハルヒの席であるはずのキョンの後ろの席に座ったのは、半年前に長門有希との戦闘に敗れ消滅し、表向きはカナダに転校したことになっていたはずの委員長、朝倉涼子だった。

錯乱寸前となったキョンは数人のクラスメイトに訊ねたが、その全員がハルヒの存在を知らず、朝倉涼子の転校に関しても「してない」と答えた。出席簿を確認しても、そこにハルヒの名前はなかった。他のSOS団員の姿を求め、古泉一樹の在籍する1年9組へと向かうが、9組があるはずの場所には、非常階段へ続く踊り場だけがあり、古泉はおろか9組存在そのものが消失していた。朝比奈みくるは鶴屋さんと一緒にいたが、みくるは未来人ではなくなっており、SOS団に関する記憶もさっぱり無くなっていた。

茫然自失しつつ最後の砦としてキョンが向かったのは、SOS団が占拠していた文芸部室だった。そこにあったのは、驚いた様子でキョンの姿を見つめる、眼鏡を掛けた「ただの少女」、長門有希の姿だった。

キャスト

「役名 - テレビアニメ版と同様のキャストである。キャラクターについては涼宮ハルヒシリーズの登場人物を参照。

スタッフ

  • 企画 - 安田猛、嵐智史、八田陽子、酒匂暢彦、井上俊次
  • 原作・脚本協力 - 谷川流
  • 原作イラスト・キャラクター原案 - いとうのいぢ
  • 脚本 - 志茂文彦
  • 絵コンテ - 石原立也、武本康弘、高雄統子
  • 演出 - 北之原孝将、米田光良、坂本一也、高雄統子、山田尚子、内海紘子
  • レイアウト監修 - 木上益治
  • キャラクターデザイン・超総作画監督 - 池田晶子
  • 総作画監督 - 西屋太志
  • 作画監督 - 植野千世子、秋竹斉一、池田和美、高橋真梨子、門脇未来、堀口悠紀子、高橋博行
  • 美術監督 - 田村せいき
  • 撮影監督 - 中上竜太
  • 設定 - 高橋博行
  • 色彩設計 - 石田奈央美
  • 編集 - 重村建吾(スタジオごんぐ
  • 音響監督 - 鶴岡陽太楽音舎
  • 音響効果 - 森川永子(ちゅらサウンド)
  • 録音 - 矢野さとし
  • 録音助手 - 砂庭舞(スタジオごんぐ)
  • 音響制作担当 - 杉山好美(楽音舎)
  • 録音スタジオ - Studio2010:、Studio2001:、東京テレビセンター
  • 音響制作 - 楽音舎
  • 音楽 - 神前暁、高田龍一、帆足圭吾、石濱翔、エリック・サティ
  • 音楽プロデューサー - 斎藤滋ランティス
  • 音楽制作 - ランティス
  • 制作プロデューサー - 大橋永晴
  • アシスタントプロデューサー - 山口真由美
  • アニメーション制作 - 京都アニメーション
  • 配給・宣伝 - 角川書店クロックワークス
  • 製作 - SOS団(角川書店、角川映画、京都アニメーション、クロックワークス、ランティス)
  • プロデューサー - 伊藤敦、八田英明
  • 監督 - 武本康弘
  • 総監督 - 石原立也

評価

  • ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ独自調査)では、『インビクタス/負けざる者たち』に続き初登場第2位となった。
  • 辛口で知られる映画評論家前田有一は本作を高く評価しており、「まさに非日常を日常のように体感させてくれる斬新なアニメーション作品」「ちょちょいと作ってしまおうという安直さはまったく感じられない」「実写の日本映画でこれほどの演出技法を見る機会は極めて少ない」と語っている[4]

原作との相違点

基本的にストーリーのほとんどは原作小説に忠実であり、再現度は非常に高いが、アニメ版という演出上幾つか相違点がある。

  • TVアニメ版最終話「サムデイ イン ザ レイン」の後のストーリーとなっているため、SOS団の部室にストーブが設置されている。
  • 原作ではストーリーが始まるのは12月17日となっているが、本作は1日前の16日から始まっている。1日を増やすことによって序盤にSOS団の日常を描くためであるとのこと[5]
  • 終盤、病室で意識を取り戻したキョンの見舞いに訪れたみくるの手土産が“花瓶”から“花束”に変更された。それにより、「花束を落とす」という演出も加えられている。
  • 最も大きな変更点として、ラストの病院でのキョンと長門の対話の場所が、「キョンの病室」から「病院の屋上」に変更された。屋外に変わったことにより、雪を使った演出がなされている。発案者は脚本担当の志茂文彦[6]

その他

  • 公開日初日の2010年2月6日に、新宿バルト9シネマサンシャイン池袋にてハルヒ役の平野綾、キョン役の杉田智和をはじめとするメインキャストらによる舞台挨拶が、2月20日には、京都シネマにて谷口役の白石稔と京都アニメーションスタッフによる舞台挨拶が行なわれた。3月6日には、京成ローザ10(千葉市)にて茅原実里らメインキャスト4人による大ヒット御礼の舞台挨拶が行なわれた[7]
  • 作品の英語表記については、The Disappearance of Haruhi SuzumiyaThe Vanishment of Haruhi Suzumiyaの2種の表記があり、映画公開前にWeb上で公開された予告編では後者を使用していたが、映画公開後は前者のThe Disappearance of Haruhi Suzumiyaを使用している。
  • 本作エンドロールでは監督に武本康弘、総監督に石原立也とクレジットされているが、実際は両者の担当した場面カットが異なっているだけでそれほど立場に違いはなく、実質的には共同監督であったという[8]
  • 限定前売券として特製マフラータオルセット&携帯Flash待ち受け時計付きや特定店限定など数種類の前売券が発売。また劇場来場者キャンペーンとして先着で特製メモパッドをプレゼント。劇場来場者キャンペーンとしてチケット半券2枚でフィルムブックマークもプレゼント、ただし少なくとも1枚は2010年2月27日以降の日付のみ有効。更に劇場来場者キャンペーン第二弾として3月27日より特製ポストカードセットがプレゼントされる。
  • 劇中においてファミリーマートが幾度か登場するが、その際に使用されている曲は飛蘭All I can do is singing for youである。
  • ラストの病院でのキョンと長門の対話におけるキョンの「ユキ…」という台詞だが、この台詞はシナリオにはカタカナで「ユキ」と表記されていただけであり、キョン役の杉田は「雪」とも「有希」とも聞こえるイントネーションでアフレコしたとのこと[9]。実際にキョンがどちらを指して言ったのかは不明。

関連CD

オープニングテーマ

エンディングテーマ(主題歌)

サウンドトラック

関連書籍

脚注

  1. ^ 立山夏行 (2009年10月9日). “涼宮ハルヒ:「消失」を劇場版アニメ化 10年公開へ”. 毎日新聞社. 2009年11月17日閲覧。
  2. ^ 涼宮ハルヒの消失:話題の劇場版アニメが公開 東京・池袋では500人が列毎日jp 2010年2月6日
  3. ^ 全国劇場に「ハルヒ」旋風吹き荒れる!!劇場版「涼宮ハルヒの消失」、驚異的ヒットでロードショー中!News2u.net 2010年2月12日
  4. ^ 超映画批評『涼宮ハルヒの消失』80点(100点満点中)
  5. ^ 劇場版「涼宮ハルヒの消失」公式ガイドブックより。
  6. ^ 劇場版「涼宮ハルヒの消失」公式ガイドブックより。
  7. ^ 「ハルヒ」決戦日は2月27日(土)!劇場版「涼宮ハルヒの消失」リピーターキャンペーン&舞台挨拶情報News2u.net 2010年2月25日
  8. ^ 劇場パンフレットより。
  9. ^ 劇場版「涼宮ハルヒの消失」公式ガイドブックより。

外部リンク