フクちゃん
『フクちゃん』は、横山隆一作の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。 着物に下駄、大学帽という容姿で、早稲田大学のマスコットキャラクターとしても知られる。
昭和11年(1936年)、朝日新聞東京版の連載漫画『江戸ッ子健ちゃん』の脇役として登場。 主人公の健ちゃんよりも人気が出たため、同年10月朝日新聞全国版で『養子のフクちゃん』で主人公に昇格。
その後も舞台を幾度か変えながら、昭和46年(1971年)まで、長期にわたり連載された。
ストーリーは基本的に4コマ漫画で、フクちゃんとその家族や友達のほのぼのした生活を描いている。
映像化の歴史
『フクちゃん』は何度か映像化されている。
最初の映像化は昭和11年(1936年)12月に公開された実写映画『江戸ッ子健ちゃん』で、フクちゃんを演じたのは子役時代の中村メイコだった。
昭和19年(1944年)にはアニメーション映画『フクちゃんの潜水艦』上映。 原作者の横山自身が演出に関わっていた。
昭和57年(1982年)11月2日からはテレビアニメ『フクちゃん』がテレビ朝日系で放映開始。 アニメーション制作はシンエイ動画、1回2話放映で全71回142話。 現代風にアレンジ(個々の人物設定も原作と異なる)されて、昭和59年(1984年)3月27日まで約1年半にわたり続いた。
登場人物
括弧内はテレビアニメ版の声優。
- 福山福一(声:坂本千夏)
- 通称フクちゃん。5歳の幼稚園児。坊主頭、着物に下駄と大学帽という姿で毎日元気に遊んで暮らしている。
シンエイ版アニメでは、当初普通の幼稚園児の服装・髪型だったフクちゃんが床屋でうっかり丸坊主にされてしまったというシーンから始まる。着物は福太郎のお下がりで学帽は太郎が学生時代愛用していたものと言う設定。
- 福山福太郎(声:田崎潤)
- フクちゃんの祖父。頑固者だが意外と新し物好き。
- 荒熊寛一(声:銀河万丈)
- 通称アラクマさん。九州出身で福山家の遠い親戚で、福山家に居候している。売れない漫画家。
- 清水キヨシ(声:桂玲子)
- 通称キヨちゃん。フクちゃんの友達で近所の陶器店に住む3歳の幼児。いつもフクちゃんと行動を共にしている。
- 清水ナミコ
- キヨちゃんの姉で学生。男勝り。
- 福山太郎
- フクちゃんの父。婿養子のサラリーマン。アニメオリジナルキャラ。
- 福山花子
- フクちゃんの母。専業主婦。アニメオリジナルキャラ。
- 丸井クミコ(声:栗葉子)
- 通称クミちゃん。フクちゃんの友達。同じ幼稚園に通っている女の子。アニメオリジナルキャラ。
- 花野ユカリ
- 福山家の隣に住む女性。父は花野耕作という大学教授。美人で優しく、アラクマさんやフクちゃんに慕われる。アニメオリジナルキャラ。
- シチ公
- 福山家の飼い犬で、いつもフクちゃんについて歩く。
- ガン太
- 福山家の近所のガキ大将。フクちゃんに時々意地悪をして喜んでいる。
- ドシャ子&ガラ子
- ガン太の双子?の妹。「アカチバラチー」が口癖。
小惑星「フクちゃん」
横山と同じ高知市出身の天文家・関勉は、1997年に発見した小惑星(仮符号:1997 WB30)に、この漫画にちなみ(39809)「フクちゃん(Fukuchan)」と命名。 2004年5月16日までに国際天文学連合・小惑星センター(アメリカ)に登録された。
広告
昭和37年から昭和63年まで、石川県金沢市の酒蔵、福光屋の日本酒「福正宗」の広告キャラクターとして新聞広告、テレビCM(モノクロアニメ)や販促商品に使用された。現在でも石川県や富山県の各地にフクちゃんをあしらったホーロー看板が残っている。