油屋 (千と千尋の神隠し)

アニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する架空の湯屋

これはこのページの過去の版です。211.19.225.132 (会話) による 2010年9月22日 (水) 06:15個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

千と千尋の神隠し > 油屋 (千と千尋の神隠し)

油屋(あぶらや)は、アニメ映画千と千尋の神隠し』に登場する、本アニメの舞台となった湯屋

劇中の設定

この湯屋には八百万の神様達が日頃の疲れを癒しに全国各地から訪れる。経営者は湯婆婆で、従業員の多くはカエルやナメクジの化身である。ただ、千尋の世話役を任されたリンは白狐の化身との噂もあるが、元々人間だったとの説もあり詳細は不明である。建物の構造は多層に渡り、最下層には従業員の部屋とボイラー室が、中層には多数の湯船と湯釜、宴会場などのお客様を迎える為の施設が、最上層には湯婆婆の居住する住まいがある。

油屋のデザインは「色々な温泉が入っていて特定のモデルはない」とされる。江戸東京たてもの園の子宝湯[1]、神奈川県秦野市の鶴巻温泉の陣屋[2]道後温泉本館[3]四万温泉積善館の本館[4]渋温泉金具屋[要出典]湯原温泉油屋[要出典]を参考に描かれている。油屋内部の宴会場は目黒雅叙園を参考に描かれており、釜爺の仕事場にあった薬草箱は江戸東京たてもの園の武居三省堂内部の引出しがモデルになっている[5]

油屋の名前にまつわる背景

「油屋」や周辺の「不思議の町」の劇中設定のいくつかには、明治から昭和初期の別府温泉で活躍した油屋熊八周辺との共通点が指摘され、民放ローカル局の番組や地方夕刊紙で話題となった。熊八の盟友吉田初三郎が作成した昭和2年発行の観光ガイド[6]の鳥瞰図には、「油屋」のような高い煙突のある別府亀の井ホテルが中央に大きく誇張されて描かれ、にはたくさんの湯治舟と大きな汽船、海岸線を走る電車、そして鉄道で結ばれた山間の温泉地には湖畔の亀の井別荘も描かれるなど、劇中設定と共通するものが多い。

脚注

  1. ^ 『ロマンアルバム 千と千尋の神隠し』130頁
  2. ^ 宮崎の実家の親戚筋で、女将は宮崎の従姉妹にあたり、旅館内の庭園にはトトロのモデルなった大楠を有する。
  3. ^ スタジオジブリのスタッフが社員旅行で訪れている。『ロマンアルバム 千と千尋の神隠し』132頁
  4. ^ 建物の前に赤い橋があり、建物内には不思議の町へと通じるトンネルによく似た「浪漫のトンネル」がある。宮崎自身も以前宿泊したことがあり、テレビでも何度か取り上げられている。http://www.sekizenkan.co.jp/blog/category/%e5%8d%83%e3%81%a8%e5%8d%83%e5%b0%8b%e3%81%ae%e7%a5%9e%e9%9a%a0%e3%81%97/
  5. ^ 『ロマンアルバム 千と千尋の神隠し』130-131頁
  6. ^ 別府温泉御遊覧の志おり「日本第一の温泉別府亀の井ホテル御案内」