国鉄チサ100形貨車
概要
北海道向けの長物車で、1927年(昭和2年)までに日本車輌製造(本店及び支店)・川崎重工業で500両が製作された。製作当初はチ30500形の形式が付与され、1928年(昭和3年)の形式称号規程改正でチサ100形に改番された。
構造
走行装置は3軸の1段リンク方式で、床板は木製であり、8本の荷摺木を持つ。側面には12本の柵柱がある。荷重は20t。全長8,000mm、幅2,300mmであった。連結器は当初から自動連結器である。
運用の変遷
本形式は製作当初より一貫して北海道地区で使用され、第二次世界大戦終結後は戦時設計無蓋車トキ900形を改造した長物車チサ1600形などと混用された。1968年(昭和43年)10月ダイヤ改正(ヨンサントオ)において、同時点での在籍車488両は北海道内の限定運用車に指定され、車体側面に黄1号の帯と「道外禁止」の標記が追加された。その後は老朽化などで漸次淘汰が進行し、1975年(昭和50年)に最終在籍車37両が新製の長物車チキ7000形によって淘汰され、形式消滅している。
参考文献
- ネコ・パブリッシング『3軸貨車の誕生と終焉』吉岡心平
- イカロス出版『季刊ジェイ・トレイン』2008年 Vol.31「昭和50年の貨車情勢」