成歩堂龍一
成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち、1992年 - )はカプコンのゲーム『逆転裁判』シリーズに登場する架空の人物。
「成歩道龍一」は誤記。
概要
逆転裁判シリーズの『逆転裁判』『逆転裁判2』『逆転裁判3』『逆転裁判 蘇る逆転』(以下、それぞれ『1』『2』『3』『蘇る~』)、及び同漫画版の主人公。『逆転裁判4』では主人公が代がわりしたため、第1話の依頼人かつ主人公の師匠の親友として、外見・性格が大きく変化した姿で登場している。『逆転検事』では「存在を匂わす程度」とされ本編には関与せず、背景と登場人物の発言にそれらしき存在が確認されるのみとなっている。
苗字の由来は「なるほど」。名前の由来は音楽家の坂本龍一。開発時は「爽果なるほど(そうか なるほど)」という名前だったが、その後現在の名前である成歩堂龍一におちついた。ゲームの開発そのものが紆余曲折したため職業や外見などが開発当初とは大きく違うものになったらしく、その辺りの事情については「1」の公式ページの開発者コラムに詳しい事が記載されている。
英語版での名前は"Phoenix Wright"だが、Phoenixはそのままフェニックス、不死鳥の事で「(不死鳥のように)何度も蘇る」事からの命名。『蘇る~』の第5話「蘇る逆転」の英語題は"Rise from the Ashes"つまり“灰の中から立ちあがる”であり、ここでも不死鳥とかけてある。
『4』での彼のキャッチコピーは、「忘れられた伝説」[1]。
演じた声優・俳優
- 巧舟(ゲーム『1』~『4』『蘇る~』)
- 近藤孝行[2](『3』『4』プロモーション映像、TGS特別法廷)
- 蘭寿とむ(舞台『逆転裁判 蘇る真実』 ただしフェニックス・ライトとして)
- ゲーム中で巧が声を当てた理由は「ディレクター特権の発動」によるもの(ドリマガのインタビューにて。単行本「なるほど逆転裁判!」に収録)。
- メディアワークス発行のファンブック中のアンケートの設問「アニメ化・ドラマ化されたときのキャストは?」では巧が1位であった。巧も前述のインタビューにて「アニメ化されたら?」という質問に対し「今一度、ディレクター特権が発動されるのではないでしょうか」と語っている。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
人物
職業は刑事事件専門の弁護士。後にピアニストになる。生年月日は明確にされておらず、所々、矛盾している点はあるものの、1992 - 93年度(学校年度)生まれであることが推定できる。出身地などの詳細は不明であるが、入所の際、事務所へ通うために引越してきている。
家族構成
両親については不明。兄弟はいない。結婚はしておらず、綾里真宵といっしょに行動する事が多い。「4」では、義理の娘である「みぬき」といっしょに暮らしている。
性格
インパクトの強いキャラクターが多い『逆転裁判』シリーズ中では比較的まともな人物である。弁護士時代には考えが顔や目に出やすい性質らしく、他人に動揺を見抜かれることが多かった。また、大学生時代は「泣き虫」で子供のような性格だったが、友人からは「自分たちの中では一番大人」だと言われていたらしい。子供のころの夢は「ミラクル仮面になること」だった。
ファンブックで巧は「彼の台詞は素のままの自分で書いている」と語っており、稲葉など他のスタッフから「成歩堂は巧が自己投影したキャラクター」と指摘されていた。巧はプロフィールに似通っている点が多いと語りつつも自己投影については「してないと思っている」と語っている。なお、成歩堂の来歴の一部に巧の実体験が元となった話が取り入れられている(『1』のコラムより)。
『1』 - 『3』、『蘇る〜』では主に他人の発言に対しツッコミを入れることが多いが、稀にボケ役になることもある。7年後の『4』では容姿が大幅に変わり、王泥喜法介と話す時は皮肉や暗喩を込めた発言をすることが多いが、メイスンシステム中の彼の会話を見れば、実際の性格はそこまで変化していないことが分かる。
『1』の時点では真宵を「お前」や「こいつ」呼ばわりするなどやや口が悪い場面が見られた。メディアワークス発行のファンブックで巧はスエカネからこの点を指摘されたことを明かしており、自身もこのファンブックや「なるほど逆転裁判!」でこのことにツッコミを入れている。
『4』では義娘のみぬきにガリューウエーブのDVDを買うためと、小遣いを15年分(1か月の小遣いは500円)前貸ししたりと甘い一面を見せる。また、笑いながら「かなわないなあ、みぬきには」と言うこともある。
全作品を通して激しく怒ることは少なく、『1』第1話で描かれたもの以外には特に怒りの表情を見せることもない。ただし裏切りや検察側の事実隠蔽に関しては激しい怒りを露わにするシーンもあった。また、笑うことも少なく、法廷パートでは「苦笑」や「余裕の笑み」といった形でしか笑う表情を見せない。『4』では声をあげてやや大きく笑う様子も見せた。
来歴
小学4年生の時、当時同級生だった御剣の給食費の入った封筒を盗んだ疑いをかけられたことは学級裁判にまで発展したが、被害者である御剣本人、そして同じく同級生だった矢張政志の弁護によって助けられた(このとき御剣本人は真犯人は誰だったか知っていた様子)。これがきっかけで成歩堂は二人と親友になったが、ほどなく御剣は転校してしまう。
大学の2回生の頃、転校して行ったきり会うことのなかった御剣が、弁護士になるという小学生の頃の夢とは正反対の検事になっていること、そして御剣の周囲で囁かれる黒い噂のことを知り、御剣に会うために自分が弁護士になることを決意。3回生の頃に冤罪で殺人事件の被告人になってしまうが、後に師匠となる綾里千尋(あやさと ちひろ)の弁護によって無罪判決を受けた。
2014年に勇盟大学芸術学部を卒業。法学部でないのは上記の通り入学当初の時点では法律家を志望していなかったためで、芸術学部を選考した理由については『逆転裁判4』限定版の付属ソフト「逆転裁判事典」で「シェイクスピア役者をめざしていた」と記述されている[3]。
2016年、勇盟大学在学中に司法試験に現役合格して「綾里法律事務所」へ入所。しかし所長である千尋が死亡した事から千尋の妹・綾里真宵(あやさと まよい)と共に「成歩堂法律事務所」を設立する。
2019年2月(『3』第5話)で、春美の霊媒により登場した千尋から「一人前の弁護士」と認められる。しかしその2か月後の事件(『4』第4話で回想)で何者かにはめられ、捏造された証拠品を提出してしまい法曹界から去ることになる。その後は成歩堂法律事務所を「成歩堂芸能事務所」と改め、みぬきを養女とし、「ピアニスト」として活動する裏でその事件の真相を追い続けるようになる。
容姿
身長176cm、体重は不明だが外見上特に痩せ過ぎでも太り過ぎでもない。肩幅はやや広め。首筋も太め。
服装は弁護士になってからはいつも青系のスーツに赤系(ディレクターの巧舟によればピンク)のネクタイ。このスーツは何着も所持しているのか、あるいは一着しかないのかは不明(漫画版では「一張羅」と発言している)。ヒゲは生やしていない。特徴的なギザギザした髪型をしているが、本人曰く「小さいころからこんな髪型」で、小学生時代と大学生時代の彼の姿をゲーム中で見ることが出来るが確かに両時代でも同じ髪形をしている。『蘇る~』のキャラクターブログで「髪型がうまくきまらない」という発言があるが、床屋などで特別なセットをしているわけではないらしい。劇中でこのギザギザの髪型については「青いギザギザの弁護士」などとバカにした言い方をされることが多く、やや外見にコンプレックスを持っているフシがある。また、眉毛も少々ギザギザしている。
『3』で登場した大学生時代の彼は赤いハートと「RYU」と言う文字がデザインされているピンク色のセーターを着ている。また『3』の一部のエピソードでは、人物ファイルの中に彼自身の写真も含まれていたが、「写真写りよくないね」などと評価はかなり悪い。本人も「撮り直した方がいいかも」と思っているらしい(軽い冗談なのだが、成歩堂は本気で悩んでいる)。
『4』ではパーカーにトレードマークの髪型と眉毛を隠す「PaPa」という文字が入ったニット帽、さらに無精ヒゲと、前期シリーズの面影がほとんど残っていない姿で登場。
年齢の割に老けて見えるのか、劇中では「お兄さん」というよりも「オジサン」と呼ばれることが多く、本人はあまりそれを快く思っていない。だが30歳を超えるともうこだわりがなくなってきたのか、「4」では自ら「もう若くない」と言いだした。
好物・苦手なもの
『3』第3話でリンゴとウィンナーが大好きと発言しており、「逆転裁判事典」ではこの二つが好物として扱われている。ラーメンは豚骨派。飲み物はグレープジュースがお気に入りで、ドクターストップにかかってもわざわざ「深海の天然水」というミネラルウォーターのラベルを貼って飲んでいた。「なるほど逆転裁判!」では真宵に好きな麺類を聞かれビーフンと答えている。風邪薬は“カゼゴロシ・Z”のファン。
嫌いなものは“裏切り”と“毒薬”、理由は本人曰く「最も卑怯で人を深く傷つけるから」。高所恐怖症でもある。漫画版では雷を怖がっており、毛布をかぶって「この世の終わりだ」と叫んでいた。また、電動自転車については「何となく中途半端な感じが嫌い」と言っており、これに乗る若者には批判的な様子を見せた。また「つまらないギャグは許せる」らしいが「それを自分で笑う奴は我慢できない」とのこと。『4』では、注射が苦手であることが判明している。
ゲーム中では直接的な飲酒の描写はないが、『1』第4話にて判決後「昨日は騒ぎすぎた」と言っているため、飲酒不可能というわけではない。またドリマガに載せられていたポスターには酒らしきものの入った盃を持って顔を赤らめている彼の姿が描かれていた。タバコについては『1』の星影法律事務所の応接のテーブルを調べた際にタバコ嫌いだという発言が見られる。
好きな女性のタイプなどは不明。女性を見て「綺麗な人だな」と思うことはあるようだが、登場人物に好意を抱くことは余りないようだ。しかし一度恋した女性は周囲が引く程一途に想う傾向があり『3』で登場した際には、大学生時代に恋人がいたことが判明した。漫画版第3話では、真宵がきぐるみショーを見ている間に司会の女性に見とれている描写が存在する。「なるほど逆転裁判!」では小学生時代のある事件がきっかけでバレンタインデーとホワイトデーはあまり好きではないと語っており、小学生時代に好きな子がいたことも話している。
体質
特に持病はなく、健康な様子(ただし一度記憶喪失になったことはある)。『4』では怪我で入院中に医者からグレープジュースを止められてドクターストップにかかっているが、何のために止められているのか不明。元々はグレープジュースではなくワインの設定だったが、『4』は全年齢対象のゲームであるために変更になった。『4』では年によるものなのかは不明だが、肩こりがあるらしい。
また、風邪を引いて高熱を出したり、高いところに登ったりすると顔色がビリジアンやモスグリーンといった深緑色になる。
「なるほど逆転裁判!」によると、人生で4回しか風邪を引いたことがなく(小学生のとき、『3』第1話、『3』第5話、「なるほど逆転裁判!」)、そのたびに悲惨な事件に巻き込まれている。
趣味・特技
機械は苦手で少ししか扱えない。しかし、『2』の第4話の成歩堂曰く「壊すのは得意」らしい(その後のことは糸鋸に任せようと言っていたため、本当に分解しか得意ではない)。資格は弁護士の資格のみ(『4』ではそれも剥奪されている)で、車の免許すら持っていない。移動は主に自転車やタクシーで行っている模様。
弁護士であるにもかかわらず法律にはあまり詳しくないようで、千尋の遺品である本を読んだときに「ちょっと読んだら頭がいたくなった」と発言している。ただし、六法はちゃんと勉強しているようで、真宵に「飯盒ってどうしてへこんでるの?」と聞かれたときに「六法全書にはのってなかった」と答えている。また、『4』では失踪宣告の話をしたりと、自分の担当していない民事に関する法律についてもある程度の知識を持ち合わせているようである。
『4』でピアニストを名乗るにもかかわらず、ピアノはほとんど弾けない。弁護士資格を剥奪されたばかりの頃は、鍵盤の配置すらわからない状態だった。また、うるさい客からのリクエストでたまに弾くことはあっても「大抵は一曲弾けば黙り込む」らしい。
宝くじや競馬などのギャンブルをする描写は見られないが、真宵とトランプで勝負して5万円負けたことがある(成歩堂は本気にしていなかったらしい)。『4』ではロシア料理店でポーカーの勝負をしていたが、金や物を賭ける賭博ではないらしい。このポーカー勝負で負けたことは7年間で一度もないようだが、実際には大勝負の際にはみぬきの能力を使って相手の心の動きを読み取っていた。
ジョークのセンスは皆無で、場の雰囲気を考えずにジョークを言い、周りの人物から怒りを買うこともしばしば。また、『2』第3話ではピエロのトミーから「ダジャレで俺を笑わせれば情報を譲ってやる」と言われ「ヘタなシャレはやめなシャレ」と言うも見事にすべってしまい、「今すぐ死にたい」と言いだした。
人気特撮ヒーロー番組「トノサマン」を見た際、そのビジュアルについて「シュール」と批判する内容の発言をしており、その続編についても独特のストーリーに難色を示している。『4』ではある人物からシリーズ全作品のビデオディスクを送られており、それに関するレポートを書かされている。
得意なスポーツなどは不明だが、決して運動技能は高くないらしく『2』でとんぼ返りをせがまれたときに「できない」と発言している。また犯人に殴られるなどして証拠品を奪われたことがあるため、喧嘩はあまり強くないようである。
音楽の趣味も劇中では語られていない。「なるほど逆転裁判!」ではパンクロックを聴いているが、そのバンドについては「アタマが悪そう」と批判している。『4』ではガリューウエーブのリーダーである牙琉響也について「気に入らない」旨の発言をしている。
生活・仕事
事務所や自宅
成歩堂の事務所は以前綾里法律事務所だった建物を、持ち主であった綾里千尋の希望もありそのまま受け継いだもの。事務所には受付と所長室が、そしてバスルームがある。ただしバスルームは会話の中で存在が出てくるのみでグラフィックはない。
所長室には千尋の遺品である法律関係の本や観葉植物(コルディリネ・ストリクターという種)のチャーリーくんなどが大事にそのまま置かれている。またソファなどの依頼人も使う家具は割と金がかかっているものが多く、デスクやパソコンなどはシンプルなものが多い(これは千尋の信条である)。しかし成歩堂はデスクよりもソファに座ってテレビを見ることの方が多いらしい。その所長室にはポスターが一枚貼られているが、これは時々貼り変えられている(タイトルが不明だが千尋が見て初めて泣いたという映画のポスター→トノサマンのポスター→元の映画のポスター)。ビルの向かいには「ホテル・バンドー」(旧・板東ホテル)がある。 事務所の机は、あまり座る機会がないらしく、埃が被るほど(時々掃除されて綺麗になる程度)。そして真宵との会話で、「事務所は汚い」という事を垣間見ることの出来る会話があるので、事務所は全体的に汚いようである。なお、掃除はあまり好きではないのか『3』では自分のデスクを掃除することについて「絶対同意するもんか」という発言をしている。
『4』ではみぬきのマジック用小道具などで所長室が埋め尽くされている。一応ピアノは置いてあるが、そこにも小道具を置いている上に「ホテルから苦情が来る」ので使わないようである。
事務所の防音設備は皆無らしく、みぬきに「隣の部屋でビデオを録画する音が聞こえる」と言われている。
自宅についてはマンションであるということ以外不明。ゲーム本編において自室で就寝中にかかってきた電話に出るというシーンがあるが、真っ暗な中でセリフしか表示されなかった。「なるほど逆転裁判!」では自室の様子を描いた挿絵があった。『蘇る~』のブログでは真宵に「想像ほど散らかっていない」と言われている。
また『4』の時点で成歩堂がいまだにそのマンションに住んでいるかは不明。上記のようにこの事務所は居住空間としての機能を十分に兼ね備えている。なお『1』の時点では助手の真宵がこの事務所に住み込んでいたらしい。
前期シリーズ
通常弁護士は同時に依頼をいくつも受け持つが、成歩堂はつねに1件ずつしか受け持たない(このゲームの世界の裁判は「序審法廷」で、最長三日で終わらせなければならないという事情もある)。今まで劇中で成歩堂が被告人の弁護を担当した16の事件(『1』でDL6号事件と自分が被告人となるのを含めて6件、『2』で4件、『3』で第2話を窃盗事件と殺人事件で分けた場合は4件、『蘇る』で1件、『4』で明らかになった1件)の内、無罪判決を勝ちとったのは14件。
成歩堂の受け持った依頼人は、無実であるにも関わらず有罪判決寸前の絶体絶命のピンチであることが多い。しかし、成歩堂は些細な証言の矛盾も見逃さずにつっこみ、確たる矛盾を見つけられない時はハッタリをかますことで証言を引き出し、矛盾の証拠をつきつけることでほとんどの案件で無罪判決を勝ち取っている。親友矢張を冤罪から救った最初の法廷にて、その様子を見ていた師匠の千尋から「恐怖のツッコミ男」とあだ名をつけられた。
数字の上では素晴らしい成績をあげているがそのわりに依頼は1か月に1件来れば良い方で、『1』第3話の「どうしよう、今月の家賃…」と言う台詞や第4話で「(御剣に)今月の家賃も全額払ってくれ」と呟いていることからも判るようにその月の事務所の家賃も払えるか払えないかの状態。依頼人には御剣怜侍(検事)やマキシミリアン・ギャラクティカ(世界的マジシャン)のような高額所得者もいるものの、真宵(霊媒師)や須々木マコ(警察官。後にウエイトレスに転職。その両方で一回ずつ成歩堂の弁護を受けた)のような低額所得者もおり、果ては矢張のような依頼料を払わない人物もいるため収入はあまり安定しているとは言えない。
ただし上記の担当事件数はあくまでゲーム中で担当した事件数である。『1』第4話の時点では「3件しか担当していない」という発言があるが『蘇る〜』では以降2か月の間に何件か依頼が来たという発言があるためそれ以降はゲーム中でみられない依頼を受けている可能性がある。しかし、『1』第4話から『蘇る~』の間は「依頼を受ける気分にならなかった」という発言から、依頼は断っていたようである。ゲーム中でみられない案件でいくつ無罪判決を勝ち取ったのかは不明だが『2』第4話では「完全無敗の経歴」と言われている。
漫画版ではそれなりに依頼が来ているようで、劇中で真宵が「仕事が忙しいからって最近食べに連れて行ってくれない」と嘆く場面がある。しかし「おカネがないから(携帯電話の)新しいのが買えない」「電気代が払えなくて困っています」とも言われているためやはり収入は安定していないようである。
劇中では『3』第3話で偽者が登場し、その偽者が扱った事件が雑誌の記事になっていることや『4』で王泥喜が彼に対して「俺たちの世代で知らない人はいない」と発言していることから彼の弁護士としての知名度は相当高かったことが伺える。
後期シリーズ
前述の事件により弁護士を辞め、みぬきを養女に迎え入れてから事務所を「成歩堂芸能事務所」と改めた。芸能事務所となった理由はみぬきの提案によるもの。自称ピアニストとなっているが、ピアノはたまにしか弾かず、実際はロシア料理店でポーカーのプロとして活躍しており、7年間で一度も負けたことはないらしい。この事務所には成歩堂とみぬき以外には誰も専属しておらず、収入は成歩堂よりもプロの魔術師であるみぬきのほうが多い。しかも、成歩堂が交通事故を起こして入院したときにみぬきに家賃と給食費の心配をされていることから、やはり収入は安定していないようである。ただし、みぬきに小遣いを15年分前貸ししていることから、ある程度の蓄えはある様子。
7年後、新米弁護士の王泥喜法介が入ったことにより法律事業を復活、「成歩堂なんでも事務所」と改名。ただし成歩堂が王泥喜やみぬきと直接、行動を共にすることは、ほとんどない。
また『4』第4話で裁判員制度のシミュレーションを任されている。その際、「自分はピアノを弾くよりもこちらの仕事の方が向いている」と発言している。その後エンディングでは再び司法試験を受験するというような発言をしているが、その真意は定かではない。しかし、裁判員制度の責任者となっているあたり、法曹界に一定の影響力を持つ人物ともいえ、『4』現在での彼のポジションは不明な点が多い。
御剣が主人公の『逆転検事』第3話では、真宵、春美と共にボートを漕いでいる姿が目撃されている(触れられることはない)。
TGS特別法廷
2005年では、『逆転裁判』がDSに移植したため、証拠品をリストで見られるようになったため、焦りのポーズを一度も見せず、「これからはもうモタモタなんかするもんか!」と言い放った。その為突っ込むことが一切なかった。
2006年では、主人公の入れ替えということもあり、法廷での準備はまるっきり出来ていなかった。オバチャンの早口証言に真相を言及したのを一発で見極めるなど、一人前さを見受けたが、後期の『4』で自分が弁護士じゃないことにショックを受けた。この年には突っ込みは冴えていた。
2008年は、『検事』がメインだったため、登場しないと思われたが、実は矢張を「ゲームのお客さま」として仕向け、御剣を主人公として仕立て上げた張本人であり、突撃取材の際にタイホくんの気ぐるみを着ていた。
その他
かなりの強運の持ち主で、前述の通り芸術学部から現役で司法試験に合格しているほか、法廷ではつねに逆転劇を見せる。ただし「運がいい」というのは必ずしもいい方向に向いているわけではなく『3』で約12メートルもの高さから真冬の川に転落して風邪をひく(逆に言えば、それだけで済んでいる)、『4』で車にはねられて、10メートルも飛ばされた挙句、電柱に頭をぶつけたにもかかわらず、足首をねんざするだけで済む(交通事故を目撃していたヤクザも驚いて「鉄砲玉に欲しい」とまで発言している)といった具合に、狩魔冥から「運がいいのか悪いのかわかりにくいオトコ」と言われるような状況に陥ることもある。また、上記のように法廷では常に逆転劇を見せるが、逆に言えば毎回逆転しなければならないような面倒な事件にしか遭遇しない。
推理物の主人公ゆえか、『1』 - 『4』で実に6件の殺人事件に巻き込まれており(『1』2話、『2』2・4話、『3』1・5話、『4』1話)、漫画版でも度々殺人事件に巻き込まれている。
青いストレート型の携帯電話を所持しているが、かなり古い型であり、カメラ機能すらついていない。『4』でこの電話を調べると電池カバーをガムテープで固定して使用している様子が見られる(王泥喜曰く「余裕がないのか興味がないのか」)。ちなみに着信メロディは『蘇る』第5話から「大江戸戦士トノサマン」のテーマになっている。漫画版では折りたたみ型だが、真宵の発言からこれも古い型であることが推測される。
カプコンのゲーム『ビューティフル ジョー スクラッチ!』の背景に、「BOOKS成歩堂」という店がある。
アニメ『みなみけ』にて登場人物の冬馬が逆転裁判の漫画を読んでおり、その中に成歩堂も登場した。
KONAMIの『パワプロクンポケット7』に「鳴歩道」という名前のよく似たキャラが登場している。湯田曰く、「頭がギザギザの奴」。ポジションは捕手。なお、彼の所属している高校のキャラは全てカプコンキャラの当て字である。
関連人物
成歩堂龍一に対する呼称
国内版
一人称は「ぼく」。以下にあげるもの以外に様々な呼称がある(リュウちゃん、リューイチくん等)がここではメインキャラクターから頻繁に呼ばれたものを記す。
- 「成歩堂」
- 矢張、御剣から。小学校から親友で幼馴染の彼等3人はこう呼ぶ。牙琉霧人もこう呼ぶ。
- 「成歩堂くん」
- 裁判長などの年長者からこう呼ばれる。
- 「成歩堂さん」
- 依頼人など、一般的な呼称。『蘇る逆転』で助手役を務めた宝月茜の呼び方もこれであり、2代目主人公、王泥喜もこう呼んでいる。
- 「成歩堂 龍一」
- 『2』で登場した狩魔冥にはフルネームで呼ばれた。その影響で他の人物(裁判長など)にも呼ばれたことがある。糸鋸刑事からは、法廷で証言する時に呼ばれる。
- 「まるほどう」
- 『3』に登場したゴドー検事にこう呼ばれた。
- 「なるほどくん」
- 千尋、真宵、春美から。
- 「弁護人」
- 審理中の呼ばれ方はこれが多い。
- 「弁護士」
- 『1』に登場した狩魔豪にこう呼ばれていた。
- 「アンタ」
- 糸鋸刑事から。
- 「パパ」
- みぬきから。みぬきの義理の父親になる事を決意した際にいずれは「パパ」と呼んでくれる事を頼んだ際、すぐによばれるようになった。
- 「ミスター成歩堂」
- レイトン教授から。レイトン教授VS逆転裁判のプロモーション映像より。
英語版
- 「Mr. Wright」
- 依頼人など、一般的な呼称。裁判長もこう呼ぶ。
- 「Nick」
- Maya(真宵)とLarry(矢張)からはこう呼ばれる。
- 「Mr. Nick」
- 愛称にMr.をつけたもの。Pearl(春美)からこう呼ばれる。
- 「Phoenix」
- Mia(千尋)からはこう呼ばれる。なお、彼をファーストネームのみで呼ぶのは劇中でMiaだけである。
- 「Wright」
- Edgeworth(御剣)からはこう呼ばれる。
- 「Phoenix Wright」
- Franziska von Karma(狩魔冥)からはこう呼ばれる。日本語版の「フルネームで人を呼ぶ癖」を踏襲したものと思われる。
- 「Feenie」
- 大学時代の恋人からはこう呼ばれることもある。日本語版の「リュウちゃん」に相当する。
- 「Trite」
- 『3』に登場したGodot(ゴドー検事)に、こう呼ばれた。「まるほどう」に相当する。
脚注
- ^ 『逆転裁判4』のプロモーション映像で確認できる。
- ^ 出典 近藤孝行氏ホームページ
- ^ 初出はファンブックでの巧の発言だが、この時点ではゲーム中にそのことは記述されておらず公式の設定ではなかった。