循環論法
循環論法(vicious circle, vicious cycle)とは、トートロジー(恒真式)の一種である。

定義
命題(AならばA)はつねに真なのだが、これだけで命題(A)自身が真であると<証明>されたわけではない。しかし複雑に入り組んだ、あるいは非科学的な<証明>のなかには、往々にして循環論法が紛れ込んでいることがある。証明すべき命題(A)を、いつのまにか前提(A)にすり替えてしまっているわけで、これが循環論法と呼ばれるゆえんなのであるが、循環論法が正しい<証明>でない。
循環論法においては論証されるべきことが論証の根拠とされる誤謬が犯される。 すなわち結論の真理が前提の真理に依存し、それと同時に前提の真理もまた結論の真理に依存する。
たとえば、次のAとBとの対話である。
A 「霊魂は不滅である。なぜならば霊魂は有形物でなく、有形物でない物はすべて不滅であるから」
B 「何によって霊魂が有形物でないことが証明されるのか?」
A 「すべての有形物は滅亡する。不滅な物は有形物でない物に限られる。霊魂は不滅であるから、有形物でない」