エアバスA380
エアバスA380 (Airbus A380) は欧州エアバス社のターボファン4発の超大型旅客機である。
エアバス A380
Airbus A380
- 用途:旅客機
- 分類:ワイドボディ機
- 設計者:エアバス S.A.S.
- 製造者:エアバス S.A.S.
- 運用者:
- 初飛行:2005年4月27日
- 生産数:49機(2011年5月現在)
- 生産開始:2002年1月24日
- 運用開始:2007年10月25日
- 運用状況:運用中
- ユニットコスト:2006年で時価296,000,000~316,000,000 USドル
概要
世界初の総2階建て[1]ジェット旅客機であることを特徴に、完成披露の時点ではボーイング747を抜いて、史上最大・世界最大の旅客機となった。初飛行は2005年4月27日。初期の構想から初飛行まで16年の歳月を要した。
A380は1990年初頭にA3XXとして開発が始まった。エアバス社の他にもボーイング社やマクドネル・ダグラス社が次世代大型旅客機として ボーイング747-Xとマクドネル・ダグラス MD-12を計画していたが、いずれも開発は凍結された。この後、ボーイング社は総2階建のNLAの開発を試みるがこれも結局中止に終わった。かつてロッキード社も総2階建旅客機を計画したが構想の段階で終わっている。
開発経緯
欧米の巨大機開発競争
エアバスはボーイング社の大型機・ボーイング747に対抗できる輸送力を持つ機体として、1989年からUHCA(ウルトラ・ハイ・キャパシティ・エアクラフト)構想の実現に向けての作業を開始した。ボーイング社はこれに過敏に反応し、1991年に747改良型など3種の計画を発表し、UHCA阻止の動きに出た(詳しくはボーイング747-8の開発の経緯を参照)。この動きに対し、エアバスを構成する(当時)エアロスパシアル、DASA、BAe、CASAの4社はボーイング社と共同で、1993年1月にUHCAとは別にVLCT(ベリー・ラージ・コマーシャル・トランスポート)と呼ぶ大型輸送機構想を発表したが、ライバル同士の意見がかみ合うはずもなく、エアバスは1994年6月、UHCAをA3XX(530席~570席の100型と630席~680席の200型の構想)として計画に着手したことを発表し、VLCTは中止された。
ボーイング社はこれに対抗し、同年に747-500Xと747-600Xを発表、対決する構えを見せた(747X計画)。747X計画はさまざまに変遷するかなり流動的なものであったが、その間にもボーイング社はエアバス社に対する露骨な非難キャンペーンを繰り広げ、A3XXのイメージダウンを図った[2][3][4]。しかしエアバスは計画を進めた。
2000年12月19日、エアバスは受注を獲得したことから、A3XXをA380として開発に入ったことを発表した。ボーイング社は翌年に747X計画を延期し、ソニック・クルーザー計画を発表したものの、2003年には早々と計画を凍結し、その開発能力を中型機ボーイング787へと注力していった。しかし、その後ボーイング社は、A380と777-300ERやA340-600の間を埋めるという理由で、747-400ER、747-8型(計画名747Advanced)などの大型機の開発を開始している。
機体の完成と受注
A380の1号機は2005年1月17日にロールアウト(完成披露)、4月27日にフランスのトゥールーズで初飛行した。6月18日の時点でAIGのリース部門・国際リースファイナンス株式会社 (International Lease Finance Corporation, ILFC) を含む16の航空会社がA380型機を発注しており、その数は27機の貨物機を含め159機にのぼった。エアバス社CEOのノエル・フォルジャールは「この航空機を500機販売する」という期待を表明している。
2006年11月からA380 MSN002(ロールス・ロイス トレント 900型を装備、製造番号2:F-WXXL)を用い、世界の空港の滑走路、誘導路、PBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)が適合するかどうかのテストと、PRの一環として世界周遊飛行を行った。行程はトゥールーズから出発し、4回に分けて10都市を回るもので、1回目の飛行では、シンガポール(11月14日)、大韓民国・ソウル(11月15日)に寄港。2回目に香港(11月18日)と成田(11月19日~20日)、3回目は中華人民共和国を中心として、広州(11月22日)、北京、および上海(11月23日)に飛行。4回目では、南アフリカ・ヨハネスブルグ(11月26日)に立ち寄り、南極点上空を通過して、オーストラリア・シドニー(11月28日)に寄港。太平洋を横断してカナダ・バンクーバー(11月29日)に飛行したあと、北極点上空を通過しトゥールーズに戻った。
この飛行の成功により、12月12日に欧州航空安全庁 (EASA) および米国連邦航空局 (FAA) の型式証明を同時に取得した。この際、FAAがアメリカ機に義務付けている燃料タンク爆発防止装置の装備がなされていない事を指摘したが、欧州機では装備義務はなく、エアバスもアメリカ機(ボーイング機)との構造の違いを主張し、装備の必要はないとしている。ただし、アメリカの航空会社に採用される場合はFAA基準が適用される可能性がある。
同機は「ワールド・ツアー2007」の一環としてA380 MSN007(製造者連番7:F-WWJB)で2007年6月4日に成田空港に再度飛来し、6日にシドニーに向かった。
また、A380 MSN009(製造者連番9:F-WWEA)を用いて、エンジン・アライアンス社製GP7000エンジンを搭載したA380の型式証明取得の為、テスト飛行を行った。2007年9月26日から、コロンビアのボゴタを振り出しに、北米・南米・中近東へ断続的にテストフライトを行い、10月18日に関西空港に寄港、その後トゥールーズに戻った[5]。このエンジンを搭載したA380-861型は2007年12月に型式証明を取得した。
引渡し
エアバス社は公式には引渡し日を発表していなかったが、航空会社に対しては引渡しが当初計画より6か月遅れると通知していた。主原因として、1機あたり延べ約500km[6]におよぶ配線の接続や収納に予想以上の時間を要していることと、サービスの一環として座席に配したオーディオ機器の配線によって重量が予想以上に増え、対応に時間がかかっていることを挙げた。
予定ではローンチカスタマーのシンガポール航空は2006年の第4四半期~同年末に最初のA380型機を受け取り、カンタス航空は2007年4月、エミレーツ航空は2008年より前にA380型機の引渡しを受けることになっていた。A380型機の最初の路線就航は2006年末のロンドン発シンガポール経由シドニー行シンガポール航空便、続いて同じくシンガポール航空によるシンガポール発香港経由サンフランシスコ行、シンガポールから東京経由ロサンゼルス行、パリ、フランクフルトへの直行便が就航する予定であった。また、カンタス航空はA380型機をロサンゼルス-シドニー便に投入すると公表した。また、この頃にはエアバス社は月に4機のペースで引き渡しを行うと表明していた。
しかし、2006年6月13日、エアバス社は引渡しが再び6~7ヶ月遅れることを発表した。理由は生産上の遅れとしているが、顧客ごとに異なる内装仕様に対応する為、機内の配線設置に手間取っていることが原因とされている。なお、引渡し機数に関しても計画の年25機(2009年から年45機)から2007年は9機、2008年以降も予定より5~9機縮小するとした。これにより、更に大幅な受領の遅れが生じることとなったため、航空会社の心証が悪化した。エアバス社は、影響を受ける航空会社各社に対し大規模な補償交渉を行なった他、格安のリースパッケージを提供することで旅客機型のキャンセルという最悪事態を回避しようとした。また、引き渡し延期をめぐっては、エアバス親会社のEADS株の急落に加え、EADS・エアバス両社幹部がこの発表前に大量の株を売却したインサイダー問題が発覚しており、EADS社元CEOノエル・フォルジャールが逮捕、その他10人がフランス当局によって告発されている。
さらに、2006年9月21日には、EADSが3度目となる納入スケジュールの遅れを発表。続く10月3日には最大の発注元であるエミレーツ航空が、「エアバスからA380計画がさらに10カ月遅れ、機体引き渡しは2008年8月になるとの連絡を受けた」という声明を出している。エミレーツ航空は同声明の中で「当社にとって極めて深刻な問題で(契約に関する)すべての選択肢を見直している」としていたが、その後2007年5月14日に4機の追加発注を受けた事で契約のキャンセルという事態が回避された。その後、2007年6月22日に行われたパリ航空ショーにおいて、8機が追加発注されて合計58機となり、同機における最大のカスタマーとなった。
2006年11月7日、貨物型の導入を予定していたフェデックスが、発注をキャンセルしたことを明らかにした。次いで2007年3月2日に、貨物型の導入を予定していたユナイテッド・パーセル・サービス (UPS) は、エアバスが再建計画の一環として旅客機の生産を優先すると発表したことで、引き渡しがさらに遅れることを懸念し、発注をキャンセルした。更には旅客・貨物の両型式を発注していたILFCも貨物型だけ注文をキャンセルし、旅客型のみの納入を受けることを明らかにしている。
エアバス社はこの時点でオプションを含め80機あった貨物型の受注を全て失い、貨物型の開発を一時中断した。旅客型の受注件数はボーイング747-8の受注件数を上回っているが、貨物型はボーイング747-8に大きく遅れをとることとなった[7][8][9][10]。
就航
2007年10月15日、初飛行以来30ヶ月間のテストを経て、最初の納入先であるシンガポール航空に初めて機体が引き渡された。同年10月16日にパイロットや技術者などのシンガポール航空関係者が乗り込みエアバス本社(トゥールーズ)からシンガポールに向けて飛び立った。そして同年10月25日よりSQ380便としてシンガポール - シドニー間に就航した。この初号便の座席はeBayによるインターネットオークションで販売され、売り上げは慈善団体に寄付される。また「現在運航している世界最大の旅客機」がボーイング747からA380に代わった。
結果として最初の納入まで当初予定から1年半遅れることとなった。2007年11月末での受注数は193機であるが、一説によれば遅れに伴う補償費用や生産設備の稼働率低下、人海戦術に伴う人件費増大等によってエアバスは60億ユーロ(約1兆円)のプロジェクト経費増大を来たしており、さらに米ドルに対するユーロ高傾向もあってA380の採算ラインは、当初の270機から、420機程度にまで悪化していると言われる[11]。
2007年11月12日、エアバス社はサウジアラビア王子のアルワリードがA380をプライベート機として購入するため売買契約を結んだと発表した。2つのダイニングやゲームルーム、主寝室などを備え、機体に3億ドル、改装費に1億ドル。ミサイル防衛システムも含まれている。エアバス社では"The Flying Palace"(空飛ぶ宮殿)と呼んでいる。この機体は元々エティハド航空向けに納入予定であった飛行試験2号機であることが明らかになっている。
シンガポール航空による定期就航が始まったことにより、A380 の順調なスタートにこぎ着けたと思われたが、エアバスは2008年5月13日、量産計画を再調整し、ウェーブ1(量産化前段階)からウェーブ2(量産移行後)においての引き渡し計画を修正する発表を行った。 その結果、2006年に計画された急激な量産化は達成不可能となったことが確認されウェーブ2への移行に若干の遅れが生じた。 これは、ウェーブ1における作業が予想以上に時間を要したことが原因としている。
今後の展望として、同日、エアバス社は次の通り発表した。
- 予定のA380の引き渡し機数
- 2008年:13機→12機(1機減)
- 2009年:25機→21機(4機減)
これ以降の引き渡し機数については、今後顧客との話し合いによって決まるとしている。その後2008年9月のカンタス航空向け初号機、製造通算14号機の引き渡しに先立ち、エアバス社は2008年と2009年の引き渡し数は12機と21機を堅持、2010年については30機から40機の間になると公表した。2008年12月30日に2008年の12機目となるエミレーツ航空向け4号機が引き渡された。なお、2008年後半に顕在化した世界金融危機のためエアライン各社は引き渡しペースの鈍化をエアバス社に要望し、それに応える形で2009年5月には2009年中の引き渡し数を14機に削減するむね再度発表されている。
2008年7月28日、エアバス社のハンブルク施設に新設されたユルゲン・トーマス・デリバリーセンターでエミレーツ航空に対してA380-861が引き渡された。A380の航空会社への引渡しはこれが6機目で、これまでの5機はいずれもシンガポール航空に引き渡されていたことから、エミレーツ航空はA380を受領した二番目の航空会社ということになる。
今回の引渡し機は同年8月1日にドバイ - ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)線で初就航した。そのほかに長距離路線の就航先として、ロンドン、シドニー、オークランドがあるが、今後の機数の増加によって当然就航都市は増えていく予定である。2009年3月、エミレーツ航空は、採算の悪化を受け、ドバイ - ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)線からA380の撤退を決定し、ボーイング777-300ERに変更した。
同機は商業運航の合間にクルーと整備員の訓練研修を兼ねて飛行していたが、同年9月に入り原因不明の電子機器トラブルが発生し飛行作業を中断した。商業運航が再開されたのは同年9月12日であった。
2008年9月19日には豪カンタス航空に同社向けA380-842(製造通算14号機)が引き渡され、同年9月21日にシドニーに到着した。同航空では約一か月間慣熟訓練を行ない、同年10月20日にメルボルン-ロサンゼルス線で商業運航を開始した。
主な就航路線(2011年5月現在) *-他機材により運航中
- シンガポール航空 - 出発地:シンガポール
- エールフランス - 出発地:パリ
- ルフトハンザドイツ航空 - 出発地:フランクフルト
- エミレーツ航空-出発地:ドバイ
- カンタス航空 - 出発地:シドニー・メルボルン
- 就航地:(シドニー・メルボルン)- ロンドン・ロサンゼルス・シンガポール
- 以遠就航地:(シドニー・メルボルン)- シンガポール - ロンドン
- 大韓航空 - 出発地:ソウル
- 就航地:東京・香港
日本への就航
日本への就航は、2008年5月20日、シンガポール航空により成田 - シンガポール間で運航が開始された[12]。なお、当日は成田開港30周年の日であったものの、悪天候により中部国際空港へいったん着陸した後、4時間ほど遅れて成田に到着した。
2010年6月12日到着便より、ルフトハンザドイツ航空が成田 - フランクフルト間で運航を開始しているほか、9月2日到着便よりエールフランスが成田 - パリ間で運航を開始した[13]。2011年3月27日からは、シンガポール航空によりシンガポール - 成田 - ロサンゼルス間でB747-400に代わり運航が開始される予定であったが、東日本大震災の影響により同年4月5日にB777-300ERへ機材変更となっている(7月1日より同路線に投入する予定)。さらに、日本路線にA380を就航させている上記の他の各社も震災の影響により同機の運航を中断し、他機材による運航としている。なお同年6月17日より、大韓航空が成田 - ソウル間で商業運航を開始した(KE-701便[14]/702便)。
日本への導入
日本はA380と同じく大型旅客機と呼ばれているボーイング747を世界で最も多く導入していることから、日本航空や、全日本空輸がA380を導入する可能性があると言われていた。全日空は、当初A380導入の是非について2008年内に結論を出す予定であったが、2008年12月に世界経済の悪化を受け「ボーイング747-8とともに大型機の導入計画を一時凍結する」と発表した。理由は世界の金融不況に伴うもので、「新大型機検討委員会は廃止されずに時期を見て再開させる」とされていたが、その後の収益悪化もあり、2011年現在でも再開されていない。また、日本航空の西松遙CEO(当時)は、「ダウンサイジング(と多頻度運航)が時代の流れなのに、こんな非効率な大型機を導入して採算が取れるのか」と否定的な見解を表したほか、社内からも「満席にできる路線があるのか」、「運航機材の種類を減らすことでコスト削減を行うという計画に反している」などの否定的な意見も出て、導入には至らなかった。
上記の通り大手2社が導入に躊躇する中、国内格安航空会社のスカイマークは国際線参入の一環として2010年11月8日に同機の購入について基本合意し、2011年2月17日に6機(うち2機はオプション)の購入契約を正式に締結した。この正式契約成立により、日本の航空会社として初めてエアバスA380が導入される、と同時に日本籍のエアバス社製・四発ワイドボディ機が初めて登録されることとなる。早ければ2014年に2機を導入する予定である[15][16][17]。導入後はロンドンやフランクフルト、ニューヨークへ就航させるほか、2018年以降にも9機追加導入する計画を明らかにしている[18]。
機体
1階にファースト・エコノミークラスを配置。
2階にビジネス・エコノミークラスを配置している。
外形
A380型機は、低翼で後退角を持った主翼、通常形式の尾翼、主翼パイロンに装着したエンジンなどのごく一般的なジェット旅客機と同じ特徴を持っている。A380型機は基本型の旅客仕様-800型が最初に販売された。
前述のように総2階建てだがボーイング747と違い、2階席も2通路座席仕様となっている[19]。
客室
- 店舗・サービス設備
エアバス社はその客室の大きさからラウンジやバー、免税品店やシャワールームなどを設けることも可能としており、実際にエミレーツ航空はファーストクラス利用者向けのシャワールームを設置した。しかし、飛行中は不測の乱気流で機体が大きく揺れることがあり、乗客が怪我や死亡する危険を最小限にするには、乗客が常に立ち歩く状態は好ましくないとされる[20]。作ったとしてもすぐに廃れるだろうという意見もあるが、在来機において既にバーは実現されている。また、逆にボーイング747の開発の際ではそのような接客設備の採用が検討され、ラウンジはいくつかの航空会社において実現したものの、座席数を増やすためにその後廃止されたという経緯がある。
- 座席数
キャビンの総面積はB747-400の約1.5倍、座席数はファースト・ビジネス・エコノミーの3クラスからなる標準座席仕様で同じく約1.3倍としている。エアバス社では「従来の大型機と比べて同じ座席仕様でありながら、1人当たりの占有面積が広くなる」を同機のセールスポイントとしている[21]。機内が総2階建て構造であることから、客室の最前部と最後部にそれぞれ直線式と螺旋式の階段が設けられ、最前部の階段では大人2人が楽にすれ違える幅がとられている。
民間旅客部門では今までにない座席数を誇るが、例としてフランス領レユニオン島を本拠地とするエール・オーストラルはモノクラス仕様で計840座席とする予定で、エミレーツ航空では中距離2クラス仕様で計600座席を予定している。運用開始となればいずれのクラス仕様においてもボーイング747を上回る世界最多有償座席数として記録更新となり、世界初の2クラス600席台そしてモノクラス800席台提供の民間旅客機となる。標準座席仕様では、2009年12月現在、エールフランスが538席[22]として、有償提供をしており、3クラス仕様における初の500席台提供そして世界最多有償座席数として記録更新している。また、一部の他の航空会社でも標準座席仕様で500席台とする予定である。以下が例である。更に最近では、ワンランク上のエコノミークラス(プレミアムエコノミー等)が導入されたことで4クラス仕様とする航空会社があるが、カンタス航空が450席[23]として、有償提供をしており、この仕様においても初の400席台提供そして世界最多有償座席数として記録更新している。
- エミレーツ航空:517席(長距離3クラス仕様)
- ルフトハンザドイツ航空:526席(3クラス仕様-ファースト8席・ビジネス98席・エコノミー420席)
操縦室
操縦室と乗務員休憩区画などは2階建て客室部分の前にあり、メインデッキと呼ばれる1階とアッパーデッキと呼ばれる2階の間の1階より少し上がった中2階の高さで位置している。操縦室は予備席も含めて5つの座席が備わり、2人乗務による操縦システムを行えるように最前部左の機長席とその右の副操縦席の2座席を取り巻き操縦装置類が配置されている。操縦室後半には間隔を開けて2つ又は3つの座席が備わっている[24][出典 1]。
本機はLCD(液晶ディスプレイ)を用いたグラスコックピットを備えている。ただし、従来のグラスコックピットと違う点は、LCDが正方形ではなく縦長になったことと、6面が普通だったものが8面へとLCDが増えたことである。これにより、コックピットに持ち込む書類の数の削減が可能となる。位置は1階席より高く2階席よりは低い中間の位置に配置されている[25]。これは視界の確保と他のエアバス機との互換性のことも考えての設計である。操舵形態は同社ではエアバスA320以来採用されているサイドスティック方式である。
垂直尾翼
垂直尾翼前縁頂点部に機外カメラを取り付けることが可能となっている。機内のモニターでは、高さ24mからの映像が映し出される。この機外カメラの取り付けは、航空会社によるオプションである。
エンジン
旅客会社は2社が製造するエンジンから1種類を選ぶことができる。これらはいずれも主翼下面にパイロンを介して左右に2つずつ合計4基が取りつけられる高バイパス比ターボファンエンジンであり、1つはロールス・ロイス plc製トレント 900、もう1つはエンジン・アライアンス(GE・P&Wの合弁企業)製GP7270である。トレント 900はA380が初飛行した時のエンジンであり、最初は数多く販売されたが、その後GP7200の販売も伸びてきており、トレント 900の発注と肩を並べるまでになっている[26]。
着陸滑走時には、ボーイング747などの4発機はエンジン4基全ての逆噴射装置を使用するが、A380は内側の第2と第3エンジンの2基分だけを使用する。操縦席のリバース操作レバーも、第1と第4エンジンの部分だけがない。これは翼幅がこれまでより広くなり翼の外側のエンジン位置での逆推力はヨーモーメントが大きく、万が一、着陸滑走中に両端のいずれかが機能不全を起こせば、左右の逆推力のバランスを失ってグラウンドループが起こり、滑走路を逸脱する危険があるためである[出典 1]。
低騒音で低二酸化炭素排出量を実現し、指標としては世界一運航規制の厳しいロンドン・ヒースロー空港でも24時間運用が可能となっている。このことから広告等では「環境にやさしい飛行機」としても売りにしている[27]。
タイヤ
巨体を支える降着装置のタイヤは、ノーズギア2本、ボディギア12本(6輪ボギー×2)、ウイングギア8本(4輪ボギー×2)の計22本である。なお、ボーイング747のタイヤはノーズギア2本、ボディギア8本、ウイングギア8本の計18本、ボーイング777ではノーズギア2本、ボディギア12本の計14本である。
空港の対応
世界の国際空港の大半はボーイング747-400のボーディングに対応できるが、これを上回る大きさであるので空港改修が必要となった。その一つとして、2階席もワイドボディ旅客機並の収容数を誇るため、空港施設側から1階席に2口、2階席に1口の計3つの搭乗橋を設けて乗客の乗降を行なうというものがある[31]。また、ターミナルビルには専用ゲートを設ける。日本の空港で、成田国際空港では第1ターミナルビルの15番・26番・45番・46番ゲート[32](今後は、第2ターミナルビルの66番[33]・[34]も対応ゲートとなる予定)が同機対応である。また、東京国際空港では、国際線ターミナルの107番スポットが同じくそうである(ただし、こちらは2011年時点では営業便としての乗り入れ実績も当面の乗り入れ予定もない)。
シドニー空港などではA380に対応するため、地盤を固めたり、ボーディングブリッジを減らしたりなどの処置を余儀なくされている。そのためスポット運用がぎりぎりになり、他機がスポットが空くのを待つという光景も見受けられる。
今後、総2階席を持つ旅客機が増える見込みがあれば、空港側の改修なども広がりが期待できるが、空港が対応しない限り路線数も増やせないため、未知数である。
日本企業の参加
A380では、エアバスの機体では初めて日本企業の参加が15社と2桁となり、受注生産を行っている。
2002年4月に床下・垂直尾翼の部材担当として東邦テナックス、ジャムコ、住友金属工業、東レの4社が参入、6月に三菱重(前・後部カーゴドア)、富士重(垂直尾翼前縁・翼端、フェアリング)、日本飛行機(水平尾翼端)、10月に新明和工業、横浜ゴム、日機装が、2003年2月に横河電機、カシオ計算機、牧野フライス製作所が、6月にブリヂストン、三菱レイヨンが参加を決定した。特に日本の炭素繊維の技術に目が向けられフレームなどの主要な部分に多用されている。
派生型
A380は就航中、他に開発が計画・研究されている派生型がいくつかある。
A380-800型機
旅客仕様基本型で2007年10月25日にシンガポール航空により商業飛行を開始した。当面はこの型のみの販売・引渡しを行うことにしている。段階的な性能向上プログラムが考えられており、機体重量軽減・アビオニクスの改善(新たに開発されるA350との共通性を高めたデザインが予想されている)・より効率的なエンジンの搭載(これもA350向けに新たに開発されるTrentXWBの装備が考慮されている)・最大離陸重量の増加による航続距離の延伸などが検討されている。これらの改良を取り入れた第一段階の生産期は2012年頃から納入されると考えられている。
A380-800F型機
貨物機型も貨物航空会社へ提案されている。貨物機型については重量物が運べないのでそれほどメリットがないとされ、ボーイング社はA380Fより777Fや747-8Fのほうがロスが少ないと説明している。
世界最大の旅客・貨物機だけに貨物容積は広いが、機体の大きさのわりに搭載量は少なく、高速貨物輸送用途ではライバルとなる747貨物型に比べると不利な点が多い。 また、ノーズ部が開かないため長い貨物が積めなかったり、専用ローダーが無いと2階へ搭載できない欠点がある。このように、747貨物型では出来たことが出来なくなるだけでなく、747貨物型では必要の無かった設備の追加も必要なことから経済性では問題となり、貨物機としてはあまり関心を集めていない。 受注状況の例としては、エミレーツ航空など旅客型はA380を発注しているが、貨物型は747-8Fを発注している。比較的軽い貨物を扱うFedExとUPS、ILFCはA380を一度、発注したが、旅客型の納入遅延をうけ、納入遅延を懸念してFedExが発注をキャンセルし、続いて2007年3月にUPS、ILFCが発注キャンセルした。このためエアバス社は受注を全て失い、2009年現在、貨物機の開発は中断している。しかし、発注する会社が出てくれば開発は再開される予定である。
他の派生型(計画中)
以下の派生型は何れも発注している航空会社は無い。
- A380-700 (A380の胴体短縮型)
- A380-800C(メインデッキの一部を貨物室としたコンビ型、397席~454席)
- A380-800R(A380-800の長距離型。英国航空やカンタス航空、シンガポール航空等の超長距離路線向けに提案されている)
- A380-800S(A380-800の短距離型)
- A380-900 (A380の胴体延長型。標準座席構成で3クラス656席。エミレーツ航空やヴァージン・アトランティック航空などが興味を示している旨報道されている。)
- A380-900S(A380-900の短距離型)
発注者
航空会社 | タイプ(純旅客型) | エンジン | ||
---|---|---|---|---|
A380-800 | オプション | 引き渡し数 | ||
ILFC | 10 | 4 | GP7200 | |
アシアナ航空 | 6 | 未定 | ||
アルゼンチン航空 | 2 | 未公表 | ||
ヴァージン・アトランティック航空 | 6 | 6 | トレント 900 | |
エールフランス | 12 | 2 | 5 | GP7200 |
エール・オーストラル | 2 | GP7200 | ||
エミレーツ航空 | 90[35][36] | 15 | GP7200 | |
エティハド航空 | 10 | 5 | GP7200 | |
カタール航空 | 5 | 2 | 未定 | |
カンタス航空 | 20 | 4 | 10 | トレント 900 |
キングフィッシャー航空 | 5 | 5 | 未定 | |
シンガポール航空 | 19 | 6 | 11 | トレント 900 |
スカイマーク | 4 | 2 | 未定 | |
大韓航空 | 10 | 1 | GP7200 | |
タイ国際航空 | 6 | トレント 900 | ||
中国南方航空 | 5 | トレント 900 | ||
ブリティッシュ・エアウェイズ | 12 | 7 | トレント 900 | |
ベトナム航空 | 4 | 未公表 | ||
マレーシア航空 | 6 | トレント 900 | ||
ルフトハンザドイツ航空 | 15 | 10 | 7 | トレント 900 |
プライベート機 | 1 | トレント 900 | ||
合計 | 244 | 59 | 49 |
(2011年5月25日現在)
仕様(A380-800型機)
エアバスA380-800型機は赤色
黄色はH-4 スプルース・グース
緑色はAn-225 ムリーヤ
水色はボーイング747-8型機を示している。
出典: Airbus official website[37].
諸元
- 乗員: 2名(操縦士)
- 定員: 3クラス 525名、モノクラス 853名
- ペイロード: 66,400 kg (146,387 lb)
- 全長: 73 m (239 ft 6 in)
- 翼幅: 79.8 m(261 ft 10 in)
- 翼面積: 845 m² (9,100 ft²)
- 運用時重量: 276,800 kg (610,240 lb)
- 最大離陸重量: 560,000 kg (1,235,000 lb)
- 動力: ロールスロイス トレント 970 または エンジン・アライアンス GP 7270 ターボファンエンジン、311 kN (69,915 lbf) × 4
- 貨物(-800F型): 38 LD3 (Unit Load Device) コンテナ または 13 パレット
性能
- 最大速度: マッハ 0.89 (約1,090 km/h, 589 kt)
- 巡航速度: マッハ 0.85 (約1,041 km/h, 562 kt)
- 航続距離: 15,200 km (8,200 海里)
- * 巡航高度: 13,100 m (43,000 ft)
- 離陸滑走距離
- トレント 970: 2,990 m
- GP 7270: 3,030 m
- 着陸滑走距離: 2,100 m
競合機種
事故・インシデント
- 2010年11月4日、カンタス航空のA380(機体記号VH-OQA)がシンガポールからシドニーへ向けて飛行中、左翼内側の第2エンジンが一部破損しシンガポール・チャンギ国際空港に緊急着陸。乗客433名・乗員26名の計459名に死傷者無し。地上で2名の軽傷者。なお、この事故を受け、同社が現在運航している事故機を含めた6機全てが一時的な運航停止となった[38]。また、シンガポール航空も保有する11機全ての運航を見合わせた。エンジンを供給するロールスロイス社とエアバス社の要請によるものである[39]。しかし翌11月5日、シンガポール航空の保有分11機に関しては、全機が安全であることが確認され、同社分に関しては運航が再開された[40]。一方で同11月5日、ルフトハンザ・ドイツ航空が、この事故を受けて同日の成田発フランクフルト行の便をエンジン検査のため欠航とした[41]。カンタス航空の保有分に関しては、安全点検を受け全く問題が無いことが確認され次第、運航を再開する予定である[42]。同年11月27日より運航再開の予定となった[43]。
- 2011年4月11日午後8時25分、ジョン・F・ケネディ国際空港にて滑走路へタキシング中のエールフランス7便(エアバスA380・機体記号F-HPJD)の左側主翼端が、駐機場にいたコムエアー6293便(ボンバルディアCRJ-700・機体記号)の垂直尾翼に接触した[44]。A380のウイングチップとCRJ-700の垂直尾翼が破損[44]。負傷者は報告されていない[44]。
脚注
- ^ エアバス社は、同じ2階席を持つボーイング747(前方の一部が2階建て)との差別化を図るために「総2階建て」という表現を使用している。英語では、ボーイング社は747を「Double Deck」、エアバス社はA380を「All Double Deck」と表現。
- ^ 例としてボーイング社関係者は報道陣の前で「A3XX」を(エースリーバツバツ⇒「開発しても無意味」の意)と言っている[要出典]
- ^ 逆にエアバス社はA380を宣伝する際に「皆様がよくご存知の大型機」や「既存の大型機」(何れも747のこと)と称し比較したときの優れている点をコメントしていた[要出典]
- ^ その誹謗中傷の内容は、かつて自社が747を発表したときに受けたものと全く同じであった[要出典]
- ^ 関西国際空港株式会社 - 広報, www.kiac.co.jp (PDF)
- ^ Trying To Untangle Wires-Time
- ^ またA380は機首部分下部に大型のノーズギアを格納する際に開くドアがある(上記エアバスカラーの画像参照、ちなみに747はノーズより若干後ろにノーズギア装置一式があり、コクピットは2階席部分しかも鼻先部分から離れて配置されている)事から機首にノーズカーゴドア機構を採用出来ないことも、差が生じている原因である。
- ^ 機構の違いはA380は基本概念は「旅客機」として開発され、一方747は民間旅客機に転用されたといえども万が一の為に民間「貨物機」として転用出来るように設計されたためである。
- ^ 旅客機型式シリーズ3「ジャンボジェットBoeing747Classic」(イカロス出版)
- ^ 旅客機型式シリーズ スペシャル「エアバスA380」(イカロス出版)
- ^ [1]
- ^ 2011年4月時点では、エアバスA330に機材変更されている(同年年7月3日まで)。
- ^ “超大型機エアバスA380の東京-パリ間の運航が決定”. Air France (2010年6月8日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ 初便の往路便のみ便名はKE-380であった。
- ^ “エアバス社とA380型機導入に関する基本合意書を締結”. スカイマーク株式会社 (2010年11月8日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ “スカイマーク、エアバスA380型機6機購入へ”. MSN産経ニュース (2010年11月8日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ “スカイマーク株式会社がエアバスの大型機A380を4機購入する覚書を締結”. エアバス・ジャパン (2010年11月12日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ “海外展開でA380を15機導入、大量輸送で低価格実現へ=スカイマーク”. ロイター (2010年11月12日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ 機体規模を他の旅客機に例えるならボーイング777-300(1階席)の上にエアバスA340(2階席)を上乗せした大きさである。
- ^ 航空会社としては乗客に飛行中は常に座席ベルトの着用を求めており、立ち歩く設備を設置・運営してもしも事故があると、訴訟によって航空会社の責任を問われた時に不利にな要素となる可能性がある。
- ^ 一部の報道等では「座席数は、現行の747に比べて約2倍の800席が可能」等の表現がされていたが、747の400席は3クラス仕様の標準座席数であり、A380の800席はエコノミークラスだけのモノクラス仕様での標準座席数であるため、これらの数値で比較するのは公平を欠いている。エアバス社もこのような「2倍」という表現はしていない。
- ^ 座席の詳細は、ファースト9席・ビジネス80席・エコノミー449席。但し、これは同社A380の1~4号機までの座席仕様である。
- ^ 座席の詳細は、ファースト14席・ビジネス72席・プレミアムエコノミー32席・エコノミー332席。
- ^ 操縦士用の乗務員休憩区画が操縦室のすぐ後ろにあり、脚格納室と操縦室の間と前部階段室の上階に主電子機器室と副電子機器室がある。
- ^ 1階席からコクピットに上がるための小階段が設置されている
- ^ 2008年2月1日にはテスト機の4つのトレント 900エンジンのうち1つにGTLを含む燃料を使用して、イギリスの[[::en:Bristol Filton Airport|ブリストル=フィルトン空港]]からフランスの[[::en:Toulouse Blagnac International Airport|トゥールーズ国際空港]]までの約3時間のテスト飛行を成功させている。
- ^ 2008年のシンガポール航空ショーでは機体に「Greener.Cleaner.Quieter.Smarter」と塗装し曲芸時にアピールした
- ^ 『エアバスA380』40頁、41頁 イカロス出版より
- ^ “ブリヂストン、エアバス A380 初号機にタイヤ納入”. Response. (2007年10月31日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ ミシュラン該当ページの12ページ目にその記述がある (PDF)
- ^ ボーイング747も前方が2階建てであるが、2階席は人数はそれほど多くないため1階席2口で処理している。2階席の乗客が1階の乗降口を利用するので、全体としての乗降時間が比較的長くなる。また、単独歩行が困難ないしは不可能な旅客や幼児同伴の旅客などは、階段の昇降を要する2階席の利用は安全上の配慮により認めていない。
- ^ 2011年6月現在、これらのゲートのうち、26番-大韓航空,45番-ルフトハンザドイツ航空、がそれぞれ使用している。
- ^ 工事契約の実績(No.1) (PDF)
- ^ 工事契約の実績(No.5) (PDF)
- ^ “エミレーツ航空、A380を1兆円分オーダー-合計発注数は90機に”. トラベルビジョン (2010年6月11日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ “エミレーツ航空、A380を1兆円分オーダー-合計発注数は90機に”. トラベルビジョン (2010年6月11日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ Airbus - A380 Specifications, www.airbus.com
- ^ “豪カンタスがエンジントラブルでA380型運航停止、シンガポール航空などは継続”. ロイター (2010年11月4日). 2011年1月9日閲覧。
- ^ “A380の運航見合わせ シンガポール航空”. MSN産経ニュース (2010年11月4日). 2011年1月9日閲覧。
- ^ “シンガポール航空、A380型機の運航を再開”. ロイター (2010年11月5日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ “成田発ルフトハンザ便が欠航”. 時事ドットコム (2010年11月5日). 2011年1月9日閲覧。
- ^ “点検で問題なければ運航再開へ=豪カンタス航空”. 時事ドットコム (2010年11月5日). 2011年1月9日閲覧。
- ^ “カンタスがA380の運航再開”. MSN産産経ニュース (2010年11月23日). 2011年1月9日閲覧。
- ^ a b c “NTSB INVESTIGATING WING CLIPPING INCIDENT AT JFK AIRPORT”. National Transportation Safety Board (2011年4月12日). 2011年4月14日閲覧。
出典
- ^ a b 『エアバスA380』、イカロス出版、2008年7月5日発行、ISBN 9784863200593
関連項目
外部リンク
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