土浦全国花火競技大会
土浦全国花火競技大会(つちうらぜんこくはなびきょうぎたいかい)は、茨城県土浦市で開催される花火大会。日本三大花火大会の一つであり、日本煙火協会が後援。スターマインに特色があり[1]、日本一のスターマインが競われている。毎年10月第1土曜日(荒天時は延期)に開催される。
土浦全国花火競技大会 | |
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![]() 最寄駅の土浦駅。開催日には大混雑する。 | |
概要 | |
正式名称 | 土浦全国花火競技大会 |
開催時期 | 10月第1土曜日 |
初回開催 | 1925年 |
会場・場所 | 茨城県土浦市桜川学園大橋付近下流側河川敷 |
打ち上げ数 | 20000発 |
主催 | 土浦市観光協会 |
後援 | 日本煙火協会 |
人出 | 800,000人(2010年) |
最寄駅 | JR常磐線土浦駅 |
直通バス | 土浦駅からシャトルバス(有料)運行有 |
外部リンク | 土浦全国花火競技大会 |
概要
創始は1925年。2011年で80回目を迎える。途中、第二次世界大戦による中断があった。会場は土浦市の桜川に架かる茨城県道24号土浦境線の学園大橋付近下流側河川敷。打ち上げ場所は、桟敷席の対岸にある市民運動広場である。毎年、70万~80万人が訪れる。来客数では茨城県内最大の規模。例年、打ち上げは18:00(JST)開始で20:30まで行われる。
現在はスターマイン(速射連発)の部、10号玉の部、創造花火の部で競われている。以前、スターマインは仕掛け花火の一部として扱われていたが1959年にこの大会が「速射連発の部」を設けたことがあり、独立した分野として確立したといわれている[要出典]。また、一般的には大会前に行われる市長の挨拶が中盤に行われて「土浦花火づくし」という主催者が日本煙火協会茨城県支部の協力を得て提供するスターマインが一列に並んだ9か所から約5分かけて同時に合計1000発も打ち上げられる。このスターマインの打ち上げ幅は500mに達し、この大会で毎年一番打ち上げ数が多い。
また、スターマインの打ち上げ時間は約5分以内の物が殆どで、歌や曲に合わせて打ち上げられる。総合優勝者には内閣総理大臣賞(2000年より実施[2])、スターマインの部優勝に経済産業大臣賞、10号玉の部優勝には中小企業庁長官賞、創造花火の部優勝に茨城県知事賞が与えられる。また、大会の参加方法は事前選考を行わず、業者も指定しないエントリー制(自由参加)となっており、エントリー制が行われている唯一の大会である。
自治体や観光協会なども来年の花火大会の打ち上げ業者選定のために訪れる。そのため、大会終了後に商談が成立することも多く、花火の見本市となっている[要出典]。
歴史
1925年に、新治郡土浦町(現:土浦市文京町)にある神龍寺の24代住職であった秋元梅峯が霞ヶ浦海軍航空隊と親交が深かったことから、航空殉難の霊を慰めるとともに不況で疲弊した土浦の経済を活性化するという趣旨で霞ヶ浦湖畔の埋立地で財産を投じて行ったのが始まりである。途中、第二次世界大戦による中断があり1946年に再開したが、住職の財産が無くなると共に花火の中止を検討。しかし、当時の土浦市がこの花火大会を引き継ぐことを申し入れた。そして、日本煙火工業会(現在の日本煙火協会)の会長を務めた北島義一が入賞者に贈られる各賞典の確保など大会の運営に生涯にわたって尽力し日本三大花火の1つに数えられるまでとなった。1972年からは現在の学園大橋付近の開催となった。再開後、開催が見送られたのは1988年(昭和天皇の病状悪化に伴う「自粛」)のみであり、雨や強風による順延も少ない(最後に順延になったのは2006年で、10月7日の開催予定が前日の大雨による桜川増水のため順延予定日にない1週間後の10月14日に開催された。その前は1990年で、このときは長雨の影響で1週間順延して開催)。
会場までのアクセス
鉄道・バス利用
- JR常磐線・土浦駅より、臨時バスで約10分。
- 当日有料シャトルバス
- 土浦駅西口発田中町行き(ジェイアールバス関東)
- 土浦駅東口発学園大橋行き(関東鉄道)
- 学園大橋発土浦駅東口行き(関東鉄道とジェイアールバス関東の共同運行)
- 当日有料シャトルバス
- JR常磐線の臨時列車
- 通常は土浦駅を通過する特急列車がこの日に限り臨時停車するなどの臨時の運行ダイヤが組まれるが、上りの臨時列車の大半は我孫子駅止まりとなる(一部は松戸駅止まり)。
- 年によっては回送扱いの特急列車を乗客に開放し土浦駅から我孫子駅まで無停車の快速運転をすることもある。
- 下りの臨時列車は、水戸駅、勝田駅まで運行をしている。
自動車利用
桟敷席
打ち上げ会場対岸の河川敷に桟敷席(招待席も含む)と無料の一般観覧席が、堤防を挟んだ後方に団体専用桟敷席が用意されている。桟敷席は毎年8月に申込を数日間受け付け、後日抽選を行い当選してから代金を主催者の口座に入金する仕組みである。また違法な場所取りが横行しているため、一般観覧席の事前の場所取りは禁止された。その代わり、大会前日の午後0時に一般観覧席が無料で開放され先着順で場所取りをすることになった。桟敷席と一般観覧席は隣り合っており、後ろにある堤防は危険防止の観点から桟敷券や招待券を提示しないと通れない。
テレビ放送・ラジオ放送
- テレビ放送
隣接する商業施設の対応
基本的に通常通り営業しており、中には花火大会のために特別営業を行う施設もある。ただし、2009年5月28日にオープンしたイオン土浦ショッピングセンターに関しては、打ち上げ場所に隣接している。花火大会開催日における危険防止他のための立入禁止区域に建設してしまったために、店舗駐車場への無断駐車なども考慮した結果、打ち上げ場所は変更せず、当日の営業を休止し完全閉鎖することになった[3]。
ゴミ問題
花火大会終了後には、花火大会によって発生したゴミ等が捨てられている。そのため、毎年地元中学生等のボランティアや市職員で大会終了後にごみの片付けを行っている。その作業は時間が掛かり、朝5時ごろから行っている団体もある。
脚注
- ^ 本大会で「速射連発の部」を設けたことが、スターマインが独立した分野として確立した理由となった。
- ^ 花火競技大会で内閣総理大臣賞が与えられるのは土浦全国花火競技大会と、秋田県大仙市の全国花火競技大会の2大会となっている。
- ^ 2009年9月3日(木)土浦市長記者会見