デトロイト・メタル・シティの登場人物
若杉公徳の漫画『デトロイト・メタル・シティ』に登場する人物の一覧。
- 「声」はOVA版の担当声優、「演」は実写映画版の担当俳優。
DMC(デトロイト・メタル・シティ)
インディーズ界でカリスマ的人気を誇る「悪魔系デスメタルバンド」。メンバーはヨハネ・クラウザーII世 (Gt,Vo) 、アレキサンダー・ジャギ (Ba,Vo) 、カミュ (Dr) の3人構成。デビュー初期よりその過激なライブパフォーマンスで話題になる。
バンドを快く思わないアーティスト達から、次々と対バンを申し込まれるも、悉く勝利を収める。また熱狂的な信者の間でクラウザーII世を中心とした数々の“伝説”が実しやかに語られている。ゲリラライブ中に止めに入った警察官を暴行した(実際は躓いた際ギターが偶然警官の頭に当たってしまった)等、実際に犯罪を犯しているが、事件現場からうまく逃げ出し、本当に本物だったのかどうか誰も確認できないため、逮捕される事無く活動を続けており、ネット上においてもその人気は過熱の一途を辿っている。
一方で、ファンになった友人と絶交するほど一般人には受け入れられず、楽曲の差別的内容に反発も多いため「メンバーは麻薬中毒者や連続レイプ犯らしい」などの噂が流れている。
メンバーはKISSを彷彿させるようなフェイスペイントをしているが(バンド名もKISSの『デトロイト・ロック・シティ』が元と思われる)、容姿全般についてはTHE CRAZY SKBや聖飢魔II、初期のXやLUNA SEA、黒夢から、ステージパフォーマンスはザ・フーやイギー・ポップ、ジミ・ヘンドリックスなどの影響も見受けられる。
代表的なパフォーマンスにDMC地獄の人文字(でぃー・えむ・しー じごくのひともじ)ジャギが“D”、クラウザーが“M”、カミュが“C”を担当。これを見た全ての者は皆呪われるという。文字を表すのにジャギ以外は色々なパターンがある。
- 根岸 崇一(ねぎし そういち)
- 声 - 岸尾だいすけ / 演 - 松山ケンイチ(唄 - 冠徹弥)
- 本作の主人公。大学進学に伴い犬飼町(現豊後大野市)から上京してきた、心優しい青年。初登場時で23歳の童貞。身長170cm、体重58kg、血液型A型。
- マッシュルームカット・痩せ型で“ゴボウ男”と揶揄されるひ弱そうな外見だが、農作業を手伝っていたためか、牛の世話や草刈り、トラクターの運転など、高い農作業スキルを持ち、体力はそれなりにある。酒は飲めるが、余り強い方ではない。大学ではフランス語を専攻していた為、フランス語で会話が出来る。紅茶を飲みながら、カヒミ・カリィのホームページと、加藤ローサと後述の山野花江のブログをチェックする事が日課。いわゆる渋谷系のアーティストを信奉しており、映画版での携帯の着信音はフリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」であった。
- 好きな映画は「アメリ」。音楽もスウェディッシュポップやフレンチ・ポップスなどを嗜好し、特にカヒミ・カリィは全てのアルバムを所持するほど大ファン。ポップアーティストを目指し、事務所には秘密で路上でギター片手に自作曲を歌っているが、相川と佐治からは評価されているものの、一般のウケは芳しくない。
- 大学の同級生の相川に自作曲を誉められた事がきっかけで、プロを目指すようになる。卒業後にインディーズレーベル「デスレコーズ」と契約したが、本人の意に反し「デトロイト・メタル・シティ (DMC) 」のフロントマン「ヨハネ・クラウザーII世」として活動していく事になる(デスレコーズがどの様な事務所か知らなかったのではないかと思われる)。
- 自身の好むジャンルにおいての冴えなさとは対照的に、クラウザーII世としては天才的なパフォーマンスセンスを発揮する。ギターテクニックが非常に高いのだが、普段の生活においてはそのテクニックが発揮されている節は見られない。
- 嫌々クラウザーII世を演じているだけだが、怒りや嫉妬心でテンションが上がった時は、自然にクラウザーII世の人格が顔を出す。この状態では罪悪感が無くなっている為、周囲の者が被害を受ける事も多い。また理性が働いている時でも、ファンを失望させない為、クラウザーになってあらゆる場所に“降臨”することがある。サタニック・エンペラー以降は徐々に人格がクラウザーと同化しつつあり(本人は少し怒りぽくなったと思っている)、日常生活でも頻繁にクラウザーのような言動が出る様になったり、自らの犯したクラウザーとしての悪行をあまり反省しなくなったりするようになった(但し後になって後悔する事はある)。
- 基本的にクラウザーII世としての行動を自己嫌悪している事からライブ後の打ち上げにも殆ど顔を出さないが、メンバー達との信頼関係は厚く、対バン等を通じアーティストとして純粋に対抗心を燃やすなど、本質的には「バンド野郎」である。
- 北原元気に勝負を申し込まれた際、一度は勝負を断ろうとするも、北原のレベルの高い演奏に触発された事で対抗心が生まれ勝負を受けるが、勝負に敗れて伝説のギターを奪われ、「メタルで負けた」ことにクラウザーとして挫折を味わい一時呆然としてしまう。立ち直った後はメタルとの決別を決意し、一時的に行方をくらまし、オシャレなアーティスト志望の人々が集う「アートキワ荘」に身を寄せていた。だが根岸の居場所を突き止めた社長が送り込んできた高木、ザザ、カリビダンといったメタルミュージシャン志望の男たちの影響によって復活。DMCとブラックデスDMCの対バンが行われている会場に駆けつけ、クラウザーI世との直接対決で見事雪辱を果たした。それから暫くしてカールス秀樹のゴッドとしての振る舞いを客観的に見て、今の自分に不信感を抱きDMCを辞める事を決意。フランスへ音楽修行のため留学するが、路上ライブでは日本のように罵声を浴びせられることさえ無くただひたすらに無視され、「何かしら反応がほしい」という思いのあまり、「駄目だった時に投げ付けてもらう為の卵」を準備するほど錯乱していく。
- その後、和田からの手紙で社長が倒れたこと、ゴッドに世界のデスメタルバンドが全滅させられたことを知り、自分の「メタルをやりたくない」という思いとは裏腹に半ば本能的に日本に帰還。ゴッドとの対バンに勝利した後、改めて相川に自分の正体を明かして告白をしようとしたが、当人に正体を信じて貰えず、結局最後まで正体がばれる事はなかった。
- 映画版では、相川がクラウザーII世の正体に勘付く場面がある。
- ヨハネ・クラウザーII世 (Johannes Krauser II)
- 声 - うえだゆうじ
- DMCのリーダーで、ギター&ボーカルを担当。頭に金髪のフルウィッグ、顔を白塗り・くま取りにメイクして額に“殺”の文字を書き込み、特撮の悪役の如きコスチュームにマントを纏う。
- 熱狂的なファンからは「クラウザーさん」と慕われ(作中でも正式名で呼ばれる事はあまり無い)、崇拝されると共に恐れられている。メンバーの和田(後述)は、数々のパフォーマンスを披露するクラウザーII世を「メタルモンスター」と呼んでいる。また盲信的ファンが多く、アルバイト、B級映画の監督から自分の肉親まで、その範囲は多岐に渡っている。
- 当初のキャラ設定は「魔界出身の悪魔で、幼き頃に両親を殺害してレイプした為服役していたが、バンド活動の為に刑務所から出てきた」というデビュー曲の歌詞から派生したものだけだったが、その後、人権無視、女性蔑視などの非人道的言動、曲の歌詞や宣伝文句、数々の奇行を経て、時に根岸当人さえ全く知らない虚虚実実な伝説がファンを中心に広まっている。
- 非常に高いギターテクニックを生かし、ギターを歯で弾く、ウィンドミル奏法といった奏法を得意とする(尚、これらはファンの間ではそれぞれ「歯ギター」「腕グルグルギター」などと呼ばれている)。ライブ時には高確率でギターを破壊する。後にデスメタルの帝王、ジャック・イル・ダークよりSGタイプの通称「伝説の悪魔のギター」を譲り受けた(クラウザーII世が3代目)。
- 1秒間に10回「レイプ」と、イの半分を叫ぶ、1秒間に10回レイプ発言(イプとレイを同時に発声させることで可能となる)、などのパフォーマンスを持つ。また、魔の刻印(サイン会)ではアーティストにありがちな凝ったものではなく、単に日本語で名前を書いただけのもの。「ノ・ビーレ」という恋愛映画で役者デビューも果たした。
- ゴッドがメタル界を席巻した後は暫く行方を晦ましていたが、日本武道館での式典ライブに乱入し、「メタルをやりたくない」という強い思いをゴッドとぶつけ合って遂に勝利。その後もデスメタル界の伝説として名を轟かせていく事になる。
- 和田 真幸(わだ まさゆき)
- 声 - 中野裕斗 / 演 - 細田よしひこ
- メンバー中唯一、素でもロッカー気質かつ常識人。女の事となると気がきく細身で長髪のバンド青年。身長174cm、体重63kg、血液型AB型。埼玉県出身。素顔もイケメンでモテるが、メンバーとの合コンにもホストの様な服装で参加するなど、ズレたところがある。
- カラオケの持ち歌はL'Arc〜en〜CielのHONEYやGLAYのHOWEVER、唇で、HONEYは95点を出した事もあるらしい[1]。また知り合いのビジュアル系バンドへの加入(その後の展開で取り消しとなった)や引き抜きにも応じるなどデスメタルよりもビジュアル系バンドを望んでいるようである。
- お調子者だが、ビッグになるという夢の為に日々ベースを指が動かなくなるまで練習したり、新しいステージパフォーマンスの研究の為にジャグリングの練習をしたりするなど努力家の一面も持つ。
- 将来はソロ活動も考えており、「ジャギ With エメラルドファイア」という名のビジュアルを意識したバンドを結成する計画も持っているが、最初にそのアイディアを披露した際は、社長から回し蹴りを食らわされる羽目になった。キャバクラでその話をした際は、ネーミングやスタイルがhide with Spread Beaverと似ているという事で、X JAPANのファンであるキャバクラ嬢に好評を得た事もある。
- ただし、根岸とは対照的にアドリブセンスがなく、ステージ上以外でジャギとして振る舞う事も苦手。その為、一度ステージに上がれば必ずファンを熱狂させる根岸の才能を高く評価し尊敬している。クラウザーが騒動を起こした際は責任を押しつけようとする小心者な面が度々見られるが、DMCでの活動には誇りを持っていて、売れる為には手段を選ばない。PV撮影でも根岸にとって拷問の様なパフォーマンスのアイディアも積極的に出したりするが義理堅い一面もあり、社長が倒れた際に食事が喉を通らなくなるほど心配したり、フランスへ渡った根岸に手紙と航空券を送り、「中途半端なままDMCを辞めていいのか?」と説得したりと、世話になった人への恩義を欠かさない。
- そのルックスとベーステクはビジュアル系としても通用し、他のビジュアル系バンドから引き抜きの話も来るほど。ポップス志向ながらその方面では全く認められない根岸とは正反対である。
- アレキサンダー・ジャギ (Alexander Jagi)
- ベースギターとボーカル担当。ファンからは「ジャギ様」と様付けで呼ばれている。
- 中分けしたロングヘアー、白塗りの顔、全身タイツの背中にデビルマンのような羽、という出で立ち。衣装やベースのストックがクラウザーに比べると非常に多く、ベースはサンダーバード、プレシジョンベース、スティングレイ、東海楽器・Talboなどが確認されている。
- 「クラウザーII世との殺し合いの末バンドに加入したミュージシャンであり、連続放火魔」という設定。最初は単にジャギという表記だけだったが、後に登場したサタニックエンペラー参加の契約書でフルネームが判明。
- 口から炎を吹くパフォーマンスを得意とし、ライブ中で多用。熱いファンから「焼き殺してー」という物騒な声援が入る[2]。金玉ガールズとの対バンではこの火噴きが原因でライブハウス「渋谷ルタファー」が火災になるという事態になった。他にも火のついた松明でのジャグリングや側転なども器用にこなす。しかし、クラウザーやカミュのキャラがあまりに濃い為になかなか目立たず、事務所の社長から活を入れられる事も度々。
- 10巻の解散ライブでは1人でグロテスクを歌った。
- 西田 照道(にしだ てるみち)
- 声 - 保村真 / 演 - 秋山竜次(ロバート)
- 大まかな特徴はステレオタイプなオタク像そのもの。またメンバー内でもっとも変態である。眼鏡に豚鼻、背が低く小太り。身長162cm、体重76kg、血液型B型。東京都出身。
- 「くいこみ戦隊ブルマちゃん」などアニメや特撮キャラクターを好む。服装としてはトレーナーをケミカルウォッシュジーンズに入れている事が基本で、また着用しているTシャツも「くいこみ戦隊ブルマちゃん」が大半である事からブルマに異常なまでに執着心を持っていることがわかる。普段から食い意地が張っている。
- 非常に口数が少なく、ボソボソした小声ながら大変な毒舌家で、メンバーに対しても「能ナシが」「黙れカス」等、刺すようなセリフが多い。また、女性に対しては卑猥な言葉しか話さない。笑う時に「ギィ」と不気味な音を立てる。
- 行動も非常識で、楽屋での自慰容疑、自宅での監禁容疑、指名手配容疑など、様々な疑惑を抱える。だが、メンバーとは一定の交流を持っているようで、個人的に根岸とゲームソフトの貸し借り等はしている。1度だけゲーム(『ぼくのなつやすみ』)の返却を巡ってDMC解散の危機を迎えるが、結局和解している。この際、クラウザーとカミュの魔王としての姿がファンの妄想ながら描かれた)。しかし、殆ど会話シーンがなく、変態行為の数々もスルーされている模様。
- 精神的に変身前と後が殆ど変わっていない真性の変質者であり、ある意味では公私共に最もメタルな生き方をしている。剃毛を性的に好むようである。
- カミュ (Camus)
- ドラム担当。逆立てた金髪のフルウィッグにピエロを連想させるマスクを着用する(マスクを被るシーンが描かれていたが、53話ではメイクを落とすシーンもあり、はっきりしない)。
- 「死体マニアで、そのドラムプレイは昔、特殊警棒で人をタコ殴りにしていた頃に身に着けた」という設定。また、デスメタルバンドでは珍しくワンバスである。
- 卑猥な妄想をエネルギーに、鬼畜的なドラムテクニックを発揮する。叩いて音が鳴ればキーボードでも叩き、ジャック・イル・ダークとの対バンでは、ジャックのペット“メタルコブラ”をスティック代わりにドラムを叩くという荒技を披露。金玉ガールズとの対バンでライブハウスが火事になった時には周りが燃え盛る中でも避難もせずにドラムを叩き続けており、本来小心な根岸や常識人の和田と異なり、相当肝が据わっている。
- ドラムスティックで女性の性感帯をピンポイントで刺激する“絶対性感”という得意技を持つ。サタニック・エンペラーの対パイパニック・チェーンソー戦ではこの技によりレイをKO、さらにとどめにストリップショーのように札まで握らせ、殆ど1人の力でDMCを勝利に導いた。
デスレコーズ (Death Records)
雑居ビルの雀荘とテレクラの間にある、DMCの所属事務所兼所属レーベル。彼ら以外の所属バンドは確認されていない。
- 梨元 圭介(なしもと けいすけ)=資本主義の豚(駄豚)
- 声 - 松山タカシ
- デスレコーズに雇われたライブ時のサポートメンバー。身長165cm、体重72kg、血液型O型。鳥取県出身。楽器を演奏するのではなく、ライブでクラウザーII世に舞台上で暴行を受けて悦ぶM男役のパフォーマーである。素の根岸は当初申し訳ないと思っていたが、真性のM男なので全く気にすること無く、逆に根岸を励ましたこともある。やがて根岸もプロのプライドを持ってM男を演じ切る梨元を尊敬するようになり、お互いが厚い信頼で結ばれている。根岸が帰省し、長期間ライブが行われなかった折にもライブハウスで帰りを待ち続け、「忠豚ブタ公」として銅像が立てられたこともある。
- 好きな歌手は前川清。特技は、目隠しをしてもクラウザーII世を嗅ぎわけること。達筆。加齢臭がキツイらしい。
- 年齢ゆえにスタミナ不足なのは否めないが、暴行が限界まで達すると思わぬ力を発揮するようで、サタニック・エンペラー用に自分の衣装を新調してくれたデスレコーズ社長の期待に応えて、ポアゾンとの対決では勝利に貢献。「豚が私を濡らせるとは思わなかったぜ!」とお褒めの言葉をいただいた。
- バツイチの中年男性で、別れた女性との間に中学生の子供がおり、年に一度だけ面会できるが、「見習い豚」の品川が企画した「豚イベント」と面会日が重なった時にイベントを優先したことがある。M男のパフォーマーによる収入だけでは生活が苦しいらしく、DMCのライブが終わった直後ですらコンビニエンスストアでアルバイトをしている。そこで出会った意中の人(苗字は上村。26歳のバツイチ女性)のため、一度だけ根岸の計らいで「資本主義の英雄」としてDMCのボーカルを務めたことがある。「家路」というタイトルのオリジナルソングも披露し、最初は上村も感動していたが、苛立ったクラウザーに邪魔されていつも通りのM男としてのパフォーマンスを披露する事となってしまい、上村からは幻滅され実を結ばなかった。
- 映画版には登場しないが、話題に上るシーンがあるので設定上は存在しているのだと思われる。
- デスレコーズ社長 / ブラック&デスレコーズ社長
- 声 - 小林愛 / 演 - 松雪泰子
- DMCの所属事務所の女社長。本名は不明。身長165cm。金髪で皮ジャンにミニスカート。「ユー達」等英語交じりの妙な喋り方をする(ただ、連載が進むにつれてそのような台詞は少なくなってきている)。「怒りでコカンがヘソまで裂けた」など、突飛な発言が多い。また、臍ピアスをしている。タバコの火を自分の舌に押し付けて消すほか、昼間から飲酒や喫煙はもとより麻薬や覚醒剤すらやっているような描写もあり、生き方そのものがデスメタルを地で行く女性。物事の良し悪しをすべて、股間が濡れるか否かで判断している。意外にも甘いもの(生八つ橋)好きという面もある。「BAR サンズ・オブ・サタン」を愛用しており、そのバーには留学したケニーも訪れている。
- 事務所の看板であるDMCの事は何より大事にしていて、自身もファンである。その情熱が行過ぎて、根岸の生活を普段からデスメタルに染める為に、グリとグラを引き連れてアパートに上がりこみ部屋を滅茶苦茶にしたり、クラウザーII世に火を吹きかけ「DMCは私のものだ」と断言したこともある。その為、根岸はクラウザーになりきっても社長だけは苦手である。「どうやってDMCメンバーを集めたのか?」、「DMCの他にもクラウザーI世以外で契約アーティストがいるのか?」等、不明な点も多い。
- ジャック・イル・ダークをデスメタルに目覚めたきっかけとして尊敬している。彼の自伝『ジャック・イル・ダーク 帝王の真実』をバイブルとし、着メロも彼の代表曲「ファッキンガム宮殿」。ジャック同様「ファック!」が口癖で、気に入ったものに対しても「オーウ ファーック」と発言するなど、すでに意味の崩壊が起こっている[3]。
- かつては「DEATH」という集団を率いてレベルの低いメタルバンドを襲撃していたが、当時ブラックカオスのリーダーだった北原元気のレベルの高い演奏に触発されて北原と意気投合し、彼と共にブラック&デスレコーズを設立した。しかし後述の北原の逮捕の一件が原因で現在は顔を合わせれば一触即発の関係になっている。
- ゴッドが日本を席巻し始めた頃、根岸脱退発言を前に溜め込んでいた疲労が限界に達し「DMCは解散だ」のひと言を残して吐血、意識不明の重体に陥ってしまう。しかし、帰還したクラウザー2世とゴッドの対バンに病み上がりの状態で応援に駆けつけた。
- グリとグラ
- 社長のデスメタル仲間。身長190cm、体重84kg。本名なのかどうかは不明。ボンデージファッションで大型バイクを乗り回す。それぞれ片眉をそっており髪型はロード・ウォリアーズのそれを思わせるモヒカン&逆モヒカンヘアー。屈強な体で一言も喋らず、無言で笑うことも多い。社長の命令で根岸を拘束するなど、デスレコーズ社長の忠僕である様子。デスメタルを聞くと黒のビキニパンツ一丁になり、頭の後ろで手を組み下半身をカクカクさせる卑猥なダンスを踊る。
- 映画では犬(デスレコーズ社長のペット?)として登場。
- 名称は児童絵本のぐりとぐらが元ネタ。
- ロザドニエゴリ・ボサラバロドス
- 声 - うえだゆうじ
- DMCを逃げ出した根岸の代わりに、社長が影武者として使った野球好き・音楽好きのラテン系外国人。身長178cm、体重74kg、血液型O型。ドミニカ出身。なぜか自前のラジカセを常時持ち歩いている。額の「殺」の字が「投」になっているほか、歌詞もメタルに無関係な改変を施すなど、代役としての技量は疑問である。なお、歌っていた歌が自分を題材にしたものだとすれば、9人兄弟の長男で出稼ぎのために日本へ来たらしい。今でも野球が諦めきれない様子。
- 根岸が行方をくらましている間に再びクラウザーII世の代役を務める。その後ブラックデスDMCとの対決で偶然にもクラウザーI世の「一秒間に12回のレイプ発言」の秘密を暴き出した。
- 品川 勇次(しながわ ゆうじ)=豚見習い(賢豚)
- 作中ではメジャーレーベルとされているナーフ・ミュージック・エンターテイメントの元社員。身長174cm、体重68kg、血液型A型。東京都出身。DMCの話題性に目を付け、メタルだけではなくポップスやメンバーのソロデビューなどの多方面展開の確約をエサにDMCを自分のレコード会社に引き抜こうと画策。かねてよりメジャー志向の強かったジャギがその話に食いつき、クラウザーとカミュを勧誘してデスレコーズ社長に内緒で品川と接触するも、接待に使用したキャバクラがデスレコーズ社長の行動エリア内だったことが災いし、社長の鉄拳制裁を喰らう事となった。その時、ジャギは全てを根岸のせいにして逃げたため、根岸までもが鉄拳制裁を受ける羽目になった。その後、デスレコーズ社長の命令 (?) により、豚見習いとしてデスレコーズに移籍、パフォーマーとしての豚の生き様に次第に心酔するようになる。
- チェン・ミンシク
- DMCの面々が地方公演の帰りに列車事故に巻き込まれて東京でのライブに間に合わなかった為、ロザドとともに代役として呼ばれた中国人の男。ジャギの代役担当だが太り気味。普段は中華料理店で働いており、得意料理はチャーハンらしい。
- ダルハム
- DMCの面々がライブに間に合わなかった為、ロザドとともに代役として呼ばれたインド系の男。カミュの代役担当。ヨガやヘビ操りが得意な模様。
クラウザーI世と関係者
- 北原 元気(きたはら げんき)=ヨハネ・クラウザーI世 (Johannes Krauser I) =死神G
- かつてデスレコーズがブラック&デスレコーズだった頃に所属していたアーティスト。身長168cm、体重70kg、血液型B型。静岡県出身。
- デスメタルバンド「ブラックカオス」のリーダー“G”として活躍し、殴りこみに来た若き日のデスレコーズ社長と意気投合。圧倒的な楽才と暴力で日本のメタルシーンを席巻した。その後社長に片想いするようになったが、その想いから彼女の尻を触ったことで痴漢扱いされ、逮捕されてしまう。なお、服役中も数々の問題を起こし、刑期が延長されている。出所後は「クラウザーI世」を名乗り、社長に復讐を果たすべくDMCやデスレコーズに対して様々な妨害を仕掛けていく。
- クラウザーII世の「一秒間に11回レイプ発言」を越える「一秒間に12回のレイプ発言」などの技を持ち、対バン企画を潰す、デスレコーズの事務所を荒らすなどの妨害を次々に仕掛け、更にDMCに恨みを持つ人物を集めてDMCと同名のバンド(ブラックデスDMC)を結成してデビューし一気にDMCファンの人気を攫い、遂には自らの演奏で根岸をクラウザーとして覚醒させた上でメタル勝負で打ち負かして伝説のギターを奪い、根岸に「メタルで負ける」挫折を味わわせた。DMCとの対バンでは当初は優位に立っていたものの、途中で復活したクラウザーII世が会場に現れたことで形勢が逆転。更に「一秒間に12回のレイプ発言」は実は口の中にバネを仕込むという工夫により行われていたことを観客の前で暴かれてしまい、更には実際の姿までもを暴かれ、敗北する事となった。
- 前述の逮捕の一件で社長やデスレコーズを恨んでいたが、実際は社長に対する想いを捨て切れていなかった。本家DMCに敗れた後、観客の前で社長に自らの想いを告白し、101回のプロポーズを敢行した。その後「元気BAND」を新たに結成し、デビューシングルをDMCやデズムのニューシングル発売予定日に合わせて発売。
- その後はデスメタルバンドを潰して回るゴッドと対決するがあえなく敗北。この時、凝りもせずにまた口の中にバネを仕込んでいたことが判明する。
- 「元気」という名前は東宝の映画「DMC」広報担当者の川村元気から。
- ナオキ
- DMCファンの1人で、非凡なギターテクの持ち主。DMC脱退を目論んだ根岸から後釜に勧誘されるが、それを知った社長が根岸に制裁を加えたため、結果的に一方的に約束を破棄されたことになり恨みを抱く。その様子を見ていた北原に拾われ、彼と手を組みブラックデスDMCに結成した。その後北原と行動を共にするようになり、本家DMCとの対戦でブラックデスDMCが敗れた後も北原についていった。
- レモン
- 秋葉原のゲームセンター「シリウス」に君臨する凄腕ゲーマー。通称「ニートの皇帝」。太鼓ゲームを得意とする凄腕ゲーマーだったが、カミュに敗れて地位を失う。その後北原に拾われ、ブラックデスDMCに加入した。頭髪はカツラである。
- ブラックデスDMC
- 北原がDMC打倒のために結成したバンド。メンバーはクラウザーI世 (Vo・Gt) 、ナオキ (Gt) 、レモン (Dr) 、鈴木 (Ba) の4人で、一般公募の鈴木以外は全てDMC関係者に恨みを持つ人間で構成されている。この他に、北原がブラックカオス時代に倒したアーティストのエンマ加藤を豚(牛)として擁する。
- かつてDMCの成し遂げた偉業をことごとく完遂してファンを奪い、関係者(普段の根岸)を襲って伝説のギターをも強奪。本家DMCに真っ向勝負を挑んだ。
- 全裸の男
- ブラックカオスの元メンバーの1人で、常に全裸で演奏していた男。I世とII世の戦いを観戦し、北原の101回のプロポーズを「SAY YES」を歌って盛り上げていていた。今はサラリーマンをしているらしい。
DMCの支援者
DMC信者
メンバーの行動を「全て」好意的に解釈してくれる(または勘違いしてくれる)妄信的・狂信的、かつ熱狂的なオーディエンス。ほぼ全員が悪魔的な化粧を施したり、露出度が高い服またはゴスロリ系ファッションを着ており、X JAPANファンの「We are X!!」を彷彿とさせる「Go to DMC!!」の掛け声の下、団結力は非常に高い。またDMCを罵倒したり蔑んだりする者には容赦なく制裁を下す、DMCのためならば時と場所を選ばず集結する等、社会的に問題になりそうな行動も数多い。
殆どが名前の無いモブシーンの出演者たちだが、その台詞がDMCの行動を(強引に)正当化する重要なキャラクターとして扱われており、
- 「クラウザーさんに○○なんて関係ないんだ!」
- 「出たぁ! クラウザーさんの○○だ〜!」
- 「キサマSATSUGAIするぞ!」
- 「それはクラウザーさんに対する冒瀆か!」
などの名言(迷言)を次々と産みだしている。DMC伝説の半分以上は、彼らが勝手に妄想した末に吹聴し広まったもので、その都度根岸が事態を収拾するためクラウザーとなって降臨するも、皮肉にもその意図に係らず逸話の裏付けを作ってしまい、毎回火に油を注ぐ結果になっている。
普段からクラウザーII世を真似て額に殺の字を入れている体格のいい青年(声 - 前田剛 / 演 - 大倉孝二)と、一緒に行動している友人らしきインディアンヘアに鼻チェーンの青年(声 - 矢部雅史 / 演 - 岡田義徳)は、根岸が「いつもライブに来るファンの子達」と認識し呼んでいる(『デトロイト・メタル・シティ ザ・ファンブック 魔典』では、前者が「ファンの鑑」、後者が「最高の相方」と記載されている)。特に前者はDMCのコピーバンドをやっている姿や、遊園地でヒーローショーのバイトをしている姿が描かれるなど、出演回数・台詞とも多く事実上準レギュラーになっている。また喧嘩も相当強く、元ボクサーのKIVAクルーさえあっさり倒した上、DMCを否定した者は、子供であっても粛清する。またフットサルの試合でインターハイ出場経験者をあっさり抜き去り、「レベルが違う」と言わしめるなどスポーツ万能でもある模様。当初は「ファンなのにクラウザーⅡ世に犯られていない」ということにコンプレックスを持っていたが、ゴッドとの対バン直後のライブでクラウザーⅡ世の手招きを受けてついにステージに上がり、尻を叩かれるという最高の栄誉を授かり、コンプレックスも解消された。
この他、『キン肉マン』の登場キャラクター(バッファローマン、ブロッケンJr.など)にそっくりな風貌の男たち、帽子をかぶりクラウザーメイクをした女(演 - 小林きな子)、頭の半分を剃りあげた神奈川県内のSMクラブに勤める女などが登場する。
- 深津 良太(ふかつ りょうた)
- 声 - 浜添伸也
- 病で床に伏せっているDMC信者の青年。クラウザー宛にファンレターを送り、そこに「手術が失敗したら生きていけない」と書かれていた事で、クラウザーがわざわざ果物を持って自宅にやってくる。クラウザーはレコーディング中だったことから、「もしお前が明日手術を受けるというのなら、1秒間11回レイプ発言を達成してみせる」と宣言、その後宣言通り「1秒間11回レイプ発言」を見事達成するが、病気は風邪で、受けた手術とは包茎手術だった。
- クラウザーたん
- 声 - 伊瀬茉莉也
- 番外編「デトロイト・モエ・シティ」に登場した幼女。両親共々DMCのファンで、本名は戸澤ルナ。
- ライブ会場のロビーでDMCの「メス豚交響曲」を歌い、白い液体(ミルク)を飲み、父親に襲い掛かった(抱きついた)ことで、DMCのファン達から称賛を受けた。なお映画版でもクラウザーたんらしき人物が登場したが、クラウザーたんか定かではない。
- YASU
- インターネットでDMCのファンサイトを立ち上げている管理人。本名他、正体不明。
- サイトでは電子掲示板を開設し、まるでチャット状態のような大変な賑わいを見せている。「最新情報」「ライブスケジュール」「管理人プロフィール」という定番コンテンツの他に「クラウザーさんの伝説とお言葉」「ジャギ様の放火現場」「カミュさんの惨殺ルーム」というアーカイブ的なコンテンツがある。
- 仁村(にむら)
- DMCファンの1人。積極的に盛り上げるようなリスペクト法で当初は他の信者達の批判を集めていたが、上記の常連の男との対決の末迎え入れられる。
- 本業はプロレスラーで、「極東プロレス」の若きエース。
- 戸澤(とざわ)
- 「極東プロレス」所属のプロレスラーで、上記のクラウザーたん(ルナ)の父親。家族そろってのDMCファンで、デスレコーズに直接自分の試合への観戦招待をかけあっている。
- 倉本一樹
- DMCのファン。富山県出身。ファン仲間の女性・葵に告白したいというファンレターを受け取った根岸は、彼の恋を実らせる為だけに「猫が憑依」「地獄の人文字で富山県章を出す」といった滑ったパフォーマンスを行う。しかし彼も「スランプ」と思ってしまい、最終的にクラウザーの唾を取ろうとして捕まり「豚の種付け」をされてしまう。これを見た葵はショックを受け、倉本と別れてしまった。
その他の支援者
- シゲおじちゃん
- 声 - 矢部雅史
- 根岸の住むアパートの隣の部屋に住んでいる管理人。身長163cm、体重52kg、血液型O型。茨城県出身。本名は不明。心優しく親切な人で、お菓子を差し入れするなど、根岸の事を何かと気にかけているようで、根岸にとっては東京での父親代わり的存在。口癖は「オロロロロ〜」。
- 暴走したデスレコーズ社長とグリグラによって弄り回されるうちに若い頃の勢いを取り戻し、DMCのファンになってしまった。DMCを「デーエムセー」、CDをドーナツ盤と呼び、根岸の演技を「裕次郎の再来」、「勝新の域に達してる」と評価するなど、時代を感じさせる発言も多い。
- 沢井“スペルマン”剛(さわい スペルマン たけし)
- 声 - 李闘士男
- アンダーグラウンドで活躍するB級映画界の奇才と呼ばれる映画監督。身長168cm、体重64kg、血液型B型。山形県出身。代表作は「撲殺コップ」「殺戮のパンダ鮫」等。熱狂的なDMC信者であり、デスレコーズ社長に自ら新作の映画「ノ・ビーレ」の脚本を売り込み、クラウザーII世の出演を取り付けた。撮影中にクラウザーII世がアドリブを取った事により急遽独断で内容を変更、俳優側の事務所から訴えられあえなく公開は無期延期となった。
- 余談だが、ミドルネームの“スペルマン” (Spellman) という名前は実在する(ただしファミリーネーム)。
根岸の家族・親族
- 根岸 俊彦(ねぎし としひこ)
- 声 - 加古臨王 / 演 - 加藤諒
- 根岸の弟で高校3年生。身長174cm、体重63kg、血液型O型。兄と同じくポップが好きな心優しい少年だったが、根岸が上京した後ラジオで聴いたDMCの曲の虜になり、不良化。DMCグッズを通販でそろえて学校をサボりだし、肉親にも反抗的な態度をとりだす。根岸が帰郷した頃には、勉強で問題を出されてもDMCに関連付けた答えしかできないほどのDMC信者になっていた。しかし、家族同様に天然ボケの気があるようで、実兄扮するクラウザーと対面した時も全くその正体に気付かなかった。クラウザーの説教を受けて改心したかに見えたが、後にピンクのマッシュルームカットという暴走した姿でサタニック・エンペラーに出没。クラウザーにその髪型を「貴様の公然猥褻カットは童貞丸出しの思春期早漏ヘア」と意にそぐわなかった旨の指摘を受けた事で、その償いとしてヘルヴェタのファンに喧嘩を売り、危うく生贄にされそうになった恐いもの知らず。根岸が妹の結婚式のために実家に帰省した時には髪の毛の色は黒に戻っている。高校卒業と同時に同級生の女の子から告白され、その彼女が上京しているため遠距離恋愛中。その彼女に会いに行くために根岸と再会した際にはかなり更生している。DMC解散騒動があった時期はファンであるにも関わらず、解散ライブに駆けつけずに彼女と過ごして童貞を喪失したことが根岸への手紙の中で明らかになっている。
- 根岸 啓子(ねぎし けいこ)
- 声 - 井関佳子 / 演 - 宮崎美子
- 根岸の母。東京で一人暮らしをしている根岸を何かと心配して、しょっちゅう野菜や米、吉四六漬けなど食べ物や手紙を送ったり、電話をかけてきたりしている。少し心配性な、どこにでも居る農家の母親である。
- 突如家に現れたクラウザーを見ても全くうろたえず、「地獄から来た」という自己紹介を聞き間違え、逆に「四国からわざわざ悪いねぇ」と歓迎し「クラちゃん」と呼んで朝食を振舞うなど度量の広さを持つ。その際もクラウザーが息子である事にまるで気付かない様に、実はかなりの天然ボケ。また俊彦が大事にしているDMCのTシャツを断りもせずに着て農作業を行なうなど、あまり細かいことは気にしない性格。俊彦が「変な音楽(もちろんDMCの事)」に入れ揚げて、不良化している事を一応悩んではいるが、根がノンビリしているのか、あまり深刻そうな感じではない。崇一がクラウザーII世となってファンの女性と食事をしていた際、母親が突然携帯に電話を掛けてきた為「地獄の女帝からだ」と言ってごまかした事がある。
- サタニック・エンペラー時には、仕事中に田んぼから溝に落ちて足を怪我し2週間ほど入院していたことが俊彦の口から語られているが、根岸はその連絡を受けておらず、息子に余計な心配をかけまいという母の気遣いに胸を打たれ、代わりに自らの分身が引き込んでしまった俊彦を更生させる事に苦心する。
- 映画では、もしクラちゃんへ会ったなら渡して欲しい、と根岸にお守りを託す場面がある。
- 根岸 一則(ねぎし かずのり)
- 演 - 菅原大吉
- 根岸の父。七三分けで眼鏡をかけ、農業従事者らしいごつい体格をしている。崇一がまだ幼少の頃から農作業のスキル(シイタケ栽培用の薪割りなど)を叩き込んでおり、それが後にDMCのライブパフォーマンスに生かされる事となる。人物像は、厳しさと優しさを併せ持つ、古き良き日本の父親といったイメージ。
- 根岸 康一(ねぎし こういち)
- 根岸の祖父。どこにでもいる心優しい老人だが、ボケの傾向があり、周囲に対しては「あべよし」(近所のスーパーマーケット)に行く事を誘う発言ばかりを繰り返している。後に家の屋根から落ちて怪我を負い、その連絡を受けた根岸は祖父を心配して実家へ戻ろうとしたが、運悪くその日に社長がライブの日程を決めてしまったため実家に帰れなくなってしまう。その後、根岸は康一が亡くなったとばかり思い込んでいたが、後に母からの連絡で康一は足をひねっただけで助かったと知らされた。
- 根岸 朋子(ねぎし ともこ) / 河野 朋子(かわの ともこ)
- 演 - 池澤あやか
- 崇一の妹で俊彦の姉。職業は会社員で、根岸家の3兄弟の中ではある意味一番の常識人。しっかり者だが、寂しがり屋の面もある可愛らしい女性。後に河野と結婚するが、結婚披露宴の最中にクラウザーが乱入し、悪魔なりの破滅的且つ暖かい祝福を受け思わず涙する。母親と同じくクラウザーの正体が崇一である事に気づいておらず、クラウザーの事を「クラちゃん」と呼ぶ。
- 河野 亮(かわの あきら)
- 朋子の夫だが、挙式中に妻である朋子からも「河野くん」と呼ばれていて、劇中では披露宴の司会者に一度下の名前を呼ばれたのみである。地元の役場に勤務し、顔のデカさにより俊彦から「顔デカ」と呼ばれている。デカいのは顔だけではないらしく、温泉で俊彦がその黒さ、太さ、グロテスクに光る存在感から彼がクラウザーであると決め付けて思わずDMCコールを連呼してしまう程の股間のブツや、結婚式の披露宴にてクラウザーから数多くの恥辱的な拷問を受けても、心配して駆け寄る朋子に対して「みんなが楽しんでくれてよかった」と笑顔で言ってのけるほどの器量の大きさも持ち合わせる好漢。モデルは映画にも携わった、豊後大野市役所勤務の同姓同名の人物である。
根岸をとりまく人々
- 相川 由利(あいかわ ゆり)
- 声 - 長澤まさみ / 演 - 加藤ローサ
- 根岸が片想いをしている大学時代の同級生。本作のヒロイン。身長162cm、体重48kg、血液型O型、胸のサイズは86cmのDカップ。東京都出身。卒業後は根岸が愛読するオシャレ系雑誌「アモーレアムール(通称アモアム)」の編集者をしている。根岸が発売されたばかりの新曲「グロテスク」の売れ行きを確認しに入ったCDショップ「JOWER RECORDS(ジャワーレコーズ)」で根岸と大学卒業以来の再会をする。根岸と同じくスウェーディッシュポップが好きで、メタルなどの過激な音楽が嫌い。彼女が「ギターも上手いし、プロになれる」と誉めたことで根岸は本格的にプロのアーティストになる決心をしたので、路線が違うとはいえ、ある意味“DMCとクラウザーII世の生みの親”と言ってよいのだが、後述の生贄のこともあって、当人はDMCを「最低のバンド」と思っている。
- 外見は美人でスタイルも良いが、性格的は真面目な様でいてオトボケ。かなりの鈍感で、クラウザーII世の正体が明確にわかってしまうような場面でも全く気付いている様子が無い。わざわざ根岸に電話して仕事の付き合いと言いつつ、気を揉ませた後でアサトヒデタカとデートする等、尻の軽いところがある(その為、根岸=クラウザーの逆鱗に触れることも多い)。
- 根岸と再会してからことあるごとに「メス豚」扱いされ、雑誌取材でDMCライブを観て以降は「豚」という言葉に敏感に反応するほどトラウマを抱えてしまう。今までに2度、クラウザーII世により生贄(「豚の黒パンツの刑(スカート捲り)」、「淫乱車の刑〜豚の黒パンツチラ見えバージョン(いわゆるプロレス技のジャイアントスイング)」にされ、スカートを捲り上げられている。その他にも根岸=クラウザーから「このマンカス!」「顔面クリトリス女」「顔射用女」等、あらぬ言葉で罵倒されたり辱めを受けたりする事が多いのだが、なぜか根岸との関係は大事にならずに済んでいる。
- 根岸とフリーマーケットに参加したとき、なぜか根岸の出したものがどんどん売れていった事でメンバーから誉められ、調子に乗った根岸が呼びかけて、根岸と友人のサキ(DMCメンバーの合コンに顔を出している)、その彼氏・田中と共に国際オシャレ連合を結成するが、そこに偶然現れた相川の元彼・祐太郎の登場で根岸は嫉妬し脱退する。
- 山野 花江(やまの はなえ)
- 声 - 加藤ローサ
- 業界注目の若手女優で映画『ノ・ビーレ』ヒロインのユウコ役を務める。根岸は彼女をデビュー時から応援しており、初舞台「ブルーの構図のブルース」(パンフも持っている)、映画『学園☆スカッシュ』等、事細かく観ている。ベッドシーンがあることに悩みつつも事務所の契約通りにこなそうとするが、クラウザーのおかげ (?) でヌードは見せずに済んだ。
- 関 祐太郎(せき ゆうたろう)
- 相川由利が大学時代に付き合っていた元彼。サタニックエンペラー開催日前日に根岸たちがフリーマーケットを出していたところに偶然通りかかり、相川と再会。そのまま居座り根岸の知らない相川との思い出話に花を咲かせた事で、根岸が嫉妬に狂って自らネクタイで首を締めてしまう。デスメタル好きの兄がいるらしく、フリマで買ったCDを持っていた。因みに彼の兄が聴いているバンド「ヘルヘッド」はタイムテーブルでは確認できないものの、サタニック・エンペラーに出場していることが観客の台詞でわかる。
- メルシー
- 映画版の声 - 柊瑠美
- 根岸がギター練習をしていた公園に捨てられていた子犬。根岸の弾くスウェーディッシュ・ポップが気に入ったらしく、懐いてきたことで根岸は「ありがとう」の意味を込めてメルシーと命名した。後日根岸が自らのもう1つの顔であるクラウザーの姿を見せたところ威嚇した上に噛み付き、1度見捨てられる。しかし置き去りにしたメルシーの事が気になったクラウザーがライブを途中で放り出して嵐の中をマラソンして公園まで探しにいったところ、今度は股間に噛み付いた上で何処かへ去っていった(追ってきたDMCファンは「性に貪欲なクラウザーが犬にまでフェラチオをさせている」と思い込んでいた)。この事がきっかけでクラウザーは犬嫌いになってしまう。
東京オシャレ四天王
- アサト ヒデタカ
- 声 - 川田紳司 / 演 - 鈴木一真
- デザイナー。身長184cm、体重63kg、血液型A型。東京都出身。根岸に「失敗してもいいんだよ」と優しい誘い言葉で経営する店でのミニライブ出演を勧めておきながら、いざ演奏が行われると途中で割って入り辛辣にも「お遊戯」呼ばわりするなど、やや二面性も感じられる(このことは根岸にとって相当深いトラウマとなっているらしく、事あるごとに引きずっているかのような場面が見られる)。相川とは仕事の付き合いだが、遊園地にデートに誘うなど気があるような節がある。
- 外園 誠(ほかぞの まこと)
- 声 - 松山ケンイチ
- 俳優。映画「ノ・ビーレ」で山野の恋人・タケシの役を演じた。根岸の憧れでもあるが、エリート意識丸出しの厭味な男性。クラウザーの悪魔玉を直接口で受けるが、当人はそれが何だか気がついてない。
- 久瀬 アイセット(くぜ アイセット)
- 写真家。身長182cm、体重64kg、血液型B型。神奈川県出身。相川とは「アモアム」の連載を通じての知り合い。根岸は久瀬に憧れて一眼レフで写真を撮り始める様になったが、久瀬はそんな根岸の撮ったポートレート集を一目見て「写メ」扱いした。彼の写真集の帯カバーには、前述のアサトヒデタカも寄稿している。
- 茂木 高之(もぎ たかゆき)
- 前述のアサトヒデタカや久瀬アイセットが慕い、且つクリエイティブキングの異名を持つプロデューサー。「細胞レベルでの表現が出来るアーティスト=閃きを現実にしてくれる人材」を求めてオーディションを行い、根岸とカールス秀喜もエントリーするが、両者共にケチョンケチョンに貶されて脱落(その際根岸に恥をかかせた)。しかし、「ゴッド」ことカールス秀喜に全身を真っ黒に塗られ、口にガムテープを張られるという反撃を受けた。
ライバルやそのほかの出演バンドたち
佐治とその関係者
- 佐治 秀紀(さじ ひでき)
- 声 - 永嶋柊吾 / 演 - 高橋一生
- 根岸の卒業した大学の後輩。身長169cm、体重56kg、血液型O型。東京都出身。ライト感覚のポップミュージックを好み、同じ趣味の根岸を「ギターも歌も上手い」と尊敬し、ずっと目標にしている。DMCの存在も「独自の世界観を持っていてすごい」と特に毛嫌いする事もなく評価する、とても誠実な人格者。根岸とは対照的に、ポップミュージシャンとしての才能には恵まれているようで、インディーズバンド『テトラポット・メロン・ティ』を結成して主に路上ライブを中心に活動している。
- 根岸が大学を卒業してからは交流が無くなっていたが、下北沢で自身が路上ライブを行っていた際の観客の中に、根岸を見かけ、その後出演した深夜テレビ番組で偶然にもクラウザーとなった根岸と再会。局(映画では出演予定のライブイベントがある遊園地)のトイレでつかの間交流を温め、励ましてくれたクラウザーを「雰囲気が僕の尊敬する先輩に似てて、とてもいい人」と思ったが、その正体が根岸であるとは気付かなかった。
- テトラポット・メロン・ティ
- 佐治がボーカルとタンバリンを務める3人組のおしゃれなポップバンド。実は根岸が相川たちと合コンをした際、自分たちのバンド名を偽った時の名前だったのだが本当に実在し、インディーズながらDMCと同じくカラオケに代表曲『サリー・マイ・ラブ』が登録されているなど、そこそこの知名度を持っている。埼玉の深夜ローカルTV番組出演でDMCと共演した際、社長命令を受けたDMCにステージを襲撃されて出番を乗っ取られた挙句壮絶な仕打ちを受け、それが原因となって解散。その後何とか立ち直り同じメンバーで再開したが、再結成ライブにクラウザーが乱入し、前回以上の壮絶な仕打ちを受けることとなってしまった。
- ホイップ・ラブ・クリームス
- テトラポット・メロン・ティを解散した佐治が下北沢で路上ライブ中だった根岸と再会。根岸が相川から誘われていたアモアム主催の「新人ミュージシャン発掘オーディション」に一緒に出場するため結成したユニット。洋菓子作りのパティシエをコンセプトとしており、コック帽を被り、曲に合せてのケーキ作りのパフォーマンスも行なう。タイトル曲として「ホイップ・ラブ・クリーム」があるが、路上ライブで披露した際には根岸の歌は聴衆に全く受け入れられず、卵まで投げつけられる。その際たまたま路上ライブを見に来ていた相川が下北界隈では名の知れていた佐治とばかり仲良くするのを目の当たりにした根岸は、嫉妬に狂ってその場を逃げ出し、佐治と相川が「代官山オシャレファックを決めやがった」と勘違いする。オーディション当日に根岸はクラウザーとなって登場。佐治はまたしてもチャンスを潰された上に、相川はホイップクリームを顔面に引っ掛けられ、「下品は貴様だ、この顔射用女めが!!」となじられる。
ジャック・イル・ダークとその関係者
- ジャック・イル・ダーク (Jack ill Dark)
- 声 - 野村祐人(吹替)、竹内力 / 演 - ジーン・シモンズ
- 過激なパフォーマンスで有名なブラックメタル界の帝王。身長190cm、体重85kg。アメリカ出身。「悪魔のギター」の通称で知られる伝説のギターをカールス・マーダーから受け継いでいる(2代目)。代表曲は「ファッキンガム宮殿」。ドラッグ、レイプ、暴力事件などで数多くの逮捕歴があり、自伝『ジャック・イル・ダーク 帝王の真実』に書かれていることが、ほぼ事実という大変な危険人物にして生まれながらの犯罪者。ライブでのパフォーマンスを兼ねて「メタルバッファロー」、「メタルコブラ」と呼ぶ獰猛なペットを飼っている。
- 引退を決意したワールドツアー“世界崩壊”で「各国の生意気なメタルバンドを潰す」というテーマのもとに来日した際、インディーズシーンで破竹の勢いだったDMCに目を付け、対バン相手に指名する。しかし、DMCの自分以上の破滅的過激さを目の当たりにして「コイツら本当の悪魔だ」とついに敗北を認め、ライブ後クラウザーII世に「悪魔のギター」を譲りデスメタルの未来を託した。その後、出国の際に根岸から贈られたシイタケを空港の税関でマジックマッシュルームと間違えられてしまい、誤認逮捕される羽目になる(雑誌掲載時は「出国時に空港で“逮捕”」となっていたが、単行本では“誤認逮捕”に変更されている)。
- 来日に際しては、冷静だが不正確な訳をする日本語通訳を帯同している。
- 根岸の妄想では、本名を勝手に「サム・ハンクス」にしていたが、娘のケニーもイル・ダーク姓を名乗っているため本名だと思われる。ケニーによると、引退後はジャズを始めたが失敗し多額の負債を抱え、その後ホットドッグ店や深夜の通販番組への出演も始めるが全て失敗してしまったことが9巻で明らかになる。だが、ケニーが見つけたカニバリズムアニマルの音楽を聞いたことで心に火がつき、借金を返すためカニバリズムアニマルのプロデューサーを務める。尚、実写版では大分衣装が違う。
- ケニー・イル・ダーク
- ジャック・イル・ダークの娘で、メタル向上のために父の稼いだ資金を元に設立したプロジェクト・イル・ダーク (PID) という音楽関連会社の代表取締役。身長176cm、体重60kg、血液型A型。アメリカ出身。過去に日本への留学経験があるため、日本語は堪能。表向きはDMCから富士樹海で行われる闇の一大ヘビーメタル・フェス「サタニック・エンペラー (SATANIC EMPEROR) 」出場の内諾を得るのが来日目的だが、その前にクラウザーII世(=根岸)が父から譲り受けた伝説の「悪魔のギター」を持つにふさわしいかを見極めようとする。その時クラウザーは彼女を寿司屋に接待した。巨乳で整った顔立ちにロックな服装をしている。作中登場人物のデスレコーズ関係者以外で根岸とクラウザーが同一人物である事を理解している数少ない1人。
- カニバリズムアニマル
- ケニーが奄美大島の山中で見つけた4人組のメタルバンド。氏名は全員不明。客に噛み付くなど派手なパフォーマンスをするがクラウザー曰く「ただの野蛮なバンド」。デビュー曲は「FUCK島」。
カールス家
- カールス・マーダー
- ジャックからクラウザーに贈られた「悪魔のギター」の最初の持ち主。既に故人。自分のギターに悪魔を宿そうとして、実際に生血を吸わせ続けた結果、殺人犯として捕まった。ジャックの回想によると、カールスはそのギターを直接ジャックに託した後に引退、その後ロサンゼルス郊外に1人で暮らしていたとの事。
- 「デスメタルの神」と呼ばれるほどのカリスマであるため、多くのバンドがそのギターを狙っており、現在ギターはデスメタルの王者が受け継ぐチャンピオンベルトの様に扱われている。
- 実は日本人女性との間に一人息子・秀喜を授かっていたが、メタルに集中するために縁を切っていた。
- カールス秀喜(カールスひでき)/ゴッド
- カールス・マーダーが過去に日本人女性との間に作った息子だが、生まれてすぐに縁を切られているので父の顔を知らずに育った。松井秀喜そっくりの顔立ちと金髪が特徴的なハーフの青年で、物腰は柔らかい。オシャレ四天王の最後の1人、茂木高之主催のオーディションにエントリーしていたことがきっかけで根岸と知り合い、趣味や夢が似通っていたことからすぐに打ち解けて友人となる。
- しかしながらその正体は、デスメタル界に突如現れた謎のスーパーアーティスト「ゴッド」その人であり、怒りが頂点に達するとゴッドの衣装を身に着けて現れ、クラウザーⅡ世同様に騒動を巻き起こす。ファンに突然促されて一瞬狼狽するが、すぐにアドリブでデスメタル的な行為を行い、ファンにその全てが肯定されるところまで、どこまでも根岸とそっくりな男である。
- 本来はファッションモデルを目指しており、ウォーキングの練習を日々欠かさず行っている。しかしその顔のおかげでオーディションには全く通らず、その鬱憤をライブにぶつけている。このウォーキングはゴッドとしてのパフォーマンスのひとつ「ゴッドウォーク」に活かされており、ファンの間ではこれを見たものは死ぬとされている。
- ステージでは彼のほかにベースとドラム、「生首」と称されるパフォーマーが登場する。
- 秀喜の母
- 何らかの病で入院しており、秀喜は度々見舞いに訪れている。メタルに否定的な話をされると激しく咳き込むが、夫や伝説のギターなどデスメタル関連の話をすると途端に元気になるという一面があり、秀喜がモデルを目指すことに内心では反対しているような素振りを見せている。
金玉ガールズ
反男性社会を標榜する、女性のみで構成された四人組のパンク・ロックバンド。メンバーは、ニナ (Vo) 、レイ (Gt) (声 - 井関佳子)、サエ (Ba) (声 - 岩男潤子)、モモ (Dr) (声 - 伊藤実華)。所属事務所はゴールデンボーイ企画。ライブハウス「渋谷ルタファー」でよくライブを行う。知名度アップをねらうオカマ風マネージャーの意向により、DMCに対抗する形で「SATSUGAI」をモロにパクッた「デタラメ・マザコン・チェリーボーイ (DMC) 」という曲を発表する。リーダーのニナは売れるためとはいえ、この戦略を是としていないが、曲のタイトルを聞いた根岸は自身のおかれている境遇から「ほぼ当たってる」と苦笑。アモアム読者の選ぶゲテモノバンド第3位。
- ニナ
- 声 - 名塚佳織 / 演 - 美波
- ショートヘアに勝気な瞳が印象的な美少女。身長162cm、体重48kg、血液型A型。神奈川県出身。セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスを心から崇拝し、自身もパンクロックバンド、金玉ガールズのリーダー兼リードボーカルを務める。作中でも「音楽性は嫌いだがボーカルの子はカワイイ」という声が聞かれる。クラウザーに飛び蹴りを食らわしライブに乱入するなどかなり気が強いが、クラウザーの悪魔玉の餌食になってしまう。クラウザーの事は「ぬいぐるみ野郎」と呼んで毛嫌いしているが、後に開催されたDMCとの対バンでライブハウスが火事になった際にそのクラウザーに助け出され、その時一瞬だが顔を赤らめていた。素顔の根岸がシド・ヴィシャスのように見えるらしい。
鬼刃とその関係者
- 木林 進(きばやし すすむ)
- 声 - K DUB SHINE / 演 - 大地洋輔(ダイノジ)
- 根岸と同郷の幼馴染みで小学生時代の一番の親友。身長172cm、体重78kg、血液型A型。アイス・キューブを東洋人にしたような外見をしている。実家はウナギ屋をやっていたが流行らずに潰れて小学生の時に東京に引越し、離れ離れになっていた。その頃から同級生に「豚」と呼ばれるほど太っていたが、今もその体型は変わっていない。心優しく引っ込み思案で精神的に弱かった自分を変えるため、カリスマヒップホップラッパー“鬼刃”として裏の顔を持つようになる。鬼刃としての設定ではニューヨーク出身を謳っているが、彼の英語力は極めて低いもので、作中では英会話教室で1人だけ全く授業についていけないばかりか、英検5級にすら落ちている。偶然ファミレスで根岸との再会し素直に喜ぶなど、根はマトモな人。根岸の事は親しみを込めて「ねぎっちょ」と呼ぶ。引っ越した時にクラスメイトから「犬飼Tシャツ」を贈られていて、大事なステージの時には衣装の下にそのTシャツを着て励みにしていた。
- 鬼刃(きば)
- 自称ニューヨーク帰りの史上最凶ギャングスタラッパー。世相への痛烈な風刺や誹謗中傷をメインとしたディスを駆使したダミ声のMCが特徴。主にライブハウス「クラブE」を中心に渋谷方面を自らのアジトとしている。
- 鬼刃のアルファベット表記は「KIVA」で、狂信的信者を「KIVAクルー」と呼ぶ。KIVAクルーもDMCのファン同様妄信的で、鬼刃も先頭になってたびたびDMC信者と抗争を起こす。クラウザーとのMCバトルの途中、自分の過去を知るクラウザーの正体が幼馴染の根岸だと確信し和解を持ちかけたが、犬飼Tシャツをビリビリに破られた上“蒲焼”にされ、根岸とは違う悪魔と思い知らされ敗北する。クラウザーとの勝負に敗れてからは、渋谷での地位を1度はすっかり失ってしまうが、変わってNo.1MCの座に立った「ロイヤル・フェイス」との勝負に勝って以降は、再び渋谷をまとめ上げる事に成功した。
- アモアム読者の選ぶゲテモノバンド第2位。
- ロイヤル・フェイス
- 鬼刃がクラウザーII世に破れたのち、代わって渋谷No.1MCの座に立ったラッパー。元KIVAクルー。復活した鬼刃によって石川梨華のファンであることを暴露され、ニューヨークに(旅行に)行く鬼刃から渋谷のNo.1の座を託された。
デズムとその関係者
- デズム
- 関西を拠点とするデスメタル系バンド。結成当初は『日本メタル界の救世主となるか』と評価された本格派デスメタルバンドであったが、ジャック・イル・ダークとの対バンにおけるDMCの傍若無人なライブパフォーマンスを目の当たりにしてこのままでは日本のメタルシーンの頂点に立てぬと痛感しスカトロメタルを名乗るようになる。
- メンバーは長グソの丈二、とぐろの長谷川、ゲリの毅、便秘の富樫の4人。ライブでは、糞尿に見立てた泥水を撒き散らす、ステージ上で脱糞する(しかし富樫の便秘のため常に未遂)などの過激なパフォーマンスを行う。代表曲は食糞系の暴言を連発する「ガッツキ肥溜めさん」。同シングルにてDMCも未到のインディーズチャート3位にランクインするなど、日本デスメタル界屈指の存在に成長中。毅がスカトロ傾向に懐疑的であるなどの不安要素も抱えていたが、サタニック・エンペラーにてついに一致団結、準決勝でDMCに挑んだ。なお、彼らの汚物はファン等に売買されている模様。一方、糞便を食べたであろう土肥の唇に嫌悪感を露わにしており、まだスカトロ趣味に徹しきれていないところがある。
- 富樫(とがし)
- 声 - 山口祥行
- デズムのリーダーでヴォーカル担当。身長172cm、体重65kg、血液型A型。音楽に対して非常にストイックな性格で、ジャック引退ツアーで見たDMCの悪魔的パフォーマンスに衝撃を受ける。DMCに負けないバンドとして発展するため、メンバーの腹具合の悪さを逆手に取った「スカトロメタル」を開眼した。便秘持ち。
- 毅(つよし)
- デズムのメンバー。額にバンダナを巻くことが多い。富樫とは中学以来の親友で信頼関係を築いているが、その暴走に対してはしばしば難色を示す。胃腸が弱く、常に下痢気味である。
- おやっさん
- 富樫らの溜まり場であるバーのマスター。メタルに極めて造詣が深く、デズムに対しても理解と協力を惜しまない。女房の布団に脱糞して離婚したらしい。
- 土肥 亜希人(どい あきと)
- 音楽プロデューサー。「てりっ」とした唇の光沢と雰囲気から、真性の食糞愛好家である疑いを持たれている。デズムに厳しいアドバイスをして成長を促し、新曲『蟯虫』の完成に貢献した。
- モデルは東宝の社員である土肥で、作中に彼の書いた「てりっ」の文字が登場したことも。
サタニック・エンペラー参加バンド
- 狂牙鬼走(きょうがきそう)
- 元日本最強のバイクチームのメンバーが結成した轟音メタルバンド。サタニックエンペラーにも参加エントリーしたものの、樹海で道に迷って参加できず、結局フェス終了後の3日後の朝に会場跡地に到着。その頃にはフェスの事などすっかり忘れ、ただ到着したということだけで満足していた。
- 一見思いつきで出したバンドのように思えるが、第3話の壁の落書きに「狂牙鬼走」の文字があり、伏線は以前から張ってあった。
- ポアゾン
- フランスのスラッシュメタルバンド。1回戦でDMCと対戦。ファンを性奴隷として囲う異常性欲集団で、リードボーカル&ギターのアルドが確かなテクニックで炸裂させるスラッシュメタルは、日本でも絶大な人気を誇る。容姿端麗な「ナポレオン」というパフォーマー(豚)を擁し、その優越感からDMCの資本主義の豚である梨元を馬鹿にした態度をとり、根岸は資本主義の豚の尊厳を守るべくステージ対決に挑む。
- キャラクターアイテムとしてポアゾンオリジナルブランドのワインがあり、メンバーも愛飲しているようである。アルドは、なみなみと注がれたワイングラスを片手に持ちながらナポレオンに跨り、激しい動きをしても一滴も溢さないほどの調教技術を見せた。代表曲は「エスクラーヴ(奴隷)」。
- ちなみにナポレオンは10巻で再登場した。
- パイパニック・チェーンソー
- 東北地方のデスメタルバンド。2回戦でDMCと対決。レイの特徴的なデスヴォイスと大型チェーンソーを振り回すパフォーマンスは、新人バンドながら驚きをもって迎えられる。代表曲は「流血トレイン」で、曲中にメンバーの顔を拳で殴りつけるなど暴力的な荒々しさが売り。
- ヘルヴェタ
- ノルウェー出身のデスメタルバンド。メンバーはシャーセ (Vo) 、エドヴァルド (Gt) 、ボルベア (Dr) 、グンネルス (Ba) の4人で、全員が一流の音楽的才能を持つ。離陸寸前の飛行機へ放火したり、互いの親族を殺そうとしたり、高層ビルに爆弾を仕掛けたりするなど、本物のサタニスト集団。ライブの前には通行人を捕らえて穴に投げ込むという生贄の儀式を行う。日本を後にしたジャック・イル・ダークが北欧ツアーに出た際に対バンし、ステージ上で磔にした上、体に「I AM PIG」という入れ墨を彫り込み、事実上の引導を渡した。その悪名の高さは世界的に有名であり、DMCのパフォーマンスに慣れ親しむファンでさえその名を聞くと思わず息を飲む。また素性を隠して他ジャンルにも進出し、表裏両面で音楽界を制圧中。
- 凶悪犯罪を予言する神秘集団として悪名高いが、その実態は、歌詞を深読みしたファンが凶悪犯罪を起こすという自作自演である。サタニック・エンペラーでも、暴走したファンがステージを焼き払いながら他バンドに襲い掛かった。
- シャーセ
- 軟弱な見た目の奥に鋭い眼光をたたえた青年。身長174cm、体重60kg、ノルウェー出身。髪型や顔立ちは普段の根岸によく似ているが、正体はヘルヴェタのリーダー。音楽で人心を掌握することに長けており、ファンを使った世界征服「デーモンゲート666」を企画している。さらなる信者獲得のため、ポップシーンにも進出して成功中。
- 音楽だけでなく荒事も得意で、デスレコーズ社長からローキックでダウンを奪ったほか、根岸の携帯電話を斧で両断した。
- ホラーエステティシャン
- アメリカの医療系メタルバンド。負傷などによる変形を「キレイになる」と評する、独自の美意識を持つ。強豪揃いの中ベスト4まで勝ち残った強力なバンドだが、準決勝で当たったヘルヴェタには力及ばず瞬殺された。