ザンヤルマの剣士

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ザンヤルマの剣士』(-けんし)とは、麻生俊平の小説。舞台は20世紀末の日本、裏次郎と名乗る謎の中年男性から波型の鞘に収められた短剣を受け取った主人公。その日から主人公の周りで不可思議な事件が頻発する。

ザンヤルマの剣士
ジャンル 伝奇
小説
著者 麻生俊平
イラスト 弘司
出版社 富士見書房
レーベル 富士見ファンタジア文庫
刊行期間 1992年6月 - 1997年12月
巻数 本編9巻+外伝1巻
テンプレート - ノート

挿絵は弘司。シリーズは長編9冊、『ドラゴンマガジン』に連載された短編を集めた外伝が1冊の計10冊が発売される人気シリーズとなった。このシリーズをはじめとした麻生俊平の作品は富士見ファンタジア文庫の他の作品にくらべてページ数が多いことでも知られており、最終巻となる『イェマドの後継者』においては500ページをオーバーし通常の作品の二倍近い分量を誇っている。

小説家乙一が本作の大ファンであることを公言している[1]

主要な登場人物

矢神遼
ザンヤルマの剣を手に入れたことから古代文明の遺産をめぐる暗闘・事件に巻き込まれる。内向的だが意志は強い。
朝霞万里絵
主人公の幼馴染である従妹。サバイバル技術を身につけている。世話焼きで大人びた冷静な性格。
裏次郎
経歴不明の謎の人物。人々に「遺産」を提供し、破滅していく様を観察する。黒服と無骨な彫像めいた容貌が印象的。
江間水緒美
近隣で骨董品屋を経営する美女。裏次郎の知人らしい。
氷澄丈太郎
主人公が在籍する高校で歴史を担当する非常勤講師。端正にして冷ややかな表情と言動。剣を手に入れた遼に敵対するが……。

用語

イェマド
現在の文明が発生する前に滅亡した古代文明。活動の拠点が主に地球外だったため、その痕跡は地上にほとんど残されていない。
イェマドの遺産
イェマド人が使用していた道具の総称。現代の文明レベルを遥かに凌ぐ性能を持つが、完全オーダーメイド性のため、所有者以外は起動することすらできない(ただし、現代人でも遺産の元所有者と生態情報が酷似している場合は利用できる)。遺産の多くは月面で裏次郎が管理しており、遺産を起動できる人間を見つけては遺産の提供を行っている。
ザンヤルマ
イェマドの滅亡を表す言葉。現代の言葉に直すなら、ハルマゲドン。イェマドの滅亡を引き起こした遺産は製作者により「ザンヤルマの剣」と名づけられており、その所有者を「ザンヤルマの剣士」と呼ぶ。裏次郎は現代のザンヤルマの剣士である遼を観察することで、ザンヤルマの再現を行なおうとしている。

シリーズ作品一覧

脚注

  1. ^ 作家の読書道:第69回 乙一さん”. webdoku.jp (2007年7月27日). 2011年11月5日閲覧。