スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス

1999年のアメリカの映画

これはこのページの過去の版です。125.195.250.117 (会話) による 2012年2月22日 (水) 13:07個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (プロモーション)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(Star Wars Episode I: The Phantom Menace)は、1999年アメリカ合衆国の映画SF映画

スター・ウォーズ
エピソード1/ファントム・メナス
Star Wars Episode I: The Phantom Menace
監督 ジョージ・ルーカス
脚本 ジョージ・ルーカス
製作 リック・マッカラム
製作総指揮 ジョージ・ルーカス
出演者 リーアム・ニーソン
ユアン・マクレガー
ナタリー・ポートマン
ジェイク・ロイド
イアン・マクダーミド
音楽 ジョン・ウィリアムズ
ロンドン交響楽団
撮影 デヴィッド・タッターサル
編集 ポール・マーティン・スミス
ベン・バート
製作会社 ルーカスフィルム
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1999年5月19日
日本の旗 1999年7月10日
3D版
アメリカ合衆国の旗 2012年2月10日
日本の旗 2012年3月16日
上映時間 133分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $115,000,000[1]
興行収入 $924,317,558[1]
前作 エピソード6/ジェダイの帰還
次作 エピソード2/クローンの攻撃
テンプレートを表示

概要

スター・ウォーズ』シリーズの4番目に発表された映画で前作から16年振りに製作された。ジョージ・ルーカスにとっては『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で一度監督業から撤退して以来22年ぶりの監督作でもある。

本作を含めた新3部作の主人公となるアナキン・スカイウォーカーの少年時代を描いたエピソードで、悪役としてダース・シディアスやその弟子のダース・モールが登場する。

ターミネーター2』や『ジュラシック・パーク』などで培われたILMのデジタル映像技術がふんだんに注ぎ込まれ、非人間型エイリアンドロイドのほとんどがCGで描かれている。ヨーダは旧作と同じパペットで表現されたが、全身を映すカットのうち数カットでフルCGのヨーダが描かれた。また一見ライブショットに見えるシーンもほとんどが背景合成やデジタル加工、果ては俳優の目線修正などが行われており、ルーカス自身「自分の初めてのアニメーション作品」と称している。また一部で試験的にHD24Pによるデジタル撮影が行われており、次作『エピソード2/クローンの攻撃』にて全面的に導入された。旧三部作をきっかけに、全世界の映画館が「ドルビーステレオシステム」を導入した。その関係で、今作がドルビーデジタルサラウンドEXの世界初の映画となった。

2012年2月に3D版が公開された。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

遠い昔、遥か彼方の銀河系で…

銀河共和国の政治は腐敗の道を進んでいた。辺境惑星と貪欲なヌート・ガンレイ率いる通商連合の間で貿易関税率をめぐる論争が繰り返されていた上、汚職が進む元老院は本来の機能を失い、政局は混沌の極みにあった。業を煮やした通商連合が惑星ナブーを見せしめとして威嚇包囲するに至り、元老院最高議長フィニーズ・ヴァローラムは、共和国の守護者ジェダイに助力を求める。

ジェダイマスターのクワイ=ガン・ジン、パダワンのオビ=ワン・ケノービが、惑星ナブーと通商連合の紛争を仲裁するために、特使としてナブーに派遣された。二人はその道中ナブーに密かに暮らす種族グンガンの一人で種族を追放されたジャー・ジャー・ビンクスを救出。彼の助力でナブーの都市への潜入に成功する。拘束寸前であったナブー元首アミダラ女王を救出し惑星を離脱するも、敵の追撃で船が損傷。修理の為、砂漠の惑星タトゥイーンに降り立つ。

ジャンク・パーツ屋に訪れた一行は、幼い奴隷の少年アナキン・スカイウォーカーに出会う。アナキンのポッド・レースでの並外れた才能を感じたクワイ=ガンは、それが「フォース」の力で、彼に潜在するフォースは並居るジェダイを遥かに凌ぐほど強大であることに気付く。当のアナキンはアミダラの侍女であるパドメと出会い、二人は親睦を深めていく。ポッド・レースの賭けに勝ったクワイ=ガンは船のパーツを手に入れると共にアナキンを奴隷から解放し、ジェダイになる道を示すが、アナキンの母シミは奴隷のまま自由を得る事は出来なかった。「ジェダイになって、必ず助けに来る」と母に誓ったアナキンは、惑星コルサントに向かうジェダイ・アミダラ一行に加わる。その折、一行は謎の人物ダース・モールの襲撃を受けた。クワイ=ガンはモールと対決し辛くも窮地を脱する。モールは1000年前に滅んだといわれるシスの末裔であり、通商連合を裏で操るシス卿、ダース・シディアスの弟子であったが、クワイ=ガンたちがそれを知る由も無かった。

一行は共和国首都惑星コルサントに到着し、アミダラはヴァローラム議長の計らいで執り行われた緊急議会に出席してナブーの現状を報告するとともに惑星の即時開放を訴えた。しかし汚職と密約によってまるで機能しない議会に失望したアミダラは、ナブー選出の元老院議員パルパティーンの案を受け入れ、最高議長を不信任とし、選挙の実施を要求する強硬手段に出た。一方、アナキンはクワイ=ガンにつれられてジェダイ聖堂を訪れるが、ヨーダらジェダイ評議会の面々はアナキンの年齢と精神的な弱さを指摘し、アナキンの修行を認めなかった。直もアナキンを引き入れたいクワイ=ガンはアナキンを自身のパダワンにすると宣言するが了承は得られずアナキンの事は保留される。やがてアミダラは選挙の結果を待たず、パルパティーンの静止を無視し自らナブーに戻って開放作戦を行うことを決意する。クワイ=ガンとオビ=ワンは引き続き女王の護衛任務を担うこととなり、修行の問題が保留となったアナキンも再び一行に同行する。

ナブーに帰還した一行は、長年ナブー人と対立していた種族グンガンと交渉するが平行線に進む。そこに侍従であるはずのパドメが現れる。実はアミダラは影武者でありパドメが真のアミダラ女王だったのだ。パドメの必死の訴えに心打たれたグンガンの長ボス・ナスは和解に応じ、共同戦線を展開することになる。グンガンの大部隊が敵主力を引き付ける中、女王と親衛隊、ジェダイが宮殿に侵入して戦闘機を奪還。軌道上のドロイド制御艦を破壊してバトル・ドロイドを無力化し、ガンレイ総督の身柄を確保するというものである。格納庫での戦闘の最中、戦闘機のコクピットに潜り込んだアナキンは戦闘機のブラスターでパドメたちを援護するが、自動操縦機能が働いたためにそのまま軌道上へ飛び立ち、空戦に巻き込まれる。そして女王と2人のジェダイの前には更に大量のドロイドと、ダース・モールが立ちはだかるのであった。

ライトセーバーでの死闘の末、クワイ=ガンはダース・モールに身体を貫かれるが、オビ=ワンにより倒された。クワイ=ガンはオビ=ワンにアナキンを修行させるように伝え、息絶えた。一方でアナキンによって制御艦は沈められ、コントロールを失った地上のドロイド軍は機能停止し、ガンレイは逮捕されてナブー連合は勝利を収めた。その後オビ=ワンは評議会によりジェダイ・ナイトの称号を授かり、彼はアナキンの師となるのだった。ナブーでは式典が開かれ、グンガンと友好が結ばれた。

キャスト

製作

脚本執筆

スター・ウォーズ』の執筆過程でジョージ・ルーカスは、自分が構想する物語が1本の映画に納めるあまりに壮大であると理解し、したがって、1作目が大成功した場合に続編を作られるような構成にした。1作目は結局、サーガの中の第2の三部作に属する映画にまで発展した[2][3]。第3稿の時点でルーカスは2つの続編を作る権利を含めた契約を交渉していた。彼はまた、その時点で彼の執筆プロセスを支援するためにかなり凝ったバックストーリーを開発していた[4]。最初の続編『帝国の逆襲』を執筆している間、ルーカスは異なる物語の方向性を考慮した。彼は悪役のダース・ベイダーをヒーローのルーク・スカイウォーカーの父親とし、かつてジェダイの騎士だったアナキン・スカイウォーカーがフォースの暗黒面に落ちてベイダーとなってしまったという裏話を開発した[5]。これによりルーカスはシリーズを三部作にすると決め、映画を「エピソード2」から「エピソード5」に変更した[6]。三部作の最終作、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』でベイダーは悲劇的なキャラクターとなり、最終的に救済された。しかしながらルーカスは、彼が「燃え尽き」、シリーズから休むと述べた[7]

1987年に離婚で財産の多くを失った後、ジョージ・ルーカスには『スター・ウォーズ』に復帰したいという欲求をなくし、『ジェダイの帰還』の時までに続編三部作を非公式に中止した。しかし、ルーカスが大部分のバックストーリーを開発した時から、前日譚についてのアイデアは彼を魅了し続けた[8]。1990年代初頭、『スター・ウォーズ』はダークホースによるコミック作品とティモシイ・ザーンによる小説三部作英語版により人気が復活した。観客は前日譚となる新三部作に期待し、また、CGI技術の発展もあり、ルーカスは監督復帰を考えた[9]。1993年、彼が続編を作るであると『バラエティ』などで報じられた。ルーカスは、アナキン・スカイウォーカーではなくオビ=ワン・ケノービを主役とし、アナキンが暗黒面に落ちるまでを描いた悲劇になると概説を語った。またルーカスは新三部作をアナキンの幼少期から始めることで、彼の死で終わる旧三部作と相対的なものとした。これは、フランチャイズを「サーガ」に変更する最終的なステップであった[10]

1994年11月1日、ジョージ・ルーカスは新三部作の執筆を開始した[11]。『スター・ウォーズ』の脚本は、1976年に書かれたルーカスの15ページのアウトラインから翻案された。

初期のアウトラインは元々、ルーカスがキャラクターのバックストーリーやイベントが旧三部作の前に行われたのを追跡するために設計された[11]ワーキング・タイトルは『The Beginning』であり[11]、後にルーカスは正式タイトルを、シスの暗黒卿というアイデンティティを隠しつつ表向きは善良な議員を装っているパルパティーンを示して『ファントム・メナス』(「見えざる驚異」の意)とした[12]

撮影

ルーカスが執筆プロセスを開始する3〜4ヶ月以内に、ダグ・チェンマイ英語版と彼のデザインチームが本作のために2年間に及ぶ数千種類以上あるデザインの見直しを開始した[13]スタント・コーディネーターのニック・ギラード英語版は新三部作におけるジェダイの新たな戦闘スタイルを作るために雇われた。ギラードはライトセーバー戦をチェスで「チェックされた全ての動き」になぞらえた。近接武器であるため、ギラードは、ジェダイは剣道などのいくつもの剣術や、テニスのスイングやなどを組み合わせた戦闘スタイルを開発したと理論づけた。リーアム・ニーソンとユアン・マクレガーが訓練をしている間、ギラードは1戦闘あたり5から6シークエンスとして、60秒のシークエンスを執筆した[14]。ルーカスは後にジェダイは兵士ではなく「ネゴシーエーター」であると言及した。白兵戦の選択は、ジェダイにより精神的で知的な役割を与えることを目的とした[14]。ルーカスはまた本作が旧三部作より高度な文明であることから、より凝った衣裳を作ることにした。デザイナーのトリシャ・ビガーと彼女の1000人以上のチームは、世界中の様々な文化からインスピレーションを得て作成した[15]

 
チュニジアの砂漠に建てられたモス・エスパの跡

撮影は1997年6月26日に始まり、同年9月30日に完了した。主にイングランドのリーブスデン・スタジオで行われたほか、タトゥイーンの場面はチュニジア砂漠、ナブー宮殿の内部はイタリアのカゼルタ宮殿で撮られた[16]。モス・エスパの街はトズール外の砂漠に建てられた。トズールでの撮影3日目の夜、想定街の砂嵐が発生し、多くのセットや小道具が破壊された。修理のために迅速にスケジュールを進めたことで予定通りにチュニジアを去ることができた[17]

『ファントム・メナス』は35mmフィルムで撮られた最後の『スター・ウォーズ』作品である。

音楽

前作までと同様に『ファントム・メナス』の音楽ジョン・ウィリアムズが作曲した。ウィリアムズは1998年10月より作業を開始し、1999年2月10日にアビー・ロード・スタジオでロンドン・ヴォイスとロンドン交響楽団の音楽の収録を行った[18]。最も顕著なトラックは、ライトセイバー戦で流れる宗教的なコーラスである"Duel of the Fates"であり、個別のミュージック・ビデオも作られた[19]。アナキンのテーマ曲を作成中にウィリアムズは、彼の幼少時代の潔白を反映し、そして後にダース・ベイダーとなる前兆を示すためにメロディに「インペリアル・マーチ」を若干入れた[18]

サウンドトラック盤は1999年5月4日にソニー・クラシカル・レコーズ英語版より発売された。このアルバムは、作曲家によって再構成された音楽をフィーチャーしており、したがって、それは映画で使われた順になっておらず、またCDの容量制限により多くの曲が未収録となっている[20]。2000年11月14日には2枚組の「アルティメット・エディション」が発売された[21]

スタッフ

公開

16年ぶりとなる『スター・ウォーズ』の新作であるため、多くの広告が打たれた[22]ドリームワークスユニバーサル・ピクチャーズの『ラブレター/誰かが私に恋してる?』、『ノッティングヒルの恋人』を含むいくつかの作品が『ファントム・メナス』と同週に公開された[23]。『ラブレーター』の興行は失敗したが、『ノッティングヒルの恋人』はむしろ好調で、『ファントム・メナス』に次いで2位となった[24]。シカゴのChallenger, Gray & Christmasは、220万人のフルタイム従業員が映画を見るために仕事を休み、2億9300万ドルの経済損失が出ると推定した[25]。チケットの発売の1か月前から行列ができていた[26]

映画館が公開2週間前までに先売りチケットの販売を許可されなかったことを発表すると長蛇の行列ができた[27]。しかしながら後に全米劇場主協会とルーカスフィルムの協議により、1999年5月12日よりひとり12枚制限で先売りチケットの販売を認めた[28]。その結果、1枚100ドルで売りさばくダフ屋も出現した[29]。『バラエティ』は、劇場オーナーは最初の8〜12週間のうちは最大の劇場で上映するようにルーカスフィルムから命令されていると報じた[30]

公開二週間、ルーカスフィルムは公開日を1999年5月21日から1999年5月19日に前倒しした。ショーウェスト·コンベンションにてルーカスは、この変更は、ファンは初日に駆けつけるので、週末には家族で見ることができるようにするためだと述べた。1999年6月18日、ルーカスは将来、デジタル撮影へ転換するのを予示し、4台のデジタル・プロジェクターで公開されるだろうと述べた[31]。1999年5月16日にチャリティ・プレミアが行われ、エリザベス・グレイザー小児エイズ財団英語版などに寄付された[32][33]

プロモーション

ルーカスフィルムは『ファントム・メナス』の広告キャンペーンに2000万ドルを費やし、ハズブロレゴトライコン・グローバル・レストランペプシコと促進のためにライセンス契約を結んだ[34]。またルーカスフィルムは、『スター・ウォーズ』ファンクラブにより1999年4月30日から5月2日までコロラド州デンバーで行われたスペシャルイベントであるスター・ウォーズ・セレブレーション英語版を支援した[35]。日本では、ペプシコレゴだけでなく永谷園明治製菓などが相次いでライセンスを取得したことで、関連商品のバリエーションが大幅に増えた。

ティーザー予告は1998年11月17日公開の『バグズ・ライフ』の上映で初めて流され、このためだけに入場料を払った者が居たと報じられた[36]。同日にインターネット上にブートレグが流出し[37]、翌日朝には公式サイトで同じ予告編が公開されたが、サーバーは直後にダウンした[38]

ティーザー・ポスターは1998年11月18日に公開され、アナキンの背後にダース・ベイダーの影が写し出されるというデザインであった。ルーカスはさらに特別編も手掛けたドリュー・ストルザンにポスター製作を依頼し、1999年3月11日に公開された。ルーカスフィルムは米国以外の配給に対し、これを唯一使用可能なデザインとし、ポスターのテキストの変更も認めない契約を結んだ[39]

タイアップ商品にはルーカスアーツによるプレイステーションPCゲーム[40]ウィリアムスによるピンボールマシン[41]ダークホースコミックスによる全4部のコミック[42]スカラスティックのよるジュニア・ノベル[43]などがあった。公式ノベライズはルーカスと会って承認と指導を受けたテリー・ブルックスによって執筆された[44]。また日本の『月刊コロコロコミック』では麻宮騎亜による漫画版が前後編構成で掲載された。本来は全編掲載される予定だったが、麻宮の急病のため同誌上では後編の途中で終わり、残りは単行本で書き下ろし掲載された。『スター・ウォーズ』の日本でのコミカライズはこれが唯一である。

ホームビデオ

『ファントム・メナス』は2000年4月4日に2バージョンのVHSが発売された。アメリカでは発売2日間で通常版が450万本、限定版は50万本が売れた[45]。2001年10月16日は『スター・ウォーズ』シリーズで初めてとなるDVDが発売された。DVDでは一部のシーンが劇場公開時と変更されていた。また、公開時に削除されたシーンが収録された。DVDはアメリカで初週に220万本を売り上げた[46]。DVDは2008年11月4日に新三部作のボックスとして再発売された[47]レーザーディスク版はアメリカでDVDが出る数カ月前に日本で発売された[48]。2009年9月16日、『スター・ウォーズ』のBlu-ray Disc版が発売された[49]

3D上映

2010年9月、シリーズ全6作が3Dに変換されることが発表された。時系列順に再上映し、『ファントム・メナス』の公開は2012年2月10日になる[50]。3Dメガネを着用したダース・モールをクローズアップしたティーザー・ポスターは2011年10月17日にインターネット上で公開された。

評価

興行収入

評価は賛否あったものの、『ファントム・メナス』は公開時に多くの興行収入記録を破り、商業的に成功を収めた。公開初日は『ロストワールド/ジュラシック・パーク』を破って史上最高額(2001年の『ハリー・ポッターと賢者の石』が更新)となる2800万ドルを売り上げ、さらに公開5日間で史上最速(2002年に『スパイダーマン』が更新)で1億ドルを突破した[51]。また、『インデペンデンス・デイ』と『タイタニック』を破って史上最速で2億ドル、3億ドルを売り上げた作品となった[52]。『ファントム・メナス』は1999年で最も売り上げた作品となり、北アメリカでの興行収入は4億3100万ドル、その他の国々では4億9300万ドルとなった[1][52]。ただし、『スター・ウォーズ』シリーズの続編ということで封切り後の5日間での北米興行収入は3億ドルという見解が多かった[53]

受賞とノミネート

部門 候補者 結果
アカデミー賞[54] 視覚効果賞 デニス・ミュレン、ジョン・ノール、スコット・スキヤーズ、ロブ・コールマン ノミネート
録音賞 ゲイリー・ライドストロム、トム・ジョンソン、ショーン・マーフィ、ジョン・ミドグレイ ノミネート
音響編集賞 トム・エルフォード、ベン・バート ノミネート
ゴールデンラズベリー賞[55] 最低作品賞 リック・マッカラム、ジョージ・ルーカス ノミネート
最低監督賞 ジョージ・ルーカス ノミネート
最低脚本賞 ジョージ・ルーカス ノミネート
助演男優賞 ジェイク・ロイド ノミネート
ジャー・ジャー・ビンクス(声: アーメド・ベスト 受賞
最低助演女優賞 ソフィア・コッポラ ノミネート
最低スクリーンカップル賞 ジェイク・ロイド、ナタリー・ポートマン ノミネート
サターン賞[56] 衣装デザイン賞 受賞
特殊効果賞 受賞
MTVムービー・アワード[57] アクション・シーン賞 ポッド・レースのシーン 受賞
格闘賞 レイ・パーク、ユアン・マクレガー、リーアム・ニーソン ノミネート
悪役賞 レイ・パーク ノミネート

関連商品の不振

『ファントム・メナス』の関連商品は玩具、出版、ゲームは好調だったが、アパレルではウォルマートに50万ドル分の夏期衣料をキャンセルされる結果となった[53]

他にもプラモデル、食器などが不振に陥り、1999年における米国の関連商品の売り上げは1億ドル程度に終わった[58]。(ちなみに『エピソード4/新たなる希望』は1978年のケナー社のみで2億ドルの売上である[59])。関係各社からは「期待外れ」と言われ[53]ルーカスライセンシング社は「失敗」とした[58]

トイザラスによると「ルーカスフィルムは455フィート(139m)のホームランを出した。しかし世間は700フィート(213m)のホームランを期待していた。700フィートのホームランなど現実感があまりにもなさすぎる」とのこと[53]

スター・ウォーズ』というブランドを過信したルーカスライセンシング社は本作の商品化契約をする各社に過大なミニマムギャランティ(最低保証。商品化の際に最低限払うロイヤリティー)を要求した。各社はこれを受け入れたものの、ギャランティを回収しようと大量に商品を供給した。この結果、消費者は多すぎる商品に嫌気がさし、多大な在庫を生んだ[58]

エピソード2/クローンの攻撃』ではこの「教訓」を受けて、ギャランティが「(ルーカスライセンシング社は)現実的認識を持つようになったと実感させられる額」になった[58]

トリビア

  • 会議場の場面で、議席に座っているE.T.の一団が確認できる。ちなみに『E.T.』には、エリオット少年の部屋にハン・ソロボバ・フェット等のフィギュアが置かれ、ハロウィーンの仮装としてヨーダが登場する場面などがある。
  • エンドロールが全て終わり、音楽も終わると、しばらくの空白の後にダース・ベイダーの呼吸音が流れる。

BD版での修正・変更点

  • パペットで撮影されていたヨーダがEP2以降と同じく全てCGで作りなおされた。
  • DVD版でも依然としておかしな点(バトルシップ艦隊、ローカルの星人、など)が残っていた字幕に大幅な修正が加わっている。

参考文献

  1. ^ a b c Star Wars: Episode I - The Phantom Menace”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年2月11日閲覧。
  2. ^ George Lucas intro to Splinter of the Mind's Eye 1994 reissue
  3. ^ (Rinzler 2007, p. 107)
  4. ^ (Kaminski 2007, p. 134)
  5. ^ (Kaminski 2007, pp. 164–165)
  6. ^ (Bouzereau 1997, p. 123)
  7. ^ Clarke, Gerald; Worrell, Denise (23 May 1983). “I've Got to Get My life Back Again”. Time. 2009年4月23日閲覧.{{cite news}}: CS1メンテナンス: 複数の名前/author (カテゴリ)
  8. ^ (Kaminski 2007, p. 227)
  9. ^ (Kaminski 2007, pp. 294–295)
  10. ^ (Kaminski 2007, pp. 299–300)
  11. ^ a b c All I Need Is An Idea DVD Special Featurette, [2001]
  12. ^ (Bowen 2005, p. 93)
  13. ^ Thousands of Things DVD Special Featurette, [2001]
  14. ^ a b Prime of the Jedi DVD Special Featurette, [2001]
  15. ^ Costumes DVD Special Featurette, [2001]
  16. ^ "The Beginning" Making Episode I Star Wars Episode I: The Phantom Menace DVD documentary, [2001]
  17. ^ It's Like War Now DVD Special Featurette, [2001]
  18. ^ a b Chat with John Williams”. TalkCity (1999年5月6日). 1999年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月12日閲覧。
  19. ^ Movie Music DVD Special Featurette, [2001]
  20. ^ Stevenson, Joseph. “Star Wars Episode I: The Phantom Menace [Original Motion Picture Soundtrack [The Ultimate Edition]]”. Allmusic. 2009年7月12日閲覧。
  21. ^ The Ultimate Edition – Star Wars: Episode I The Phantom Menace”. Sony Classical. 2001年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月12日閲覧。
  22. ^ (Bowen 2005, p. 76)
  23. ^ “Challenging the Force With a ‘Love Letter’. Los Angeles Times. 17 May 1999. 2009年2月18日閲覧.
  24. ^ Hindes, Andrew (1 June 1999). “Jedi masters $200 mil mark”. Variety. 2009年2月18日閲覧.
  25. ^ May 19th: A "Cultural Holiday?"”. Los Angeles Daily News (1999年4月20日). 2009年2月17日閲覧。
  26. ^ An Online Chat with Rick McCallum”. StarWars.com (1999年3月4日). 2004年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月18日閲覧。
  27. ^ Snow, Shauna (30 March 1999). “ARTS AND ENTERTAINMENT REPORTS FROM THE TIMES, NEWS SERVICES AND THE NATION’S PRESS”. Los Angeles Times. 2006年7月24日閲覧.
  28. ^ ADVANCE SALE PLANNED; `PHANTOM MENACE' TICKETS TO BE AVAILABLE WEEK BEFORE MAY 19 OPENING.”. Los Angeles Daily News (1999年4月24日). 2009年2月18日閲覧。
  29. ^ “Fans rave over Star Wars”. BBC. 19 May 1999. 2009年2月18日閲覧.
  30. ^ Andrew Hindes; Chris Petrikin (6 April 1999). “New 'Star' born with firm terms”. Variety. 2009年2月18日閲覧. {{cite news}}: |coauthors=引数は非推奨です。 (説明)
  31. ^ Early prequel: `Star Wars' release moved up”. The Milwaukee Journal Sentinel (1999年3月11日). 2009年2月18日閲覧。
  32. ^ Craughwell, Kathleen (25 March 1999). “Stars Align for 'Phantom' Galaxy”. Los Angeles Times. 2009年2月18日閲覧.
  33. ^ Stars in Force for 'Phantom Menace'”. People (1999年3月4日). 2009年2月18日閲覧。
  34. ^ Elliott, Stuart (14 May 1999). “The Media Business: Advertising—The Hype Is With Us; The Lucas Empire Is Invading; Resistance Is Futile”. The New York Times. 2009年7月12日閲覧.
  35. ^ Star Wars Celebration 1999”. StarWars.com (1999年4月30日). 2009年7月12日閲覧。
  36. ^ Weinraub, Bernard (23 November 1998). “Now Playing: Two New Minutes of 'Star Wars'. The New York Times. 2009年2月18日閲覧.
  37. ^ "Star Wars" trailer: The bootleggers strike back”. Salon 21st (1999年3月10日). 2009年2月18日閲覧。
  38. ^ Net Force Clogged”. Empire (1998年11月19日). 2009年2月18日閲覧。
  39. ^ Star Wars: Episode I — The Making of the Poster”. StarWars.com (1999年3月10日). 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月12日閲覧。
  40. ^ Star Wars Episode I: The Phantom Menace”. IGN (1999年5月18日). 2009年7月12日閲覧。
  41. ^ Star wars Pinball 2000”. Williams Electronics Games. 2009年7月12日閲覧。
  42. ^ The Phantom Menace Online Comic” (1999年5月1日). 2009年7月12日閲覧。
  43. ^ Patricia C. Wrede (3 May 1999). “Star Wars, Episode I – The Phantom (Junior Novelization)” (Document). Scholastic Paperbacks. {{cite document}}: 不明な引数|isbn=は無視されます。 (説明)CS1メンテナンス: ref=harv (カテゴリ)
  44. ^ Brooks, Terry (3 February 2004). “Sometimes the Magic Works: Lessons from a Writing Life” (Document). Del Rey Books. {{cite document}}: 不明な引数|isbn=は無視されます。 (説明)CS1メンテナンス: ref=harv (カテゴリ)
  45. ^ Star Wars fans snap up two VHS versions despite no DVD.”. Video Business (2000年4月7日). 2009年2月18日閲覧。
  46. ^ “Star Wars breaks DVD records”. BBC News. 24 October 2001. 2009年2月18日閲覧.
  47. ^ Star Wars Saga Repacked in Trilogy Sets on DVD”. Lucasfilm. StarWars.com (2008年8月28日). 2008年11月8日閲覧。
  48. ^ Laserdisc Review — Star Wars: Episode I — The Phantom Menace (Japanese Import)”. The Digital Bits (2000年4月13日). 2009年2月18日閲覧。
  49. ^ Pre-order Star Wars: The Complete Saga on Blu-ray Now!”. StarWars.com. Lucasfilm (2011年1月6日). 2011年1月7日閲覧。
  50. ^ Star Wars in 3D Gets an Official Release Date”. Lucasfilm. Starwars.com (2011年3月3日). 2011年3月3日閲覧。
  51. ^ Josh Wolk (24 May 1999). “Flip the Record : 'The Phantom Menace' topples two of three box office records”. Entertainment Weekly. 2009年3月12日閲覧.
  52. ^ a b Star Wars: The Phantom Menace”. The Numbers (2001年12月1日). 2006年7月25日閲覧。
  53. ^ a b c d マーチャンダイジングライツレポート1999年9月号
  54. ^ The 72nd Academy Awards (2000) Nominees and Winners”. 映画芸術科学アカデミー. 2012年2月12日閲覧。
  55. ^ 1999 RAZZIE Nominees & "Winners"”. Golden Raspberry Foundation. 2009年3月12日閲覧。
  56. ^ Past Saturn Awards”. Saturn Awards. 2009年3月12日閲覧。
  57. ^ MTV Movie Awards Past Winners: 2000”. MTV. 2009年3月12日閲覧。
  58. ^ a b c d マーチャンダイジングライツレポート2001年5月号
  59. ^ マーチャンダイジングライツレポート2006年6月号
出典

Template:Link FA Template:Link GA Template:Link GA