ハルとナツ 届かなかった手紙

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ハルとナツ 届かなかった手紙』(はるとなつ とどかなかったてがみ)は、NHKが「放送80周年記念 橋田壽賀子ドラマ」と銘打って放送した開局記念番組テレビドラマ。脚本を橋田壽賀子が担当した。

NHK総合テレビジョン2005年10月2日 - 10月6日 21:00 - 22:15(JST、初回のみ21:00 - 22:30)放送。アメリカ合衆国でも、テレビジャパンを通じて現地時間12月26日-12月30日に放送された。

平成17年度文化庁芸術祭テレビ部門ドラマの部参加作品。副題は "Haru e Natsu" である。

昭和初期に日本からブラジルに移民した一家と、トラホーム感染を理由に日本に置き去りにされた娘の、戦前・戦中・戦後復興期の日本・ブラジル双方での苦難の歴史を描いた。

武田すんの漫画「ハルとナツ」と題名が似ているが、一切関係ない。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


キャスト

現代編

  • 高倉ハル - 森光子(80歳):ブラジルに移民した際に生き別れになった妹ナツを探すため、70年ぶりに来日。
  • 山辺ナツ - 野際陽子(78歳):北王製菓社長。ブラジル移民後音信不通になった両親と姉に捨てられたと思っていた。
  • 高倉大和 - 今井翼:ハルの孫。日本の大学に通うために来日、ハルのナツ探しを手伝う。柔道有段者。
  • 高倉邦男 - 尾崎英二郎:ハルの息子。
  • 山辺照彦 - 西田健:ナツの長男。
  • 山辺公彦 - 中丸新将:ナツの次男。
  • 大田 - 矢島健一:ナツの秘書。
  • 中原イネ - 野村昭子:ハルとナツのいとこ。母カネ(ナツの叔母)が隠し持っていたハルからナツ宛の手紙を渡す。
  • 中原ミサ - 泉ピン子:イネの娘。
  • 中内金太 - 北村和夫:ナツの幼馴染。
  • 川村勉 - 梅野泰靖:ナツの幼馴染。

昭和編

  • 高倉ハル - 米倉涼子(16-55歳)、斉藤奈々(9-12歳)
  • 高倉(山辺)ナツ - 仲間由紀恵(14-36歳)、志田未来(7-10歳)
  • 高倉忠次 - 村田雄浩:ハルとナツの父。ブラジルへは3年だけ出稼ぎのつもりで移民したが、結局二度と日本の地を踏むことはなかった。日本の敗戦を信じない「勝ち組」。
  • 高倉シズ - 姿晴香:ハルとナツの母。
  • 高倉茂 - 小林宏至:ハルとナツの長兄。マラリアで病死。
  • 高倉実 - 椿直:ハルとナツの次兄。訪伯中の海野中佐(後述)に誘われ日本に帰国後、特攻隊として戦死。
  • 高倉洋三 - 吉見一豊:忠次の弟。ハルとナツの叔父。忠治一家とともにブラジルに移民する。
  • 高倉キヨ - 水町レイコ:洋三の妻。ハルとナツの叔母。
  • 高倉与作 - 田山涼成:忠次の兄。ハルとナツの伯父。
  • 高倉カネ - 根岸季衣:与作の妻。ハルとナツの伯母。日本に残されたナツをいじめる。
  • 高倉ノブ - 渡辺美佐子:ハルとナツの祖母。いじめられていたナツを助ける。
  • 栗田彦次 - 徳井優:高倉一家が最初に入植した農場の世話役。大阪出身。
  • 山下平造 - 斉藤洋介:高倉家と同じ移民船でブラジルに移民した移民仲間。先に移民していた兄夫婦を頼って移民した。千葉出身。
  • 山下拓也 - 桑原匠吾→高嶋政宏:平造の息子。後にハルの夫となる。
  • 中山耕太郎 - 柄本明:入植地日本人会会長。戦後は敗戦を認める「負け組」で忠次と対立する。広島出身。
  • 中山トキ - 由紀さおり:耕太郎の妻。
  • 中山隆太 - 岡田義徳:耕太郎の息子。親同士の対立でハルと結婚することができなかった。
  • 海野 - 石橋凌:海軍中佐。
  • 中内金太 - 小橋賢児:ナツの仲間。
  • 川村勉 - 松本実:ナツの仲間。
  • ジョージ原田 - 大森南朋:日系2世アメリカ人。ナツとの間に子供(照彦)をつくるが、アメリカに帰国してしまう。
  • 山辺康夫 - 北村一輝:ナツの夫。
  • 徳治 - 井川比佐志:家出したナツを拾った牛飼いの老人。
  • 律子 - 原千晶:ナツの工場の従業員。
  • アイ子 - 遊井亮子:ナツの工場の従業員。

スタッフ

  • 演出:佐藤峰世、田中健二
  • 製作統括:阿部康彦、金澤宏次
  • 原作・脚本:橋田壽賀子
  • 音楽:渡辺俊幸

サブタイトル

各話 放送日 サブタイトル 関東地区 関西地区
第1話 2005年10月2日(90分) 姉妹 18.1% %
第2話 2005年10月3日(75分) 北と南の大地に別れて 17.4% 16.7%
第3話 2005年10月4日(75分) 流転の青春 18.8% 18.5%
第4話 2005年10月5日(75分) 日本よ 運命の愛と哀しみ 19.1% 18.0%
第5話 2005年10月6日(75分) ブラジルへ 18.5% 19.2%

備考

DVD

ハルとナツ 届かなかった手紙 1-3(ビクターエンタテインメント) 発売日:2006年1月27日

盗作疑い

在サンパウロの日本人映像作家の岡村淳[1] が「自分の作品の盗作」であるとして公開質問状を送っており、NHKからは納得できる回答がなされていないとしている[2][3]

ナツひとり 届かなかった手紙

ドラマで取り上げ切れなかった部分を補う形で、ナツを主役とした舞台『ナツひとり 届かなかった手紙』(仲間由紀恵主演)が上演された。仲間は2006年の大河ドラマ『功名が辻』で主演したため、上演されたのは翌2007年11月だった。「姉・ハルの生涯が取り上げられるシーンがやや多かった」、「ナツがどんな人生を辿ったのかもっと知りたかった」等の指摘がNHKに寄せられた模様で、それを受けて企画されたのがこの舞台であった。ドラマを補う形で、日本に独り残されたナツの青壮年時代に主眼を置いている。

NHKは近年、朝の連続テレビ小説大河ドラマの放送終了後の舞台化にも積極的に取り組んでおり、一部はNHK教育テレビジョン劇場への招待』で放送しているが、本作は2008年1月1日 22:00 - 25:10放送。

出演:仲間由紀恵、生瀬勝久福士誠治沢田雅美宇津井健森光子(声の出演) ほか

関連項目

脚注

  1. ^ ブラジルに渡ったドキュメンタリー屋さん 岡村淳のオフレコ日記
  2. ^ 検証・NHK疑惑[リンク切れ]
  3. ^ 取材ノート NHK疑惑に関して[リンク切れ]

外部リンク