パエリア
パエリア(paella)は、もともとは、スペイン東部のバレンシア地方の郷土料理の1つ。

名称
スペイン語ではパエーリャと発音することも多いが、バレンシア語ではパエージャと発音する。パエリアは、元々バレンシア語でフライパンを意味していた。バレンシア地方以外にこの調理器具を用いた料理法が伝わるうちに、調理器具より料理の名称としてスペイン人全体や他国民に浸透していった。パエリアを炊く人を「パエジェーラ」(paellera 女性形)または「パエジェーロ」(paellero 男性形)と呼ぶ。
歴史
スペインを代表する世界的に人気の料理の一つで、本場ではパエリアの祭りもあるが、アラブ起源である。西暦9世紀以後、アル=アンダルスのムスリムの間で作られてきた。 つい近年までは、オレンジの果樹園で働く農民たちが、そのオレンジの木の下でパエリアを昼食として調理する姿が頻繁に見かけられたという。
製法
パエジェーラと呼ばれる専用のパエリア鍋(両側に取っ手のある平底の浅くて丸いフライパン)で調理する米料理で、たっぷりの具を炒めて、米と水、黄色の着色料としてサフラン[1]を加えて炊き上げる。この際、日本のように蓋をせず(いわば具を蓋の代わりにする)に炊きあげるのが一般的。パスタのアルデンテ同様、米に僅かに芯が残るように炊くものという人もいるらしいが、本場バレンシア地方では芯の残ったものは炊き方が悪いものとして嫌われる。また汁気が残ったり、米が柔らかくなりすぎたものもうまく炊けていないものとされる。鍋の底にはソカレット(socarrat おこげ)が出来るようにする。伝統的な調理法では、ある程度炊き上げてからパエリア鍋をオーブンに入れ加熱して水分を飛ばす。
調理法例 鶏肉のパエリア
食材の種類
日本では魚介類を用いたものが一般的だが、本来のバレンシア風パエリア(paella valenciana)はウサギ、鶏、カタツムリ、インゲンマメ、パプリカと山の幸を中心に用いて作る。バレンシアの猟師が獲物を米と一緒に煮込んだのが始まりといわれる。基本的に塩とサフラン以外の調味料・香辛料は入れないので、材料の風味を生かした素朴な味わいになる。
パエリアに使われる米は長粒種ではなく短粒種である。さらに、バルセロナを中心とするカタルーニャ地方では、米の代わりにフィデオ(fideo)と呼ばれる長さ2~3cmの極細パスタまたは極細マカロニを用いたフィデウア (fideua)と呼ばれる料理もある。
パエリアの色々
脚注
- ^ サフランは高価なため、Coloranteと呼ばれる安価な黄色着色料が使われる場合も多い
関連項目
- Balconmicrobio.com How to do a Paella. Video Included! (Spanish)
- スペイン料理
- ジャンバラヤ
- スペイン語の日本語表記