宮崎県資産家拉致事件
宮崎県資産家拉致事件(みやざきけんしさんからちじけん)とは、1994年3月27日に宮崎県で発生した事件。オウム真理教が起こした組織的犯罪であった。
事件のあらまし
オウム真理教は、次女と三女が信者である宮崎県在住の旅館経営者の資産に目を付け、財産収奪のために誘拐する計画を立てた。
1994年3月27日夜、三女が父親である旅館経営者に睡眠薬を飲ませ、井上嘉浩の手引きで東京都中野区のオウム真理教附属医院に監禁した。オウム信者でない長女が異変に気づき、三女を問い詰めたところ、「オウムの附属医院に入院させた」と白状したため、附属医院に急行したが、旅館経営者は上九一色村のサティアンに移された。その間、旅館経営者の銀行口座から預金を引き出そうとするが失敗している。
旅館経営者は約5ヶ月間監禁されたが、オウム真理教に帰依する振りをし、財産を布施する意向を示したことでようやく解放された。
解放後、旅館経営者は自分を拉致した娘たちや教団の顧問弁護士である青山吉伸を告訴した。教団では、組織犯罪であることを隠蔽するため、被害者の三女と附属医院の医師の間に恋愛関係があり、感情のもつれから生じた個人的な犯罪に仕立てることにした。そして、そのシナリオを丸暗記させた。裁判の結果、次女や三女らに実刑判決が下った。