弦 (弓)
弦(つる、またはげん)は、弓の両端に張る糸。弓弦(ゆみづるあるいはゆづる)ということもある。
材料は、苧(からむし)や麻などの自然界から得た繊維を束ねて用いるほか、現在では、ケブラー、アラミド繊維など、化学繊維も多く使用される。
各部の名称
- 和弓の弦
- 弓道で用いられている弦は、すべて「S字巻き」である。弦を選ぶときは、弓の強さに応じて太さを決める。太さの規格は線密度によってn号と表現される。丈夫で安価な化学繊維のものも普及しているが、弦音がよいとして現在でも高段者を中心に麻弦を愛用する人も多い。
- 弦輪(つるわ)
- 弦の両端の、弓弭(弓の上下端)に掛ける輪の部分。上側を日の輪、下側を月の輪という。また、弦輪の結び目の部分を三ツ頭(みつがしら)という。左右が非対称なので、表裏(前後?)がある。弓を張る場合は、まず日の輪を末弭(上弭)に掛け、弓をたわませて月の輪を本弭(下弭)に掛ける。
- 中仕掛(なかじかけ)
- 矢の筈がはまる部分は、補強と太さの調節を兼ねて、細かい繊維を巻き付けておく。ここを中仕掛という。ときどき中仕掛を作らない人がいるが、これは弦の寿命が短くなるのであまり感心されない。中仕掛より上を上弦(うわづる)、下を下弦(しもづる)と呼ぶ。
- 薬煉(くすね)
- 補強のために弦に塗る、松脂を油で煮て練ったもの。麻弦のときは特に、使用前と使用後に麻薬煉でこすって薬煉を弦によく染みこませておかないと弦の寿命が縮む。
- かつては薬煉は滑り止めとして手に塗るのにも使われており、そこから十分に準備して待ち構えることを「手薬煉をひく」というようになった。
- アーチェリーの弦
- アーチェリーでは、弦をストリングという。