新・世界七不思議
新・世界七不思議(しん・せかいななふしぎ、英語:New Seven Wonders of the World)は、世界中からの投票によって決められた、現代版の世界の七不思議である。スイスに本拠を置く「新世界七不思議財団」(New7Wonders Foundation)によって発表された。2007年に選出が行われ、2011年には第2弾の新・世界七不思議 自然版の選出が行われた。
なお、新・世界七不思議と翻訳されているが、英語の「wonder」には「驚異的なもの」という意味もあり、また元もとの世界七不思議の原語のギリシア語も「不思議」という意味ではないため(世界の七不思議#「不思議」の意味参照)、ここでも「不思議な」物件とは考えないほうが良い。ノミネートされている物件は、歴史的にはほぼ解明されたものが多い。
経緯
冒険家のベルナルド・ウェーバーによって提案され、フェデリコ・マヨール前・ユネスコ事務局長を中心とした実行委員会が候補地を絞り込んだ。最終結果は2007年7月7日にポルトガルのリスボンで発表された。
最終結果の発表に先立つ2007年6月20日、ユネスコは、「新・世界七不思議」が世界遺産やユネスコとなんら関係ないと声明を発表した。新・世界の七不思議については、幾度も支援依頼を受けたが、協力しないと決められた。
「新世界七不思議財団」は1億票以上がインターネットや電話を介して集められたと主張しているが、特に重複投票を防止する措置が講じられていたわけでもなく、もともと非科学的な投票だったと言われている[1]。また、自国の候補地が選出されるように、国家レベルで自国の候補地への投票を過剰に煽った、いわば組織票によるものが大きかったとの指摘もある。
2011年には新・世界七不思議 自然版が選出された。全世界で261箇所が立候補し、その中から候補地が、2009年7月21日には28箇所に[2]、8月25日には14箇所に絞りこまれた[3]。そして2011年11月11日に投票が締め切られ、新・世界七不思議 自然版が公表された[4]。
なお現在は、新・世界七不思議 都市版の選定作業が進められている。
新・世界七不思議
新・世界七不思議に選ばれた物件
新・世界七不思議の最終候補にノミネートされた物件
- アクロポリス(ギリシャ)
- アルハンブラ宮殿(スペイン)
- アンコール・ワット(カンボジア)
- チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ)
- イエス・キリスト像(ブラジル)
- コロッセオ(イタリア)
- イースター島のモアイ像(チリ)
- エッフェル塔(フランス)
- 万里の長城(中国)
- 聖ソフィア大聖堂(トルコ)
- 清水寺(日本)
- クレムリンと赤の広場(ロシア)
- マチュ・ピチュ(ペルー)
- ノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ)
- ペトラ(ヨルダン)
- ギザのピラミッド(エジプト)
- 自由の女神像(アメリカ)
- ストーンヘンジ(イギリス)
- シドニー・オペラハウス(オーストラリア)
- タージ・マハル(インド)
- トンブクトゥ(マリ)
新・世界七不思議 自然版
新・世界七不思議 自然版に選ばれた物件
名称 | 所属国 | 写真 |
---|---|---|
アマゾン川と熱帯雨林 | ボリビア, ブラジル, コロンビア, エクアドル, フランス(フランス領ギアナ), ガイアナ, ペルー, スリナム, ベネズエラ | |
ハロン湾 | ベトナム | |
イグアスの滝(イグアス国立公園(アルゼンチン)/(ブラジル)) | アルゼンチン, ブラジル | |
済州島 | 韓国 | |
コモド島(コモド国立公園) | インドネシア | |
プエルト・プリンセサ地底河川 | フィリピン | |
テーブルマウンテン(テーブルマウンテン国立公園) | 南アフリカ |
新・世界七不思議 自然版の最終候補にノミネートされた物件
新・世界七不思議 自然版の候補で2009年8月25日に落選した物件
名称 | 所属国 | 写真 |
---|---|---|
エンジェルフォール | ベネズエラ | |
ファンディ湾 (ファンディ国立公園) | カナダ | |
シュヴァルツヴァルト | ドイツ | |
モハーの断崖 | アイルランド | |
エル・ユンク | プエルトリコ | |
ガラパゴス諸島 (ガラパゴス国立公園) | エクアドル | |
グランド・キャニオン (グランド・キャニオン国立公園) | アメリカ | |
モルディブ諸島 | モルディブ | |
マッターホルン | イタリア, スイス | |
ミルフォード・サウンド | ニュージーランド | |
コブスタンの泥火山 | アゼルバイジャン | |
ウルル (ウルル=カタ・ジュタ国立公園) | オーストラリア | |
ヴェスヴィオ (ヴェスヴィオ国立公園) | イタリア | |
玉山 (玉山国家公園) | 台湾 |
関連項目
脚注
- ^ The Seven Wonders of the World, 2.0(Los Angeles Times)[1]
- ^ 新・世界の七不思議:死海、候補に残る - 毎日jp(毎日新聞)、2009年7月23日
- ^ 自然界の「七不思議」、最終候補は死海など14候補に Reuters、2009年8月26日
- ^ new7wonders.com, Voting procedure for the New7Wonders of Nature