世界に一つだけの花
「世界に一つだけの花」(せかいにひとつだけのはな)は、SMAPの35枚目のシングル。2003年3月5日にビクターエンタテインメントから発売された。 2000年代の日本のポピュラー音楽を代表するヒット曲である。
「世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)」 | ||||
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SMAP の シングル | ||||
初出アルバム『SMAP 015/Drink! Smap! SMAP AID』 | ||||
B面 |
僕は君を連れてゆく 作詞:工藤哲雄 / 作曲・編曲:都志見隆 | |||
リリース | ||||
規格 | マキシシングル | |||
ジャンル | J-POP | |||
レーベル | ビクターエンタテインメント | |||
作詞・作曲 | 槇原敬之 | |||
ゴールドディスク | ||||
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チャート最高順位 | ||||
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SMAP シングル 年表 | ||||
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収録内容
SMAP 015/Drink! Smap!
- 3曲目 / 世界に一つだけの花
- 作詞・作曲・編曲:槇原敬之
※ その他の収録は『SMAP 015/Drink! Smap!』を参照。
世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)
- 世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)
- 作詞・作曲・編曲:槇原敬之 / ストリングスアレンジメント:門倉聡
- 僕は君を連れてゆく
- 作詞:工藤哲雄 / 作曲・編曲:都志見隆
- 世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)[ミュージック・トラック]
- 僕は君を連れてゆく[ミュージック・トラック]
SMAP 016/MIJ
- DISC2 - 6曲目 / 世界に一つだけの花(organ version)
- 作詞・作曲:槇原敬之 / 編曲:上杉洋史
※ その他の収録は『SMAP 016/MIJ』を参照。
SEKAI NI HITOTSU DAKE NO HANA(S.O.N. version)
- 世界に一つだけの花(JAZZ version)
- 作詞・作曲:槇原敬之 / 編曲:Adam Podrat
- 世界に一つだけの花(CLASSIC version)
- 作詞・作曲:槇原敬之 / 編曲:Adam Podrat
SMAP AID
- 16曲目 / 世界上唯一的花(世界に一つだけの花 Chinese Version)
- 作詞・作曲:槇原敬之 / 中国語詞:林明陽
※ その他の収録は『SMAP AID』を参照。
概要
制作・リリースの経緯
本曲は元々、2002年7月24日に発売されたアルバム『SMAP 015/Drink! Smap!』 の収録曲だった。作詞・作曲した槇原敬之によると、依頼を受けて最初に提出した作品をボツにされ、締め切りが迫る中で書き上げたという[1]。
アルバム発売当時からメンバーは本曲が同アルバム中で1番好きな曲だとコメントしていた。その後2002年9月16日放送分の関西テレビ・フジテレビ系列『SMAP×SMAP特別編』「同学年」で、木村拓哉が挿入歌として本曲を歌い話題を呼んだ[注 1]。
本曲が世間一般に知れ渡ったのは、2003年1月 - 3月にかけて放送された草彅剛主演の関西テレビ・共同テレビ制作、フジテレビ系ドラマ『僕の生きる道』の主題歌となったことによる。ドラマ放送開始直後からシングル・カットの要望が多数寄せられたため、メンバーの歌唱パートの入れ替えなどのアレンジを行い、2003年3月5日に『世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)』としてシングルカットされた。なお、同ドラマの中でシングル・ヴァージョンが唯一使われたのは、シングルCDの発売直後に放送された最終回のエンディングである。
アルバム版で締めの大サビを歌っていたのは木村だったが、シングル版ではドラマのためか草彅が担当している(2005年3月23日放送の日本テレビ系列『速報!歌の大辞テン』最終回にメンバーがVTR出演した際、木村は「大サビが歌えなくなって風呂で泣いた」と話した)。だが、シングル版の1番2番には、木村のソロが存在する。
シングル・ヴァージョン発売から約6年半後、クラシック・ジャズのアレンジを行い、2009年12月18日 - 2010年1月11日までの期間限定で『SMAP SHOP09 in akasaka Sacas』にて、『SEKAI NI HITOTSU DAKE NO HANA(S.O.N. version)』として販売された。曲割り・歌詞は、両方ともシングル版と同様のものである。
2011年3月18日、歌詞を中国語に翻訳し再レコーディングしたものを、『世界上唯一的花』として中国で発売した。SMAPのCDは過去全てビクターエンタテインメントから発売されてきたが、このCDはエイベックスグループの1つavex Chinaから発売された。また、売り上げの一部は発売約1週間前に起こった東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の被災者へ寄付することを発表した。
『SMAP 015 / Drink! Smap!』に収録されている「オリジナルバージョン」、シングルカットされアレンジが加えられた「シングルヴァージョン」、『SMAP 016/MIJ』に収録された「organ version」、『SEKAI NI HITOTSU DAKE NO HANA(S.O.N. version)』の「ジャズバージョン」および「クラシックバージョン」、歌詞が全編中国語の『世界上唯一的花』とCDとして発売されたSMAP名義による本曲の公式なバージョン違いは、現在のところ全部で6パターン存在する。
木村と草彅のパートが多い。中居のソロパートが歌い出しなのは1993年発売の「君色思い」以来10年ぶりである。
歌詞
槇原は本曲を作る3年前の1999年に覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕されたことがあり、このことが自分を見つめ直す機会になった。その中で彼は仏教と出会い、従来の私小説的な作風とは異なる人生をテーマとする作品を手がけるようになり、その成果が本曲だった。この歌を書き上げた時の様子を槇原は次のように回顧している[1]。
部屋の床に犬と寝ていてパッと起きたら、ものすごくきれいな雨が降っている朝だった。頭に浮かんでくる景色を文章化していくだけで自分が書いた感覚はなかった。
この曲を書けたこと自体自分の才能だとは思っていない。神様のプレゼントである(神託)。そうでなければこんな曲は書けない。
「ナンバーワンではなくオンリーワン」という主題は、「天上天下唯我独尊」という仏教の教えが念頭にあった[1]。『仏説阿弥陀経』の「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光」という一節が元になったとも語っている。これは浄土には様々な色の蓮華が咲き乱れているが、そこではそれぞれがそれぞれの個性に無上の尊厳性を認め合い存在しているという内容である。
また、いくら他に沢山のバラがあろうとも自分が美しいと思い精一杯の世話をしたバラはやはりいとおしく、自分にとって1番のバラなのだと悟るという『星の王子さま』の話も基になっている。
振り付け
振り付けはKABA.ちゃんが担当した。KABA.ちゃんによると木村に「皆が1つになれる様な振り付けを作ってほしい」との要望を受けて、制作したものである。制作時は女子トイレの大きな鏡を見ていたそうである。2005年のNHK『第56回NHK紅白歌合戦』で全出場歌手により本曲が大合唱された際には、全員がこの振り付けで踊った。
本曲のPVは制作されていないため、テレビで本曲が流れる際にはライブ映像、もしくはシングル版のジャケットが使われることが多い。
2011年8月17日に「SMAP AID」が発売されたが、シングル・ヴァージョンとしては初のアルバム化となる。 また同アルバムで、本曲初のベストアルバム収録となる。
楽曲の歴史・名場面
2003年3月の発売後も反響が多かった。本曲の歌詞に登場する「オンリーワン」はこの年の流行語になり、新語・流行語大賞の候補にノミネートされた(大賞受賞には至らず)。10月、名古屋テレビ放送(テレビ朝日系列)『ウドちゃんの旅してゴメン』では、エンディングテーマソングとして起用され、現在も使用され続けている。そして、12月のNHK『第54回NHK紅白歌合戦』とフジテレビ系列『2003 FNS歌謡祭』の大トリを飾った。両番組いずれもSMAPとってトリは初で、同じ年に『NHK紅白歌合戦』と『FNS歌謡祭』(歌謡ショー形式となった1991年以降)の双方でトリを飾ったのは1997年の安室奈美恵『CAN YOU CELEBRATE?』以来6年ぶり2組目で、男性アーティストでは史上初。ポップス系からの紅白大トリは、1978年・第29回の沢田研二『LOVE (抱きしめたい)』以来25年ぶりである。さらにグループとしてのトリは史上初のことだった[注 2]。また、『第54回NHK紅白歌合戦』ではこの大トリの演出のおかげで、SMAPが属する白組が15-0と紅白史上初の完封大勝利となった。テレビ朝日系列『ミュージックステーション』の年間ランキングでも1位になった。この時、リーダーの中居正広は「1位になると思っていました」とコメントした。他にも『第45回日本レコード大賞』の最有力候補とされていたが、歌詞の趣旨を踏まえて「オンリーワンになりたい」として辞退した。
2004年も『第54回NHK紅白歌合戦』の大トリ効果(この年の紅白の視聴率は全歌手最高となる57.1%を記録)で年初頭のオリコンシングルチャートで返り咲き1位(翌週も1位)を獲得するなどロングヒットを続け、第76回選抜高等学校野球大会では開会式の入場行進曲に選ばれた。しかし、SMAPとしての新曲が一切発表されなかったことにより『第55回NHK紅白歌合戦』を始めとした年末の各局の看板大型音楽番組への出演を辞退した[注 3][注 4]。
2005年には宇宙飛行士の野口聡一がスペースシャトル・ディスカバリー号の中で本曲をモーニングシングとして流し、「宇宙に一つだけの花」と呼ばれるなど話題を呼んだ。草彅と香取がメインパーソナリティーを務めた日本テレビ系列『24時間テレビ28 「愛は地球を救う」〜生きる〜』のエンディングで、SMAPのメインボーカルにより全出演者で大合唱された[注 5]。この放送直後にオリコンチャートトップ100に返り咲いた。2年ぶりの出場となった『第56回NHK紅白歌合戦』では、第二部のトップで同紅白の出場出場者選考の参考アンケートとしてNHKが実施した『スキウタ~紅白みんなでアンケート~』で1位に選ばれた本曲を5人が出場歌手と大合唱した。この効果で翌2006年初頭に再びオリコンチャートトップ100に返り咲いた。
2007年7月には香取が総合司会を務めたフジテレビ系列『FNS27時間テレビ (2007年)』のエンディングで『24時間テレビ』同様、SMAPをメインに全出演者で大合唱。『FNSの日』でSMAPにより本曲が歌唱されたのは2004年の回以来だった。中居が紅組司会を務めた同年の『第58回NHK紅白歌合戦』では、『蛍の光』とセットという形でSMAPと槇原敬之をメインに出演者(出場歌手・司会者・ゲスト審査員・合唱団)でエンディングで大合唱された。木村と草彅、稲垣、香取の4人は青色の衣装で登場したが、中居のみ紅組司会をしていた関係上赤色の衣装での登場となった。紅白のエンディングで『蛍の光』以外の曲が歌唱されたのは1963年・第14回[注 6]以来44年ぶりのことだった。
2008年には本曲の歌詞が英語の教科書に引用された。
2009年には12月、草彅が司会を務めた『2009 FNS歌謡祭』のトリで歌唱された。また、中居が白組司会を務めた『第60回NHK紅白歌合戦』でも同年のヒット曲『そっと きゅっと』とのメドレーでトリから2番目の位置で歌唱された。
2010年には10月21日、京急空港線の羽田空港国際線ターミナル駅の列車接近メロディに採用された。12月、草彅が司会を務めた『2010 FNS歌謡祭』のフィナーレにて、SMAP(香取は『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系列)生出演のため不参加)と出演歌手(全員ではない)、進行役で本曲が大合唱された。この演出は香取が出演できなかったため採られた策である。また、『第61回NHK紅白歌合戦』で歌唱するとの事前報道[2]があったが、歌唱されなかった。
2011年にはジャニーズ事務所が東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の募金・チャリティー等の活動を行うために結成したプロジェクト・Marching JのイベントでSMAPが本曲を歌唱した。5月21日夜、都内ホテルで日中韓首脳会談のため来日した中国首相の温家宝を前にSMAPが中国語版の本曲を披露(披露後、温は「謝謝」と返した)。7月には中居が総合司会を務めた『FNS27時間テレビ (2011年)』の番組終了後に出演者で大合唱されたという。
2012年には3月10日、中居が総合司会を務めたNHK(NHK総合テレビ・NHK BSプレミアム)『震災から1年 "明日へ"コンサート』の総合テレビ放送パートのエンディングでSMAPと出演歌手が本曲を大合唱した。
香取が司会を務めるテレビ朝日系列『SmaSTATION―4』で香取と木村、草彅の3人で、アカペラで歌われたことがある。
5人揃って出演しているソフトバンクモバイルのCMで歌唱された。 オリジナル・ヴァージョンの他に、ジャズやクラシック、ボサノバなどでアレンジされたヴァージョンもある。
社会での受容
TBS系列『筑紫哲也 NEWS23』のメインキャスターだった筑紫哲也がSMAPと対談した際に「これは反戦歌だと思う」と評する等、この曲に対し反戦イメージを重ねる人もいる。これは当時イラク戦争前夜にあったため、花や個々人を賛美することで平和の大切さを訴えるという、CDリリース時のSMAPメンバーのコメントによるところが大きい。
2003年のNHK『第54回NHK紅白歌合戦』で歌った際には人命の大切さを訴え平和を求めるメッセージがメンバーから発信された。衣装もこうした世界情勢に配慮し、何者にも与しないという意味か、全員白色のスーツだった(このスーツは、2004年初頭の『SMAP×SMAP』生放送スペシャルでメンバーが再披露していた)。紅白において、ステージ上で歌手からメッセージが述べられるのは、極めて異例である(その後、2006年の『第57回NHK紅白歌合戦』でもSMAPが歌唱前にステージ上からメッセージを述べる演出を行った)。
「ナンバーワンよりオンリーワン」という歌詞は、支持されている層からは自分が「オンリーワン」なんだといってもらえることで喪失しかけていた自信を回復できたと肯定的に受容されている反面、競争社会に積極的にコミットせずに現実逃避する非主体的な若者のメンタリティと結びつけて批判される場合もある[3]。
社会学者の土井隆義は、この楽曲はありのままの自分でいることを肯定してくれる癒しの歌とも受け取れる一方で、若者の間で「個性的であること」に対して高い価値を置く規範が共有されている状況下で自分が「ごく平凡な私」に過ぎないとしか感じられない者に対しては救われない内容であるとしている[4]。
評論家の海老原豊は、(土井隆義や貴戸理恵らが指摘するような)コミュニケーション能力や人間力といった漠然とした能力が評価基準として機能している状況[注 7]において自身のコミュニケーションの失敗も自分の個性として引き受けるという「宿命主義」を表した曲であるとしている[5]。
記録
- SMAPは本曲で初めてオリコンシングルチャート年間ランキング1位に輝いた(プラネットチャートでは、1998年に『夜空ノムコウ』で1位を獲得している)。
- オリコン歴代シングルチャート9位。アルバムからのシングルカットされた曲では歴代1位。現在、オリコン調査において、21世紀で最も売れたシングルCDであり、現在までSMAPにとって最大のヒット曲となっている。
- オリコンシングルチャートで39週ぶり(中38週あけ)の1位返り咲き(これまでの記録は松田聖子「ガラスの林檎/SWEET MEMORIES」の11週ぶり(中10週明け)の1位返り咲き)。
- オリコンシングルチャートで1度、39位まで落ちてからの1位返り咲き(これまでの記録は、松田聖子「ガラスの林檎/SWEET MEMORIES」の一度12位まで落ちてからの1位返り咲き)。
- 2003年度の「セガカラiメロディ」でアルバムバージョンが年間1位、ロングバージョンが年間9位、シングル・ヴァージョンが年間46位と年間トップ50に3バージョンがランクイン。
- 2003年度のTBS系列『CDTV』、テレビ朝日系列『ミュージックステーション』、フジテレビ系列『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』の中での年間ランキングでも1位。
- オリコンカラオケチャートでは、2003年3月3日付から6月16日付まで16週連続1位、通算では40週1位(ORANGE RANGE「花」に抜かれるまで歴代1位)。また、第一興商のカラオケ年間ランキングでは、2003年・2004年と2年連続1位。
- 2003年5月には売り上げ枚数が200万枚を突破。200万枚を突破したのは福山雅治「桜坂」(2000年) 以来3年ぶりの快挙である(オリコン調べ)。また、シングルの出荷枚数ではMISIA「Everything」(2000年)以来の200万枚突破となる。その後の200万枚突破シングルは2012年発売のAKB48「真夏のSounds good !」まで存在しなかった(200万枚突破シングルは男性アーティストに限れば、これが現時点で最後且つ21世紀で唯一のものとなっている。男女アーティスト合わせて、2000年代最後の200万枚突破シングルでもある)
- スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜白組1位(紅組も含めた全体1位)。
- B'zの11枚同時シングルリリース時において、オリコンシングルチャート2位にランクインし、この週のシングルチャートTOP10(12位まで)には、B'zとSMAPしかランクインしていなかった。
- 著作物使用料の分配額の上位3曲を表すJASRAC賞で、2004年(金)・2005年(金)・2006年(銅)と3年連続で受賞した。これは、長渕剛『乾杯』の4年連続に次ぐ記録。また2年連続金賞受賞は、瀬川瑛子「命くれない」と並ぶ1位タイ。
- 2007年、文化庁・日本PTA全国協議会主催の「親子で歌いつごう 日本の歌百選」に選出[6]。
- 2009年「ミュージックステーション あなたとアーティストが選ぶ新・国民的名曲」1位。
- ジャニーズ事務所所属アーティストのCD売り上げ歴代1位。
- 2012年11月5日、日本音楽著作権協会が、JASRAC賞30回記念特別表彰において「世界に一つだけの花」が金賞を受賞[7]。同時に、1982年~2011年度 各年度分配額上位100作品(国内作品)累計ベスト30作品の第1位になったことを発表[8]。
カバー
SMAPが歌うヴァージョンがヒットした後、様々なアーティストによってカバーが発表された。槇原もセルフカバーしている。
セルフカバー
発売当時の槇原敬之のライブでは「歌って欲しい」というリクエストがかなり多く寄せられていたが、その都度「ジャニーズはいろいろ厳しいのでもう少し待ってほしい」と、いわゆる大人の事情で歌唱が難しかったことを示唆していた。
槇原が本曲を公の場で正式に歌唱したのは、『SMAP×SMAP』にゲスト出演した際のことだった。この時に冒頭の「ナンバーワンに〜」の部分のワンコーラスのみではあるが、制作者本人だけで歌う部分が初めて披露され、続けてSMAPの5人とともに本曲を歌唱した。この番組内で槇原が「ライブで演りたい」という旨をSMAPメンバーに話したところ、「歌ってもいい」という合意を得たやりとりがあり、番組の放送直後のライブで急遽ダブルアンコールとして正式にセットリストに付加された[注 8]。
その後、音楽番組でも槇原による本曲が度々披露されるようになり、続くオリジナルアルバム『EXPLORER』(2004年8月14日発売)にスタジオ録音バージョンが正式に収録され、その効果もあってかこのアルバムはオリコン1位を獲得。50万枚を突破した。なお、この槇原が歌う本曲のピッチを速めると日本テレビ系アニメ『それいけ!アンパンマン』の主人公・アンパンマン(声:戸田恵子)が歌っているように聞こえる。
2004年にフジテレビ系列『めざましテレビ』で放映された槇原と軽部真一(フジテレビアナウンサー)の対談内にて、軽部から「当初、自身での歌唱を考えたのか?」との質問が出された際、槇原は「SMAPの5人だから良かった」と返答している。
その他
- 女子十二楽坊 - 2003年7月24日発売のアルバム「女子十二楽坊 〜Beautiful Energy〜」の第3トラックに収録、二胡等で演奏。
- 小田和正 - 2003年にTBS系列『クリスマスの約束』で歌った。
- ニコラス・テオ/張棟樑 - 2005年に「оnly оne」のタイトルで中国語でカバーした。
- SOTTE BOSSE - 2006年2月2日発売のアルバム「Essence of life」でカバー、ボサノヴァ・ジャズ風のアレンジ。
- マーティ・フリードマン - 2006年6月28日発売のアルバム「LOUDSPEAKER」でカバー、ギターインストの曲。
- 山本潤子 - 2007年、アルバム「SONGS」でカヴァー、第9トラックに収録した。
- 南かなこ - 2008年1月23日発売のアルバム「かなこの2枚目のアルバム」の第8トラックに収録。
- クリス・マーティン - 2008年、サマーソニック08の大阪・東京両公演にコールドプレイの一員として出演中、ピアノひとつで歌った[9][10]。
- 布施明 - 2008年9月10日発売のアルバム「Ballade」の第10トラックに収録。
エピソード
ジャケットには多くの企業看板が描かれているが、これはSMAPもしくは各メンバーがCMに出演した企業のものである。
本曲は当時全盛であったコピーコントロールCDではなく通常のCD-DAとして発売された。当時レコード会社数社は「違法ダウンロードによるコピーやP2Pソフトでの無断配信がCDの売り上げを減退させている」という意見がまかり通っていたが、この作品のヒットによって必ずしもヒット曲が生まれない要因が違法ダウンロードのみであるとは言い切れなくなったことを裏付けた。
槇原は1993年に「No.1」という楽曲を発表している。槇原が2004年12月22日放送のフジテレビ系列『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』にVTR出演した際、放送内における番組スタッフからの「No.1とオンリーワンはどっちが好きか?」との質問に「オンリーワンです」と返答した。
『SMAP×SMAP』の歌のコーナーで本曲を披露するにあたっての収録時に、中居が「どれもみんなきれいだね」と歌うところを「誰もみんな素敵だね」と歌い間違いをしたため、撮り直しとなったことがある。この模様は番組内でNGシーンとして取り上げられた。
本曲を結婚式で流した夫婦は離婚しないという都市伝説がある[11]。
コロッケは、映画などに用いられているモーフィングを応用して表情を次々に変化させ、複数の有名人のものまねをすることができることを活かして、本曲を使用し口パク=エアボーカルしながら次々に表情を変える「ものまね33面相」を2007年頃から披露している。最後には本曲のメロディにのせて高速で一気に33人連続で顔を変える(46面相バージョンもあるが、こちらは少し違い、1つの歌を歌いながら次々に変えていくものではなく、その人の歌を少しずつ歌いながら順番にものまねしていくものだった。ただし、最後の46人連続ものまねは本曲のメロディに乗せて行った)。
「世界で一つだけの花」と間違われることも多い。香取慎吾が総合司会を務めた2007年のフジテレビ系列『FNS27時間テレビ (2007年)』で行われた『クイズ!ヘキサゴンII』内「相手が書かない答えでシュート PKクイズ」で島田紳助にこのように間違われてしまい、香取も「自分もどっちか分からなくなることがある」(全く違和感がないので)と返すやりとりがあった。
関連項目
- さんまの世界に一つだけの歌 - ABC制作・テレビ朝日系列で2008年以降不定期で放送されているバラエティ番組。槇原が、SPサポーターとして出演。
脚注
注釈
- ^ 正確には木村単独ではなく、出演者との別撮りによるパート分けがされている。
- ^ 紅白のトリは元々「ソロ歌手でなくてはいけない」とのルールがあり、過去には1992年・第43回にて紅組に由紀さおり・安田祥子、白組にチェッカーズをそれぞれトリとして検討されるも見送られた経緯がある。
- ^ 2004年当時は香取がNHK大河ドラマ『新選組!』主演していた関係で『SMAP×SMAP』の収録以外に時間が空いておらず、次作シングル『友だちへ〜Say What You Will〜』が2005年1月19日に発売されるまで、1年10か月の長期インターバルが空くことになった。ただし、元々アルバム収録曲であった『ススメ!』を『ススメ! GOLD盤』として同年9月8日に発売する予定はあった(こちらは現在も未発表のままである)。
- ^ SMAPは2001年・第52回にも稲垣吾郎の不祥事により出場を辞退している。
- ^ 本来同番組のエンディング合唱曲となる「サライ」はラスト2扱いだった。『24時間テレビ』のエンディング曲が『サライ』以外になるのは1992年の同曲導入後では初めてのことだった。また、本来ラスト2扱いの「負けないで」(ZARD)はラスト3扱いとなった。
- ^ この年は翌1964年に東京オリンピックを控えていたため、『東京五輪音頭』を全員合唱。
- ^ 教育学者の本田由紀はハイパー・メリトクラシーと呼んでいる。
- ^ 当初は弾き語りワンコーラスだったが、後にバンド編成に改められた。
出典
- ^ a b c 『朝日新聞』2009年12月10日夕刊
- ^ 『スポーツ報知』2010年12月25日付
- ^ 岸本裕紀子 『なぜ若者は「半径1m以内」で生活したがるのか?』 講談社、2007年、123-124頁。ISBN 978-4062724548。
- ^ 土井隆義『「個性」を煽られる子どもたち―親密圏の変容を考える』岩波書店、2004年、37-38頁・44頁。ISBN 978-4000093330。
- ^ 海老原豊 「空気の戦場――あるいはハイ・コンテクストな表象=現実空間としての教室」『サブカルチャー戦争 「セカイ系」から「世界内戦」へ』 南雲堂、2010年、356頁。ISBN 978-4523264972。
- ^ “親子で歌いつごう 日本の歌百選”. 文化庁ホームページ. 文化庁. 2008年9月21日閲覧。
- ^ “JASRAC賞30回記念 「JASRAC賞30年の歩み」を開催”. JASRAC. JASRAC. 2012年11月5日閲覧。
- ^ “「1982~2011年度各年度分配額上位100作品(国内作品)累計 ベスト30作品」”. JASRAC. JASRAC. 2012年11月5日閲覧。
- ^ “コールドプレイ、アリシア・キーズと共演、SMAPカヴァーも”. BARKS. アイティメディア (2008年8月11日). 2008年9月21日閲覧。
- ^ “「SUMMER SONIC 08」終了!COLDPLAYやTHE VERVEらが感動ライブ”. スペースシャワーTV. スペースシャワーネットワーク (2008年8月11日). 2008年9月21日閲覧。
- ^ 2009年12月13日放送の日本テレビ系列『さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル』より