彌彦神社
彌彦神社(いやひこじんじゃ、弥彦神社)は、新潟県西蒲原郡弥彦村にある神社。式内社(名神大社)、越後国一宮。旧社格は国幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。
彌彦神社 | |
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ファイル:彌彦神社 拝殿.JPG 拝殿 | |
所在地 | 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2898 |
位置 | 北緯37度42分24.16秒 東経138度49分33.68秒 / 北緯37.7067111度 東経138.8260222度 |
主祭神 | 天香山命 |
神体 | 弥彦山(神体山) |
社格等 |
式内社(名神大) 越後国一宮 旧国幣中社 別表神社 |
創建 | 不詳 |
本殿の様式 | 三間社流造 |
例祭 | 2月2日 |
正式には「いやひこ」だが、地名などが全て「やひこ」と読む関係で、一般には「やひこ」と呼ばれる。
概要
越後平野西部の弥彦山(標高634m)山麓に鎮座し、弥彦山を神体山として祀る。『万葉集』にも歌われる古社であり、祭神の天香山命は越後国開拓の祖神として信仰されたほか、神武東征にも功績のあった神として武人からも崇敬された。宝物館には日本有数の大太刀(長大な日本刀)である「志田大太刀(しだのおおたち、重要文化財)」や、源義家や源義経、上杉謙信などに所縁と伝えられる武具などが社宝として展示されている。宮中同様に鎮魂祭を行うとして、石上神宮・物部神社と共に有名である。なお、当社の鎮魂祭は宮中で行われる11月22日でなく、4月1日と11月1日の年2回行われる。二年参りや初詣、秋の菊まつりは特に賑わう。
祭神
- 天香山命 (あめのかごやまのみこと)
- 天香語山命とも表記。地名から伊夜日古大神(伊夜比古大神、伊夜彦大神)などとも称される。
- 弥彦山頂にある御神廟(奥の宮)が神廟にあたるとされる。
歴史
創建年代は不詳。祭神の天香山命は、『古事記』に高倉下として登場する。社伝によれば、越後国開拓の詔により越後国の野積の浜(現 長岡市)に上陸し、地元民に漁労や製塩、稲作、養蚕などの産業を教えたとされる。このため、越後国を造った神として弥彦山に祀られ「伊夜比古神」として崇敬された。このほか、彌彦の大神は、神武天皇即位の大典の際に自ら神歌楽(かがらく)を奉奏(ほうそう)したとされる。ただし、尾張国造家の祖神である天香山命が越後に祀られるのは不自然なため、本来の祭神は北陸の国造家高橋氏の祖神・大彦命ではないかとする説もある。
江戸時代には、越後高田藩藩主・松平忠輝が、500石の社領を寄進し、朱印地となった。朝廷からも篤く崇敬されたという。社家は明治時代まで高橋氏が世襲した。
このころ神主であった高橋左近光頼により、神道家・橘三喜の教えの影響下で、神社の神宮寺を廃して仏像を取り払い神葬祭を行うなど、神仏分離が行われたが、元禄4年(1691年)に光頼は神宮寺の僧に訴えられて敗訴している。
国学者の平田篤胤は、彌彦神社に聖徳太子が記した神代文字が存在すると主張したが、該当の文書は火事で焼失したと伝わる。
明治4年(1871年)、近代社格制度において国幣中社に列した。
神階
境内
社殿は明治45年(1912年)に焼失し、大正5年(1916年)に現在地に移って再建されたもの。拝殿の背後に弥彦山を仰ぐ[1]。
本社(山麓)
- 本殿 - 三間社流造
- 幣殿
- 拝殿
- 万葉道
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火の玉石(重い軽いの石)
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一の鳥居と社号標
弥彦山頂
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御神廟
奥の宮。弥彦山頂に鎮座(北緯37度42分17.08秒 東経138度48分32.17秒)し、天香山命と妃神・熟穂屋姫命の神廟とされる。
その他
- 弥彦神社上陸地
- 所在地:寺泊町野積海岸
- 弥彦の神が上陸したとされ、石碑が立つ。
摂末社
摂社
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末社
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境内社
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十柱神社(重要文化財)
祭事・行事
祭事
行事
- 弥彦菊まつり (新潟県菊花展覧会、11月1日-24日)
文化財
重要文化財(国指定)
建造物
- 境内末社 十柱神社社殿 - 大正6年指定
工芸品
- 大太刀(銘 南無正八幡大菩薩右恵門烝家盛 南無唵摩利支天源定重応永廿二年十二月日)
- 鉄製仏餉鉢
- 鎌倉時代後期。昭和34年指定。
重要無形民俗文化財(国指定)
- 弥彦神社燈篭おしと舞楽 - 昭和53年指定
国の登録有形文化財
いずれも大正5年建造で、平成10年に登録。
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新潟県指定有形文化財
工芸品
- 砧青磁袴腰大香炉 - 昭和29年指定
- 大太刀 拵共 - 江戸時代後期。昭和29年指定
- 鏡鞍 (附 壺鐙) - 鎌倉時代。昭和39年指定
書跡典籍
- 上杉輝虎祈願文 - 室町時代。昭和44年指定
新潟県指定天然記念物
- 蛸ケヤキ - 昭和27年指定
現地情報
- 所在地
- 交通アクセス
本社まで
本社から御神廟(弥彦山頂)まで
- 徒歩:約90分(山道)
- 弥彦山ロープウェイ:山麓駅(本社から徒歩約10分、送迎バスあり)から山頂駅へ、下車後徒歩約10分
補足事項
- 御神廟への参詣は登山に等しく、山麓と山頂とで気温・天気が異なることもあり注意が必要。
- 駐車場:本社付近、弥彦山頂(弥彦スカイライン利用)にそれぞれ有り。
- 周辺