東京工芸大学

日本の私立大学

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東京工芸大学(とうきょうこうげいだいがく、英語: Tokyo Polytechnic University)は、東京都中野区本町二丁目に本部を置く日本私立大学1923年創立、1923年大学設置。大学の略称は工芸大 (写真界では依然、旧称の東京写真大学の略称であった「写大」のまま通用しているケースもある)。

東京工芸大学
東京工芸大学
大学設置/創立 1923年
学校種別 私立
設置者 学校法人東京工芸大学
本部所在地 東京都中野区本町二丁目
キャンパス 中野キャンパス
厚木キャンパス
学部 工学部
芸術学部
研究科 工学研究科
芸術学研究科
ウェブサイト http://www.t-kougei.ac.jp/
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大学名の「工芸」は、工学芸術を示しており、手工業品の工芸の意ではない。小西六写真工業(現コニカミノルタ)社長 6代目杉浦六右衛門の「日本の写真技術の振興に寄与する人材を世に送り出し、国家の発展に貢献するためには、写真教育を行う専門の学校が必要である。」という理念を継ぎ、7代目杉浦六右衛門により、1923年小西写真専門学校として設立。

日本では数少ない、写真学科・メディア画像学科を設置した大学である。

2003年4月には、芸術学部に日本初となるアニメーション学科が開設された。

概観

学風

ファイル:Tokyo Polytechnic UNIV.JPG
厚木キャンパス

1923年に日本初の写真学校として小西六写真工業(コニカ)社長が創設された小西写真専門学校に源を発し、著名な写真家を多く輩出しているのが特徴のひとつである。

写真が「工学的写真技術」を用いて「美的価値」のある写真を作り出すことから、本学では工学と芸術が相互に深く関係するものとして捉えられてきた。実際、大学名に“Polytechnic”(多様な技術の総合)という単語が使われている。

1966年には工学部が新設されたが、これは従来の写真の理論教育に高い水準の工学的基礎教育を学部増設を機会に拡張したもので、芸術学部の拡張と位置づけることができる。

鎌田弥寿冶教授、保積英次教授、宮本五郎教授、宮川俊夫教授、菊池真一学長ら芸術・写真畑の「写真・印刷」に詳しい教授が、写真の理論と化学を基礎に芸術学部(当時短期大学部)に工学部を増設する功労者であったこともあり、当初工学部では画像メディア工学(印写工学)とナノ化学(応用化学)を学問的領域の中心としてきた。

最近は工学部における建築学の充実に加え、芸術学部も写真学科のみならず映像学科、デザイン学科(VCコース、HPコース)、メディアアート表現学科、アニメーション学科(アニメーションコース、ゲームコース)、マンガ学科が加わり大きく拡大し、芸術学部は美術大学へと発展している。

現在では東京都にある東京芸術大学武蔵野美術大学多摩美術大学東京造形大学女子美術大学、東京工芸大学を総称して6美大(美術大学に分類)と呼ばれることがあり、2007年度に横浜赤レンガ倉庫で開催された美大史上最大の祭典『THE SIX』展に参加している。

学問領域の専門化および専門化した学問領域間交流の非柔軟化

東京写真専門学校時代の1907年生の渡辺義雄、東京写真工業専門学校時代の1924年生の仁田三夫、東京写真短期大学時代の1933年生の細江英公(敏廣)、の時代において、化学を基幹とした写真の処理と、幾何光学的応用物理と、写真の撮影技術の3本立ての工学と芸術の融合した専門教育が行われ、さらに芸術的側面からは写真美学等の芸術学の講義が行われていて、ある意味での工学と芸術の総合教育が成立していた。

また、1970年代までは現東京工芸大学もその教授資格が柔軟で、短期大学を卒業して優秀な者が常勤教員となる場合があった。短期大学部もその伝統を継承し、工学部においても、基礎課程に、応用物理と応用化学と機械工学を並立させたり、東京写真短期大学から工学部長に博士号を有しない林一男教授が就任し、工学の広範囲を網羅する学的領域を基幹として芸術と工学の全分野を教授する非常に前衛的な教育を実施していた。その後、写真化学の基本と印刷工学の基本である応用化学と物理化学の分野が独立し、応用化学科となり現在のナノ化学科に分枝した。

また、芸術と最も深い関係のある建築学科を増設、また電子工学科が増設された。しかし、当初の芸術と工学の融合、また物理と化学と電気と機械の融合(工学間の融合)の理想は、各専門領域の高度な技術革新にともない、現実的に教授することができなくなり、分科がすすみ柔軟性が薄くなった。

芸術学部も、工学系出身の芸術学部教員が「工学」の学際領域を一部教授している教員もいるが、入学者の大半は文系学生であるため工学的な教育研究に困難が出てきている。また、インターフェース等の改良により、ゲーム、インタラクティブアート等の一部を除き、かつてと比べると工学的知識があまりなくとも撮影機器、ソフトウェア等の利用が容易になっているという現状もある。

しかしながら、前記のとおり、他の大学と異なり、各学科との情報交換が非常に進んでおり、「学問のハイブリッド化」という言葉もあるように、複合科学技術の追求が、東京工芸大学の特色のひとつといえる。また、現在の東京工芸大学では、かつての東京写真大学時代と異なり、教員の学位(修士号・博士号)取得者が多数にのぼり非常に高いレベルに推移し高度化した。

沿革

  • 1923年4月 小西写真専門学校東京府豊多摩郡代々幡町幡ケ谷(現在の東京都渋谷区本町)に発足
  • 1926年3月 東京写真専門学校に改称
  • 1944年4月 東京写真工業専門学校に改称
  • 1950年4月 新学制により東京写真短期大学として東京都中野区本町二丁目(現 中野キャンパス)に発足(写真技術科・写真工学科開設)
  • 1962年4月 写真印刷科を増設
  • 1966年4月 神奈川県厚木市(現 厚木キャンパス)に東京写真大学工学部開設(写真工学科・印刷工学科開設)、東京写真短期大学を東京写真大学短期大学部に改称
  • 1967年4月 短期大学部写真工学科を写真応用科と改称
  • 1973年4月 工学部に工業化学科を開設
  • 1974年4月 工学部に建築学科を開設
  • 1976年4月 工学部印刷工学科を画像工学科と名称変更、工学部に電子工学科を開設、短期大学部写真印刷科を画像技術科と名称変更
  • 1977年4月 大学名を東京工芸大学と改称、東京写真大学短期大学部を東京工芸大学短期大学部と改称
  • 1978年4月 大学院工学研究科修士課程(画像工学専攻、工業化学専攻)を開設(厚木キャンパス)
  • 1982年4月 東京工芸大学女子短期大学部(秘書科)を開設(厚木キャンパス)
  • 1990年4月 大学院工学研究科修士課程に建築学専攻、電子工学専攻を開設
  • 1993年4月 工学部写真工学科を光工学科に改組
  • 1994年4月 芸術学部(写真学科・映像学科・デザイン学科)を開設、大学院工学研究科博士課程(工業化学専攻・電子工学専攻)を開設(厚木キャンパス)、短期大学部を4年制に移行
  • 1997年4月 大学院工学研究科修士課程に光工学専攻を開設
  • 1997年8月 東京工芸大学短期大学部を廃止
  • 1998年4月 大学院芸術学研究科修士課程(メディアアート専攻)を開設(中野キャンパス)、芸術別科写真技術専修を開設(中野キャンパス)
  • 1999年4月 工学部工業化学科を応用化学科と名称変更
  • 2000年4月 大学院芸術学研究科博士課程(メディアアート専攻)を開設(中野キャンパス)、工学部電子工学科を電子情報工学科と名称変更
  • 2001年4月 大学院工学研究科博士課程に建築学専攻を増設、芸術学部にメディアアート表現学科を開設(厚木キャンパス)、女子短期大学部秘書科をビジネス情報学科と名称変更
  • 2002年4月 工学部光工学科を光情報メディア工学科と名称変更、大学院工学研究科博士課程にメディア工学専攻を開設
  • 2003年4月 芸術学部にアニメーション学科を増設(厚木キャンパス)、英文名称をTokyo Institute of PolytechnicsからTokyo Polytechnic Universityに変更
  • 2004年4月 工学部を改組し、メディア画像、ナノ化学、建築、コンピュータ応用、システム電子情報の5学科に再編
  • 2007年4月 マンガ学科及びアニメーション学科ゲームコースを設置
  • 2009年4月 工学部ナノ化学科を生命環境化学科に改組し名称変更
  • 2010年4月 芸術学部を学科再編し、アニメーション学科ゲームコースをゲーム学科に学科昇格し新設、芸術学部デザイン学科にデジタルコミュニケーションコース、メディアアート表現学科をインタラクティブメディア学科に改称、工学部システム電子情報学科を電子機械学科に改称

基礎データ

所在地

 
2012年まであった中野キャンパス校舎の入口
  • 中野キャンパス(東京都中野区本町2-9-5)
    敷地面積9093m²
    • 芸術学部
      • 写真学科(3年生以上)
      • 映像学科(3年生以上)
      • デザイン学科 ビジュアルコミュニケーションコース(3年生以上)、デジタルコミュニケーションコース(2010年4月新設、3年生以上)
      • インタラクティブメディア学科(2010年4月新設、4年次のみ:平成22年4月入学生、3年生以上:平成23年4月以降の入学生)
    • 大学院芸術学研究科
  • 厚木キャンパス(神奈川県厚木市飯山1583)
    敷地面積149942m²
    • 工学部
      • メディア画像学科
      • 生命環境化学科/ナノ化学科
      • 建築学科
      • コンピュータ応用学科
      • 電子機械学科/システム電子情報学科
    • 芸術学部
      • 写真学科(2年生以下)
      • 映像学科(2年生以下)
      • デザイン学科
        • ビジュアルコミュニケーションコース(2年生以下)
        • ヒューマンプロダクトコース
        • デジタルコミュニケーションコース(2010年4月新設、2年生以下)
      • インタラクティブメディア学科(2010年4月新設、1~3年次:平成22年4月入学生、2年生以下:平成23年4月以降の入学生)
      • アニメーション学科
        • アニメーションコース
      • ゲーム学科(2010年4月新設)
      • マンガ学科
    • 大学院工学研究科

教育および研究

組織

学部・学科

  • 工学部
    • メディア画像学科
      本学工学部開設時に設立された写真工学科と印刷工学科がルーツ。その両学科の技術基盤を統合し開設された本学科は、写真専門学校としてスタートした本学の基幹学科と言える。2011年度より、「CG・映像メディアコース」と「メディア技術コース」の2つのコースを柱とした教育カリキュラムをスタートし、メディア表現に興味を持つ人も、メディアの背後にあるテクノロジーに興味を持つ人も、各自の興味、適性や将来の志望に応じて、履修科目を自由に選択し、能力を伸ばしていくことができる。
    • 生命環境化学科 
      微細物性科学/物理化学/ナノ化学を基礎に、生化学の領域を包含し、近年の生命科学の発展に即した生命現象の解析を遺伝子レベルから細胞レベル、さらには個体レベル・ナノレベルに亘り、研究開発に取り組む独創的な教育課程を構成し、バイオサイエンスの専門知識や技術を系統的に修得し、地球社会に貢献する学問領域で『ナノ微細領域』での生命科学の独創的且つ最新鋭の研究学問領域の創造とその活性化を図る。研究領域には生化学・生命科学・バイオサイエンスのほか、「ナノ化学科」以来の微細物性科学・ナノレベルでの物理化学及び高分子化学・結晶工学と応用有機微細材料工学・応用無機微細材料工学をも包括する。すなわち、本学科の研究領域は、1ナノメーター(1nm)は10億分の1メーター(10のマイナス9乗m)の長さでサイズが1~100 nmの領域の物質の研究であり、該領域は、100 nm以上のマクロの材料あるいは1nm以下の原子・分子とは相違する生命環境化学の機能発現や制御に非常に重要な役割を担っており、この学的領域に係る技術は「ナノテクノロジー」に関する学門領域であり、有機材料の機能とナノ構造の関係を、従来の高分子化学との比較研究とにより実証する実験講義をも含むもので、本学科は有機化合物を生命環境との係わりから考究し、環境と人の健康・安全・環境化学の課題についてを主として研究する。なお、本学科は、応用化学の最先端領域であり、物理化学と高分子と量子化学を基調とし、結晶工学と応用有機微細材料工学と応用無機微細材料工学をも基盤とする。本東京工芸大学工学部生物環境化学部門は、滝沢正男 元教授・植松淑子 元教授らの量子論・微細物理化学・高分子とコロイド化学、物性微細素材に関する分野に従来から業績を蓄積した「伝統的お家芸」の領域で、工学部創設以来から東京工芸大学工学部の第一の研究基幹分野となっていた「応用化学科」が発展したもので、従来より伝統のある「ナノ化学」の領域でもあり、他大学にはない微細物性化学(応用有機材料・応用無機材料・結晶工学・生化学・生命科学)を中心とする学的領域である。
    • 建築学科
      本科は最先端の技術領域と伝統的な「Bauhaus」以来の工業デザインの双方の伝統を継承し、日本の建築学会における最高の教授陣を擁する。製図板140台を備えた製図室をはじめ、デッサン室、構造実験室、材料実験室、環境実験室、土質実験室等を備え、大型風洞や温度成層風洞といった他大学にはない実験装置もあり、教育研究施設、環境も大変整っている。また、世界最高水準の研究教育拠点「風工学研究センター」があり、研究プロジェクト『都市・建築物へのウインドイフェクト』は、文部科学省の21世紀COEプログラムに採択されている。「風」にかかわる課題を精力的に研究教育し「風工学研究センター」は、世界屈指の風工学研究拠点との評価を得ている。
    • コンピュータ応用学科
      システムエンジニアに必要な電子工学情報処理を基礎としてその工学的な応用を研究する。主として情報処理応用分野を学的領域の中心とし、コンピュータ・ソフトウェアハードウェア双方をその研究の核とする。コンピュータグラフィックス分野の研究は本科である。
    • 電子機械学科(2010年4月、システム電子情報学科より名称変更)
      情報処理の基幹領域を中心に、等価回路の理論から、演習を通じて情報処理の基礎・システムへの応用・特にコンピュータハードウェアソフトウェアとその情報処理に関する電子応用工学を学的領域の中心とし、基盤技術であるエレクトロニクスを、個別の要素技術としてではなく、実現されるシステムの構成技術として捉え、システムにおいてどのように使われるかに重点をおいた基礎研究・電子工学のシステムへの応用研究を主課題とする。電子回路系と材料・物性系の境界分野の研究は本科。さらに精密機械工学・機械工学の一部のメカトロニクスロボット工学の領域を研究分野に加え、より学際的学科となっている。
  • 芸術学部
    • 写真学科
      最も古い「写真専門学校」以来の伝統的写真教育の領域。銀塩写真の撮影技法と作画とその美学を基礎とし、作画、デザイン、製版、展示法、出版、CG、デジタル写真領域などの一貫した写真に関する芸術的専門教育の講座を擁し、4年間の在学中には、美学、美術史、構図法、デザイン理論、写真撮影技術、写真学概論、写真光学、写真史など写真や画像処理、CG、デジタル画像処理等に関する専門知識のほか、さまざまな写真と画像に関する撮影から作画までの実技と、写真撮影技術理論の演習・実習・展示も行う。このような写真作画技術と写真美学の芸術的な教育環境において、写真芸術の基礎を習得する。そして本学開学以来、ポートレート写真、建築写真・ファィンアート系の写真・静物写真・コマーシャルフォトグラフィー・スタジオ写真、フォトジャーナリスト等、写真やマスメディア界など主として芸術分野において、多くの著名な写真家、ジャーナリスト、優秀な営業写真家、CG作家・写真作家等を多数輩出させている。
    • 映像学科
      画像のみならず映像の領域を網羅し、静止画像に対し、動画を指称する。電子画像とVTRをはじめとする映像を、従来の写真フィルムによる「映画」の映像に加えた学科であり、映画芸術の伝統を継承している。
    • デザイン学科
      • ビジュアルコミュニケーションコース
        イラストレーション、グラフィックデザイン、広告デザイン、情報デザイン等を学ぶ。現役で活躍するイラストレータ、グラフィックデザイナー、アートディレクターが専任教員として指導に当たっている。有名イラストレータやデザイナー等を招いた授業も行われている。読売広告大賞3年連続グランプリや、毎日広告デザイン賞、朝日広告賞など受賞者が多数誕生している。
      • ヒューマンプロダクトコース
        自動車・家電・インターフェイスなどを対象とするプロダクトデザイン、空間・家具・照明などを対象とするインテリア・空間デザインを学ぶ。単一のモノのデザインに留まらず、生活の中で空間的時間的に最適なデザインを考える。新研究棟“ORANGE”は、スタジオ、工房群、教員研究室が一体化された3次元創造活動スペース。学年や研究室の壁を越えた自由で活発なコミュニケーションを生み出すことを目的としている。
      • デジタルコミュニケーションコース(2010年4月新設)
        いまや日常生活に欠かせなくなったインターネットや携帯電話などの普及が、広告やテレビ番組、出版など様々な表現媒体に大きく影響している。それに伴い、デザイナーに求められるクリエイティビティも新たな対応が求められる。本コースでは、今後も大きく変化が予想されるデジタル社会において求められるデザイニングの実践力を養う。
    • インタラクティブメディア学科(2010年4月、メディアアート表現学科より名称変更)
      これまでの芸術では、人は作品を鑑賞するだけの受け身の立場であったが、最近では作品が人に反応する「双方向」「参加型」の表現が注目を集めている。CG、Web、広告、テーマパーク、ライブパフォーマンス、空間演出、電子楽器、デジタル玩具、福祉などの多方面で「インタラクティブメディア」のニーズが高まる中、本学科ではこうした新しい表現を創造する力を4年間で習得する。また、デジタルメディアを活用したデジタルアートの分野が急速に拡大している現代において、デジタル映像やデジタルデザイン、インタラクティブアート等を中心に新しいデジタル時代のクリエータを育成する。
    • アニメーション学科
      • 大学としては日本初のアニメーション学科。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞ほか受賞者多数。
    • ゲーム学科2010年4月新設)
      大学ゲーム教育では日本でも有数の、芸術系理数系教育を同時に擁した内容となっており、あらゆるゲームの根底にある“遊びの本質”を追究する。入学後に「企画」「デザイン」「プログラム」の3分野から、学生1人ひとりの志向と資質により1分野を選択し、各領域の専門知識・技術の習得を目指す。また、学問としてのゲーム研究を通し、未来のゲームを創造するクリエイターを養成することを目標とする。卒業製作(卒業研究)においては市販製品水準の作品を制作する。
    • マンガ学科
      京都精華大学に続き、日本で第2番目に設置された学科である。マンガ表現論、マンガ製作演習、CG演習、カートゥーン論、マンガ取材論、マンガプロデュース論、マンガ芸術論、マンガ文化論、作家作品研究、マンガCG論、マンガ批評論等の芸術論とマンガ美学を研究する。産学協働教育を実施し、当初は「小学館プロダクション」との提携を進め、第一線で活躍しているマンガ家や原作者、編集者を教員に招聘し、コミック系に焦点を絞ったマンガ文化論と実際と理論とを、ゼミ形式で教授する。キャラクターデザイナー、マンガ研究者や評論家を育成することを目途とする。本学科は、日本が創造した「Manga」というメディアの国際的な発展(翻訳も若年層を中心に全世界に拡散)に拠り、新興前衛藝術メディアの一分野として京都精華大学が先鞭をもって築きあげた学域で、現代藝術の一領域として国際的にも広く認知されている。
  • 2007年度から開学した、マンガ学科・アニメーション学科双方の科目共通の学内施設として、鉄筋コンクリート3階建、延べ面積約3700平方米を擁し、人の動きを3次元でコンピューターに取り込むモーションキャプチャースタジオなどを備える建物が完成した。「manga学科」と「アニメーション学科ゲームコース」のための同年8月から運用開始された同施設では任天堂やマイクロソフトから提供を受けたゲーム開発ツールや3次元コンピューターグラフィックス(CG)ソフトを備えたゲーム制作室が設置され、ゲームプレー時の脳の状態を測定する脳波測定装置・レーザーでパーステクティブな背景などの3次元データを取り込むための3Dスキャナー等を備えた実験室が設置された。こうした環境で開発したゲームは、2007年開設の専用サイトを通じて公開されており、学内ベンチャーとして工学と芸術の総合研究施設として稼働し、東京工芸大学厚木キャンパスにおける芸術系研究の中核施設のひとつとなっている。

大学院

  • 工学研究科
    • 博士前期課程(修士課程)
      • メディア工学専攻
      • 工業化学専攻
      • 建築学・風工学専攻
      • 電子情報工学専攻
    • 博士後期課程(博士課程)
      • メディア工学専攻
      • 工業化学専攻
      • 建築学・風工学専攻
      • 電子情報工学専攻
  • 芸術学研究科
    芸術学博士号自体非常にまれで、「画像映像メディアの芸術学博士号」は東京工芸大学のみ。
    • 博士前期課程(修士課程)
      • メディアアート専攻
    • 博士後期課程(博士課程)
      • メディアアート専攻

別科

  • 芸術別科
    • 写真技術専修
      東京写真専門学校以来の写真芸術の撮影技術を中心とする修業年限1年の専門教育課程。主として銀塩写真を中心とし、4インチ×5インチ、8インチ×10インチ等の大型撮影器械の撮影テクニックと照明のライティング技法・「物撮り」と「人物撮影」等の撮影技法を修得する。モノクロームのバライタ紙焼付のオリジナルプリントの印画作画法の修得をも含む。1年間を前期と後期に分け、前期は演習・実習・作品検討の繰り返しにより写真表現に必要な基本技術を修得し、後期は作品製作・全体授業・選択授業を研究の基本とし修了製作のための高度な表現や技法や画像・印画技術仕上げとオペレーション技術の修得、オペレーターとしての技術を含む専門技術を研鑽する。「芸術別科写真技術専修」は、学校教育法で定められた大学の正規の課程であり、高等学校卒業(見込を含む)以上であれば、入学に際しその他の学位に制限は無く、学校教育法で定める「短期大学」の必修履修科目等の義務もない。
      1998年に発足した別科で、従来の『大学教育』とは一線を画し、大学生年齢から高齢者までも対象とした写真技術専修コースであり、写真を通して自己を表現しようとしている者、もうすでに絵画や他の芸術領域で活躍している者、さらにいままで以上に写真の表現者としてステップアップを目指している者をも含め、芸術家を対象に、昼間1年間のコース。開設以来写真の専門教育機関として永年培ってきたカリキュラムは画像芸術界で高い評価を得ている。2008年度以降は学生募集を行っていない。

施設

  • 芸術情報館(中野キャンパス)
    芸術学部の研究成果を社会に還元する情報公開とエクステンション・センターとして、各種の展覧会・展示会・公開講座・情報サービスを2002年から行っている。中野キャンパスと道路を挟んだ向かい側に設置されており、「展示場、公演会・映写会場」から構成されている。芸術学部の研究成果の公開を中心に、日本写真学会等の研究発表の場を含む、主として写真・映像・画像メディアの研究と公開と展示と文化講座の場として、東京工芸大学とは法人は同一なるも独自の社会還元を目途とするメディアアート関連の発表の場・学外の一般への研究企画賛同(文化講座)の場としての独立した施設である。
    また、1970年代から開設されている写真美術館「写大ギャラリー」があり、ほぼ常時企画展を開催しており、土門拳の館所蔵のオリジナルプリントの写真展のほか、国内外の著名な写真家の企画展を一般展示公開している。会期中は無休のため一般の入場者も多く、中野坂上駅に近い著名な写真ギャラリーとして、良く知られている。
  • 中央図書館(厚木キャンパス)
    東京写真大学工学部に開設され、写真関係の記録、文献、小西六写真株式会社附属の高等研究機関であった時代の創設者の所有していた写真工学関連の文献をはじめ、写真及び画像関連の貴重書、建築学、応用化学、電磁気学の基本文献をはじめ人文科学と社会科学系の蔵書をも多量に配架・所蔵している。
  • 中野図書館(中野キャンパス)
    古い写真関係文献を多数所蔵している図書館で、東京写真大学工学部開設時にその蔵書の一部を中央図書館(厚木キャンパス)に移管している。現在は、写真とデザインと芸術関係を主として配架・所蔵している。
  • 情報処理教育研究センター(厚木キャンパス)
    学生のコンピュータリテラシ教育やソフトウエア教育を行うとともに、専門教育や研究等を支援するために設けられた施設。情報処理教育およびコンピュータ利用研究の中心的機関として1989年に設けられた。工学部および芸術学部とは独立した学長直轄の組織として存在し、両学部共通の施設として利用されている。現在PC演習室を6室配置し、計510台のPCが設置されている。これらのPCはデュアルOSとなっておりWindowsXPとFreeBSDが利用可能となっている。学生は入学と同時にアカウントが利用可能となり、自由に利用できるようになっている。また、PC演習室や各研究室を含み両キャンパス(厚木・中野)間およびインターネットが高速LANで結ばれており、ネットワークを通じて学内外の情報にアクセスすることができる。
  • ナノ科学研究センター(厚木キャンパス)
    ナノ化学・ナノ物性物理の実験研究棟を主とする研究センターで、研究設備と実験設備を併存させ、ナノ化学・ナノテクノロジーの基幹となる物質系研究を行っている大規模な工学研究センターである。2001年度に、東京工芸大学工学部大学院工学研究科の3つのプロジェクトが文部科学省「学術フロンティア研究推進拠点整備計画」COEに承認された。第1のプロジェクトの「ナノ構造設計・構築への学際的取組み」は、無機化学、有機化学、物性・材料科学と幅広い分野が含まれ、電子エレメント・物質・DNA研究等の「物質系」の効率化の方法を提示している。第2のプロジェクトの「生体関連機能分子の解析(DNA解析・電子エレメント解析)と新規物質への応用」は、たんぱく質などの生体高分子では分子内や分子間で水素結合が巧みに利用されていることを利用し、この水素結合を材料設計に生かすことを目指す。文部科学省から21世紀COEプログラムの指定を受け5億円を超える補助があり、学内の約35名の物質系の研究者のほかほぼ同数の海外(米国・中国など)の研究者が多数参加しており開かれた研究機関として最大の規模を擁する。東京工芸大学ナノ科学研究センターでは、伝統的に高分子系に研究の重点がおかれ、高分子学からのアプローチが主であり、そこから生化学・マテリアル・DNA解析等の発展的研究を行っている。
  • 風工学研究センター(厚木キャンパス)
    建築学科の研究センターで、都市や建物の強風災害、室内の風の流れや換気の問題、気流と都市の問題について研究している。2000年度文部科学省「学術フロンティア推進拠点」COE21世紀COEプログラム)に承認されたアジア太平洋地域の国際的な研究教育拠点としての「APEC諸国強風防災に関する建築学的アプローチ」に重点を置き、風の流れ・換気・気流等の研究設備と実験設備を併存させている。東南アジア地域の防災に関する換気と環境等の主として防災研究を、学内における複数の研究者と国外からの研究者を含む協働研究として人材養成を含めて行っている。

研究

21世紀COEプログラム

  • 採択1件
  • 2004年
機械・土木・建築・その他工学
都市・建築物へのウインド・イフェクト

グローバルCOEプログラム

  • 採択1件
  • 2008年
機械・土木・建築・その他工学
風工学・教育研究のニューフロンティア

私立大学学術研究高度化推進事業

  • 学術フロンティア事業
    • ナノ科学研究センター
    • 風工学研究センター
  • ハイテク・リサーチ・センター整備事業
    • ハイパーメディア研究センター

紀要

  • 芸術学部紀要『芸術世界』
  • 『東京工芸大学芸術学部紀要』(1995.3.31創刊)
  • 『東京工芸大学工学部紀要』(1978.12.25創刊)
  • 『東京工芸大学工学部紀要 人文・社会編』(1978.12.25創刊)

主な教員・出身者

対外関係

公式サイト

外部リンク