全国独立放送協議会
全国独立放送協議会[1][2](ぜんこくどくりつほうそうきょうぎかい、Japanese Association of Independent Television Stations)とは、テレビジョン放送を行う日本国内の民間放送局のうち、いわゆるネットワーク系列に属していないもので構成される団体である。略称はJAITS。
2009年(平成21年)4月現在で13の放送局が協議会に加盟しており、幹事社はテレビ埼玉[3]である。
当協議会に加盟する放送局(以下加盟局)は、アナログ放送時代は全ての局がUHF帯による放送を行っていたことから「独立UHF放送局」と呼ばれ、当協議会の旧称も全国独立UHF放送協議会と称し「独立U協」等と略されていたが、地上アナログ放送の全廃にともないVHF帯による地上波テレビ放送が無くなったことから、名称より「UHF」の文言を外す改名を行った[1][2]。
概要と背景
加盟局は、キー局を中心とするテレビネットワーク系列に属さない放送局(独立放送局)であり、日本国内でこのような態様をとる全てのテレビ放送局が加盟している。
日本の地上波民放テレビは、キー局がネットワークセールス枠をネットワーク系列に参加する地方局にスポンサー付きでネット保証金を支払い、系列地方局はこれを受けネット放送を行うのが一般的である。しかし既存の系列局が存在する広域放送エリア(広域圏)の一部において開局した県域局は、テレビネットワークに参加できずネットワークセールスの対象とならない。理論上は関東・中京・近畿の3広域圏内の16都府県に独立テレビ局が開局できるが[4]、実際は後述するように茨城・愛知・大阪の3府県には存在しない。
ネットワークセールス対象外のため安定的収入に乏しいことから経営が苦しい局も多い反面、キー局による番組編成の影響が強いテレビネットワーク系列局よりも自由な番組編成が可能であるほか、理論的にはローカル情報が県域放送より相対的に不足する広域放送各局の編成に対して優位となりうることなどに特徴がある。また、系列と無関係な点を逆手に取り、自局の映像をキー局すべてに送る[5]ケースや、逆に高校ラグビーのように広域局と重複して番組を受けた上で大半を自社制作に差し替えるケースもある。
1979年(昭和54年)のテレビ埼玉開局以降、しばらくは独立テレビ局は開局しなかったが、1995年(平成7年)に東京都が出資する東京メトロポリタンテレビジョンが開局[6]したほか、栃木県でも1999年(平成11年)にとちぎテレビが開局した。
なお、茨城県の場合はAMラジオ県域局の茨城放送がラテ兼営での開局を目指すも、県域放送局の運営または会社設立の目処が立たなかったため予備免許取得には至らなかったほか、地上アナログ放送の新規開局用周波数割り当ても取り消された[7][8]。なお、独立テレビ局が存在しない中京広域圏の愛知県と近畿広域圏の大阪府にはテレビ東京系列の県域放送局が存在しており、この他の新たな開局や電波割り当てもない[9]。
名称について
独立テレビ放送局には以下の通称もある。なお、これらの中には当協議会の旧称などから想起されるものもある。
これらはアナログ放送の時代に、関東・中京・近畿の広域放送を行っている大多数の民放テレビ局[11]は、親局がVHF波放送となっていた一方、その広域放送圏内にて県域放送を行っている民放テレビ局の親局はUHF波放送となっていたため、両者を対比する用語として、後者をまとめて呼ぶ際などに使用されている。
1964年(昭和39年)の東京12チャンネル(現・テレビ東京)を最後にVHF親局の開局が無く[12]、それ以後は全国的に親局がUHF波送信の民放テレビ局が多数存在するようになったほか、地上デジタル放送へ完全移行後は地上波テレビ放送は全てUHF波送信に統一されたことから、独立テレビ局を単に「UHF局」と呼ぶのは正確ではない。
加盟局同士の連携
13局共同のウェブサイト「you13.tv」を設置するも数年で閉鎖[13]。近年、近隣局の連携や、関東・中部・近畿の独立局の一部が共同制作機構を結成したり、加盟局同士の連携を深める動きもある。
- 2001年(平成13年)10月、東京メトロポリタンテレビジョン(同項では以下TOKYO MX)、京都放送(以下KBS京都)へ『白沢みきのモーニングTOKYO』の同時ネットを開始(2003年(平成15年)3月まで)。
- 2002年(平成14年)、サンテレビジョン(以下サンテレビ)とKBS京都、民放初制作業務提携「三都ネット」締結。
- 2003年(平成15年)、テレビ埼玉(以下テレ玉)・千葉テレビ(以下チバテレ)・テレビ神奈川(以下tvk)・TOKYO MX、首都圏ネット4結成。2006年(平成18年)4月TOKYO MX離脱後、「首都圏トライアングル」へ移行。
- 2007年(平成19年)3月7日、テレ玉・チバテレ・tvk・三重テレビ放送(以下三重テレビ)・KBS京都・サンテレビ、「東名阪ネット6」結成。同4月、共同制作番組放送開始。
- 2009年(平成21年)4月、TOKYO MX、群馬テレビへ『5時に夢中!』の同時ネットを開始。
- 2011年(平成23年)4月より、とちぎテレビ・群馬テレビ・テレ玉・チバテレ・tvkの平日23時から30分間の番組が統一された。これらの5局は地デジのチャンネルが3であることが共通しており、2011年(平成23年)6月よりこの5局で「5いっしょ3ちゃんねる」結成。
- 2012年(平成24年)5月27日、TOKYO MX、とちぎテレビへ『ご自慢ライブ おしあげNOW』(現:『東京スカイツリータウン MXご自慢ライブ』)の同時ネットを開始。
緊急地震速報を運用しているのは11局で、2007年(平成19年)10月1日開始当初に、テレビ神奈川・三重テレビ・サンテレビが運用を開始し、2008年(平成20年)3月1日に岐阜放送、4月1日にテレビ埼玉、7月1日にとちぎテレビ、7月7日にTOKYO MXがそれぞれ運用を開始した。また時期は不明だが2011年(平成23年)には千葉テレビも運用を開始している。またテレビ和歌山でも時期は不明であるが導入されており、2011年7月5日に和歌山県北部で震度5強を観測した地震において実際に放送されている。またびわ湖放送でも時期は不明であるが導入されている[14]。他局実施時期は未定である。
加盟局
- 記号について
- ※ - 局ロゴ表示局 - 群馬・神奈川以外
- ● - 中波ラジオ局を兼営する局 - 岐阜・京都
- ■ - 地域ニュース動画配信実施局 - 栃木・埼玉・千葉・東京
- ○ - 文字多重放送実施局 - 全局
- △ - 緊急地震速報実施局 - 栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・岐阜・三重・滋賀・京都・兵庫・和歌山
- □ - 東名阪ネット6参加局 - 埼玉・千葉・神奈川・三重・京都・兵庫
- ◇ - TXNとのネット関係がある加盟局 - 岐阜・三重・滋賀・京都・奈良・和歌山
- × - 5いっしょ3ちゃんねる参加局 - 栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川
放送対象地域 | 略称 | ID | 社名 | 開局日 | 備考 | 本社 | 記号 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
栃木県 | GYT | 3 | とちぎテレビ | 1999年4月1日 | ニュース動画配信は毎日実施。 | 宇都宮市 | ○※×△■ |
群馬県 | GTV | 3 | 群馬テレビ | 1971年4月16日 | 地上デジタル放送でのウォーターマークの常時表示は実施していない。 | 前橋市 | ○ × |
埼玉県 | TVS | 3 | テレビ埼玉 | 1979年4月1日 | ニュース動画配信は平日のみ。 | さいたま市 | ○※×△■□ |
千葉県 | CTC | 3 | 千葉テレビ放送 | 1971年5月1日 | ニュース動画配信は不定期(最近は平日は大体更新される)。 | 千葉市 | ○※×△■□ |
東京都 | MX | 9 | 東京メトロポリタンテレビジョン | 1995年11月1日 | ニュース動画配信は毎日実施。 | 千代田区 | ○※ △■ |
神奈川県 | tvk | 3 | テレビ神奈川 | 1972年4月1日 | 地上デジタル放送でのウォーターマークの常時表示は実施していない。ニュース動画配信は毎日実施。 | 横浜市 | ○ ×△□ |
岐阜県 | GBS | 8 | 岐阜放送 | 1968年8月12日 | 緊急地震速報はテレビ・ラジオ共に運用。同局のニュース動画は岐阜新聞のサイトで配信されている。 | 岐阜市 | ○※◇△● |
三重県 | MTV | 7 | 三重テレビ放送 | 1969年12月1日 | 津市 | ○※◇△□ | |
滋賀県 | BBC | 3 | びわ湖放送 | 1972年4月1日 | 大津市 | ○※◇△ | |
京都府 | KBS | 5 | 京都放送 | 1969年4月1日 | 緊急地震速報はラジオのみ運用。 | 京都市 | ○※ △□● |
兵庫県 | SUN | 3 | サンテレビジョン | 1969年5月1日 | 神戸市 | ○※ △□ | |
奈良県 | TVN | 9 | 奈良テレビ放送 | 1973年4月1日 | 奈良市 | ○※◇ | |
和歌山県 | WTV | 5 | テレビ和歌山 | 1974年4月1日 | 和歌山市 | ○※◇△ |
番組編成の特徴
この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
編成の自由度が飛躍的に高い。これはネットワークに縛られる事が多い日本の地上波民放テレビに於いては画期的な事である。もっとも、放送法は加盟局の様な編成をする放送局を念頭に置いて制定されている。また、加盟局同士での番組供給も行っている。
ネットワークの制約が少ないため、自社制作能力が高い。特にテレビ神奈川は自社制作率が45.5%と最も高く、テレビ埼玉(39.1%)・東京メトロポリタンテレビジョン(36.8%)・群馬テレビ(34.3%)[15]が続いている。将来、地上波民放各局の再編が行われた場合、加盟局は再編後の地域密着度においてモデルになる可能性が高いという指摘もある[16]。
一方ネットワークの縛りが無い事が経営に影響しており、全局で本社所在地の都道府県が株主に含まれ[17]、大半の局で都道府県議会を中心に議会生中継が行われている。また下記にも述べる通り、特に日中はテレビショッピングを連続して放送しているところが大半である。
編成の自由度の高さが、番組の放送時間や内容に現れることがある。民放5系列に属する局では制作局を含めてノンプライムで放送されている番組が、サンテレビ・KBS京都での『ウチくる!?』など加盟局ではプライムタイムに時差放送している事例がある。また、放送エリアにあるプロスポーツチームが出場する試合の生中継や関連番組を放送したり、地域の祭りやイベントをゴールデンタイムに生中継するなど、より地域に密着した番組を放送することが可能となっている[18]。
東海から近畿地方にかけては、当該各局の開局当時、テレビ東京系列局のテレビ愛知及びテレビ大阪が未開局であったことから、テレビ東京系番組の「受け皿」としても存在しうる状況にあり、それが事実上現在に至るまで維持されサンテレビを除きテレビ東京系列番組のネットが多い。
なお、現在はテレビ愛知及びテレビ大阪がテレビ東京系列局として存在しているが、当該各局の存在があることから、両局共に隣接地域での区域外受信はあるが愛知県及び大阪府のみを放送エリアとする県(府)域局であるため、域外の加盟局が『ワールドビジネスサテライト』といった報道番組、『neo sports』などの情報番組やゴールデンタイムの番組、一部のアニメ番組などをCM差し替えで同時ネットしており、中には同時ネットのものも存在する。もちろん、加盟局である立場をフルに活かし、自社制作番組など編成上優先したい番組がある場合は差し替えている。[19]
民放5系列に属する局制作の番組のうち、地元広域局がネット受けしない番組を放送する事がある。反対に、加盟局制作の番組が民放5系列に属する地方局で放送される事もある[20]。また、関東広域圏内にあるすべての加盟局に加えてキー局であるテレビ朝日でも放送された、近畿地方では朝日放送(ABC)でのネット終了後、KBS京都・サンテレビでの放送が始まり、その後ABCでも再び最新作を放送する形となった[21]テレビ朝日系列の北海道テレビ(HTB)が制作している「水曜どうでしょう」シリーズ等、広域局および独立局の両方で放送するケースもある。
かつては「モーレツ!!しごき教室」、「花の新婚!カンピューター作戦」等関東の加盟局では在阪局の制作番組でキー局がネットしない番組を多く放送していたが、近年は関西テレビ制作番組を除いてかなり少なくなっており、特に毎日放送・読売テレビ制作番組はいわゆるUHFアニメを除き皆無である。
番組内容における編成の特徴
- UHFアニメ
- いわゆるUHFアニメについては、首都圏トライアングルのテレビ神奈川・テレビ埼玉・千葉テレビいずれかが幹事局となったアニメ番組のほとんどを関東・中京・近畿広域圏では加盟局がほぼ優先的に放送している。関東では首都圏トライアングルと東京メトロポリタンテレビジョンの4局でのネットも増えており、1つのアニメの1話分を1週間で3回見られる地域もある。一方、前出したテレビ東京系列の番組を多くネットする各局は同アニメの放送が非常に少ない。また、群馬テレビやとちぎテレビでの放送も少ないが、2局は2011年(平成23年)4月より、土曜夜に1~3本の新作アニメを東京メトロポリタンテレビジョンと同時放送している。
- テレビショッピング
- 民放5系列に属する局に比べてテレビショッピングが放送される比率が高い。これらの局が深夜から早朝に放送する事が多いのに対し、加盟局では昼間時にも頻繁に放送している。これはスポンサーのつかない番組枠を補う事が第一の理由である。なお、近年はテレビショッピングの枠が増加傾向にある。
- 2010年(平成22年)5月23日(15:00-15:55)には、加盟局全局による同時生放送でジャパネットたかたのテレビショッピングを放送している。なお、それ以外にも主に『JRA競馬中継』終了後や土日のゴールデンタイムに毎月1,2回、6局前後の局が同時生放送で同様の番組を放送している。→詳細は「ジャパネットたかた § テレビ」を参照
- ビックカメラでも、ジャパネットたかたと同様のコンセプトの番組として、2011年(平成23年)10月から2012年(平成24年)3月にかけて「タイムセールTV」として毎月1,2回、6局前後の局が同時生放送で放送していた。
なお、群馬テレビ・千葉テレビ放送・岐阜放送・三重テレビ放送・テレビ和歌山・奈良テレビ放送・びわ湖放送は、1980年代ごろまではソフトの不足やオイルショックの影響などから曜日により日中は放送休止(テストパターンを放送)で夕方~夜間のみ放送というケースもあった。
加盟局発の全国ネット番組
加盟局では地域密着型の番組が多いが、番組販売の形で北海道から沖縄県まで全国に向けて放送されている番組もいくつか存在する。また下記以外に加盟局が共同で制作したドラマを放送する地域もある。また衛星放送(BSまたはCS)を通じて全国で視聴できる番組もある。下記は2013年1月現在放送中で、独立局以外にもネットしているものを示している(ネット局数も2013年1月現在の数を示している)。
- ロッケンロール(とちぎテレビ発、地上波7局ネット)
- 玉ニュータウン 激動編(テレビ埼玉発、地上波8局ネット)
- フィッシング倶楽部(テレビ埼玉発、地上波9局ネット)
- やまがた発!旅の見聞録(テレビ埼玉・山形放送共同制作、地上波5局ネット)
- タカラヅカ・カフェブレーク(東京メトロポリタンテレビジョン発、地上波11局ネット)
- ニッポン・ダンディ(東京メトロポリタンテレビジョン発、ひかりTVを通じて全国で視聴可能)
- saku saku(テレビ神奈川発、地上波8局ネット)
- キンシオ(テレビ神奈川発、地上波6局ネット)
- 白黒アンジャッシュ(千葉テレビ発、地上波9局ネット)
- ごちそうライフ(千葉テレビ発、地上波4局ネット)
- MUSIC LAUNCHER(千葉テレビ・ビーイング共同制作、地上波23局ネット)
- 業界用語の基礎知識 壇蜜女学園(5いっしょ3ちゃんねる共同制作、ひかりTVを通じて全国で視聴可能)
- 今夜野宿になりまして(東名阪ネット6・5いっしょ3ちゃんねる共同制作、地上波9局ネット)
- 走る男女子部(KBS京都・サンテレビ・三重テレビ・テレビ神奈川・千葉テレビ・J:COM共同制作、5局の他J:COMチャンネルを通じて全国で視聴可能)
- TV・局中法度!(テレビ神奈川・千葉テレビ・テレビ埼玉・サンテレビ共同制作、地上波8局ネット)
過去には以下のような例もある。
加盟局各社とキー局との関係
各加盟局ともにそれぞれの広域圏ネット局で放送されていないローカル番組を購入し、放送している。CM放送料が放送エリアが広い分料金も高めの広域局に比べて安いため、番組購入に充てるスポンサーを広域局に比べて集めやすい。
近年ではUHFアニメを加盟局以外の在阪・在名局で放送するケースも多数あるほか、主に深夜アニメにて逆に在阪局の枠が確保できなかった一部の在京キー・在名局制作番組が関西圏の加盟局で放送されるケースもある。その中でもテレビ東京系列との関係は他系列局以上に強いものが見られ、中部・近畿の独立局の過半数では直接番組購入を行なっている。※番組編成の特徴も参照。
テレビ東京系列
加盟局のうち、関東広域圏に位置するもの以外はTXN系列局より先に開局し、かつ、TXNに属する放送局の放送対象地域と重ならないため、多くの局がテレビ東京からの番組販売や一部の番組はスポンサードネットの形で同系列の番組を放送している。
ただし、三重テレビとKBS京都はTXN系列各局と放送対象地域は重なっていないものの、同系列局を直接受信できる放送区域が一部重なっており競合することから、番組販売は比較的少ない。同様にサンテレビもTXN系列局と放送対象地域が重なっていないが、先に開局した同局は大阪府のほぼ全域にも区域外受信が可能であることもあり、2010年(平成22年)7月の『ポケモン☆サンデー』放送開始まで、テレビ東京系列の番組が『KEIBAワンダーランド』[23])や一部の特別番組・神戸市がスポンサードしていた宝くじ関連番組・テレビ東京メディアネット取扱の権利切れ再放送番組等例外的なものを除き放送されず、人気アニメ「ポケットモンスター」が他の46都道府県では放送されているにも拘わらず[24]、兵庫県ではテレビ大阪やテレビせとうち、山陰放送、四国放送が視聴できない地域ではBSデジタル放送のBSジャパンでの放送しか視聴できない。但し、2010年(平成22年)7月から『ポケモン☆サンデー』のレギュラーネットを開始したほか、テレビ東京が制作に関わった映画[25]の試写会を主催している。
特異な事例として、1989年1月に放送されたテレビ東京制作の昭和天皇崩御に関する特別番組がサンテレビを含む中京・関西の加盟局でも同時ネットされたケースがある。
関東広域圏に位置する局についてもテレビ大阪制作の「石橋勝のボランティア21」や「中国世界遺産ものがたり」など少なからず同系列の番組が放送されている例が存在する。また、東京メトロポリタンテレビジョンについては、テレビ東京系列でしか放送されていないテレビ東京ダイレクト製作の同局の通信販売番組「てれとショップ」も放送されている。
TXN系列局のテレビ大阪は、当初は広域放送局として開局する案もあったが、サンテレビやKBS京都などの反対を受けて断念している。また、近年にもテレビ東京がテレビ大阪の放送対象地域を京都府および兵庫県へ拡大する案を発表している。
日本テレビ系列
東京メトロポリタンテレビジョン以外の加盟局は全国高等学校サッカー選手権大会の中継に参加しており、各局放送地域の府県代表の試合や代表敗退後は近隣都府県の代表の試合を放送しているほか、各局アナウンサーが応援席リポーターや稀に実況アナウンサーとして中継に登場することがある。なお、広域放送の日本テレビ系列局である日本テレビ放送網・中京テレビ放送・讀賣テレビ放送も、同番組では各社の本社が所在する都府県のチームを最優先に扱っている。
- 2010年度の第89回全国大会では、全国放送される準決勝の試合実況を加盟局のアナウンサーでは初めて、三重テレビの平田雅輝が担当した。
日本海テレビが制作に深く関わっているプリン・スは中京広域圏以外の加盟局でネット受けされている。中京広域圏では加盟局以外で唯一テレビ朝日系の名古屋テレビ[26]がネット受けしており、結果的に3つの広域圏ではすべて日本テレビ系以外の局がネットしている事になる。
かつてはテレビ埼玉を除く関東広域圏の局において巨人戦ナイターのトップ&リレー中継が放送されていたが、日本テレビでの放送時間の延長、CS放送などによる中継に移行した事から現在では行われていない。
東京メトロポリタンテレビジョン、及びとちぎテレビを除く関東地方の加盟局は一定時期までNNSに正式加盟ではないがオブザーバー参加していた。現在も友好関係があり、読売テレビが製作委員会に参加して制作したUHFアニメを放送している。さらに日本テレビ系列でのコンクールやイベントなどについては、関東地方の独立局が各エリア大会の開催団体になるなど協力関係にある。
昭和天皇崩御関連特番は当時NNSへオブザーバー加盟している関係から日本テレビからの番組供給を受けて当時開局していたテレビ神奈川・千葉テレビ・テレビ埼玉・群馬テレビの関東4局にも同時ネットした。この時のNNNニュースも一部はそのままネットされた。
テレビ朝日系列
関東圏の加盟局では朝日放送『探偵!ナイトスクープ』、北海道テレビ『水曜どうでしょう』など朝日放送(ABC)や北海道テレビ(HTB)などのANN系列局制作番組を放送している例がある。
テレビ神奈川は名古屋テレビ放送(メ~テレ、NBN)、静岡朝日テレビ(SATV)と友好協力関係協定を結んでいる。協定は結んでいないものの、北海道テレビとも友好関係がある。
岐阜放送は名古屋テレビと友好協力関係協定を結んでいる。なお、テレビ開局当初は日本教育テレビ(NET、現・テレビ朝日)や毎日放送(MBS)の番組を多く編成したが、ANN結成(1970年(昭和45年))には参加しなかった。
サンテレビはプロ野球中継でスカイAを含む朝日放送と提携している他、腸捻転時代から解消後しばらくの間は毎日放送や朝日放送で放送されていないNETテレビ→テレビ朝日系列の番組の一部を京都放送(当時:近畿放送)と共に放送していた。また同局では現在「秘湯ロマン」(テレビ朝日制作)をネット受けしている他、BS朝日と「賢者の選択」の共同制作を行っている。
近畿地方の加盟局5局は朝日放送制作の全国高校野球選手権大会中継のリレー中継を行っているほか、同局の放送を近畿以外の加盟局がネットする事もある。また、ほとんどの加盟局で地方大会の中継も行っている。
2011年までは、朝日放送のCSチャンネル「スカイA」で、京都放送やテレビ和歌山制作の番組が放送されていた。
自動車情報番組「カーグラフィックTV」は2001年(平成13年)10月に放送を再開したが、関東広域圏では制作局であるテレビ朝日では編成上の都合により放送されず、当初は千葉テレビ・テレビ埼玉・とちぎテレビで放送され、BS朝日に制作が移った後は東京メトロポリタンテレビジョンでも放送を開始した。
TBS系列
現在はJNN排他協定とTBSネットワーク基本協定の解釈により、TBS系列局が制作した番組はJNN加盟局がネット受けしなければそのエリアでは基本的に放送されない。このため、毎日放送(MBS)制作でTBSの編成から外れた番組が、関東地方の他の独立局、三重県の三重テレビ放送に流れることは1990年代以降は殆どない。
1970年代の腸捻転解消前後は、『モーレツ!!しごき教室』(MBS)や『プロポーズ大作戦』(朝日放送)等若干の番組がTVK等の関東圏独立局にネットされていた。
2008年(平成20年)10月改編以前は中部日本放送(CBC)制作で首都圏・近畿圏での放送が独立局からなされたものもあった(『パチンコNOWTV』など)が、現在はCBCからも独立局に番販される番組はない。
但しスポーツ放送では、全国高校ラグビー大会中継(MBS発)には東京メトロポリタンテレビジョンを除く加盟局も参加していたが、長年一社提供していた住友グループ広報委員会が大会協賛を降り、番組提供からも撤退した第82回以降は加盟局での中継撤退が進み、第85回大会以降は京都放送のみになった。
高校サッカーと同様、広域放送のTBS・CBC・MBSも各社の本社が所在する都府県の学校(TBSは県域に独立局がない茨城県も含む)を最優先に扱っていた。
群馬県で開催されるニューイヤー駅伝は、群馬テレビ(GTV)でも放送されている。同局のスタッフやアナウンサーも番組スタッフとしてJNN系列局と共に参加しており、群馬県内ではTBSと群馬テレビの2局で視聴できる。
深夜アニメについては、現在でもTBSを含むJNN基幹局が関与した番組が、編成の都合により独立局ネットとなる場合がある。
東京メトロポリタンテレビジョンの設立時及び開局に際してはキー局のTBSがサポートを行っている。
フジテレビ系列
三重テレビ(MTV)は東海テレビ(THK)と(中日新聞社を介して)資本関係があり、三重テレビの中部支社も東海テレビ放送別館のテレピア内にある。また、三重テレビの東京支社は同局の大株主である中日新聞東京本社(東京新聞)や東海テレビ東京支社が入っている日比谷中日ビルにある。また、関西テレビ(KTV)制作の番組を放送する事も多い。
京都放送には関西テレビやフジテレビの資本も入っている。社名が「近畿放送」だった時代、テレビ開局前に他ラジオ局とともに関西テレビの設立に関わっており、そのゆかりは古い。また、フジテレビは同局がイトマン事件の影響で会社更生法適用ののち、主要株主に加わっている。
スポーツ放送については、フジネットワークも主催者に名を連ねている全日本バレーボール高等学校選手権大会の一部府県大会について、当該独立局の一部が制作を行うケースがある。一例として神奈川県大会において、テレビ神奈川が制作・放送を行うが、クレジット表記としては「制作:テレビ神奈川、制作著作:フジテレビ」となる。つまり当該独立局がそのエリア内の府県大会を中継する場合、自社の機材やスタッフを用いて制作を行っても、著作権はフジテレビが保持するということである。 さらに、毎年11月23日(勤労感謝の日)の13時より放送されている、「国際千葉駅伝」の開催地は千葉市(「千葉県総合スポーツセンター陸上競技場」発着)であるが、本放送はフジテレビのみ放送され、地元の千葉テレビでは、夕方と夜のニュースのみ(短縮された形で)放送される。
ジャパンコンソーシアム
ジャパンコンソーシアム系のFIFAサッカーワールドカップとオリンピック中継も加盟局で放送されるが、どの系列局が制作した分を放送するのかについては特に定まっておらず、放送時間や制作を担当する放送局との兼ね合いからその都度、どの系列の番組を放送するかを決定する。
オリンピック
- バンクーバーオリンピック(2010年冬季)
- スピードスケート男子5000m(キー局はフジテレビ)
- 放送日と時間 : 2010年(平成22年)2月14日 4時55分から7時30分
- 加盟局で放送した局 : 千葉テレビ、東京メトロポリタンテレビジョン、テレビ神奈川、サンテレビ
- カーリング女子予選 日本対中国(キー局は日本テレビ)
- 放送日と時間 : 2010年(平成22年)2月19日 6時45分から10時00分
- 加盟局で放送した局 : 京都放送、テレビ埼玉
- ロンドンオリンピック(2012年夏季)
FIFAワールドカップ
- 2010 FIFAワールドカップ(南アフリカで開催)
- チリ対スイス(キー局はテレビ朝日)
- 放送日と時間 : 2010年(平成22年)6月21日 22時45分から翌日1時15分
- 加盟局で放送した局 : 京都放送、サンテレビ、三重テレビ、東京メトロポリタンテレビジョン、テレビ神奈川、テレビ埼玉、とちぎテレビ、群馬テレビ、岐阜放送、びわ湖放送、奈良テレビ
その他
関東地域では、1974年(昭和49年)に日本テレビとTBSで17時50分から18時に放送された全国紙3社ニュース(朝日新聞・毎日新聞・読売新聞)が廃止[27]されて2年後の1976年(昭和51年)からその代わりとなる5社ニュースを同時刻にスタートさせ、上述3社+産経新聞・東京新聞(中日新聞)が毎日日替わりで制作し、在京キー局制作の裏送り(朝日は日本教育テレビ→テレビ朝日→朝日ニュースター、毎日はTBS、産経と東京はフジテレビから。読売は日本テレビで放送されたものと同じものを時差再放送)で配信していたがその後変更されている。
脚注
- ^ a b 日刊合同通信バックナンバー 2011年7月 - マスコミ研究会(2011年7月29日付、同年9月13日閲覧)
- ^ a b 6月第5週(27日〜3日)の動き(放送ニュース) - 文化通信.com(2011年7月2日付、同年9月13日閲覧)
- ^ 「独立系地方局にとってワンセグは大きなチャンス」テレビ埼玉 - ITpro(日経BP社、2006年3月29日付、2009年6月4日閲覧)
- ^ 広域放送地域外(県域放送局のみが存在する地域)での独立局の開局は理論的および法的に不可能ではないが、そういった政策は採られておらず電波割当も今のところはない。
- ^ 岐阜放送など。
- ^ 開局後しばらくは協議会に非加盟だった
- ^ 当初計画は水戸親局34chで放送予定
- ^ 2008年(平成20年)4月時点では民放の県域放送局開局予定は無く、NHK水戸放送局による総合テレビが関東広域圏で唯一、地上デジタル放送のみでの県域放送を実施していた。
- ^ 大阪府を放送対象地域とするTXN系列のテレビ大阪は、京都府および兵庫県へ放送地域を拡大する準広域化を目指す動きもある。詳細は当該放送局の項目を参照。
- ^ 『月刊ニュータイプ』2007年3月号、角川書店、34-35頁など多数の独立UHF局で放送予定のアニメ作品の紹介にて「全国U局で放送予定」とする表現が見られるが呼称に一貫性は無い。
- ^ 広域放送たるキー局およびその系列局では、中京テレビのみ例外。
- ^ VHF中継局はその後も一部開局事例はある
- ^ 現在、同URLは他者が管理している。
- ^ http://www.bbc-tv.co.jp/hensei/2012_08_jishin-sokuho/
- ^ 週刊ダイヤモンド 2007年6月2日号、tvkについては2009年改編に伴う最新の数字。また2008年度よりTOKYO MXは本格的マルチ編成開始に伴い現状自社制作率は大幅にアップしている。
- ^ 『独立U局に学べ!』(雑誌「GALAC」1999年3月号特集記事) - 特定非営利活動法人 放送批評懇談会
- ^ これにより、経営状態が悪いところでは、行政機関・公共団体提供の番組の割合が多い。
- ^ 夏の高校野球もかつては大半の局で都道府県大会予選1回戦から生中継していたが、近年は視聴者の野球離れや経済の悪化などが重なり、1回戦から準々決勝まではダイジェスト番組などを放送し準決勝以降の中継に切り替える局も多い。
- ^ このほか、テレビ東京系列各局がテレビ大阪における天神祭の中継など独自番組を放送する場合、テレビ東京発の全国ネット番組を岐阜放送・びわ湖放送・奈良テレビ・テレビ和歌山に裏送りし、各局で放送する事もある。
- ^ tvkの「saku saku」「新車ファイル クルマのツボ」など。但し、深夜または夕方などローカル枠での放送が多い
- ^ 中京広域圏はテレビ朝日系列の名古屋テレビのみで放送される。
- ^ 1999年に開催されたプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、ルチアーノ・パヴァロッティの東京ドーム公演。
- ^ KBS京都制作だが、テレビ東京・テレビ北海道・テレビ愛知・TVQ九州放送制作分をネット受け
- ^ 放送局の受信エリア外を除く
- ^ 2010年(平成22年)7月公開の劇場映画版『ポケットモンスターダイヤモンド・パール 幻影の覇者ゾロアーク』。
- ^ メ〜テレ。かつて日本テレビ系とのクロスネット関係にあった
- ^ その後NTVは読売、TBSは毎日提供の全国ニュースを放送