幼稚園 (雑誌)

日本の雑誌

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幼稚園』(ようちえん)は小学館が発行している幼児向け雑誌。創刊は1932年。背表紙には競合誌の『たのしい幼稚園』(講談社発行)と区別する為に「小学館の幼稚園」と書かれている。

概要

主に幼稚園児に当たる3歳から小学校入学前の幼児をターゲットとし絵本図鑑玩具子供達に人気が高いテレビアニメ特撮キャラクターの情報で構成される。1990年代後半までは『たのしい幼稚園』としのぎを削っていたが、1996年に『ポケットモンスター』が大ヒット、その翌年にアニメ版も成功してからはそれを掲載している本誌の人気が高まった。ファミリー・一般向けアニメに関しては、親世代や祖父母世代への知名度が高い『ドラえもん』の記事を取り上げているため、子供に買い与える側が指名買いするケースも見られる。姉妹誌の『いたずら・ぶっく』『めばえ』では集英社が発祥の『ちびまる子ちゃん』も取り上げられている。

2010年4月号から本誌の内容編成が変更され「にんきもの」「せいかつ」「ちえ」などジャンル別にリニューアルし、近年別冊に分割されていたふろくの説明やドリルは本誌に統合、全ページはオールカラー化されて、価格も標準価格500円(特別号価格は550円)から600円(特別号価格は650円 - 700円)に値上げを実施した。

2000年代前半あたりから、アニメ雑誌で子供向けアニメの記事などの取り上げが減ってきた来た事から、本編アニメにも参加している作画監督陣営らが本誌へ載せる漫画絵本の作画を担当をするケースが目立ってきている。この影響で『学習幼稚園』や『めばえ』も本来の年齢層以外の読者が増えてきたとは過言ではない。

1980 - 1990年代には同じ一ツ橋グループ集英社や、少数だが白泉社の雑誌に原作が掲載されているアニメ作品も掲載されていたが、現在は本誌には掲載されていない[1]2000年前後からは、主に男児向けアニメにおいて、講談社系の雑誌に掲載されるケースも出てくるようになり、女児向けでもプリティーリズム[2]の掲載は講談社の雑誌「おともだち」およびその女児向け増刊「おともだちピンク」[3]が先行している。 ディズニーキャラクターのコンテンツの出版権については、長い間、講談社系の雑誌のみに独占的にライセンスが供与されていた時期があった。しかし、2002年の『ディズニープリンセス』の河出書房新社へのライセンスの供与をきっかけに講談社以外の雑誌にも供与されるようになり始め、2006年頃からは徐々に小学館系の雑誌にも『リロ&スティッチ』などが開放された。本誌を含めた小学館幼児誌各誌の2008年8月号(2008年7月発売)からは『ミッキー&フレンズ』『くまのプーさん』など最主力級のキャラクターも含めてほぼ完全に供与され、これによりディズニーキャラクターの扱いは講談社幼児誌とほぼ同等となり、小学館の雑誌のみに掲載されている『ドラえもん』、『ポケモン』、『アンパンマン』とともに、主力キャラクターとなっている。

付録は2005年9月号に『ふしぎ星の☆ふたご姫』のみを取り上げたDVD(約30分程度の内容)が付けられてから、DVDが付録になっている。当初は年に1回程度であったが、現在は年4回と増えてきている。2回目からは(2008年9月号の『ポケットモンスター』を取り上げた付録DVDのように、1つのキャラクターのみ取り上げることもあるものの)、基本的に複数の作品をまとめて収録する内容に変わっている。

登場キャラクターは基本的に本誌内で掲載されているキャラクターであるが、本誌では当時定期掲載前(『こんにちはアン』)、または終了した作品(『アンパンマン』)や定期掲載されていない作品(『ねぎぼうずのあさたろう』、『やさいのようせい』(ただし本誌のお話コーナーで単発で掲載されたことはある)など)が取り上げられることがある。

姉妹誌として、小学校入学準備用の『学習幼稚園』が季刊で発売されている。『学習幼稚園』は本誌を含めた小学館の他の幼児誌とは違い小学館の学年別学習雑誌の扱いとされているが、小学館の幼児誌のサイト(外部リンク参照)などでは幼児雑誌の扱いとなっている。

かつては本誌と、3歳児前後(2歳~4歳)を対象とした姉妹誌『めばえ』の中間として、4歳児前後(3歳~5歳)向けに『よいこ』も刊行されていたが、本誌と『めばえ』に統合する形で休刊した。『よいこ』が刊行されていた頃の本誌の対象年齢は5歳児前後(4歳~小学校入学前)だった。『たのしい幼稚園』の場合、対象年齢が4・5・6歳と表記されているのに対し、現在の本誌の対象年齢表示が3・4・5・6歳と表記されているのはこの名残でもある。

女児向けコンテンツ

女児向けアニメのコンテンツは、『てれびくん』・『テレビマガジン』のような専門誌が存在する男児向けアニメ・特撮作品とは違い、現在のところ、本誌や『たのしい幼稚園』のような幼児向け総合誌しか掲載されていないため[4]売上を左右する重要なコンテンツとされる。しかしながらこの分野はもともと講談社陣営が強く、1992年に講談社陣営の『美少女戦士セーラームーン』がアニメ化された頃から、同じく講談社陣営の『おジャ魔女どれみ』ブームが収束する2000年代初頭まで圧倒的な差をつけられていた。本誌では自社関連の『愛と勇気のピッグガール とんでぶーりん』、『愛天使伝説ウェディングピーチ』の他に、集英社りぼん』から発祥した『姫ちゃんのリボン』、『赤ずきんチャチャ』、『ナースエンジェルりりかSOS』などの対抗作品を順次掲載した。『姫ちゃんのリボン』、『赤ずきんチャチャ』、『とんでぶーりん』のアニメ自体は、視聴率が良く放送期間が延長されたりするなど小学生を中心に高い人気があったが、いずれも幼稚園児からの人気の面では『セーラームーン』には勝てず、『たのしい幼稚園』との差を埋めることはできなかった。

小学館はその後継番組『キューティーハニーF』の出版権を確保し、翌年の『ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー[5]では小学館も製作に協力するが、いずれも商業的には惨敗に終わり、講談社陣営が『セーラームーン』以後も『夢のクレヨン王国』、『カードキャプターさくら』、『おジャ魔女どれみ』とヒット作を立て続けに出すのとは対照的だった。

しかし、2000年代に入ってまもなく、関連会社の小学館プロダクションが制作した『とっとこハム太郎』が大ヒットする。その後も『Dr.リンにきいてみて!』、『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』、『きらりん☆レボリューション』などの小学館集英社プロダクションが主導となって製作された『ちゃお』から派生したアニメ作品や、『オシャレ魔女ラブandベリー』、『ワンタメ』などのカードゲームと連動したコンテンツが相次いでヒットし、本誌だけの限定カードを付録に付けた事で購入者のターゲットが広がり、『おジャ魔女どれみシリーズ』→『明日のナージャ』→『プリキュアシリーズ』を擁する『たのしい幼稚園』との人気差を縮めた。だが2008年から2009年に掛けて、主力級であった『ハム太郎』と『きらりん☆レボリューション』が終了した。

2008年11月号からサンリオキャラクターの『ジュエルペットシリーズ』、2009年5月号から『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』、2009年10月号から『たまごっち!』が登場、さらに2011年5月号から『とっとこハム太郎 でちゅ』も復活し現在のラインナップに至るが、いずれも人気や商業面などで『きらりん☆レボリューション』[6]や最盛期の『ハム太郎』、講談社陣営の『プリキュアシリーズ』ほどの支持は得られておらず、また『ジュエルペット』に関してはサンリオが発行する雑誌との競合も生じているためか、2009年度以降、再び『たのしい幼稚園』と比べて本誌の部数が苦戦(詳細は後述)している。

美少女戦士セーラームーン』については、2003年から2004年に特撮ドラマ化された時に小学館も(ドラマ版に限り)出版権を獲得し、本誌の看板コンテンツとなった。

2002年3月号から2003年4月号にかけての約1年間には『ギャラクシーエンジェル』第2期・第3期や『ぴたテン』などの、テレビ大阪制作日曜朝9時30分枠のアニメのいわゆるブロッコリー枠の作品が、『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』の打ち切りを受けて急遽(後番組である関係で)女児向けキャラクターとして掲載された。ただ、これらの作品はもともと中高生以上のオタク層向けであるため、テレビ東京系以外はほとんど深夜放送だった[7]

男児向けコンテンツ

男児向けアニメ・ゲームのコンテンツに関しては前述の『ポケットモンスター』がヒットしてからは本誌が『たのしい幼稚園』を大きくリードしている。2004年には『甲虫王者ムシキング』とのタイアップが大ヒット、2006年には『古代王者恐竜キング』もヒットしており、また特撮ヒーローの情報も殆ど網羅している。ただし、小学館と講談社は男児向けコンテンツ専門誌『てれびくん』・『テレビマガジン』を発行しており、いずれも本誌と競合が生じている。

現在の掲載作品

※()内は掲載期間を表す。

※2010年4月号から内容構成されており、ジャンル別で記載。但し、号によって作品によるジャンルを変更しての連載する場合あり。

にんきもの

せいかつ

ちえ

ジャンル別不明作品

過去の掲載作品

1950年代掲載

  • ポパイ(1959年7月号 - 1965年9月号)

1960年代掲載

1970年代掲載

1980年代掲載

1990年代掲載

2000年代掲載

2010年代掲載

※付きの作品は、『おともだち』『たのしい幼稚園』(講談社刊)にも掲載されている、もしくはされていた作品を表す。

発行部数

2007年度の月当たりの発行部数は26.4万部と(日本雑誌協会が2006年9月 - 2007年8月に集計した数字)、競合誌の『たのしい幼稚園』(19.9万部)と比べて優勢であったが、

2009年度は本誌の部数が17.6万部と2年間で約9万部も下落(2008年度は21.5万部)し、『たのしい幼稚園』は19.2万部であり、逆転されてしまった。

2011年度は本誌の部数が12万部強に対し、『たのしい幼稚園』は18万部強であり、完全にリードされてしまった。

少子化傾向と娯楽の多様化で子供向け雑誌の部数が大幅に下落する傾向にあるが、4年前(2007年)の半分以下となるような本誌のペースはそれを大きく上回る。

限定カードを付けるなどして部数向上に貢献した『オシャレ魔女ラブandベリー』と『きらりん☆レボリューション』の女児向けトレーディングカードアーケードゲームの展開が2008年から2009年にかけて終了し、それ以後はそれらに匹敵する人気の作品が登場していないことが一因として挙げられる。

関連雑誌

競合雑誌

脚注

  1. ^ 本誌より低年齢向けの「めばえ」では、2010年から『ちびまる子ちゃん』の掲載が再開されている
  2. ^ メインの漫画版が集英社の「りぼん」で連載され、小学館の女児向け雑誌の「ちゃお」や「ぷっちぐみ」(「小学館の学習雑誌」と幼児誌のうち本誌と「めばえ」が編集にかかわっている)でもタイアップキャンペーンが行われたこともあり、「ちゃお」ではさらに2011年のアニメ版開始に伴い漫画版連載もされている。
  3. ^ 主な競合相手は、本誌ではなく「めばえ」。本誌の2011年5月号に対し、2010年10月号に開始している。
  4. ^ ただし、小学生がメインターゲットである雑誌も含めると『ぷっちぐみ』も存在する。
  5. ^ オムニバス番組『アニメ週刊DX!みいファぷー』内の一作品である。並行して放送していた『こっちむいて!みい子』は幼児誌には掲載されなかった。
  6. ^ 『ちゃお』発祥で『きらりん☆レボリューション』の後継作品の位置づけとしてスタートした『極上!!めちゃモテ委員長』は2009年6月号に掲載されただけに留まった。
  7. ^ 同じくブロッコリー枠で、『ギャラクシーエンジェル』第三期の後番組『デ・ジ・キャラットにょ』は、子供向けにアレンジされたストーリーとなり、子供向けの商業展開を行っていたのにもかかわらず、一切掲載はされなかった。(一方で、同社刊の少女漫画誌『ちゃお』には、『ギャラクシーエンジェル』は掲載されず、それと入れ替わるかのように『デ・ジ・キャラットにょ』が掲載された。)

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