暁美ほむら

『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズに登場する架空のキャラクター

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暁美 ほむら(あけみ ほむら)は、テレビアニメ魔法少女まどか☆マギカ』に登場する架空の人物。まどか☆マギカの外伝漫画・『魔法少女おりこ☆マギカ』、『魔法少女まどか☆マギカ 〜The different story〜』にも登場する。

暁美ほむら
斎藤千和クリスティーナ・ヴィー(英語版)
性別
出身地 日本
キャラクターデザイン 蒼樹うめ(原案)、岸田隆宏
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基本設定

転校生として現れる魔法少女。その正体は現在とは異なる未来の「時間軸」から来た、鹿目まどかの友人。ソウルジェムの色は[1]、変身時は左手の甲に装着される。魔法衣は学校の女子制服のような服となっており[1]、左腕には砂時計と“四次元ポケット[2]を内蔵した円形のを装備し[注 1]、これを用いて魔法少女の契約の際の願いから発現した「時間操作」の魔法を操る。特異な能力だが、操作できる砂の量は1か月分のみで、砂の流れを遮断して時間を止める「時間停止」か、砂時計の上部から砂がなくなった時点で時間を1か月前まで逆行させる「時間遡行」しかできないという制限があり[3]、上部の砂がなくなると時間停止も発動できなくなる。

一人暮らしをしており、両親の所在は不明[注 2]。容姿端麗・学業優秀・スポーツ万能。長い黒髪をかき上げるのが癖[注 3]

一切の攻撃魔法を持たないため、魔法少女としての純粋な戦闘力は低く、一見並外れた実力も幾度も過去に戻っての膨大な努力と戦闘経験によるものとされている。魔女との戦いでは人間社会から持ち出した銃火器や爆弾の数々を時間操作能力と組み合わせて用いており、劇中では実在の銃火器が登場している[5][注 4]

魔女化した際には此岸の魔女に変化し、巨大な砂時計をバックに多数の紫のダイヤをあしらった結界に住む(ゲーム版のみ)。

劇中での活躍

魔法少女まどか☆マギカ

第1話の始めに鹿目まどかの夢に現れ、その翌日にまどかのクラスへ転校してくる。まどかに対して、謎めいた警告と助言を繰り返す。当初は悪者あるいはライバルのように描かれ[8][9]、その後もまどかの覚悟の甘さに批判的な人物としてミスリードされるが[10]、劇中でその内面や過去などの秘密が明かされていくと共に、印象が二転三転していく[9]

元々の時間軸では、魔法少女として戦うまどかに憧れる、病弱かつ引っ込み思案な少女であったが、最強の魔女「ワルプルギスの夜」との戦いでまどかが戦死するのを目の当たりにして、「まどかとの出会いをやり直し、彼女に守られる人間から彼女を守る人間になりたい」という願いのもとにキュゥべえと契約を結んだ。その後幾度も時間を遡り、まどかの悲劇的な最期を阻止するための戦いに身を投じる中で、魔法少女の本質やキュゥべえの正体を知るようになり、別の時間軸のまどか自身と交わした約束により、まどかがキュゥべえと契約を結ぶことを阻み続けていた。過去には眼鏡をかけていたが、他の魔法少女たちに事情を話して協力を求める手段ではまどかを救えないという結論に至って以降の時間軸では、誰にも頼らないという決意と共に、眼鏡を外し髪型も変えている[注 5]

戦闘においてはほむらの時間操作能力は自身が触れているものに対しては効果が及ばないため接近戦には向かず[12]、魔法少女として戦い始めた頃は遠隔攻撃が可能な手製の爆弾[注 6]を使用していたが、近接戦闘を主体とする美樹さやかから、急に爆発して危険であると指摘されたため、以降は暴力団事務所や軍基地などから盗み出した銃火器を用いるようになった[15]

まどかに対する想いは当初は単なる友情であったが、失敗を重ねて同じ時間を何度も繰り返すうちに後に引けなくなり[16]、全ての価値観をまどかの生死のみに置くようになる。しかしそのことは、知らぬうちにまどかに最高の魔法少女にして最悪の魔女となる素質を持たせるという結果に繋がっていた[17]。キュゥべえにその事実を伝えられた後に臨んだワルプルギス戦において重傷を負ったが、まどかの因果を更に増やすことになる「時間遡行」を断念した。今までの自分の行動が却って事態を悪化させていたという事実を受け入れて絶望した結果、ソウルジェムの穢れが急激に増加し魔女化する寸前であった。

最終話でまどかによって再構成された世界でも以前の世界の記憶を維持しており、時間制御能力は失ったが、まどかに成り代わる形で能力を継承し、彼女の武器である弓を使うようになる[18]

魔法少女おりこ☆マギカ

外伝漫画のおりこ☆マギカではクラスメイトとしてまどか達と一緒にいる。この時間軸では既に眼鏡をかけておらず、他の魔法少女に真実を話すことも諦めている。巴マミから魔法少女狩りについて忠告をうけるも、アニメ同様まどかを守るため、マミを突き放す態度を取る。

「まどかを魔法少女にさせない」という目的自体は主人公の美国織莉子と同じだが、方法論では相容れず敵対する。織莉子が校内でまどかを襲うと、まどかを守るために戦い、その後合流した佐倉杏子、マミ、千歳ゆまと共闘、織莉子を倒し改めて彼女たちに協力を求めようとするも最後にまどかの死を目の当たりにし、時間をさかのぼる魔法を発動させる。

魔法少女まどか☆マギカ〜The different story〜

アニメのスピンオフ作品である漫画・The different storyでは本編同様、マミとさやかを突き放す態度をとり、ワルプルギスの夜対策のため、杏子と手を組んでいた。さやかが魔女化し、マミと杏子が激突した際は、自身の過去の経験からも加勢せず傍観の立場をとる。

最終話では杏子を失い、生きる目標を見失っていたマミに対して「今は亡き大切な人との約束を果たす為に」ワルプルギスの夜と戦う道を提示した。だが、この時のほむらはマミを信じようとし始めたばかりでその心を十分に開いていたとは言えず、「まどかだけは絶対に契約させたくないこと」は、ついにマミに話せず終いであった。その為、ほむらの本音はマミには一切伝わることはなく、その後ほむらと入れ違いでやって来たまどかの契約をマミは思い留まらせようと説得するものの、まどかに逆に懐柔され、彼女の契約の意思を尊重する。こうしてまどかは契約してしまい、ほむらのこの時間軸でのまどかを契約させないという目論見は失敗に終わる。

制作とコンセプト

巴マミとは別のもう一人のベテラン魔法少女として位置付けられており、マミの亡き後に物語の真相に至るまで牽引役であると脚本の虚淵玄は述べている[19]。主人公の鹿目まどかが足踏みしてた所から最後には先に進み始めるキャラクターなのに対して、ほむらは一カ所に立ち止まって前に進めなくなってしまっている問題を抱えたキャラクターとしてプロットの段階から想定されており、その問題意識の表現として同じ時間をループしているという設定が設けられた[20]。キャラクターのイメージカラーは企画当初から黒で、鋭角的なデザインの魔法少女姿は砂時計の意匠をモチーフとしている[1]

基本的に武器のデザインはアニメスタッフによって描いているが、最終話で使用する弓に関してはキャラクター原案の蒼樹うめが告知用に描いたイラストがベースになっている[21]

人物評

他人から理解されるということを諦めており[22]、寡黙でクールな性格を演じ、他人に対して非情に接するが、根本的な優しさを捨てきれずにいる部分もある[23]。例えば第8話でほむらはさやかを冷酷に突き放す態度を取るが、ほむら役を演じた斎藤によれば、この場面のほむらは非情になり切れずに内心では動揺しており、以降の場面での行動のぶれや余裕を失った対応に繋がっているのだとされる[23][注 7]

ほむらの魔法少女として強さがどの程度であるのかについてはスタッフの中では幾らか見解が分かれており、脚本を担当した虚淵によれば普通の女の子と同程度[24]、シリーズディレクターの宮本によれば魔法少女の中では限りなく弱いが普通の人間より少し強い[24]、ほむら役を演じた斎藤によれば魔法少女の中で最弱[25]、まどか役を演じた悠木によれば攻撃能力がない[25]と言われている。

現実での反響

ファンの間では、劇中での活躍からまどかとほむらのどちらが本当の主人公なのかという議論もあった[26]。これに対して脚本を担当した虚淵は、劇中におけるまどかの足取りは成長とは異なるので、人間としての主人公はほむらであろうとする発言をしている[3]

劇中でそのように呼ばれる場面はないが[27][注 8]、本作のファンからは「ほむほむ」という愛称で呼ばれている[27][30]

作品の放映後にはフィギュアでの展開も行われ、販売を担当するグッドスマイルカンパニー内での2011年のランキングにおいてはねんどろいどが4位、figmaが6位となる販売数を記録した[31]

ニュータイプアニメアワード2011では女性キャラクター賞で1位を取り[32]NHKのテレビアニメ放送開始50周年記念「わたしの大好きなヒロインたち」では2位にランクした[33]

pixivでは、アニメの女性キャラとしては最多の閲覧数である[34]

その他の動き

  • 2012年には盲導犬普及支援の啓発ポスターに採用された[35]

脚注

注釈

  1. ^ 中身にはいくつか歯車が仕組まれており、これを利用して内蔵の砂時計を動かす。
  2. ^ 小説版では、生まれつき心臓の血管が極度に細かったほむらの為に転院と引っ越しを繰り返したとされているが、見滝原中学校に編入後の両親の様子は描写されていない。また、最初に居た世界でキュゥべえと契約し、魂がソウルジェムになり肉体と分離した事により、ソウルジェムの性質上、肉体の負担が軽減されているため、心臓への負担がなくなった。
  3. ^ この癖は、ほむらが以前は髪型を三つ編みにしていた時の名残であると設定されている[4]
  4. ^ 劇中でほむらが使用する銃火器のモデルは、視聴者の間でも検証や推測が行われるなどして注目されたが[5]、関連書籍のスタッフインタビューや脚本で名前が明示されているものとしては、ベレッタM92Fデザートイーグルミニミ軽機関銃、第11話でワルプルギスの夜相手に使用するAT-4RPG-7トマホークミサイルクレイモア地雷などがある[6][5][7]。RPG-7はファンが発した冗談を拾う形で採用されたが、米軍では採用されていないため暴力団事務所から盗み出したという設定が与えられた[5]。なお脚本段階ではAT-4やRPG-7ではなくM72ロケットランチャーを使用しており[7]、コミカライズ版ではこちらを使用している。
  5. ^ 脚本のト書きによれば、視力は魔法で矯正したとされる[11]。髪型はカチューシャをつけたままで左右の三つ編みお下げをストレートに変えた。
  6. ^ 脚本では腹腹時計のウェブサイトを参考にして作ったと記述されており[13]、コミカライズ版では実名で登場する[14]
  7. ^ 他に、第3話ではマミに対しても「お菓子の魔女」が危険な相手であることを警告しようと試みており、第9話では杏子の死を惜しむ様子も見せている。
  8. ^ 制作スタッフが動画用紙に書いたメモには「ほむほむ」と記されているものがあり[28]、またコミカライズ版のラストシーンで魔獣のグリーフシードをキュゥべえが食べるコマで「ほむほむ」という擬音が用いられている[29]魔法少女まどか☆マギカ ポータブルの「限定契約BOX」封入特典のグッズには「ほむほむハンカチ」という名称が使われている[30]

出典

  1. ^ a b c 公式ガイドブック、44-45頁。
  2. ^ 虚淵玄、『The Beginning Story』、139頁。
  3. ^ a b 虚淵玄・前田久、『オトナアニメ』vol.20、34-36頁。
  4. ^ 公式ガイドブック、31頁。
  5. ^ a b c d 阿部望・神谷智大、公式ガイドブック、112頁。
  6. ^ 公式ガイドブック、88頁。
  7. ^ a b 虚淵玄、『The Beginning Story』第11話脚本決定稿、154頁。
  8. ^ 岩倉大輔、『オトナアニメ』vol.21、14頁。
  9. ^ a b 多根清史、『オトナアニメ』vol.21、17頁。
  10. ^ 公式ガイドブック、124頁。
  11. ^ 虚淵玄、『The Beginning Story』第10話脚本決定稿、141頁ト書き。
  12. ^ 虚淵玄、『The Beginning Story』第11話脚本第0稿、210頁。
  13. ^ 虚淵玄、『The Beginning Story』、137,211,282頁。
  14. ^ コミカライズ版第3巻第10話、58頁/3コマ目。
  15. ^ BD/DVD第5巻、テレビアニメ第10話。コミカライズ版第3巻第10話、40-79頁。『The Beginning Story』第10話脚本決定稿、132-144頁。
  16. ^ 虚淵玄・前田久、『オトナアニメ』vol.21、32-35頁。
  17. ^ BD/DVD第6巻、テレビアニメ第11話。コミカライズ版第3巻第11話、80-83頁。『The Beginning Story』第11話脚本決定稿、146頁。
  18. ^ アニメディア』、学研パブリッシング、2011年6月。 
  19. ^ 虚淵玄、『メガミマガジン』2011年3月号、79頁
  20. ^ 【ネ申1oo】 003 虚淵玄|SWITCH - スイッチ・パブリッシング
  21. ^ 新房昭之・虚淵玄・蒼樹うめ・久保田光俊・岩上敦宏、公式ガイドブック、100-103頁。
  22. ^ 娘TYPE』Vol.16、角川書店、2011年、42-45頁、雑誌07010-03。 
  23. ^ a b 斎藤千和、『メガミマガジン』2011年7月号付録、13頁。
  24. ^ a b 宮本幸裕、『メガミマガジン』2011年4月号、34頁。
  25. ^ a b 悠木碧・斎藤千和、『メガミマガジン』2011年7月号付録、13頁。
  26. ^ “まどか☆マギカ :ヒット生んだ緻密な計算 「魔法少女」の常識覆す”. まんたんウェブ (毎日新聞デジタル). (2011年4月27日). http://mantan-web.jp/2011/04/27/20110427dog00m200015000c.html 2011年4月29日閲覧。 
  27. ^ a b 『SPA!』2011年7月19日号、54-55頁、2011年9月12日閲覧。
  28. ^ 『オトナアニメ』vol.21、30頁。
  29. ^ コミカライズ版第3巻最終話、154頁/1コマ目。
  30. ^ a b 山口浩介 (2011年8月12日). “「魔法少女まどか☆マギカ ポータブル」など3タイトルを発表――電気外祭りニトロプラスのイベントレポート”. GameSpot Japan. 朝日インタラクティブ. 2011年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月17日閲覧。
  31. ^ 2011年総決算!毎年恒例 「グッスマ取り扱い商品ランキング」 大発表ー!!|フィギュアメーカー・グッドスマイルカンパニー勤務 『ミカタンブログ -押上駅から17up-』
  32. ^ 驚異的な強さで「まどかマギカ」が12部門制覇、ニュータイプ・アニメ・アワード 2011発表・授賞式Gigazine 2011年10月9日付け。2013年2月23日閲覧。
  33. ^ 渋谷アニメランド テレビアニメ放送開始50周年記念 わたしの大好きなヒロインたちNHK 2013年1月2日付け。2013年2月23日閲覧。
  34. ^ 暁美ほむらピクシブ百科事典 2013年3月1日閲覧。[出典無効]
  35. ^ 「魔法少女まどか☆マギカ」盲導犬普及支援ポスター第二弾 新作完成!

参考文献

  • オトナアニメ』 vol.21、洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年8月8日、10-41頁頁。ISBN 978-4-86248-772-8 
  • 「巻頭大特集1 魔法少女たちの光と闇」『メガミマガジン』第13巻第4号、学研パブリッシング、2011年4月、30-39頁、雑誌08643-04。 
  • 「別冊付録(2) 魔法少女まどか☆マギカ COMPLETE BOOK」『メガミマガジン』第13巻第7号、学研パブリッシング、2011年7月、別冊付録、雑誌08643-07。 
  • Magica Quartet(原作) 著、まんがタイムきらら(編) 編『魔法少女まどか☆マギカ公式ガイドブック you are not alone.』芳文社、2011年9月11日。ISBN 978-4-8322-4061-2 
  • Magica Quartet(原作)、虚淵玄(シナリオ) 著、ニュータイプ(編) 編『魔法少女まどか☆マギカ The Beginning Story』角川書店、2011年12月10日。ISBN 978-4-04-110045-5 

外部リンク