有頂天家族
森見登美彦による小説
『有頂天家族』(うちょうてんかぞく、uchoten-kazoku)は、森見登美彦による日本の小説。森見作品の中で「五男」、「毛深い子」と呼ばれる。幻冬舎より2007年9月25日に刊行された。森見作品初の、動物が主人公の小説。3部作となる予定である「たぬきシリーズ」の第1部に当たる。
有頂天家族 | |
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小説 | |
著者 | 森見登美彦 |
出版社 | 幻冬舎 |
発売日 | 2007年9月25日 |
巻数 | 全1巻 |
アニメ | |
原作 | 森見登美彦 |
監督 | 吉原正行 |
シリーズ構成 | 菅正太郎 |
脚本 | 菅正太郎、檜垣亮 |
キャラクターデザイン | 久米田康治(原案)、川面恒介 |
音楽 | 藤澤慶昌 |
アニメーション制作 | P.A.WORKS |
製作 | 「有頂天家族」製作委員会 |
放送局 | 放送局参照 |
放送期間 | 2013年7月 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | 文学・アニメ |
物語
登場キャラクター
声の出演(以下「 声 - 」と略)は、前者がラジオドラマ、後者がテレビアニメにおける声優。
狸
下鴨家
- 下鴨矢三郎
- 声 - 河相我聞 / 櫻井孝宏
- 主人公。下鴨家三男。面白く生きるほかに何もすべきことはないようだ、と悟りを得る。近年まれに見る化け力を誇り、「我々のみに許されたこの力で面白おかしく世を渡って何が悪いのか」とも思っている。かつて初恋の相手・弁天と共謀し、「魔王杉の事件」を起こした。
- 下鴨矢一郎
- 声 - 棚橋真典 / 諏訪部順一
- 下鴨家長男。長男としての自覚が強く、亡き父のような立派な狸になるべく努力してはいるが、融通が利かない上に、緊急時になると慌てふためいて混乱してしまう。
- 下鴨矢二郎
- 声 - 知嶋大貴 / 吉野裕行
- 下鴨家次男。めったなことではやる気を見せない怠け者。現在では六道珍皇寺の境内の古井戸で蛙となって隠居生活している。
- 大好物の偽電気ブランを飲んで「偽叡山電車」に化け大暴れしたが、それも父の死後一度も飲んでいない。
- 下鴨矢四郎
- 声 - 伊藤圭基 / 中原麻衣
- 下鴨家四男。化け力を悉く兄に取られたと言われるほど化けるのが苦手で気が弱く、恐怖を感じるとすぐ狸の姿に戻ってしまう。携帯電話の充電ができるという特技を持つ。通り名は「しっぽ丸出し君」。
- 母
- 声 - 山下容莉枝 / 井上喜久子
- 狸四兄弟の母。宝塚歌劇に心酔し、「美青年には優雅な玉突きがふさわしい」という独自の観念から、タカラヅカ風美青年に変じてはビリヤード場に通う。通り名は「黒服の王子」。息子たちが立派な狸であると信じて疑わない。
- 父(下鴨総一郎)
- 声 - 鈴木林蔵 / 石原凡
- 長年京都狸界の頭領「偽右衛門」として狸界を束ねた偉大な狸であったが、数年前、金曜倶楽部によって鍋にされて急逝。
夷川家
- 夷川早雲
- 声 - 多田木亮佑 / 飛田展男
- 夷川家の頭領。総一郎の弟で、矢三郎たちの叔父にあたる。意地の悪い性格で、下鴨家を目の敵にしている。偽電気ブランの卸元という立場を利用して狸界で幅をきかせているが、前述のように性格が悪い上に悪趣味なため、評判は余り良くない。
- 金閣・銀閣
- 声 - 長尾武典(金閣)、貞方秀紀(銀閣) / 西地修哉(金閣)、畠山航輔(銀閣)
- 早雲の双子の息子で、本名を呉二郎・呉三郎という。親同様に意地が悪く、意味をよく理解せずに厳めしそうな四字熟語の書かれた物を身につけていて、本人達はそれが格好いいと思っている。
- 海星
- 声 - 宮嶋麻衣 / 佐倉綾音
- 早雲の娘で金閣・銀閣の妹。一時期矢三郎の許嫁であったが、総一郎の死後、早雲によって縁談は一方的に破棄された。矢三郎の前に姿を現そうとせず、非常に口が悪く矢三郎にはいつも罵声を浴びせながらも、何らかの形で矢三郎たちに力を貸すことが多い。
その他の狸
- 八坂平太郎
- 総一郎の死後、その後を継いで狸界をまとめてきた大狸。「偽右衛門」の座を譲った後は南の国へ旅立つつもりだったらしい。
- へそ石様
- 紫雲山頂法寺にある「へそ石」と呼ばれる六角形の石に化けているとされる狸。あまりに我慢強く化け続けているために、近年ではかえって軽んじられていたが、矢三郎のいたずら(煙で燻した)によって真に狸であることが証明され、また熱心に訪ねられるようになった。
天狗
- 赤玉先生(如意ヶ嶽薬師坊)
- 声 - 石田太郎 / 梅津秀行
- かつて如意ヶ嶽を治めていた大天狗だったが、「魔王杉の事件」がきっかけで落ちぶれてしまい、 鞍馬天狗達に如意ヶ嶽を追われ、商店街裏のアパートで逼塞している。非常に傲慢でありのべつまくなく周囲を見下すが弁天に恋焦がれ、彼女の帰りをずっと待ち続けている。また、大事な天狗的道具はすべて弁天に貢いでしまって周囲の評判はますます落ちた。
- 岩屋山金光坊
- 声 - 清川元夢
- 大天狗の一。現在では岩屋山天狗の地位を二代目に譲り、日本橋で中古カメラ屋を営んでいる。
人間
- 弁天(鈴木聡美)
- 声 - 馬渕英俚可 / 能登麻美子
- 赤玉先生に一目惚れされ、琵琶湖湖畔から攫われて天狗の術を教え込まれた。最初は純粋な少女だったが、後に赤玉先生を離れて自由奔放に振る舞うようになった。「金曜倶楽部」のメンバーで、弁天という名は倶楽部に加入した時に授かった。
- 寿老人
- 声 - 天野鎮雄 / 間宮康弘
- 「金曜倶楽部」のメンバーで、高利貸しをしている老人。
- 淀川長太郎(布袋)
- 声 - 伊沢勉 / 樋口武彦
- 「金曜倶楽部」のメンバーで、大学の農学部教授。狸をこよなく愛し、本人曰く「狸を食べることも愛」である。学生時代は詭弁論部に所属していた。
- スズキ君
- 長太郎の研究室に所属する男子学生。
用語
- 狸界
- 狸界の頭領
- 狸鍋
- 魔王杉の事件
- 偽叡山電車
- 金曜倶楽部
章題
- 『有頂天家族』
ラジオドラマ
NHK-FM放送のラジオドラマ「青春アドベンチャー」にて、本放送は2008年11月3日 - 11月14日、再放送が2010年6月21日 - 6月25日・6月28日 - 7月2日の日程で放送された。全10回。
キャスト
主要人物については先項に併記。
書誌情報
- 単行本版
- 幻冬舎 2007年9月 ISBN 978-4-344-01384-1
- 幻冬舎文庫版
- 幻冬舎 2010年8月 ISBN 978-4-344-41526-3
漫画
テレビアニメ
2013年7月よりTOKYO MX、KBS京都、サンテレビ、バンダイチャンネル[1]ほかにて放送中。
バンダイチャンネルでは毎週日曜21時30分に前話おさらいを配信中。
スタッフ
- 原作 - 森見登美彦
- 監督 - 吉原正行
- シリーズ構成 - 菅正太郎
- キャラクター原案 - 久米田康治
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 川面恒介
- プロップデザイン - 藤井康雄
- 美術監督 - 竹田悠介、岡本春美
- 美術設定 - 宮岡真弓
- 色彩設計 - 井上佳津枝
- 3D監督 - 菅生和也
- 撮影監督 - 並木智
- 編集 - 高橋歩
- 音響監督 - 明田川仁
- 音楽 - 藤澤慶昌
- 音楽プロデューサー - 伊藤善之
- 音楽制作 - ランティス
- プロデューサー - 堀川憲司、斎藤滋、木下満寿裕、武井潤、北田修一[2]、坂本耕作[3]、小田ツヨシ[4]
- ラインプロデューサー - 相馬紹二
- アニメーション制作 - P.A.WORKS
- 協力 - 京都市、京都府、KBS京都
- 製作 - 「有頂天家族」製作委員会
主題歌
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 |
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第一話 | 納涼床の女神 | 菅正太郎 | 吉原正行 | 菅沼芙実彦 | 川面恒介 |
第二話 | 母と雷神様 | 倉川英揚 | 大東百合恵 | ||
第三話 | 薬師坊の奥座敷 | 許琮 | 井上俊之 杉光登 | ||
第四話 | 大文字納涼船合戦 | 檜垣亮 | 岡村天斎 | 菅沼芙実彦 | 小島明日香 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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東京都 | TOKYO MX | 2013年7月7日 - | 日曜 22:00 - 22:27 | 独立局 | |
京都府 | KBS京都 | 日曜 22:00 - 22:30 | 協力 | ||
兵庫県 | サンテレビ | ||||
日本全域 | バンダイチャンネル | 日曜 22:00 更新 | ネット配信 | 有料会員全話見放題。 | |
BS11 | 2013年7月9日 - | 火曜 24:00 - 24:30 | BS放送 | 『ANIME+』枠 | |
キッズステーション | 2013年7月10日 - | 水曜 24:00 - 24:30 | CS放送 | ||
富山県 | 北日本放送 | 水曜 25:58 - 26:28 | 日本テレビ系列 | P.A.WORKS所在地 |
Blu-ray / DVD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | ||
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BD | DVD | ||||
1 | 2013年9月25日予定 | 第1話 | BCXA-0780 | BCBA-4551 | |
2 | 2013年10月25日予定 | 第2話 - 第3話 | BCXA-0781 | BCBA-4552 |
イベント
2013年6月16日に南座にて、メインキャストや原作者の森見、吉原監督に堀川プロデューサーが出演の先行上映イベントが開催された。司会は岩崎和夫・南かおり[5][6]。
出典
- ^ “7月のテレビ新番組を見放題、都度課金、無料で続々と配信決定!:バンダイチャンネルからのお知らせ”. バンダイチャンネル. 2013年6月28日閲覧。
- ^ 北田は読売テレビのプロデューサーである。 写真左より、北田修一さん(よみうりテレビ放送株式会社 プロデューサー )、Caos Caos Caos 白石乃梨さん、高山みなみさん、於地紘仁さん(名探偵コナン 監督)、山川剛史さん(株式会社トムス・エンタテイメント プロデューサー)/「名探偵コナン」OPアーティストがアフレコ現場を訪問!|音楽ニュース ListenJapan 【 リッスンジャパン 】
- ^ 坂本はキッズステーションのプロデューサーである。 [1]
- ^ 小田はグッドスマイルカンパニーのフィギュア原型師、プロデューサーである。小田 ツヨシ (@odaP_gsc) - X
- ^ 久米田康治キャラ原案の「有頂天家族」コミカライズ開始 コミックナタリー
- ^ 京都での『有頂天家族』先行プレミアイベントより公式レポをお届け! アニメイトTVニュース 2013年6月17日、同7月7日閲覧。なお、南座は当作品のスポンサーとしても参画している。
外部リンク
- TVアニメ「有頂天家族」公式サイト
- TVアニメ「有頂天家族」公式アカウント (@UchotenAnime) - X