佐賀空港

佐賀県佐賀市にある空港

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佐賀空港(さがくうこう Saga Airport)は、佐賀県佐賀市にある地方管理空港である。

佐賀空港
Saga Airport
佐賀空港
IATA: HSG - ICAO: RJFS
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 佐賀県佐賀市
種類 商業
運営者 佐賀県
運用時間 06:30 - 21:00
00:30 - 04:30
標高 2 m (6 ft)
座標 北緯33度08分59秒 東経130度18分08秒 / 北緯33.14972度 東経130.30222度 / 33.14972; 130.30222座標: 北緯33度08分59秒 東経130度18分08秒 / 北緯33.14972度 東経130.30222度 / 33.14972; 130.30222
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
11/29 YES 2,000×45 舗装
リスト
空港の一覧
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概要

有明海に面した干拓地に作られた佐賀県にある空港。愛称は「有明佐賀空港」で、佐賀県などがこの名称を使用している。また、干拓地に近い立地のためバードストライクが多発しており、離島空港を除けば全国で最も発生率の高い空港の1つである[1]。そのため、空港では対策として爆音機の導入や滑走路のパトロール、散弾銃での威嚇射撃などを行っている。

開港以来、福岡空港の混雑を避けたチャーター便の発着が見られ、アジア圏への定期的チャータープログラムが組まれることもある。空港における年間利用客数は、国内313,200人(2012年度)[2][3]、国際34,142人(2012年度)[3]

利用者数から、無駄な公共事業として取り上げられることもある[誰?]。佐賀県は利用客を増やそうと、乗合タクシーにおいても佐賀市南エリア発着を除き補助金を支出している。また、航空機の夜間滞泊(ナイトステイ)が東京便において行われている。東京発最終便が乗客を降ろした後佐賀空港で夜を明かし翌朝早朝に東京に出発する。これによって東京日帰り出張が可能と謳い、結果として東京便は開港当初の1日2往復から3往復となった(その後さらに4往復になる)。ただ、これによってかかる費用(乗務員の宿泊費用等)は全額佐賀県負担である。

マルチエアポート制

2008年(平成20年)7月1日より、福岡空港・北九州空港・佐賀空港の3空港発着の航空券にて、変更可能な航空券であれば乗降地を変更できる「マルチエアポート」制を実施している(ただし航空会社は就航しているANAに限定される)。

九州国際空港案

都心部に近い福岡空港は、市街地における騒音問題から早朝深夜に運用出来ず、空港の拡張も難しい等の制約を抱えている。このことから、既存の佐賀空港を拡張し、成田、関西、中部に次ぐ国際空港にしようとする案を佐賀商工会議所等が提唱している[4]

福岡市熊本市長崎市などへのアクセスも周辺の道路や鉄道を利用する事で1時間前後とすることができ、北部九州における経済効果が見込まれる。しかしコストや需要の問題などから、現在まで実現のめどが立っていないうえに、国土交通省、福岡県、福岡市による「福岡空港調査連絡調整会議」が近隣空港との連携は福岡空港の混雑の抜本的な解決策にはなりえないと判断したため、実現の可能性は低くなっている。

貨物便就航にあたっての問題

「空港から半径2キロ以内に民家がなく、空港周辺の騒音被害の心配がない」という触れ込みで2004年に夜間貨物便の誘致に成功し[5][6]、重量のある貨物機の運航により着陸料が増え、旅客便に比べ1便当たりの収入が3倍になっている[7]

しかし、空港周辺は佐賀市沿岸部の人口希薄地帯であるため騒音被害は発生していないが、飛行経路上には福岡県柳川市の人口密度の高い地域も位置しているため、福岡県の自治体で騒音被害が問題となっている。協議の末、住宅密集地域の上空に限っては避けて飛行するなど妥協案をとることとなったため、深夜の空港付近での飛行ルートは昼間と違い特別ルートを採用している。

一般航空

佐賀空港内に本社を置くエス・ジー・シー佐賀航空が空中写真撮影や宣伝飛行、農薬散布、飛行訓練などの航空機使用事業や、不定期航空運送事業である遊覧飛行を行っており、ゼネラル・アビエーションの利用も行われている。

歴史

施設

国内線ターミナル

 
佐賀空港搭乗カウンター

その他

 
佐賀空港公園に展示されているYS-11A-500R

敷地内には、現役引退後のYS-11機(JA8733)が保存されていた。この機体は、「空港に駐機する航空機が少なくて寂しい」として佐賀県がエアーニッポンに譲渡を要望、開港時の1998年7月に寄贈を受けたものである[8]。2005年までは一般に公開され、その後は貨物ターミナルの増設と管理区域への立ち入り規制の厳格化に伴って非公開とされた。屋外に設置されていることによる損傷が目立っており、2009年12月に隣接する佐賀空港公園へ移動。再塗装などの整備を受けた上で2010年3月28日から土日・祝日に一般公開されている。

就航路線

国内便

国際便

貨物便

深夜に羽田から佐賀、佐賀から関西へ運航されている。2008年7月より、東京国際空港の新滑走路建設工事に伴い同空港の滑走路使用可能時間帯が制限されるため、工事が終了する2010年(平成22年)10月末までの佐賀空港発東京国際空港行が運休となった。これに加えて、機材繰りの関係で関西国際空港発佐賀空港行が運休となった。現在のルートはこうした変更の結果である。 機材は当初ボーイング767旅客機の貨物スペースを利用しての運航だったが、現在はボーイング767-300F貨物専用機が使用されている。 貨物便についても土日・祝日の貨物量が平日の半分にとどまるため、採算改善のため10月31日より土日・祝日の便を運休させることになった[10]

廃止された路線

空港へのアクセス

佐賀市街から10 km(約20分)

空港の利用状況は佐賀市とその周辺地域である佐賀県南部が多数を占める。距離的には福岡県南部は唐津・伊万里地区より近いものの、その反面福岡市方面との結びつきが密接であり、佐賀県南部はもとより唐津・伊万里地区と比べても当空港の選択割合は極めて低い比率にある[11]

自動車

バス

現在は1日4本の便に接続する形で上記の路線のみが佐賀市交通局のかつての貸切兼用バス車両に荷物スペースを追加設置する改造を受け運行されている。ただしこの路線も国・佐賀県からの運行補助金を受けている状況である。 開港当初は佐賀市の他佐賀県北部・西部ならびに福岡県南部方面向けにバス路線が設定されていたが、利用客数の低迷によりわずか1年程度で相次いで廃止された。

乗合タクシー

完全予約制。路線バスのような定量的需要は必要ないことから、広範囲に渡って設定されている。運行会社・乗降場所・運賃などの詳細は佐賀空港ホームページ等を参照。佐賀県の強い要請によって運行が行われている経緯から、発着地を佐賀市内とする便を除いて佐賀県が支出する補助金によって運行されている。利用客数については、こちらも低迷しているとの報道がある[12]

ギャラリー

脚注

  1. ^ 発生率 佐賀空港首位 バードストライク 九州注意 総件数 福岡など上位 - 西日本新聞 2009年3月12日
  2. ^ 佐賀県有明佐賀空港「国内定期便の搭乗客数(2012年度)」 国内線利用客は開港翌年の平成11年度の341,196人が最高値で伸び悩みが続いている。
  3. ^ a b “管内空港の利用状況概況集計表(平成24年度速報値)” (PDF) (Press release). 国土交通省大阪航空局.
  4. ^ 九州国際空港誘致期成会
  5. ^ 夜間貨物便について
  6. ^ ANA Cargo 佐賀から2路線。物流拠点としての機能が一段と加速[リンク切れ]
  7. ^ 2010年02月08日放送 総力報道!THE NEWS 特集「開港まで一カ月だが国内の定期運航はゼロ 周囲空き地の茨城空港」
  8. ^ 佐賀空港に野ざらしYS-11 化粧直し後に公開へ[リンク切れ] 『読売新聞』 2009年12月14日
  9. ^ ティーウェイ航空、佐賀/仁川線の開設を申請 12月20日就航へ FlyTeam 2013年8月31日付
  10. ^ 佐賀空港の貨物便ダイヤ変更 土日祝運休へ - 佐賀新聞2010年9月1日
  11. ^ 以上、「地域から見た福岡空港の役割と効果に関する検討調査報告」より
  12. ^ 「空港乗り合いタクシー」利用低迷 - 佐賀新聞2008年6月3日


外部リンク