金田一少年の事件簿
『金田一少年の事件簿』(きんだいちしょうねんのじけんぼ)は、週刊少年マガジンで連載された、ミステリーを題材とした漫画である。
平成4年(1992年)から平成12年(2000年)まで連載され、2004年夏以降は不定期で連載がされており,2006年春からは新シリーズの連載が予定されている。
概要
名探偵金田一耕助を祖父に持つ主人公・金田一一が、遭遇する難事件をパートナー・七瀬美雪や「親友」剣持勇警部、「ライバル」明智健吾警視らとともに、抜群の推理力で次々と解決していくストーリー。
当初から練られた構成などが読者に受け、日本のミステリーを題材とした漫画としては初めてとも言える大成功をおさめ、「ミステリー漫画」というジャンルを確立した最初の作品と言える。
展開
1992年に連載を開始、その当初から「犯人当てクイズ」などの斬新な企画もあって読者の注目を浴び、大ヒットする。のちにドラマ化がなされた1995年に、ドラマ効果もあって大ブレイク、その後、アニメ化、映画化などがなされ、小説版も出版されるなど、様々なジャンルへの展開を見せた。
作品初期は、殺人事件を題材とした長編のみが展開された。途中から、長編を軸としつつも短編を織り交ぜたストーリーが多く扱われるようになり、傷害事件や犯罪の絡まぬパズルのような物語も扱われるようになった。
「速水玲香誘拐殺人事件」が終了したところで、それまでの19本の長編が"FILEシリーズ"としてまとめられた。それと同時に、中編や大長編を扱う"Caseシリーズ"が開始され、以後もそれまでと同様に、短編を織り交ぜる形での連載が進められた。この短編の中で、主人公のライバルで人気キャラの、明智健悟警視を主人公とするシリーズも描かれた。
そして2000年末、最後の"Case"作品が描かれ、1992年から続けられた連載が終了した。この終了は「第I期完結」とされており、再連載が当時から計画されていたことをうかがわせる。
連載終了後もファンが多く、2004年夏には同作者(天樹征丸&さとうふみや)による別連載作品『探偵学園Q』の連載を中断してまでの短期連載が行われた。また2005年夏に新シリーズ「オペラ座館・第三の殺人」の連載が開始され、この連載中の同年秋、キャストを一新したスペシャルドラマが放映された。さらに、2006年4月12日から復活連載第3弾「獄門塾殺人事件」が始まる。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
主要登場人物
- 金田一一(きんだいち はじめ)
- 主人公。成績は最低、スポーツも全くダメな上に、遅刻、サボリ等の常習犯だがIQ180の天才。名探偵金田一耕助の孫。私立不動高校2年。ミステリー研究会・演劇部所属(但し、演劇部は美雪の手伝いで合宿に参加しただけなので、正式に所属しているのかは不明。また、設定では不動高校は文化系の部活の掛け持ちは校則で禁止されていることになっているが、何故か掛け持ちしている)。実は、同高校の入学試験をトップで合格している(しかし、2年への進級時の成績は落第寸前であった)。普段はかなり抜けたところのある普通の高校生だが、事件が発生すると一転、祖父譲りの抜群の推理力と正義感をもって事件を解決に導く。友達想いで、同年代の女性に好かれやすい性格である。趣味はテレビゲーム(徹夜する事もしばしば)、卓球。また、スリの手腕と祖父から習ったマジックの才能もある。また、喫煙・飲酒・アダルトビデオ鑑賞など、未成年に似つかわしくない行動もとっている事がある。運転している描写はないが、母親にバイクを買う事をねだった事があるので、普通二輪免許を持っている可能性がある。第 I 期最終回で何者かから手紙を受け夏休みに一人で旅へ出る(2004年の短期集中連載にて送り主が高遠遙一と判明)。誕生日は8月5日。名前を縦書きにすると「金田二」のように見えることから、初期にはよく名前を「キンダニ」と間違えられた。また意図的に「カネダイチイチ」と言われた事もある。
- 七瀬美雪(ななせ みゆき)
- 一の幼馴染み。美人でスタイルが良く、成績優秀であり、生徒会長の役目もこなす。几帳面で面倒見のいい性格。一には「友達以上、恋人未満」の様な幼馴染み以上の感情を抱いている。私立不動高校2年。ミステリー研究会(途中より部長)・演劇部所属(本人が第4巻において、「文化系の部活の掛け持ちは校則で禁止されている」と言っていたのに掛け持ち)。一と共にたびたび事件に巻き込まれ、何度も危険な目にあっている。「雪影村殺人事件」以外の全てのストーリーに登場(但しアニメ版「雪影村殺人事件」では最終話に登場)。誕生日は11月24日。
- 剣持勇(けんもち いさむ)
- 警視庁刑事部捜査一課の警部(強行犯係の係長だと思われる)。本作最初の事件「オペラ座館殺人事件」で初登場し、当初は頭の固い刑事という雰囲気で一たちに接していたが、事件解決以降は一や美雪の最も良き理解者となる。和枝という妻と三人の子供がいる。年齢は40歳代(一度「4?歳」というあいまいな記述が背景部分に書かれていた。ちなみにアニメ版では38歳、第3期ドラマ版では42歳)。ノンキャリアの叩き上げ警官。柔道は黒帯の腕前。
- 明智健悟(あけち けんご)
- 警視庁刑事部捜査一課の警視(管理官と思われる)。一からは時に「イヤミ警視」と呼ばれ、部下である剣持からは影で「イヤミ野郎」と言われるほどにイヤミな性格であるが、一も認めるほど頭脳は優秀であり、スポーツ(フェンシング)や芸術(バイオリン)、ゲーム(ポーカー、チェス等)、パソコン(プログラミングやハッキング)でも高い能力を誇る。一とはライバルである。東京大学法学部卒で、キャリア組。ロサンゼルス市警に勤務していた経験もある。「金田一少年の決死行」では胸を刺され重体となったが、一命をとりとめその後は通常の職務に復帰している。両親は共に元警察官で、叩き上げタイプの刑事であった亡き父親は三億円事件(ドラマ版及びアニメ版では「四億円事件」と変更)の犯人を追い続けていたが、無念の時効となった。28歳、独身。コンタクトレンズを入れるのが苦手である為、メガネを掛けている。ドラマ版では登場が遅かったため、原作に比べて出番が大幅に削られており、タダのイヤミな刑事にされている(そのため前述の「四億円事件」関連の設定もドラマでは剣持がその役になったり、「金田一少年の殺人」で拳銃を発砲したのも剣持。)。
- 速水玲香(はやみ れいか)
- ともさかりえと人気を二分する人気アイドルタレント。「雪夜叉伝説殺人事件」で一と知り合い、一に好意を持つようになり、美雪のライバルとなっている。普段は気丈で勝ち気に振る舞うが、実は悲惨な過去(「タロット山荘殺人事件」及び「速水玲香誘拐殺人事件」参照。「タロット山荘-」で本名は小城梓(こじょう あずさ)、「速水玲香誘拐-」で大女優・三田村圭子が実母と明かされている。)を背負っており、一の前では寂しがりの素顔を見せることもしばしば。17歳。
- いつき陽介(いつき ようすけ)
- フリールポライター。「悲恋湖伝説殺人事件」で初登場。最初はイヤな奴だったが、一度認めた人にはとことん信頼を寄せる豪快な性格の持ち主で、のちに一や美雪の良き理解者となる。「いつき陽介」はペンネームで本名は樹村信介(きむら しんすけ)。過去に船の沈没事故に巻き込まれたため、水恐怖症(なのだが、「金田一少年の殺人」では自らプールに飛び込んで一にツッコミを入れられた)。年齢は30歳前半~半ば、独身(過去に最上葉月という女性と結婚を考えるほどの交際があったが、彼女はある事件で犯人に殺された)だが、ドラマでは離婚歴がある設定になっている。現在、とある事件で死亡した知人の娘・都築瑞穂を養育しながら高田馬場のアパートで生活している(ただし改姓はしていないので、養女ではないと見られる)。
- 佐木竜二(さき りゅうじ)
- 一の友人。不動中学3年。親は「佐木映像」という会社を経営しており、本人もビデオで色々なものを撮影する事が趣味である。兄・竜太は異人館ホテル殺人事件で殺された。ミステリアスな兄と比べ、かなり単純で明るい性格。兄と同型のキャモン・ビデオアイという機種のカメラを使用している。絵はとてつもなく下手である。一と美雪の幼馴染・神津さやかに惚れている。
- 金田一二三(きんだいち ふみ)
- 一の母方の叔父である金田一丙助の娘(つまり、一の従妹)。また、一の母は耕助の娘であることが公式ガイドブックにて明かされているため、丙助も耕助の息子であり、二三自身も耕助の孫ということになる(しかし、公式データでは二三が耕助の子孫であるかどうかは明確にされていない)。小学3年生の9歳。表では可愛らしく振る舞うが、本性は生意気でずる賢い性格。小学3年生にしては頭が良く、また実は一に劣らぬ正義感も持っており、自ら殺人事件を解決した事もある。父・丙助と長野で「コテージ・ラビット」というペンションを経営していたが、殺人事件が起きて潰れ、更には丙助が一人でチベットに「謎の空中都市・シャングリラ」を探しに行った為、現在は一の家に居候中である。
- 高遠遙一(たかとお よういち)
- 「犯罪芸術家」を自称する、一の宿敵ともいえる冷酷な男。別れ際によく「Good Luck」という言葉を使う。「地獄の傀儡師(じごくのくぐつし)」を名乗り、他人の犯罪に手を貸して芸術犯罪を実現させることを目論むが、その人間が犯行を自供した場合(本人いわく「“芸術”を台無しにした場合」)は自ら容赦なく手を下す。もとは「幻想魔術団」のマネージャーであり、母親は同魔術団の前身「近宮マジック団」の団長で天才マジシャンの近宮玲子。しかし、近宮は魔術団員たちに殺されており、高遠はその復讐心から「地獄の傀儡師」と化し、「魔術列車殺人事件」において母を殺めた4人を殺害した。当初は非常に弱気な態度をとっていたが、自身の犯行を見破られると態度を一変、その恐ろしい本性を表した。このとき犯人として一度捕まったのだがすぐに脱獄しており、他人に殺人を教唆するのはこれ以後のこととなる。第 I 期最後の事件で一に逃亡作戦を暴かれ、逮捕されたが、その後も何故か一に手紙を送りつけている。さらにその後、2005年のシリーズでは留置場の壁に「Good Luck」と書き残して再度脱獄。一が金田一耕助の名ではなく、自分自身のプライドにかけて捕まえると誓った唯一の人物。23歳。
- 怪盗紳士(かいとうしんし)
- 謎の女性。氏名・年齢・素顔などは不明だが、ロングへアであることだけは明らかになっている。人に顔を見せるときは、とある事件の際に使った、美術雑誌記者の醍醐真紀という人物の姿に変装している。殺人などは行わず、価値ある芸術作品を何らかの形で「モチーフごと」盗む怪盗。
準レギュラー
- 俵田孝太郎(たわらだ こうたろう)
- 青森県警の刑事。階級は当初警部補だったが、第 I 期最終回で警部に昇進。異人館村殺人事件で初登場。初めは一の事を生意気な奴だと感じていたが、金田一の推理力に敬服し、信頼を寄せるようになる。性格は行動派で熱血漢。一の事を「キンダニ」と呼んでいる。アニメ版には未登場。
- 長島滋(ながしま しげる)
- 長野県警の警部。金田一少年の殺人で初登場。その性格は頑固で高圧的であり、そのせいで初登場の事件で一が殺人現場に居合わせた時、一を犯人だと頭から決め付けて他の人間の捜査をしなかった。その自分の見込み捜査が一の推理によって破られたため、後に登場した時にも一を疫病神呼ばわりして激しく嫌っている。小説版にも登場。年齢は45歳。
- 茅杏子(かや きょうこ)
- 神奈川県警の警部。秘宝島殺人事件で初登場。妖艶な雰囲気を漂わせる妖しい女性刑事。混浴の露天風呂で一に密着したり、食事に誘ったりする事もある。常に木箱を持ち歩いているが、その中身は謎である(「ガタガタ」と動く音がした事から生物と思われる。他には銃が入っていたり、さらに箱が入っていたりした事もあった)。
- 村上草太(むらかみ そうた)
- 不動高校2年。一のクラスメートで、ミステリー研究会所属。フィルムの中のアリバイで初登場。美雪に想いを寄せているが、想いを伝えるまでに至っていない(ただし、美雪が一に全幅の信頼を置いていることは理解している)。性格は一と似て意地っ張りな所がある。出身は千葉県の海に面した町。身長は一より3cm高い。
- 美浦エミリ(みうら エミリ)
- 不動高校1年。ミステリー研究会所属。天草財宝伝説殺人事件で初登場。ダウジングの名手として有名。一に想いを寄せていて、美雪とよく火花を散らしている。
- 真壁誠(まかべ まこと)
- 不動高校3年。ミステリー研究会所属。学園七不思議殺人事件で初登場。推理大賞を取った現役高校生推理作家…という事になっているが、実際にその小説を書いたのはドレイの鷹島友代。真壁としては鷹島を利用しているつもりだが、実際には鷹島によって真壁がコントロールされている。スケベな性格で、鷹島以外にも美雪や同級生の桜樹るい子に言い寄ったりしている。また、推理や女性関係などで敗れ去った事を恨みに持ち、金田一に対し同じような思いを持つ朝基や京谷雅彦らと仲良くなっている。漫画版では初登場の話以外はほとんどチョイ役だが、ドラマ版の第1・2期ではレギュラーとして登場し、様々な事件に関わっており、漫画版に比べるとかなり設定が異なる。
- パトリシア・オブライエン
- 明智警視のロス市警時代の同僚の女性刑事。明智に好意を持っているらしく、よくアプローチをかけていた。明智からは「パット」という愛称で呼ばれている。明智曰く、「女性としてもパートナーだった」らしい。
- 結城英作(ゆうき えいさく)
- 神奈川県横浜市で開業医をしている医者。オペラ座館殺人事件で初登場。性格に多少異様な所があり、解剖を好んだり、手術用の鉗子とメスで食事をしたり、殺人の起こったホテルを気に入ったりするなどしている。常に妖しい笑みを浮かべている。年齢は42歳。アニメ版には未登場。
主な事件
カッコ内の年月は週刊少年マガジン連載期間(発行日・合は合併号の略、休載含む)、コミックス収載巻。
FILEシリーズ
1992年~1997年。正確には単行本時「ファイル○」とカタカナ表記であった。
- オペラ座館殺人事件(1992年10月28日~1992年12月2日、1~2巻)
- 異人館村殺人事件(1992年12月9日~1993年3月10日、2~3巻)
- 雪夜叉伝説殺人事件(1993年3月17日~1993年5月26日、3~4巻)
- 学園七不思議殺人事件(1993年6月2日~1993年8月4日、4~5巻)
- 秘宝島殺人事件(1993年8月11日~1993年10月20日、5~6巻)
- 悲恋湖伝説殺人事件(1993年10月27日~1994年1月19日、6~7巻)
- 異人館ホテル殺人事件(1994年1月26日~1994年4月13日、8~9巻)
- 首吊り学園殺人事件(1994年4月27日~1994年7月20日、9~10巻)
- 飛騨からくり屋敷殺人事件(1994年8月3日~1994年10月26日、11~12巻)
- 金田一少年の殺人(1994年11月9日~1995年3月1日、12~14巻)
- タロット山荘殺人事件(1995年3月8日~1995年6月14日、14~15巻)
- 蝋人形城殺人事件(1995年6月28日~1995年9月27日、16~17巻)
- 怪盗紳士の殺人(1995年10月18日~1996年1月18日・24日合、17~18巻)
- 墓場島殺人事件(1996年1月31日~1996年4月17日、19~20巻)
- 魔術列車殺人事件(1996年4月24日~1996年7月31日、20~21巻)
- 黒死蝶殺人事件(1996年8月7日~1996年11月13日、22~23巻)
- 仏蘭西銀貨殺人事件(1996年11月20日~1997年3月12日、23~25巻)
- 魔神遺跡殺人事件(1997年3月19日~1997年6月18日、25~26巻)
- 速水玲香誘拐殺人事件(1997年9月3日~1997年11月5日、26~27巻)
Caseシリーズ
1998年~2000年。FILEシリーズがコミック何冊にも分かれて途中から揃えにくいと言うこともあり、リニューアルされた。
- 魔犬の森の殺人(1998年1月29日~1998年4月1日、Case1巻)連載時はFILE 20と記載されていた。
- 銀幕の殺人鬼(1998年6月3日~1998年8月19日・26日合、Case2巻)
- 天草財宝伝説殺人事件(1998年10月14日~1999年1月29日、Case3上下巻)
- 雪影村殺人事件(1999年4月21日~1999年6月30日、Case4巻)
- 露西亜人形殺人事件(1999年10月20日~2000年2月16日、Case5上下巻)
- 怪奇サーカスの殺人(2000年4月12日~2000年6月21日、Case6巻)
- 金田一少年の決死行(2000年8月23日・30日合~2001年1月1日、Case7上下巻、第 I 期完結)連載時は「THE LAST CASE」と記載されていた。
Short Fileシリーズ
1997年~2000年。2回~3回ほどで終わる話のシリーズで、短編集に収録された。殺人事件でない話も多い。
- 氷点下15度の殺意(1997年6月25日~1997年7月9日、短編集1巻)
- 誰が女神を殺したか?(1997年7月16日~1997年7月30日、短編集1巻)
- 1/2の殺人者(1997年12月3日~1997年12月10日、短編集2巻)
- 聖なる夜の殺人(1998年1月1日~1998年1月22日、短編集2巻)
- 鏡迷宮(ミラーラビリンス)の殺人(1998年5月13日・20日合~1998年5月27日、短編集3巻)
- 金田一フミ誘拐事件(1998年6月3日~1998年6月10日、短編集3巻)
- 金田一フミの冒険(1998年9月30日~1998年10月7日、短編集4巻)
- 白銀に消えた身代金(1999年2月3日~1999年2月10日、短編集4巻)
- フィルムの中のアリバイ(1999年3月17日~1999年3月24日、短編集4巻)
- 殺人レストラン(1999年3月31日~1999年4月14日、短編集4巻)
- 血染めプールの殺人(1999年7月28日~1999年8月11日、短編集5巻)
- 亡霊学校殺人事件(1999年8月25日・9月1日合~1999年9月29日、短編集5巻)
- 瞬間消失の謎(1999年10月6日~1999年10月13日、短編集5巻)
- 妖刀毒蜂殺人事件(2000年3月1日~2000年3月15日、短編集6巻)
- 怪盗紳士からの挑戦状(2000年6月28日~2000年7月12日、短編集6巻)
- 午前04:40の銃声(2000年7月19日~2000年7月26日、短編集6巻)
- 女医の奇妙な企み(2000年8月2日~2000年8月9日、短編集6巻)
Akechi Fileシリーズ
1997年~2000年。金田一のライバルである明智警視を主人公としたシリーズ。高校生時代の話は「明智少年の華麗なる事件簿」、刑事になってからの話は「明智警視の優雅なる事件簿」に収録されている。このシリーズのタイトルには、英語の副題が付いている。
- 証言パズル / The Murder Train(1997年8月13日~1997年8月20日・27日合、優雅・短編集1巻)
- 殺人ポーカー / Unlucky Men in the Rain(1997年11月12日~1997年11月19日、優雅・短編集2巻)
- 明智少年最初の事件 / Farewell, My Dear Friend(1998年4月15日~1998年5月6日、華麗・短編集3巻)
- 殺意の四重奏 / The Perfect Violinist Akechi(1998年9月9日~1998年9月23日、華麗・Case3下巻)
- 幽霊剣士殺人事件 / The Pride Murder(1999年2月17日~1999年3月3日、華麗)
- 死者のチェックメイト / The Great Chess Player Akechi(1999年7月7日~1999年7月21日、優雅)
- 幽霊ホテル殺人事件 / The Encounter(2000年3月22日~2000年4月5日、優雅)
新シリーズ
ほぼ年一の不定期短期集中連載版、第II期シリーズ。
- 吸血鬼(ヴァンパイア)伝説殺人事件(2004年8月18日~2004年10月13日)
- オペラ座館・第三の殺人(2005年9月14日~2005年12月15日)
- 獄門塾殺人事件(2006年4月12日~予定)
講談社漫画文庫版
2004年~2005年。内容は単行本版と同一だが、各巻一事件ずつにまとめなおされている(短編集を除く)。また、FILEシリーズとCaseシリーズが合わせた形で連番となり、上記Case1がFile20……Case7がFile26となっている。
File1~File16と、File17~"明智警視の・・・"までが、それぞれ16巻ずつのBOXセットとしても販売される。限定のしおり付き。
- オペラ座館殺人事件(2004年8月4日)
- 異人館村殺人事件(2004年8月4日)
- 雪夜叉伝説殺人事件(2004年8月4日)
- 学園七不思議殺人事件(2004年8月4日)
- 秘宝島殺人事件(2004年9月11日)
- 悲恋湖伝説殺人事件(2004年9月11日)
- 異人館ホテル殺人事件(2004年10月8日)
- 首吊り学園殺人事件(2004年10月8日)
- 飛騨からくり屋敷殺人事件(2004年11月12日)
- 金田一少年の殺人(2004年11月12日)
- タロット山荘殺人事件(2004年12月10日)
- 蝋人形城殺人事件(2004年12月10日)
- 怪盗紳士の殺人(2005年1月12日)
- 墓場島殺人事件(2005年1月12日)
- 魔術列車殺人事件(2005年2月10日)
- 黒死蝶殺人事件(2005年2月10日)
- 仏蘭西銀貨殺人事件(2005年3月11日)
- 魔神遺跡殺人事件(2005年3月11日)
- 速水玲香誘拐殺人事件(2005年4月12日)
- 魔犬の森の殺人(2005年4月12日)
- 銀幕の殺人鬼(2005年5月12日)
- 天草財宝伝説殺人事件(2005年6月10日)
- 雪影村殺人事件(2005年7月12日)
- 露西亜人形殺人事件(2005年8月10日)
- 怪奇サーカスの殺人(2005年9月9日)
- 金田一少年の決死行(2005年10月12日)
小説
著者は原作者でもある天樹征丸。講談社マガジンノベルスより刊行。
- オペラ座館・新たなる殺人
- 幽霊客船殺人事件
- 電脳山荘殺人事件
- 鬼火島殺人事件
- 上海魚人伝説殺人事件
- 雷祭殺人事件(この巻のみ短編・中編集である)
- 殺戮のディープブルー(初の上下巻)
- 邪宗館殺人事件
その他、短編漫画集などに収録されたものに、以下の作品がある。
- 「共犯者X」
- 「迷い込んできた悪魔(デモン)」(以上「雷祭殺人事件」に併録)
- 「金田一少年の悪夢」
- 「旅の途中」(探偵学園Q特設サイトにて限定公開され、後にガイドブック『金田一少年の全事件簿』に掲載された)
また、マガジンノベルス版、講談社文庫版共に長らく絶版が続いていたが、「オペラ座館~」「鬼火島~」は2005年にマガジンノベルスより、「幽霊客船~」「電脳山荘~」は2004年に講談社ノベルスよりそれぞれ復刊された。
なお、「オペラ座館~」と「幽霊客船~」では、それぞれ漫画の「オペラ座館殺人事件」と「悲恋湖伝説殺人事件」の後日談が描かれており、特に「幽霊客船~」では「悲恋湖伝説殺人事件」の豪華客船沈没の真実が語られた。さらに「殺戮のディープブルー」は「上海魚人伝説殺人事件」の後日談となっており、漫画の「金田一少年の決死行」は「殺戮のディープブルー」の後日談となっている。
この様な事実から、少なくとも原作者である天樹征丸と金成陽三郎がプロットを担当したエピソード(漫画版長編&短編、明智シリーズ、小説版長編&短編)と2006年4月から連載される新シリーズ「獄門塾殺人事件」を含めた、65エピソードは総て同一の世界観で展開する物語であると推測される。(ゲーム、CDブック、アニメオリジナル作品等との関連は不明)
アニメ
よみうりテレビ・日本テレビ系列で1997年4月7日から2000年9月11日まで毎週月曜夜7時(一部地域を除く)に放映。全148話。プロデューサーは諏訪道彦。東映動画制作(本放送中の1998年より東映アニメーションと社名変更)。
当時は1996年から既に放映されていた『名探偵コナン』と合わせ、『月曜7時のミステリーアワー』という触れ込みもあった(名探偵コナンは、2006年現在も放映中)。2004年上旬からファミリー劇場(衛星放送)で、2006年2月現在、テレビ北海道、千葉テレビ、群馬テレビ、東京MXテレビ、中京テレビで放送(再放送)されている。
本放送時代は1998年~99年にかけては関西・関東どちらについても視聴率がよかったが、2000年に入り低迷し、同年9月で終了となった。
- アニメでは佐木竜太は殺害されそうになるも奇跡的に一命を取り留める。そのため、原作では佐木竜二が登場していた部分はすべて竜太に置き換わっている。但し、アニメ内での竜太の性格は、原作の竜二のものである。
- 「嘆きの鬼伝説殺人事件」「出雲神話殺人事件」の2タイトルだけアニメオリジナル作品である。これらは当時JR西日本が企画した『金田一少年の事件簿ミステリーツアー』が原作となっている。ちなみに『コナン』においても同様の事件がある。
- 原作漫画の「異人館村殺人事件」「首吊り学園殺人事件」はアニメ化されなかった(「金田一少年の決死行」に関しては、アニメ終了時点でまだ連載中、小説版「邪宗館殺人事件」は漫画・アニメ双方終了後に発行)。「異人館村~」は事件の中のあるトリックが、島田荘司作『占星術殺人事件』に登場するトリックとそっくりだと指摘された為。「首吊り学園~」は事件の真相に触れざるを得ないため詳細を避けるが、内容が親子の見る時間帯の放映に似つかわしくなかったため、という説がある。
- 他にも、原作の内容が親子の見る時間帯の放映に似つかわしくないと判断されたのか、原作とストーリーが違う話(例「誰が女神を殺したか?」など)がいくつかあった。ストーリーの大筋は原作と同様なのに、何故か原作では殺された被害者が生きていた話(例「殺人レストラン」)もある。また、原作での話の設定ミスが修正されている事(例「オペラ座館殺人事件」のラストなど)もある。
- 「オペラ座館殺人事件」のラストでは、当時エンディング主題歌を唄っていた鈴木紗理奈がゲスト出演していた。
声の出演
- 金田一一:松野太紀
- 七瀬美雪:中川亜紀子
- 剣持勇:小杉十郎太
- 明智健悟:森川智之
- 金田一二三:池澤春菜
- 佐木竜太:難波圭一
- いつき陽介:平田広明
- 速水玲香:飯塚雅弓
- 高遠遙一:小野健一
- 怪盗紳士:百々麻子
- 長島滋:堀内賢雄
- 茅杏子:竹田愛里
- 村上草太:青羽剛
- 美浦エミリ:金月真美
- 真壁誠:山崎たくみ
- パトリシア・オブライエン:渡辺美佐
スタッフ
- 原作
- 企画プロデューサー:諏訪道彦(よみうりテレビ)、渡辺哲也 (dentsu) 、工富保(講談社)、清水慎治(東映アニメーション)
- 原案協力:都丸尚史、三枝亮介(講談社「週刊少年マガジン」編集部)
- 製作担当:野田由紀夫
- キャラクターデザイン:荒木伸吾、姫野美智、窪秀巳
- 美術デザイン:渡辺佳人
- 美術設定:内川文広、奏秀信
- 色彩設計:辻田邦夫
- 撮影監督:佐伯英範(三晃プロダクション)
- 編集:福光伸一(タバック)
- 音楽:和田薫
- 音響監督:田中英行
- 音響効果:伊藤道廣(サウンドリング)
- 録音制作:AUDIO・タナカ
- キャスティング:有迫俊彦(タバック)、小浜匠(東映アカデミー)
- 音楽制作/協力:WARNER MUSIC JAPAN、読売テレビエンタープライズ
- プロデューサー:斎藤朋之(よみうりテレビ)、山西太平 (dentsu) 、風間厚徳(東映アニメーション)
- シリーズディレクター:西尾大介
- 製作協力:東映
- 製作:よみうりテレビ、dentsu、東映アニメーション
- 著作:©天樹征丸、金成陽三郎、さとうふみや/講談社、よみうりテレビ、dentsu、東映アニメーション
※ 放映当時、東映アニメーションは「東映(または東映動画)」、dentsuは「電通」の表記だった。
主題歌
- オープニング
- 『CONFUSED MEMORIES』(作詞:MARC/作曲、編曲:久保こーじ/プロデュース:小室哲哉/歌:円谷憂子)
- 『meet again』(作詞、作曲:aki/編曲:Laputa、佐藤宣彦/歌:Laputa)
- 『君がいるから…』(作詞、作曲:西脇唯/編曲:水島康貴/歌:西脇唯)
- 『BRAVE』(作詞:早瀬圭志/作曲:上峰芹/編曲:古井弘人/歌:GRASS ARCADE)
- 『Justice~Future Mystery~』(作詞:永野椎菜/作曲:高山みなみ/編曲:TWO-MIX/歌:高山美瑠 with TWO-MIX)
- 『Why? (FUNKY VERSION)』(作詞:戸沢暢美/作曲:KIM・CHANGHWAN/編曲:KIM・WOOJIN/歌:COLOR)
- 『Never Say Why,Never Say No』(作詞:小室哲哉、前田たかひろ/作曲・編曲:小室哲哉/歌:566 feat. 中野さゆり)
- エンディング
- 『2人』(作詞:秋元康/作曲:松本俊明/編曲:京田誠一/歌:ともさかりえ)
- 『Boo Bee MAGIC』(作詞:NoB/作曲:MASAKI/編曲:M.N.R.G./歌:鈴木紗理奈)
- 『Mysterious night』(作詞:川名卓馬、中田あきこ/作曲、編曲:川名卓馬/歌:R-ORANGE)
- 『White page』(作詞、作曲:佐々木享/編曲:西平彰/歌:PLATINUM PEPPERS FAMILY)
- 『ジーンズ』(作詞:相田毅/作曲、編曲:朝本浩文/プロデュース:藤井丈司/歌:広末涼子)
- 『果てしなく青い空を見た』(作詞、作曲:西脇唯/編曲:柿崎洋一郎/歌:西脇唯)
- 『Believe Myself』(作詞:舩木基有/作曲:岩井勇一郎/編曲:New Cinema蜥蜴/歌:New Cinema蜥蜴)
- 『Sink』(作詞:Ryutaro/作曲:Tadashi/編曲:Plastic Tree、成田忍/歌:Plastic Tree)
- 『コングラッチェ』(作詞:CASCADE/作曲:MASASHI/編曲:CASCADE、西田マサラ/歌:CASCADE)
- 『ウルトライダー』(作詞、作曲:HAKUEI/編曲:PENICILLIN & 本田恭之/歌:PENICILLIN)
- 『君がいるから…』(最終回)(作詞、作曲:西脇唯/編曲:水島康貴/歌:西脇唯)
ドラマ・映画
- 日本テレビで放映されたテレビドラマ及び実写版の映画については金田一少年の事件簿 (テレビドラマ)を参照のこと。
アニメ映画
ゲーム
2005年現在、5本のゲームが発売されている。声優は一部を除きアニメ版とは異なる(下で追記)。
- 『悲報島 新たなる惨劇』(1996年11月29日発売/機種:プレイステーション、ウィンドウズ)
- 『星見島 悲しみの復讐鬼』(1998年1月15日発売/機種:セガサターン)
- 『地獄遊園殺人事件』(1998年4月26日発売/機種:プレイステーション)
- 金田一一:岩永哲哉/七瀬美雪:宮村優子/剣持勇:高橋功/明智健悟:森川智之(アニメ版と同じ)/佐木竜二:結城比呂
- 『青龍伝説殺人事件』(1999年8月5日発売/機種:プレイステーション)
- 金田一一:岩永哲哉/七瀬美雪:宮村優子/剣持勇:大塚明夫/明智健悟:森川智之(アニメ版と同じ)
- 『10年目の招待状』(2000年12月16日発売/機種:ゲームボーイ)
CDブック
2005年現在、2本のCDブックが発売されている。声優はアニメ版とは全く異なる。
- 悪魔組曲殺人事件(1996年1月17日、講談社(後にワンダーエンターテイメントより復刊、現在絶版))
- ドラマ化とアニメ化がされた作品。extraCDとして、【ミセス金田一の事件簿】が同梱してある。
- 死神病院殺人事件(1997年4月21日、講談社(後にワンダーエンターテイメントより復刊、現在絶版))
- アニメ化された作品だが、トリックを含め、その内容は大きく変更されている。extraCDとして、【明智警視の華麗なる休日】が同梱してあり、こちらのストーリーもアニメ化されている。
その他
金田一耕助について
主人公・一の祖父とされている金田一耕助は、元々小説家横溝正史の創り出した日本屈指の推理小説の主人公である。
本作において、ただの高校生が事件を解決する理由を「有名な名探偵の孫だから」の一言で説明したのは見事な設定といえるが、実際の小説内において金田一耕助には孫以前に子供がいるという事を示す文章すら書かれたことが無く、作品の認知度が上がると共に横溝正史の遺族側より抗議を受けたことが一部で報道された。現在は遺族側との話し合いも終了したと思われる。
なお金田一耕助の女性関係に関しては諸説あり、最も有力とされるのは生涯独身で愛した女性は数人という説である。しかし一方で女癖が悪いととれる描写もあり、真偽の程は定かではない。作中で、愛したことをハッキリと描写された女性は二人(『獄門島』の鬼頭早苗と『女怪』の持田虹子)いる。この他にも、探偵業を引退し日本へ帰国した後結婚、余生を日本で送った説なども存在する。
登場単語ランキング
金田一少年の事件簿、1~27巻の中で最も多く出てきた単語は次のとおり。しかしその後に続篇が発表されているためにやや統計が変化していると思われる。
- 「犯人」(220語)
- 「オーナー」(125語)
- 「部屋」(97語)
- 「アリバイ」(76語)
- 「村」(64語)
※『爆笑問題のバク天!』調べ
外部リンク
よみうりテレビ系 月曜19:00枠 | ||
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金田一少年の事件簿
(アニメ) |