高校生国際美術展
高校生国際美術展(こうこうせいこくさいびじゅつてん)とは、高校生を対象とした、書道と美術の公募展。通称は「こうこうび」。
概要
高校生を対象とし、豊かな才能の育成と国際親睦[1]、国際交流を深めることを目的とする出品料無料の公募展[2]。毎年6月〜8月頃に開催される。
審査対象は、書の部(漢字、かな、漢字かな交じり、篆刻)と美術の部(平面作品、立体作品)がある[3]。主催は、高校生国際美術展実行委員会。書道で入選すると、無料で表装した自作品をもらえる[2]。
美術展では12〜14ヶ国程度の外国人高校生の優秀作品も同時に展示される[4]。また、海外から出品する外国人高校生の来日もあり、表彰式の前後には、上位入賞者の日本人と外国人受賞者を招いて一日箱根懇親旅行が催されるなど、高校生同士の国際交流も図っている[2]。
第1回の開催では、オーストラリア人の高校生が来日し、オーストラリアの優秀作品と日本人の高校生との入賞作品が展示されていた。2006年からは、日本、オーストラリアだけでなく多くの国の高校生の優秀作品も同時展示されるようになり、名称も「高校生国際美術展」に変更された。
審査においては学校名や個人名をふせ、作品のみの審査が行われている[3]。審査基準は「あまり完成度が高くなくても、キラリと光る個性・感性を感じる作品」に賞を出しているという。実行委員長の半田は「高校生は大人の始まりであり、この年齢からキラリと光る才能が開花するものであり、その才能を勇気づけ、自信を持ってもらうためである」などと述べている[2]。
2012年第13回美術展では、廃校が決定し本美術展への最後の挑戦となる青森県立青森戸山高等学校美術科から3名が受賞し、話題となった[1][3]。
2013年第14回では、アイルランド、イギリス、イスラエル、インドネシア、エジプト、カンボジア、シンガポール、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス、ロシアの14ヵ国からの海外参加があり、14ヵ国から高校生が訪日した[5]。開会式や表彰式では、文化庁、外務省、東京都、メディア、各国大使館等からの出席がある[2]。
歴史
高校生国際美術展実行委員会
開催リスト
回数 | 年 | 日時 | 展示場 | 最優秀校賞 (美術の部) |
最優秀校賞 (書の部) |
表彰式・懇親会会場 | 応募総数 (展示数) |
主な来賓 |
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第1回 | 2000年 | 7月25日-31日 | オーストラリア大使館 | オーストラリア大使館 | ピーター・グレー(オーストラリア大使) | |||
第2回 | 2001年 | 7月14日-30日 | オーストラリア大使館 | オーストラリア大使館 | (約130点[6]) |
レオニー・ボクステル(オーストラリア大使館参事官) | ||
第3回 | 2002年 | 7月24日-28日 | 東京国際フォーラム | 東京国際フォーラム | (約140点[7]) |
キャシー・ギャラガー(オーストラリア大使館参事官) | ||
第4回 | 2003年 | 7月30日-8月3日 | 東京国際フォーラム | 東京国際フォーラム | 約4,000点 (320点[8]) |
キャシー・ギャラガー | ||
第5回 | 2004年 | 8月3日-6日 | 東京国際フォーラム | 東京国際フォーラム | 栗本慎一郎、栗林義信 | |||
第6回 | 2005年 | 7月26日-29日 | 日中友好会館 | 日中友好会館 | 栗本慎一郎、栗林義信、サラハ・エルサデック(駐日エジプト大使館臨時代理大使)、プー・ソティレアッ(在日カンボジア王国特命全権大使) | |||
第7回 | 2006年 | 7月26日-30日 | 日中友好会館 | 日中友好会館 | 趙宝智(中華人民共和国駐日本国大使館公使参事官)、チア・キムター(駐日カンボジア王国大使館公使参事官)、サラハ・エルサデック(エジプト・アラブ共和国大使館全権公使) | |||
第8回 | 2007年 | 7月29日-8月2日 | 上野の森美術館 | 上野精養軒 | ヒシャム・バドル(駐日エジプト・アラブ共和国大使館)、プー・ソティレアッ(駐日カンボジア王国大使館)、張愛平(中華人民共和国中日本国大使館公使参次官) | |||
第9回 | 2008年 | 7月29日-8月2日 | 上野の森美術館 | 横須賀市立横須賀総合高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 上野精養軒 | シートン・チンヨーティン大使、ジェイスン・ジェイムズ駐日大使 | |
第10回 | 2009年 | 7月29日-8月2日 | 上野の森美術館 | 福岡県立八幡中央高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 上野精養軒 | 栗本慎一郎、他各国大使等。 | |
第11回 | 2010年 | 7月29日-8月2日 | 上野の森美術館 | 宮崎日本大学高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 上野精養軒 | 栗本慎一郎、ブレンダン・スキャネル(駐日アイルランド大使館)、バッサム・ラディ(在日エジプト・アラブ共和国大使館次席大使/参事官)、ユナタン・ツァドカー(駐日イスラエル大使館一等書記官)、チア・キムター(駐日カンボジア王国大使館公使参事官)、張愛平 | |
第12回 | 2011年 | 7月27日-30日 | 上野の森美術館 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 上野精養軒 | 栗本慎一郎、他各国大使等。 | |
第13回 | 2012年 | 6月28日-7月7日 | 国立新美術館 | 福岡県立太宰府高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 政策研究大学院大学 | 10186点[2] |
安倍晋三、下村博文、亀井静香、鳩山邦夫[1][3]。他各国大使等。 |
第14回 | 2013年 | 6月26日-7月7日 | 国立新美術館 | 千葉県立柏の葉高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | ザ・リッツ・カールトン東京 | 10,812点 (367点)[9][5] |
北原照久他 |
第15回 | 2014年 | 6月25日-7月6日 | 国立新美術館 | 千葉県立幕張総合高等学校 | 埼玉県立大宮光陵高等学校 | 11,547点 (394点)[10] |
各賞
2014年第15回美術展では、以下の受賞があった。書と美術で各1、合計で2点が受賞する。新聞社等の後援団体の増減により、毎年、各賞名に若干の変化がある。
後援
- 文化庁
- 外務省
- 東京都教育委員会
- 産経新聞社
- 日刊スポーツ新聞社
- 協和協会
- 日本・ロシア協会
- 日本エジプト芸術文化振興協会
- 全国書道高等学校協議会
- 全日本高等学校芸術教育協議会書道部会
- 全国高等学校文化連盟全国書道専門部
- 全日本高等学校書道教育研究会
- 全国高等学校美術工芸教育研究会
- 駐日アイルランド大使館
- 駐日イスラエル大使館
- 駐日インドネシア共和国大使館
- 駐日エジプト・アラブ共和国大使館
- カンボジア王国政府/駐日カンボジア王国大使館
- 駐日シンガポール共和国大使館
- 中華人民共和国駐日本国大使館
- 駐日フィリピン共和国大使館
- ブリティッシュ・カウンシル
- 駐日ベトナム社会主義共和国大使館
- 駐日マレーシア大使館
- 駐日ミャンマー連邦共和国大使館
- 駐日ラオス人民民主共和国大使館
- ロシア連邦交流庁
- 在日ロシア連邦大使館
テレビ放映
- 「世界へ踏み出せ 〜第11回高校生国際美術展〜[11]」 BS11 2011年4月10日(日)20:00〜20:54
- 「サクセス登龍門」:第12回美術展上位入賞者4名がゲスト出演 BS11 2011年8月16日(火)、2011年8月23日(火)23:00〜23:29
- 「アートから学ぶ 〜第12回高校生国際美術展〜[12]」 BS11 2011年9月4日(日)20:00〜20:54
- 「サクセス登龍門」:第13回美術展上位入賞者4名がゲスト出演[13] BS11 2012年8月14日(火)23:30〜23:59
インターネットテレビ
- 第14回高校生国際美術展(HANDA.TV 2013年4月〜)
関連項目
- 世界芸術文化振興協会(協賛団体)
脚注
- ^ a b c 日刊スポーツ新聞 2012年7月16日。
- ^ a b c d e f “第13回高校生国際美術展 美術作品を通じて国際交流盛んに”. 日中新聞. 日中新聞社. 26 July 2012. 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ.
{{cite news}}
: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ a b c d 「第13回高校生国際美術展 さまざまな国の若い感性が輝いている」月刊ギャラリーvol.7、2012年7月号。
- ^ “第14回「高校生国際美術展」公募規定”. 高校生国際美術展実行委員会. 2013年12月4日閲覧。
- ^ a b “第14回高校生国際美術展 日本と世界の高校生が芸術交流”. 日中新聞. 日中新聞社. 6 August 2013. 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ.
{{cite news}}
: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ “高校生美術祭の優秀作品を展示”. 産経新聞. 産業経済新聞社. 25 July 2001.
- ^ “高校生美術祭で作品約140点展示”. 産経新聞. 産業経済新聞社. 25 July 2002.
- ^ “高校生の力作320点展示”. 産経新聞. 産業経済新聞社. 1 August 2003.
- ^ 「第14回高校生国際美術展」『ギャラリー』第8巻第340号、ギャラリーステーション、2013年8月、50-51頁。
- ^ 第15回高校生国際美術展審査概要
- ^ 世界へ踏み出せ 〜第11回高校生国際美術展〜
- ^ アートから学ぶ 〜第12回高校生国際美術展〜
- ^ バックナンバー|サクセス登龍門