嫌中

中国や中国人への否定的な感情

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嫌中(けんちゅう)とは、中華人民共和国及び中国人に対するクセノフォビア(外国人嫌悪)感情のひとつである。

中華人民共和国に関連する全ての事象(急激な経済成長・中華文化・中華思想中国共産党による一党支配体制等)を嫌悪する態度の総称であり、日本の場合は歴史認識や政策など、歴史的・政治的・経済的な様々な対立点から、中華人民共和国に対して不信感や嫌悪感を抱くものである。

概要

  • 嫌中とは言っても、全ての中国人漢民族を対象としているとは限らない。漢民族の中では台湾人を除外していることが多い。これは、一部の保守政治家が中華人民共和国を国家と認めず、台湾即ち中華民国を中国唯一の合法政府としており、台湾を対象に含めてしまうとそのことと矛盾してしまうためとも言える(台湾の支配層の多くは外省人(漢民族)である)。しかし、中華民国も「中国系政府」として中華民国政府が批判対象に入る場合がある(この場合は台湾が批判対象と見做すのは誤りである)。また、中国の少数民族、特にチベット族ウイグル族は中国共産党に弾圧されていると見なされ、嫌悪の対象にはならないことが多い。中国共産党政府と対立している法輪功に対しても、基本的に弾圧されていると見なすことが多いが、その一方で憎悪の対象となる場合も一部には存在する。
  • 産経新聞曰く“2005年の中国における反日活動や、東シナ海ガス田問題靖国参拝問題尖閣諸島問題、中国で行われている反日教育2007年から、2008年にかけて相次いで明らかになった中国産食品中国製品の安全性問題などの諸問題により日本人の間で中国に対する嫌悪感が広がりつつある”[1]
  • 2010年9月の尖閣諸島における違法操業漁船が、海上保安庁の巡視船に故意に衝突した直後から、中国各所で官製反日デモが繰り広げられ、多くの日本料理店などの日系企業が襲撃を受けた。さらに、環境修復事業の現場踏査していた日本企業フジタの技術者を拘束し、レアアースの輸出禁止処置等を中国か行った。政治的には、橋下大阪府知事の訪中をキャンセルするなど外交予定をめまぐるしく変更した。これらの無法行為により、日本人の嫌中意識は飛躍的に増大し、日本全国で中国に抗議するデモが繰り広げられた。
  • 南京事件否定論者である桜井誠のように「朝鮮人支那人(原文ママ)が本質的に非倫理的な文化を持っている」[2]と主張するなど、韓国や北朝鮮・中国に批判的な見地から嫌悪の対象とする傾向も存在する。
  • 支那(もしくは「シナ」)という呼称が用いられることがある。支那には「中国」では含まれるチベットウイグル内モンゴル満州・台湾は一切含まれないとして使用する者もいる[3]
  • 嫌韓と同様に中華人民共和国、韓国北朝鮮を一括して「特定アジア」ないし「反日ファシズム」と呼称して嫌悪感を表明する場合が多く、日本の近隣諸国全般(前述のように台湾を除く)を批判対象としており、共産主義国家を批判対象とした反共主義とは別のものである。
  • 親中派など中国に好意的な日本人を「反日左翼」「媚中」と呼称して批判の対象に含む場合もある。この場合の「左翼」は罵倒語であり、自民党所属の者をこう呼ぶ場合もある[要出典]
  • チベット問題中国の人権問題から中国共産党を厳しく批判するリベラル派・左派もいるが、こうした人々は反中ではあっても嫌中とは呼ばれない[要出典]

具体例

  • 産経新聞などの保守論壇で、新保守主義者を中心に中国脅威論を展開する反中的なメディアが使用する言葉に、彼らが親中派とみなす立場の者を指して言う「媚中」という呼称がある。中国が関わったマイナス情報について“歓迎”する形で2ちゃんねるなどネット上、あるいは前述の保守論壇で表明する場合が多い。
  • 中国に対して融和的な論調を展開することの多い朝日新聞毎日新聞等を「中国政府の窓口」「中共(中国共産党の蔑称)の代弁者」であるとして揶揄・批判の対象とする場合もある。
  • 西尾幹二は、「台湾も所詮は中国の一部分であり、擁護に値しない」と雑誌『正論』などで批判したため、日本における親台湾派の保守系言論人と友好的であった金美齢らの怒りを買った。また西尾の嫌中から来る台湾独立運動批判に対して、とりわけ激しく反応したのが小林よしのりであった。そのため、つくる会の運動を空中分解させる一因にもなった。[要出典]
  • 日本国内でよく聞かれる嫌中の声としては、次のようなものがある。1.民族・社会的な面:日本や世界各地の観光地での観光客のマナーの悪さ、自己主張の強さ、日本国内での中国人による犯罪の増加 2.政治・軍事的な面:歴史認識を引きずる非未来志向の外交姿勢、首相の靖国神社参拝などへの内政干渉、尖閣諸島付近への領海侵犯や軍用機の異常接近 3.経済・ビジネス・環境的な面:GDPで日本を抜くなど経済力による脅威、PM2.5などによる大気汚染(風に乗って日本にも飛来)、食品製造などでの衛生管理のずさんさ、コピー商品海賊版などによる知的財産権の侵害

世界の嫌中度

米民間調査機関ピュー・リサーチ・センターによる「嫌中度」調査によると、日本が84%、フランスが72%、ドイツが68%、米国が42%と、日本と欧州で嫌中度が高くなっている[4]。特に日本では中国に対し半分以上(55%)が中国を好意的に見ていた2002年からはかなり嫌中度が増している。

アジア

フィリピン

  • 香港には多くのフィリピン人メイドたちの間では「香港人はフィリピン人メイドを奴隷のように扱っている」との不満が絶えない。弱い立場にいるメイドをに対する理不尽な動きに対しては、フィリピン国内でも「中国人は視野が狭い」「民族主義的である」「内政干渉である」といった批判がある。

ベトナム

  • 2014年ベトナムと中国などが領有権を主張する南沙諸島周辺での船の妨害事件が起きたことから、ベトナム国内で中国系企業への襲撃やデモが相次ぎ、領土問題を契機とした嫌中感情が高まっている。なお、ベトナムはかつて中国の王朝に支配された歴史を持ち、歴史的にも対中感情には複雑なものがある。

アフリカ

ガーナ

  • ガーナ中国友好連合(GCFU)は、ガーナの若者などがこれまでに鉱業分野で働く87人以上の中国人を銃殺したことを発表している。

ザンビア

  • 2012年8月、中国人が経営する炭鉱で事件が発生を契機に、労働環境や賃金の改善を求めた労働者による抗議が、暴動に発展した。
  • 野党の大統領候補が「私が当選したら中国資本を追い出す」と公約した。2006年9月1日で新華社通信

関連人物

脚注

  1. ^ “「五輪の中国」好感度は激減 国際世論調査”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2008年6月13日). オリジナルの2008年6月19日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20080619125246/http://sankei.jp.msn.com/world/america/080613/amr0806131906014-n1.htm 
  2. ^ 桜井誠ブログ「wikiにみる左翼の狂態」2007年05月18日。
  3. ^ 漫画家の小林よしのりは自らの著書の「天皇論」にて、著書内で書いている「シナ」にはチベットやウイグル・内モンゴル・満州・台湾は一切含んでいないとしている
  4. ^ “嫌中、日欧で拡大=米世論機関、24カ国で調査”. goo ビジネスEX. 時事通信 (goo). (2008年6月13日). オリジナルの2008年6月13日時点におけるアーカイブ。. http://s01.megalodon.jp/2008-0613-1250-05/bizex.goo.ne.jp/news/jiji-080613X460/ 

参考

関連項目