流星ワゴン
『流星ワゴン』(りゅうせいワゴン)は、重松清による長編小説。2001年1月号から12月号まで講談社の月刊小説誌『小説現代』に連載され、2002年2月8日に講談社から単行本が刊行された。直木賞受賞 (『ビタミンF』で2000年下半期)後初の長篇である。2002年度の本の雑誌年間ベスト1に輝いた。2005年2月15日には講談社文庫版が刊行された。
流星ワゴン | ||
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著者 | 重松清 | |
発行日 | 2002年2月8日 | |
発行元 | 講談社 | |
ジャンル | 小説 | |
国 |
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言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判 | |
ページ数 | 392 | |
公式サイト | 流星ワゴン 講談社 | |
コード |
ISBN 978-4-06-211110-2 ISBN 978-4-06-274998-5(A6判) | |
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あらすじ
永田一雄は死んじゃってもいいかな、と思っていた。
仕事はリストラ寸前・妻からは離婚・子供は引きこもり。地元で入院している父親を見舞に行った時に貰える交通費の余りで何とか暮らしている有様。その父親も癌でいつ死ぬかも分からない。父親の見舞帰りに駅で酒を飲んで酔っ払っていると、ロータリーに1台の車が停まっている事に気が付く。その車には5年前、偶然見た新聞の交通事故の記事で死亡が報じられた橋本親子が乗っていた。言われるがままにその車に乗り込む一雄。そしてその車は一雄を、人生の分岐点へと向かう。
降り立ったのは、仕事の途中で妻を見かけた日。他人の空似だろうと仕事に戻ろうとした所に、一人の男が目の前に現れた。一雄はその男の事を、よく知っていた。
その男は今の自分と同い年、38歳の時の父親だったのだ。
登場人物
- 永田一雄
- 本作の主人公、38歳。人生をやり直していく内に、自分が知らなかった様々な事を知る事になる。
- 永田忠雄
- 一雄の父親。瀬戸内海近辺の病院で入院している。金融業を営んでいたが、今は長女の夫の伸之に任せている。ひょんな事から、38歳の姿で一雄の前に現れる。愛称は「チュウさん」。記憶も38歳までしかない。
- 永田美代子
- 一雄の妻。一雄に離婚を申し出る。
- 永田広樹
- 一雄の息子。中学受験に失敗し、そのせいでイジメにあって引きこもりになる。
- 智子
- 一雄の妹。地元に残って忠雄の面倒を見ている。
- 伸之
- 智子の夫。忠雄に代わって会社をきりもりしている。
- 橋本義明
- 5年前に自身が運転する車で交通事故を起こして死亡した。健太の義父。生きていれば、一雄と同い年。
- 橋本健太
- 5年前に義明が運転する車に乗り、交通事故で死んでしまった。母親に逢いたがっている。
舞台
劇団銅鑼版
2005年に劇団銅鑼にて舞台化・初演され、2006年・2007年・2008年・2010年と続けて上演されている。脚色は青木豪、演出は磯村純(青年座)。
出演
- 永田一雄 - 立野元彦/井上太
- 永田美代子 - 馬渕真希
- 永田忠雄 - 久保田勝彦
- 橋本義明 - 三田直門
- 男 - 中山陽介
- 女 - 染谷麻衣(劇団昴)
演劇集団キャラメルボックス版
2011年に演劇集団キャラメルボックスにて舞台化された。原作と大きく違う点として、主点が本の読者である小島孝美(舞台オリジナル)の視点で描かれている。脚本は成井豊、演出は成井豊+真柴あずき。OPテーマとしてSEKAI NO OWARIのスターライトパレードが使用されている。
また、本作をキャラメルボックスで舞台化したいと最初に提案したのは当時劇団員だったOBの上川隆也。2005年時に問い合わせたが別の劇団が計画しているという事で一度断念。後に重松清と小野真弓がナビゲーターをしているMBSラジオの『マイ・ストーリー』にキャラメルボックス劇団員が朗読をする事となり、それをキッカケに上演する事が出来た。
出演
テレビドラマ
流星ワゴン | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 重松清『流星ワゴン』 |
脚本 | 八津弘幸 |
演出 |
福澤克雄 棚澤孝義 田中健太 |
出演者 |
西島秀俊 香川照之 吉岡秀隆 |
製作 | |
プロデューサー |
伊與田英徳 川嶋龍太郎 |
制作 | TBS |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2015年1月18日 - 3月(予定) |
放送時間 | 日曜21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
公式サイト |
2015年1月18日から毎週日曜日21:00 - 21:54に、TBS系の「日曜劇場」枠で放送中。西島秀俊と香川照之のW主演[1]。日曜劇場枠では2013年1月期に放送された『とんび』以来の重松清作品のドラマ化である。原作では一雄、忠雄の故郷は「瀬戸内海に面したふるさとの町」と記述されており街の名前は不詳だが、監督の福澤克雄が瀬戸内海全ての海岸をロケハンし、広島県福山市鞆の浦を気に入り、二人の故郷として設定した[2]。
キャスト
詳細な人物設定は原作の登場人物を参照。本項ではドラマ独自の人物設定を記載。
- 2013年 - 2015年
- 5年前 ワゴン事故
- 30年前 福山市鞆の浦
スタッフ
- 原作 - 重松清『流星ワゴン』(講談社文庫刊)
- 脚本 - 八津弘幸
- 音楽 - 千住明
- 演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
- 主題歌 - サザンオールスターズ「イヤな事だらけの世の中で」(タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント)[7]
- 脚本協力 - 松田沙也
- 撮影監督 - 淺野太郎
- 美術プロデューサー・デザイナー - 大西孝紀
- タイトル - 井田久美子
- 選曲 - 御園雅也
- 医療指導 - 岩崎善毅
- 特殊メイク - 飯田文江
- 方言指導 - 日笠圭
- プロデューサー - 伊與田英徳、川嶋龍太郎
- 製作著作 - TBS
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率[8] | |||
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第1話 | 1月18日 | 110万部のベストセラー小説初の映像化親と子の感動サクセスストーリー誕生!! 父が自分の年齢の時この苦境をどう乗り越えただろうか!?涙のドタバタ展開!! |
福澤克雄 | 11.1%[9] | |||
(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ社調べ) |
コラボレーション
日本全国のローソン各店で2015年1月1日から期間限定でテレビドラマ化を記念して「流星ワゴン×LAWSON」のキャンペーンを実施。主演の西島と香川のコメント付き店内放送や、番組のオリジナルグッズなどを販売する。[10]
TBS系 日曜劇場 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ごめんね青春!
(2014.10.12 - 2014.12.21) |
流星ワゴン
(2015.1.18 - ) |
脚注
- ^ “西島秀俊&香川照之 父子役で共演!半沢スタッフ集結「流星ワゴン」”. スポニチアネックス (2014年11月26日). 2014年11月26日閲覧。
- ^ “西島秀俊主演!直木賞作家・重松清ベストセラー小説「流星ワゴン」ドラマ化!!”. 福山観光情報〜ノスタルジック&モダンな街フクヤマ〜. 福山観光コンベンション協会. 2015年1月15日閲覧。
- ^ “西島秀俊を主演に重松清「流星ワゴン」を映像化”. webザテレビジョン (2014年11月26日). 2014年11月26日閲覧。
- ^ “西島秀俊主演! 直木賞作家・重松清ベストセラー小説「流星ワゴン」ドラマ化”. CinemaCafe.net (2014年11月26日). 2014年11月26日閲覧。
- ^ “西島秀俊の父親役に香川照之=「流星ワゴン」ドラマ化、「衝撃のキャスティング」”. 時事通信 (2014年11月26日). 2014年11月26日閲覧。
- ^ “西島秀俊、井川遥ら豪華キャストで新ドラマ ベストセラー小説を映像化”. モデルプレス (2014年11月26日). 2014年11月26日閲覧。
- ^ “サザン、半沢直樹チームが手がけるTBS新ドラマ主題歌担当”. ナタリー (2014年12月9日). 2014年12月8日閲覧。
- ^ 流星ワゴン、スポニチアネックス、2015年1月21日閲覧。
- ^ “西島秀俊&香川照之主演「流星ワゴン」初回は11.1%”. スポーツニッポン. 2015年1月19日閲覧。
- ^ “関連情報”. 流星ワゴン. TBS. 2015年1月12日閲覧。
外部リンク
- 舞台
- テレビドラマ