Olive (雑誌)
『オリーブ』(Olive)は、日本の女性向けファッション雑誌である。マガジンハウスより1982年(昭和57年)に創刊され、2003年8月号をもって休刊した。
沿革
当初は月2回刊。発売時のキャッチコピーは「Magazine for City Girls」。当初は女子大生向けの情報誌として、男性向け雑誌『ポパイ』の姉妹誌という位置づけであった。
1983年(昭和58年)リニューアルされて『ポパイ』より独立。「Magazine for Romantic Girls」のキャッチコピーを掲げ、「リセエンヌ」(lycéenne 仏:lycéeの女子学生)などのライフスタイルを提示、中高生を含む、ティーン向けの文化をキャッチおよび発信する雑誌となった。
2000年(平成12年)7月18日号をもって休刊し、月刊誌にリニューアルされて一時復刊されるが、2003年(平成15年)6月18日発売の8月号をもって再び休刊となった。
2014年(平成26年)マガジンハウスのファッション雑誌『GINZA』6月号の特集「ファッション雑誌を読みましょう」の一企画として復活。「17歳の私へ オリーブが教えてくれたこと」と題し、同誌を支えてきたスタイリストの大森伃佑子の協力のもと、2014年度版『オリーブ』を表現した[1]。マガジンハウスが2015年に迎える70周年の記念事業の一つとして「Oliveプロジェクト」が発足[2]。
現代文化雑誌としての『オリーブ』
『オリーブ』は、特に1980年代においては、実用的なファッション雑誌というより、のちに「ガーリー(>girlish)」と呼ばれる、新しいタイプの都会的少女文化を提示するサブカルチャー雑誌というべき存在であった。主要読者層の想定としてミッション系、一貫教育校などの中高生や帰国子女を含み、音楽、映画、インテリア、絵本など文化記事に力を入れ、当時『オリーブ』の愛読者でリセエンヌ的なファッションやライフスタイルにこだわる若い女性はオリーブ少女といわれた。
しかし、1990年代以降、読者層としていた10代の女性の指向が以前より現実的なものになり、より実用的なファッション雑誌に読者が流れた。『オリーブ』の提示した先鋭的な美意識が拡散し一般的なものになるにつれ、それまで唯一無二のものであった『オリーブ』の立ち位置が曖昧になってしまったともいえる。1990年代の『オリーブ』は文化や生活全般を題材にするという姿勢は崩さないものの、より地に足のついた実践的な記事が増える傾向にあり、2000年代のスローライフに通じるようなコンセプトが強まっていった。
『オリーブ』的とされる事柄
登場モデル
- 歴代専属モデル
- その他の登場モデル
編集者・ライター
- 編集長
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- 淀川美代子 - 1980年代に3代目編集長として、「ロマンティック・ガール」を掲げ本誌のファンタスティックなコンセプトを確立した。
- 遠山こずえ - 1990年代中期に5代目編集長を担当しており、1990年代の本誌の、ナチュラル・生活派指向のコンセプトを推進した。
- 寄稿ライター
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- 1980年代
- 1990年代
- 2000年代
関連人物
脚注
- ^ “ギンザ最新号で少女雑誌「オリーブ」が復活”. Fashionsnap. (2014年5月12日) 2015年1月1日閲覧。
- ^ a b “「オリーブ」特別号発行 マガジンハウスが「Oliveプロジェクト」発足”. Fashionsnap. (2014年9月24日) 2015年1月1日閲覧。
- ^ 「サイゾーウーマン」VACANT課外授業レポート、2013年11月23日付、「オリーブ世代と90年代生まれが受容する、「Olive」の女子カルチャーの“あり方”」、2013年11月28日閲覧。
- ^ 本橋康治 (2012年6月28日). “Olive 1982-2003 雑誌『オリーブ』のクリエイティビティ”. アクロス. パルコ. 2015年1月31日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Oliveプロジェクト (olivemagazineproject) - Facebook
- Olive1982-2003 雑誌『オリーブ』のクリエイティビティ - 金沢21世紀美術館