尊勝仏頂

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尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)、梵名ヴィキラノーシュニーシャ (विकिरणोष्णीष [vikiraNoSNiiSa])は、如来肉髻(にっけい、頭頂部の椀状の盛り上がり)を神格化したの一種、仏頂尊の一尊。

和歌山・根来寺大伝法堂 手前から尊勝仏頂、大日如来、金剛薩埵

三昧耶形は独杵鉤(独杵金剛杵をあしらった鉤)。種子はコロン(hruuM)。

ちなみに梵名に含まれる「ヴィキラナ」とはサンスクリット語で「まき散らす」「(髪などを)振り乱す」の意味。 その霊験を以て、あらゆる罪業、障害などを粉砕する様を表現したものである。 ここから除障仏頂捨除仏頂摧破仏頂摧砕仏頂などとも呼ばれる。

その姿は、胎蔵界曼荼羅釈迦院では装身具を身に着けた菩薩形で、右手は中指と薬指を曲げて胸に当てる。左手は蓮華を持ち、その華の上に独杵鉤が乗っている。

一方尊勝仏頂曼荼羅では、菩薩形で両手を定印の印相にし、その上に独杵鉤の乗った蓮華を持つ。

尊勝仏頂に捧げられた陀羅尼として「仏頂尊勝陀羅尼」が知られる。これは、唱える事によって滅罪、生善、息災延命などの利益が得られるとして日本でも古くから知られ、多くの霊験談が残されている。特に百鬼夜行に巻き込まれた場合、この陀羅尼を唱えたり書き記した護符を身につけることによって難を逃れるという。