道南いさりび鉄道

道南いさりび鉄道株式会社（どうなんいさりびてつどう）は、北海道札幌市中央区に本社を置く、第三セクター方式の鉄道事業者（第三セクター鉄道）である。

道南いさりび鉄道株式会社

市場情報	非上場
本社所在地	日本 〒060-0003 北海道札幌市中央区北3条西6丁目1番地[1]
設立	2014年（平成26年）8月1日
業種	陸運業
法人番号	3430001067100
事業内容	鉄道事業
代表者	荒川裕生（取締役社長）[注 1][2]
資本金	2億2,600万円[1]
主要株主	#株主の節を参照
テンプレートを表示

概要

2016年（平成28年）3月に予定されている北海道新幹線の新青森駅 - 新函館北斗駅間の開業に伴い、並行在来線として北海道旅客鉄道（JR北海道）から経営分離される江差線の運営を担う鉄道事業者である。北海道や沿線の地方自治体（函館市、北斗市、上磯郡木古内町）等の出資により、2014年（平成26年）8月1日に「北海道道南地域並行在来線準備株式会社」（ほっかいどうどうなんちいきへいこうざいらいせんじゅんび）として設立された^[2]。当初は同年5月に設立する予定であったが^[3]、JR北海道の度重なる不祥事により、安全運行体制を整えるために設立スケジュールを見直したため、設立が延期となった^[4]。

2014年（平成26年）10月1日から11月23日にかけて社名の一般公募を実施^[5]。応募総数6,207件の中から選考した結果、同年12月24日に社名を道南いさりび鉄道株式会社とすることが発表され^[6]、2015年（平成27年）1月1日から同社名に改称した。

会社名は沿線で見られるイカ釣り漁船の幻想的な漁火（いさりび）が由来となっており、「海や風、星といったキーワードを含んだ名称が多数寄せられ、この地域を表すワードで最も強い推薦があった『いさりび』に集約された」ことが選考理由とされる^[7]。

沿革

会社設立前

• 2005年（平成17年）
  • 7月21日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」設置^[8]。
  • 9月5日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第1回幹事会^[9]。
  • 11月8日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第2回幹事会^[9]。
• 2006年（平成18年）
  • 6月13日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第3回幹事会^[9]。
  • 8月30日 - 31日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第4回幹事会^[9]。
  • 10月13日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第5回幹事会^[9]。
  • 11月7日 - 8日：第三セクター鉄道運営に係る他県事例調査（青森県・岩手県）^[9]。
  • 11月13日 - 14日：第三セクター鉄道運営に係る他県事例調査（鹿児島県）^[9]。
  • 11月20日 - 21日：第三セクター鉄道運営に係る他県事例調査（長野県）^[9]。
• 2007年（平成19年）
  • 2月1日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第6回幹事会^[9]。他県事例調査の実施結果を報告。
  • 6月21日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第7回幹事会^[9]。
  • 10月31日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第8回幹事会^[9]。
• 2008年（平成20年）
  • 2月19日：「北海道道南地域並行在来線対策協議会」第9回幹事会^[9]。
  • 5月8日：第2回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[10][9]。
• 2009年（平成21年）5月7日：第3回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[11]。
• 2010年（平成22年）5月14日：第4回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[12]。
• 2011年（平成23年）
  • 5月10日：第5回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[13]。
  • 10月31日：第6回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[14]。
• 2012年（平成24年）
  • 1月19日：第7回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[15]。
  • 2月14日：第8回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[16]。
  • 5月23日：第9回「北海道道南地域並行在来線対策協議会」開催^[17][18]。代替機関を第三セクター鉄道方式とすることで合意。「北海道道南地域並行在来線対策協議会」を「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」に組織改正。
• 2013年（平成25年）
  • 1月25日：第2回「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」開催^[19][20]。
  • 3月25日：第3回「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」開催^[21][3][22]。
  • 8月23日：第4回「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」開催^[23][24]。
• 2014年（平成26年）
  • 1月16日：第5回「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」開催^[25][4][26]。
  • 5月15日：第6回「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」開催^[27][28]。
  • 7月15日：第7回「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」開催^{[29][30][1][31]}。

会社設立後

• 2014年（平成26年）
  • 8月1日：「北海道道南地域並行在来線準備株式会社」設立^[2]。
  • 8月29日：第1回安全管理アドバイザリー会議を開催。
  • 10月1日：同日から11月23日にかけて、社名の一般公募を実施^[5]。
  • 11月4日：第2回安全管理アドバイザリー会議を開催。
  • 12月24日：先述の一般公募の結果、社名を「道南いさりび鉄道」とすることを発表^[6]。
• 2015年（平成27年）1月1日：社名を「道南いさりび鉄道」に改称^[6]。

株主

2014年8月1日現在の株主構成は以下の通り^[1]。

• 北海道 - 180,800株 (80.0%)
• 函館市 - 9,944株 (4.4%)
• 北斗市 - 25,312株 (11.2%)
• 木古内町 - 9,944株 (4.4%)

路線

江差線の全区間（五稜郭駅 - 木古内駅間、営業キロ：37.8 km）^{[注 2]}を引き継ぐ予定である。経営移管後の路線名については公式発表されていないが、同社は「いさりび線」を検討している^[32]。

指令システムおよび車両基地についてはJR北海道の施設・設備を共同使用する予定^[30]。

車両

JR北海道からキハ40形気動車が9両譲渡される予定^[30]。

運賃

JRの運賃の約1.3倍に値上げする^[30]。連絡運輸区間は原則函館駅 - 五稜郭駅間のみとし、定期券のみ五稜郭駅 - 森駅間も対象とする^[30]。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

1. ^ 北海道副知事。
2. ^ かつて江差線は五稜郭駅 - 江差駅間の路線であったが、2014年（平成26年）5月12日付で木古内駅 - 江差駅間が廃止となった。

出典

1. ^ ^{a b c d} 第7回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 資料4 (PDF)
2. ^ ^{a b c} “江差線第三セクター化に向け準備会社設立”. Response. (株式会社イード). (2014年8月3日). http://response.jp/article/2014/08/03/229135.html 2014年8月4日閲覧。 
3. ^ ^{a b} 第3回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 資料2 (PDF)
4. ^ ^{a b} 第5回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 資料1-1 (PDF)
5. ^ ^{a b} “会社名の公募結果について” (PDF) (Press release). 北海道道南地域並行在来線準備. 28 November 2014. 2014年11月30日閲覧.
6. ^ ^{a b c} “会社名の決定について” (PDF) (Press release). 北海道道南地域並行在来線準備. 24 December 2014. 2014年12月25日閲覧.
7. ^ “北海道）江差線の三セク新社名は「道南いさりび鉄道」”. 朝日新聞（朝日新聞デジタル） (朝日新聞社). (2014年12月25日). http://www.asahi.com/articles/ASGDS5K72GDSIIPE03B.html 2014年12月25日閲覧。 
8. ^ 第1回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
9. ^ ^{a b c d e f g h i j k l m} 第2回北海道道南地域並行在来線対策協議会 資料 (PDF)
10. ^ 第2回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
11. ^ 第3回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
12. ^ 第4回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
13. ^ 第5回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
14. ^ 第6回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
15. ^ 第7回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
16. ^ 第8回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
17. ^ 第9回北海道道南地域並行在来線対策協議会 次第 (PDF)
18. ^ 第9回北海道道南地域並行在来線対策協議会 資料 (PDF)
19. ^ 第2回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 次第 (PDF)
20. ^ 第2回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 議事録 (PDF)
21. ^ 第3回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 次第 (PDF)
22. ^ 第3回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 議事録 (PDF)
23. ^ 第4回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 次第 (PDF)
24. ^ 第4回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 議事録 (PDF)
25. ^ 第5回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 次第 (PDF)
26. ^ 第5回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 議事録 (PDF)
27. ^ 第6回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 次第 (PDF)
28. ^ 第6回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 議事録 (PDF)
29. ^ 第7回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 次第 (PDF)
30. ^ ^{a b c d e} 第7回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 資料2-3 (PDF)
31. ^ 第7回道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会 議事録 (PDF)
32. ^ “並行在来線の新社名「道南いさりび鉄道」”. 読売新聞（YOMIURI ONLINE） (読売新聞社). (2014年12月25日). http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20141224-OYTNT50415.html 2014年12月25日閲覧。 

関連項目

• 整備新幹線
• 北海道新幹線
• 第三セクター鉄道
• 江差線

外部リンク

• 道南いさりび鉄道株式会社 - 公式ホームページ
• 道南いさりび鉄道株式会社 - Facebook
• 「北海道道南地域並行在来線対策協議会」について - 北海道総合政策部交通政策局交通企画課
• 「道南地域（五稜郭・木古内間）第三セクター鉄道開業準備協議会」について - 北海道総合政策部交通政策局交通企画課