熊本市交通局1200形電車

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熊本市交通局1200形電車(くまもとしこうつうきょく1200がたでんしゃ)は熊本市交通局(熊本市電)の路面電車車両の形式である。

1210

車両概説

1958年1959年200形として東洋工機にて200 - 209の10両が製作された。1966年ワンマン化改造とともに1200形に改められ、原番号に千位の1を加えた現在の車番に変更されているが、200は1210に改番された。

構造

車体・車内設備

前面は中央が正方形の固定と下部に通風用上昇(後に廃し一枚固定化)、左右下部が上昇窓、上部が固定窓で、前面下部中央に前照灯、左右に尾灯と標識灯を配置している。上部中央には方向幕、右にはワンマン表示灯、下部右には系統表示板を入れるサボ受けがある。窓配置はD5D4の対称形で、下部上昇・上段固定式窓、引き戸の前中扉である。前年に導入された1090形では窓上のウインドヘッダーのみをなくしたが、本形式では窓下のウインドシルもなくしたノーシルノーヘッダー車体となり、窓ガラス1枚の面積が大きくなったので、ややすっきりした印象となっている。 サイドミラー用小型ワイパーの取付位置は全車内側である。また1210のみ前面の左右窓が固定一枚窓に改良されている。

1201には運転席窓柱に検測用スピードメーター(メーター本体は矢崎製作所製、いすゞ自動車大型車用)を備え、また運転士養成(乙種電気車免許取得)に際して教習・試験車両としても使用される。

新製当初は車内にオルゴールを取付けていたが、2年程で取り外された。また、車内用蛍光灯と放送装置を取付けたのはこの形が初めてとなる。

座席はロングシートである。冷房化により屋根上に冷房装置を搭載している。

現在の塗装は8200形に準じた白地に緑色の帯を配した塗装であるが、広告電車が多いためなかなか見ることができない。

また近年、乗降口ステップの改良工事を実施しているが1200形では最後まで未施工だった1204が2015年4月の検査時に改良された為、在籍する6両全車が完了した。

電装品・台車

直並列抵抗式を採用している。モータは東洋工機が製造した。モータは38kWのものを2基使用しており、1台車1モータ方式を採用している。

台車は1201~1204・1210が近畿車輛製KD-201形、1205~1209は住友金属製FS-74形である。

主要諸元

  • 製造初年:1958年
  • 全長:12,000mm
  • 全幅:2,306mm
  • 全高:3,805mm
  • 自重:16.4t
  • 車体構造:全金属製
  • 定員(着席):69(32)人
  • 電動機
    • 出力:36kW×2基
    • 駆動方式:吊掛方式
  • 制御方式:直並列抵抗式


日本初の冷房付路面電車

1978年8月に全国で初めて冷房装置を取付た路面電車が営業を開始した。

これは熊本市交通局と富士電機が共同開発した装置(FDA2225-1型)で600Vの架線電圧で直結駆動する方式で1202・1208の2両に取付け、乗客からはかなり好評を得た。また冷房効果は当時の家庭用冷房装置の約10倍はあったという。

後に改良型(FDA2225-2型)を取付時に在籍していた1051~1054、1061・1062の6両を除き順次取付け(連接車5000形も含む)、1980年には完了した。

外部ユニットは屋根上の車体中央部に取付け1202・1208は丸みを帯びた外観で車内ダクトは箱形。改良型は少々角ばった外観で車内ダクトは座席にも冷風が来る様、船底形に改良された。また冷房装置を取り付けた当初、1202・1208の2両はバンパーを水色に塗装し識別を図っていた。

現在は初期型を取付た1202と1208は8500形(1202→8504・1208→8502)に部品を提供し廃車となった為現存せず、改良型は一部の廃車を除き現在も使用している。

この冷房装置を取付たのをきっかけに各形式、各車ごとに取付位置が異なったパンタグラフが同じ位置に、またほぼ同じ向きに田崎橋・上熊本駅側に統一された。 ほぼ同じ向きなのは取付位置は同じだが、唯一1352号だけは逆向だからである。(詳細は1350形にて)

塗装及び広告車両

2015年5月現在

廃車

1985年に1206・1208、1986年に1202・1209が8500形に部品を転用する為に廃車となった為、1201・1203~1205・1207・1210の計6両が現在も在籍している。

画像

参考文献

  • 「熊本市電70年」細井敏幸(著) 1995/02/14