新潮社
株式会社新潮社(しんちょうしゃ)は、日本の出版社。文芸書の大手として知られる。また東京都新宿区矢来町に、広大な不動産を持っていることでも知られている。
![]() 新潮社本館 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | 新潮 |
本社所在地 |
![]() 〒162-8711 東京都新宿区矢来町71 |
設立 | 1896年 |
業種 | 出版業 |
法人番号 | 1011101009060 |
事業内容 | 書籍、文庫・雑誌・コミックの制作・出版・販売 |
代表者 | 佐藤隆信(代表取締役社長) |
従業員数 | 393名(2013年10月1日現在) |
関係する人物 | 佐藤義亮(創業者) |
外部リンク | http://www.shinchosha.co.jp/ |
特記事項:佐藤一族による、同族経営である。 |
概要
1896年に創業された新聲社[1]が前身。田山花袋などの自然主義者の書籍を出版していた。1914年には新潮文庫を創刊した。他にも単行本、全集などを多数発行している。
文芸雑誌は1904年創刊の文芸誌『新潮』[2]の他に、第二次世界大戦後の1947年に創刊された中間小説誌『小説新潮』[3]などを発行している。週刊誌は1956年創刊の『週刊新潮』が初めての出版社系週刊誌として成功を収める[4]。
1981年には日本初の写真週刊誌『FOCUS(フォーカス)』を創刊。『フォーカス』は法廷を隠し撮りした未成年(14歳)の容疑者の写真を掲載したりするなど、過激な編集方針で一時期には発行部数200万部強までになったが、1990年代後半に売れ行きが悪化し2001年に休刊。スポーツ年鑑『ウィナーズ』や、タレント・グラビアアイドルの写真ムック『月刊~』(不定期)の発行、『nicola』、『週刊コミックバンチ』の創刊(2010年8月休刊)、女性誌での『旅』の再創刊に踏み切り、従来の路線からは大きく転換された。また新潮文庫もサブカルチャー面での刊行を多くした。
社長職は創業者佐藤義亮から代々世襲によって引き継がれている。第2代佐藤義夫、第3代佐藤亮一を経て、現社長佐藤隆信は、創業者の曾孫である。
特装本
新潮社では、単行本の発行部数が累計で10万部を突破すると、記念に革装本が4部だけ作られる。4部の内、2部は著者に贈られ、残る2部は新潮社用として、1部は資料室の閉架に、もう1部はガラス戸付き本棚に鍵がかかった状態で保管されている。この10万部突破記念の特装本は新書も含まれる。なお、単行本には山羊の革が、新書には羊の革が使用される。
1956年、三島由紀夫の『金閣寺』が10万部を突破した際に担当編集者が何か記念になるものを作ろうとスタートした企画から始まった。2009年11月までに作られた特装本は547点に上り、三島由紀夫、司馬遼太郎、松本清張、遠藤周作、大江健三郎などのほか、さくらももこ『さくらえび』や『鈴井貴之編集長 大泉洋』なども革装本になっている。村上春樹の『1Q84』は初版から10万部を超えたが、38刷で特装本化された伊坂幸太郎の『重力ピエロ』のように版を重ねての特装本化の例もある。[5]
刊行物
選書
叢書
- 新潮クレスト・ブックス - 日本国外の文学の翻訳。『朗読者』がベストセラーとなる。
- 新潮モダン・クラシックス
- とんぼの本 - 美術・文化を中心としたビジュアル本のシリーズ
- 新潮日本古典集成
- プリシラブックス
新書
文庫
雑誌
週刊
月刊
- 新潮 - 純文学文芸誌(1904年 - )
- 小説新潮 - 小説誌(1947年 - )
- 芸術新潮 - 総合アート誌(1950年 - )
- 波 - PR誌(1967年 - )
- 新潮45 - 総合誌(1982年(「新潮45+」として創刊) - )
- nicola(ニコラ) - ローティーン向け女性ファッション誌(1997年 - )
- ENGINE(エンジン) - 自動車雑誌(2000年 - )
- 月刊コミック@バンチ - コミック誌(2011年 - )
隔月刊
- ニコ☆プチ - 小学生向け女性ファッション誌(2006年 - )
- ニコ☆プチKiDS - 小学1・2・3年生向け女性ファッション誌(2014年 - )
- ROLa(ローラ) - 女性誌(2013年 - )
季刊
ウェブマガジン
かつて発行・発売していた雑誌
- FOCUS(週刊、1981年10月 - 2001年8月) - 休刊中
- 03 Tokyo calling(月刊、1989年12月 - 1991年11月) - 休刊中
- Mother Nature's(1990年3月 - 1993年6月) - 全7冊、廃刊
- SINRA(月刊、1994年1月 - 2000年7月) - 休刊中
- アウフォト(1997年5月 - 2000年5月) - 全13冊、休刊中
- Gramophone Japan(月刊、1999年12月 - 2001年1月)
- 週刊コミックバンチ(2001年5月 - 2010年8月) - 編集はコアミックス
- フォーサイト(月刊、1990年3月 - 2010年3月) - 2010年9月にウェブマガジンとして復活。
- 旅(月刊(途中から隔月刊)、2004年 - 2012年3月)JTBが発行していたものを譲り受けたもの。休刊中。
- 「月刊」シリーズ - グラビア誌
賞
以上の4賞は「新潮四賞」と呼ばれる。
関連人物
関連会社
参考文献
脚注
- ^ 新声社とは無関係。
- ^ 表紙と目次で見る「新潮」110年|新潮|新潮社
- ^ 小説新潮とは?|小説新潮|新潮社
- ^ 週刊新潮とは?|週刊新潮|新潮社
- ^ 「新潮社『幻の特装本』の謎に迫る!」『本の雑誌』2010年1月号 p.16-17
- ^ 新潮文庫創刊100周年で新レーベル「新潮文庫nex」が誕生