OKICA
OKICA(オキカ)は、沖縄県(沖縄本島)の鉄道・バス事業者で導入されている非接触型ICカード乗車券である。

概要
沖縄都市モノレールと沖縄本島内の主要バス事業者4社(琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バス)で使用できる乗車カード(交通系ICカード)である。2014年10月20日より沖縄都市モノレールで先行導入され、2015年4月27日にバス4社での運用を一斉に開始し、本格運用を開始した。
「OKICA」の名称は「OKINAWA IC CARD」の略である[1]。また、「沖縄が変わる」という意味も含まれている[1]。
沖縄県内で交通機関に使用できる初めての交通系ICカードである[2][注 1]。
システム開発はモバイルクリエイト(本社・大分市)[4]、発行・運営は沖縄都市モノレールやバス会社が出資する「沖縄ICカード株式会社」が行い、ICカード読み取り機・自動改札機などの導入に必要な費用は沖縄県からの補助金にて賄う[5]。2014年10月20日から沖縄都市モノレール線(ゆいレール)で先行導入し、2015年4月27日始発より県内路線バス事業者4社での利用が一斉に開始された[6]。初年度の発行枚数は3万4千枚を予定している[6]。
現在のところSuicaやPASMO・SUGOCAなどの他の交通系ICカードとの相互利用や片利用はできない[5]。これは離島という点やシステム開発費・運用費の負担がネックとなり見送られたためという[5]。
なお、OKICA導入に伴い、沖縄都市モノレールおよび県内路線バス4社とも、111番高速バス専用回数券を除く回数乗車券の販売を終了した[注 2]。定期券については、沖縄都市モノレールは2014年10月30日から全線で移行し、路線バスは2015年8月27日に4社全線で移行した[7]。この変更に伴い、有効期限を超えた従来の紙定期券は次回更新時にOKICA定期券へと変わることになった。なお、OKICA定期券の有効区間内であっても、購入したバス会社のバスでしか通用しない仕様になっている。
運営「沖縄ICカード株式会社」
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒〒901-0152 沖縄県那覇市小禄1831番地1 沖縄産業支援センター5階 |
設立 | 2013年11月22日 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 2360001017591 |
事業内容 | 乗車用ICカード「OKICA」の運営 |
外部リンク | http://info.okica.jp/ |
沖縄ICカード株式会社は乗車用ICカード「OKICA」を運営する株式会社である。カードの取扱いを主たる業務とするが、それ以外にカードのポイントの管理業務も行っている。またフィギュア付を除くOKICAは他の多くの乗車用ICカードと同様に売却・譲渡ではなく貸与の形式であるため、カードの所有権は沖縄ICカード株式会社にある。
利用範囲
沖縄都市モノレールの路線全線と、琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バスの全バス路線(高速バスを含み、那覇空港リムジンバス・定期観光バス・市町村から委託を受け運行するコミュニティバスを除く)が利用可能となっている。
現在のところ上記以外の交通機関や商業施設では導入されていないが、導入後2年をめどに、船舶、タクシー、商業施設への導入も検討されている[2]。
種類
- 無記名OKICA - 個人情報を登録しない(紛失しても再発行できない)
- 記名OKICA - 個人情報を登録する記名式カード。紛失しても再発行はできる。
- 小児用OKICA - 6歳以上小学生以下が対象の記名式カード。満12歳になる年度の3月31日まで有効。
- 障がい者用OKICA - 障害者手帳所持者が対象の記名式カード。年1回更新が必要。
- 学生用OKICA - 中学生以上の学生が対象の記名式カード。付与ポイントが通常のOKICAより高い。毎年度初めに更新が必要。
- フィギュア付きOKICA - 沖縄観光親善使節[8]でOKICA推進大使を兼ねるキャラクター「花笠マハエ」のフィギュアで、台座にはICチップが入ったコイン型トークンが内蔵されており[9]、ICカードとして使用できる。2015年4月27日に路線バスへの導入を記念し5000個限定で発売した。フィギュア付きの交通系ICカードは全国初[10][注 3]。OKICAカードと異なりゆいレールの券売機に挿入できない形状であるため、券売機による入金や乗車券購入はできない。したがって、入金はゆいレールの窓口(有人改札)、バス営業所及びバス運賃箱に限られる。
ポイントサービス
「OKICA」導入に伴い、1ヶ月(毎月1日〜月末。暦どおり)のOKICA利用額に応じて、翌月6日にポイントが付与される。ただし、OKICA以外での乗車(現金支払い、回数券、定期券での乗車、ゆいレールの「おとなりきっぷ[注 4]」)はポイント対象外となっている。
脚注
注釈
- ^ 沖縄県内においてはJR九州沖縄支店が自社発行の交通系全国相互利用ICカードであるSUGOCAを発売しているほか、SuicaやPASMO・SUGOCAなど交通系全国相互利用ICカードを利用できる商業施設も多い。また交通系でないICカードが交通機関で利用できる例として、那覇バスの市内線では2012年5月19日よりiDでの支払いが可能となっている[3]。
- ^ 路線バスに限り2015年4月26日までに購入した回数券は2016年3月31日まで使用可。それ以降は使用不可となる。ゆいレールは改札機自体が従前の磁気カード・ゆいカードに非対応となったため、そのままでは使用不可。駅窓口でQR乗車券への引き換え、または払い戻しをする必要がある。
- ^ 日本国外では香港の八達通や台湾の悠遊卡など、交通機関で利用できるフィギュア型IC乗車券がある[11][12]。
- ^ 隣駅まで110円。特別運賃扱い。
出典
- ^ a b 草町義和「沖縄本島のICカード、名前は「OKICA」…2015年度導入へ」『レスポンス』イード、2014年1月29日。2014年8月28日閲覧。
- ^ a b “来月20日から「オキカ」稼働 モノレールのIC乗車券”. 琉球新報. (2014年9月1日) 2014年10月5日閲覧。
- ^ “那覇バス「iD」導入 全国初 運賃後払い”. 琉球新報. (2012年5月19日) 2015年5月19日閲覧。
- ^ “沖縄本島 IC 乗車券システムを運営する 沖縄 IC カード株式会社の設立記者会見が行われました” (PDF). モバイルクリエイト (2013年11月28日). 2015年5月19日閲覧。
- ^ a b c “IC乗車券、来年10月開始 モノレール先行”. 琉球新報. (2013年11月26日) 2015年5月19日閲覧。
- ^ a b “沖縄のIC乗車券は「OKICA(オキカ)」に決定。2014年10月から順次導入”. BENRISTA (2014年1月29日). 2015年5月19日閲覧。
- ^ OKICAバス定期券の販売開始のお知らせ - OKICAインフォメーション、2015年8月27日
- ^ “活動内容 - 企画総務部”. 沖縄観光コンベンションビューロー. 2015年5月19日閲覧。
- ^ “沖縄ICカードOKICAご利用ガイド” (PDF). 沖縄ICカード. p. 7. 2015年5月19日閲覧。
- ^ “フィギュア付きIC乗車券「花笠マハエ」限定販売”. 琉球新報. (2015年4月19日) 2015年5月19日閲覧。
- ^ “Choose Your Octopus”. 2015年5月19日閲覧。
- ^ “悠遊典蔵館”. 2015年5月19日閲覧。