ヒア・カムズ・ザ・サン
「ヒア・カムズ・ザ・サン」(Here Comes the Sun)は、ジョージ・ハリスン作のフォーク・ロック・バラード。1969年に発表されたビートルズのアルバム『アビイ・ロード』に収録された。「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」や「サムシング」と並ぶ、ジョージ作の傑作ナンバーである。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」 | |||||||
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ビートルズの楽曲 | |||||||
収録アルバム | 『アビイ・ロード』 | ||||||
リリース | 1969年9月26日 | ||||||
録音 | アビー・ロード・スタジオ 1969年7月7日 - 8月19日 | ||||||
ジャンル | ロック | ||||||
時間 | 3分05秒 | ||||||
レーベル | アップル・レコード、EMI | ||||||
作詞者 | ジョージ・ハリスン | ||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | ||||||
ビートルズ 日本 年表 | |||||||
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解説
この曲は、アップルでの打ち合わせに疲れていたジョージが、そこを抜け出して親友のエリック・クラプトンの家へ遊びに出掛けた際、その年初めての春らしい日差しを感じていたら自然に歌詞とメロディラインが生まれ、そして仕上がった曲とされている。内容は、長かった冬に別れを告げ、春が来たことを歓迎するというものだが、この内容が季節を大事にする日本で大いに受け、1970年に日本のみでシングル・カットされた(シングル「オー!ダーリン」のB面として発表)。なおアメリカでは、リッチー・ヘブンスのカヴァー・ヴァージョンがシングル・リリースされ、ビルボード誌最高位16位を記録している。また、1976年には、スティーヴ・ハーレーのカヴァー・ヴァージョンもシングル・リリースされ、全英最高位第10位を記録している。
ちなみにジョージは、このアルバムで当時は珍しかったモーグ・シンセサイザーを演奏披露し、次曲の「ビコーズ」と共にモーグ・シンセサイザーの特徴が生かされた曲といえる。元の音源より少しテープ速度を上げて、曲も短くしている。
ジョージは、ダーク・ホース(日本ではワーナー・パイオニア)移籍第2弾アルバム『慈愛の輝き』(1979年発表)で、アンサー・ソング「ヒア・カムズ・ザ・ムーン」を収録している。
ジョン・レノンは、演奏に参加していない(ただし、中間部のハンド・クラップには加わっている、といわれている)。
また、ボイジャーのゴールデンレコードに収録される予定であったが、EMIが許可を出さなかった。
主なカバー・バージョン
- ブッカー・T&ザ・MG's - 1970年のアルバム『McLemore Avenue』に収録。
- ピーター・トッシュ - 1970年のシングル。
- ウィ・ファイヴ - 1970年のアルバム『Catch the Wind』に収録。
- ニーナ・シモン - 1971年のアルバム『ヒア・カムズ・ザ・サン』に収録。
- リッチー・ヘブンス - 1971年のアルバム『Alarm Clock』に収録。
- ジョージ・ハリスン - 1971年12月20日発売のライブ・アルバム『バングラデシュ・コンサート』に収録。ジョージの歌とギターにピート・ハムがギターで加わった。
- ジョージ・ハリスン&ポール・サイモン - 1976年11月放送の『サタデー・ナイト・ライブ』の中で披露。
- ジョージ・ハリスンwithエリック・クラプトン&ヒズ・バンド - 1992年7月10日発売のアルバム『ライヴ・イン・ジャパン』に収録。
- 森高千里 - 1996年のアルバム『TAIYO』に収録。
その他
- 日本の幼児番組『ひらけ!ポンキッキ』(フジテレビ系)のBGMに、この曲の旋律が一部用いられていた。
- エマーソン・フィッティパルディを称える歌として、セルフ・カヴァー(替歌)を披露していた。
- 2001年12月に行われた『Act Against Aids2001 桑田佳祐・クワガタムシVSカブトムシ』では、開催直前にジョージ・ハリスンが亡くなったため、桑田が「天国のジョージに黙祷。」と言った後にこの曲をワンフレーズ流して黙祷を捧げた。
- 年越しフェスティバル『COUNTDOWN JAPAN』のエンディングでは、初日の出にかけて毎年流されている。
- ペーテルブレイナーがこの曲をバロック風に編曲している。
外部リンク
- Lyrics
- Review from AllMusic
- Alan W. Pollack's analysis of Here Comes The Sun