ボーイズラブ
ボーイズラブ(和製英語)とは、日本における男性(少年)同士の同性愛を題材とした小説や漫画などのジャンルのことで、1990年代中盤~後半に使われるようになった言葉である。元々は「耽美」・「JUNE」の言い換え語だったようである。のちにBL(ビーエル)と略されるようになった。作家、編集者のほとんどは女性、読者の大多数も女性[1]で、ゲイの男性向けの作品とはおおむね別れている。「やおい」とは区別されることもあるが、混同されることもある。それほど確固とした概念ではなく、ボーイズラブとそれ以外のジャンルを明確に分けることはむずかしい[2]。2000年代初頭の10年ほどの間で、やおい・BLジャンルの総称は、やおいからBLに移行している[3]。

2014年の「美術手帖」の特集では、「BLのどこに魅力を感じるかは十人十色だが、 特筆すべきは"関係性"の表現にあると言えるだろう。」「描き手/読み手の心を時に癒し、時に興奮させ、 ジェンダーやセクシュアリティーに対する固定概念を揺さぶり、 愛することや欲望の発露について思考をめぐらせるきっかけとなる。」と紹介されている[4]。
語源
1991年12月10日「イマージュ」(白夜書房)が創刊し、キャッチコピーに「BOY'S LOVE COMIC」と冠した [5]。BLlogiaのぶどううり・くすこは、これが「ボーイズラブ」という言葉の初出であると考えられると述べている。考案者は編集プロダクション「すたんだっぷ」代表・荒木立子(白城るた)とされ [5]、荒木も同様のことを述べている[6]。(荒木は元々同人サークルを主宰しており[6]、全くの一般人から会社を興して半年で今でいうBLアンソロジーを出版している[7]。)漫画家の河内実加も、自身のブログで「ボーイズラブ」はあらきりつこ(荒木立子)が 命名したと言及している[5]。
エッセイストの杉浦由美子は、「for girls love」という少女漫画のキャッチコピーを見たビブロス[8]の編集者が「だったらうちはボーイズラブだ」と思い立ったのがボーイズラブという言葉の誕生であるとしている[9]。この説は、2001年1月17日の2ちゃんねる801板「■やおい用語の基礎知識■」94 番レスの情報によるようであり、ある程度広まりネット上の認識に影響を与えた[5]。
当初は現在の意味と異なり、「耽美」または「JUNE」の置換語と認識されていたようである[5]。(耽美については→耽美とボーイズラブ)
概要
1990年代初頭に誕生し[5]、後半には広く使われるようになった言葉である[10]。男性同士の愛や特別な絆を扱った作品を指すが、ボーイズラブはそれほど明確な概念ではなく、他のジャンルとのはっきりした区別は難しい。2008年に堺市立図書館から、「市民の声」(実際には匿名の市民一人とその意向を受けた議員たち)によって、5500冊あまりの「BL」本が詳しい検証もなく開架から撤去・除去されるという事件が起こったが、排除図書リストを分析した社会学者の熱田敬子は、これらの本がBLとされた基準は明確ではなく、一貫性がなかったことを指摘している。(事件の詳細→堺市立図書館「BL」本排除事件)熱田は、BLは「恣意的な括り」であり「無定義なジャンル概念」であると述べている。[2]
元々少年同士・男性同士の同性愛を扱う作品は、「耽美」または、耽美で背徳的、シリアスな少年・青年の同性愛ものを扱う女性向け雑誌『JUNE』の名前からそのまま「JUNE(ジュネ)」[11]と呼ばれていた。「JUNE」は、国内海外・現在過去を問わず、小説やマンガ、イラストだけでなく、映画、音楽など、あらゆる文化の「耽美」な部分をクローズアップして紹介し(例えば、ゲイ文学研究者・翻訳家の柿沼瑛子が洋書ガイドを連載していた)、様々な作品を掲載して「JUNE」文化を広げ、美しい男性同士の関係が描かれた創作物「耽美」と呼ばれるジャンルを確立した[12]。女の子向けの男性同士の恋愛ものが増えた初期には、書店では「耽美」というコーナー名が付けられていた引用エラー: <ref>
タグ内の引数「三浦」は無効です。サポートされている引数: dir, follow, group, name。JUNE的な作品、少年同士の恋愛関係・性愛関係を描いた作品は、少年愛ものと呼ばれることもある。
「ビブロス」や「ぱふ」など複数の雑誌がこのジャンルに参入し、女性向けの男性同性愛ものを「ボーイズラブ」と呼び、普及していった。ボーイズラブは商業オリジナルの作品を指す言葉だったが(アマチュアによるオリジナルは「オリジナルJUNE」「オリJUNE」と呼ばれた)、名称が広まったことにより、プロ・アマチュア、オリジナル・二次創作問わず使われるようになった。近年では、女性向けの男性同性愛を扱った作品で、JUNE(JUNEに掲載されていた作品や類似する作風の作品を指す)ではないものがボーイズラブと呼ばれることが多い。
ボーイズラブと呼ばれる作品は、JUNEよりも明るく軽いものが多い。ボーイズラブの愛好者は女性の方が圧倒的に多いが、男性もいる。よしながふみは、BLはJUNEのような背徳的なものへの憧れではなく、男性同士の対等な葛藤を描こうというもので、同性愛者としての葛藤を描きたいというものではないと述べている[13]。編集者の佐川俊彦は、<受け>と<攻め>という発想はJUNE以降に作り出されたもので、<受け>と<攻め>という大発明ができたことで耽美がBLになったのではないか、少年愛ものの少年漫画を描いていた24年組と呼ばれる少女漫画家たちは、意識的にキャラをそういう風に分けていなかったと述べている[12]。
少年愛、JUNE、耽美が、やおいを経由して、BLに発展したとも言われる[14]。BLの類義語の「やおい」は、JUNE・パロディやおい(二次創作のやおい、ホモパロ)・BLなどの総称でもある。ボーイズラブという単語はもともと商業出版で生まれて普及した単語なので、JUNEと同じく、商業オリジナル作品を指す言葉としても使われる。ボーイズラブとやおいと区別して、オリジナル作品をボーイズラブ、二次創作(パロディやおい)をやおいと呼ぶこともある。パロディやおいとJUNEは、もともと男性同士の恋愛を扱っているという以外はほぼ別ジャンルであったが、ボーイズラブ作家には両方から影響を受けたものもいる。
ショタコンは少年に対する愛情・嗜好そのものを指すのに対し、やおい・JUNEは、男性(少年)の同性同士の関係(しばしば性関係も伴う)に主眼を置いた創作物のジャンルを指すという点で、おおよそ用法が異なっている。少年愛はどちらの意味でも使われる。
元々「やおい」ということばは「おタク」同様に、社会にとって「病理的」な現象の一つだった。「やおい」「女おタク」と「BL」「腐女子」という新しい言葉には大きなイメージギャップがあり、男性同性愛を題材にした作品やその愛好者を「新しい存在」にすることに一役買った[14]。近年は「ボーイズラブ(BL)」がやおい・BLジャンルの総称として使われることが増え、男性同性愛を扱う女性向け作品全般を指す言葉として「やおい」は徐々に使われなくなってきている[3]。
ボーイズラブの漫画家の中には、BL専門作家だけでなく、青年漫画で活躍している作家や、少女漫画家としても活動する作家、少年漫画から参入した作家など多種多様。ゲイコミック(ゲイの人向けのマンガ作品)も手がける作家も少数いる。また、小説においてもライトノベルや大衆向け文芸作品を手がける作家もいる。作家の中には他ジャンルへの活動の際、ペンネームを変えている者もいる。
2012年頃になると、BLと一般誌両方で活躍する作家や、BLレーベルで出た後に一般向けのレーベル・文庫から再版される作品も増え、BL的な要素がアニメや舞台といった様々なジャンルで展開されるようになり、浸透と拡散が起こっている[15]。
千田有紀は、BL好きも一枚岩ではなく、戦う少年たちの熱い友情に憧れ萌える、アニパロの系譜のやおいを好むタイプもいれば、少年愛ものは好きだが戦う少年たちにもその熱い友情にも興味はないという人、「ヘタリア」などの国の擬人化にみられるように、ジェンダーを娯楽化して屈託なく楽しむ人など、BLをどのように読むのか、そのような側面を好むのかには、いくつかのグループ、少なくとも2つ以上のグループがあるようだと指摘している[14]。よしながふみは、BLは「もてない女の慰め」と揶揄されることもあるが、実際そういった面もあり(無論それが全てではない)、「今の男女のあり方に無意識的でも居心地の悪さを感じている人が読むもの」だが、読者が受けてきた抑圧や居心地の悪さはそれぞれ違っているので、一括りにしにくいと述べている[16]。フェミニズムと結びつけて論じられることも少なくないが、それを嫌がる人も多い[16]。
英語圏では日本語を導入して、ボーイズラブは「Boys Love」、少年愛は「Shōnen-ai」、やおいは「Yaoi」という。少年愛を直訳するとBoys Loveになってしまうこともあり、Boys Love、Shōnen-ai、Yaoiもあまり区別されていない。これらとは別に元々英語圏にあった、男性同士の関係性に焦点を当てた(しばしば性関係も含む)ファン・フィクション(二次創作)は、「Slash fiction(スラッシュ・フィクション」という。女性作家による男性同性愛の物語は古くからあるが、英語圏でのスラッシュは、『スタートレック』や、BBCで70年代末に放送されていたSF『ブレイクス7』(Blake's 7)の人気が引き金になり、1970年代のSFファンダムで広く認知されるようになった[17]。海外は、日本と比べてボーイズラブはまだニッチなジャンルであり、市場も日本ほど大きくない(海外で一番大きい市場はフランス)[18]。東アジアでは、日本などのライトノベルは「軽小説」と呼ばれ、村上春樹を超える売れ行きの作品も数多くある[19]。BLも人気で、女性が好んで読む[19]。表紙や挿絵に漫画家の表紙やイラストが用いられることが多く、書店に大きなコーナーが設けられるほどファンが多い[19]。台湾では日本の作品の翻訳だけでなく、現地作家の作品もあり、高い人気がある[19]。中国や香港、シンガポールでは、商業ベースの作品は少ないが(香港とシンガポールは市場が小さいため、BLに限らず商業作品自体が少ない)、同人誌があり、各地のBLファンの交流がある。[19]
耽美とボーイズラブ
ぶどううり・くすこは、耽美は男性同士の関係描写の隠語で、JUNEという区分ができる前からあったと述べている[20]。1978年10月に「JUNE」の前身「comicJUN」が創刊される前、同人作家の間で男性の同性愛描写を「お耽美」と称する動きがあったらしく、おそらく森茉莉の描いた美少年と美青年の恋愛ものや高畠華宵の美少年絵、石原豪人の美青年絵が想定されていたのだろうと述べている[21]。その後「JUNE」誌上やその周辺の創作物が「耽美」と呼ばれた。「耽美小説」は、1991年頃から刊行され出したハードカバー新書サイズ単行本のキャッチフレーズとして使われた[21]。JUNEは固有名詞であるため、使えなかったということもあるようである[21]。JUNEは、当初は今の意味とは異なり、読者の美意識に叶うものはなんでもJUNEとされたようで、だんだん耽美の色合いが強まり今の意味になったのではないかと述べている[20]。
ボーイズラブという言葉は、できた当初は耽美やJUNEの言い換え語だったが、近年の用法は異なっている。とはいえ、一部の書店ではまだ耽美とBLは一括りに扱われている。
作家の三浦しをんによると、重厚なストーリー展開を持った「女の子向け男同士の恋愛」小説がハードカバーで発売され始めた頃、書店で「耽美」という名称が見られるようになった。その後、このジャンルの専門雑誌が多く創刊され、小説はノベルズサイズや文庫サイズになり、専門のコミックスのレーベルができ、その頃「ボーイズラブ」という名称を見かけるようになったという引用エラー: <ref>
タグ内の引数「三浦」は無効です。サポートされている引数: dir, follow, group, name。三浦は、「ボーイズラブ」は、それまで書店で「耽美」と呼ばれていた女の子向けの男性同士の恋愛ものを、出版社がよりポップで手に取りやすいイメージにしたいと考えて作り出した名称のようで、「耽美」と「ボーイズラブ」は元々同じものを指しており、書店と出版社の立場(思惑)の違いで呼び名が違ってしまっただけだろうと述べている[22]。三浦は、「耽美」と「ボーイズラブ」は乱暴にくくれば同じものを指す名称だが、絵柄や文体にも「耽美」っぽい、「ボーイズラブ」っぽいという違いはあり、内容については、登場人物がゲイである自分をなかなか受け入れられないなど、悩みや迷いが大きくなるほど「耽美」っぽくなり、男同士の恋愛に迷いもない明るい学園物などは「ボーイズラブ」っぽいと述べている引用エラー: <ref>
タグ内の引数「三浦」は無効です。サポートされている引数: dir, follow, group, name。
よしながふみは、「耽美」に対する名称として「ボーイズラブ」があり、同じカテゴリーだけど「耽美」といえば「美青年」というイメージであると述べている[16]。
ぶどううり・くすこは、耽美の定義ははっきり決まっていないが、個人的な印象として次の3つを挙げている[21]。
- 同性間の恋愛を恥ずべきもの、禁ずべきものと必要以上に苦悶する。
- 登場人物は必ず眉目秀麗。また欠点がないと描写される。
- リバ(セックスの<受け>と<攻め>の役割の交換)はない。<受け><攻め>は固定で、年長者が<攻め>という暗黙の了解がある。
ゲイとボーイズラブ
羅川真里茂の『ニューヨーク・ニューヨーク』のように、少女漫画家による美しい絵で描かれた男性の同性愛をテーマにする作品でも、リアルなゲイの葛藤や苦悩、現実的な生活を描いたものの場合、その作品をボーイズラブややおいと呼ぶことには否定的な意見がある[23]。
やおい・BLの表現については、1990年代からゲイ側からの批判もある。掘あきこは、ゲイ側の批判点は、やおいが「男性同性愛者を、異性愛社会に隷属させるためのステレオタイプに押し込めるゲイ差別表現」である、という主張に要約できると述べている[24]。やおい側は「やおいは現実のゲイを描いたものではない=ファンタジーである」という反論がなされ、これに対して女性に向けられるジェンダーの問題からの逃げだ、ゲイの性愛を覗き見しているだけだと批判が行われるなど、ゲイ側・やおい側それぞれの主張が展開され、政治的で幅広い議論がされた[24]。
日本ではBLとゲイコミックは歴史的な距離があり分かれているが、海外では歴史がない分、男性向け・女性向けという住み分けがあまりない[18]。アメリカやヨーロッパではBLも日本より男性読者が多く、主にゲイだが、異性愛男性も少なくないようである[18]。海外では、BLとゲイコミックが一緒に出版されることもある[18]。
少女漫画との違い
ボーイズラブ漫画は、作風や絵柄が少年漫画風、青年漫画風、劇画調などに仕上げる作家もいるものの、恋愛模様を主眼においている点と絵柄の美麗な作品が多いことなどから少女漫画と混同されることもある。しかし、少女漫画におけるカップルの多くは異性同士であり、男性同性愛を扱うボーイズラブとはジャンルとしてはおおよそ別れている。
よしながふみ・三浦しをんは、今の少女漫画は主人公の女の子を魅力的でなおかつ読者が嫉妬しないようなキャラ[25]として作らなければならず、そういった困難をクリアするためにボーイズラブが生み出された面もあると指摘している[16]。少女漫画でストライクゾーンが狭い人も、BLなら広く受け入れられるという。また、<攻め>の年齢も職業も、少女漫画よりかなり多様であると述べている[16]。
千田有紀は、最近の少女漫画が恋愛以外の活動で成長する主人公を描くことが多くなっているのに対して[26]。BLは(男性が主人公であるため仕事との両立は言うまでもない前提であるのだが)、BLの恋愛至上主義は際立っていると述べている[14]。また千田は、BLには、ずっと運命の人と愛し合う「究極の一対」のカップルの理想が脈々と生きており[27]、これはすでに少女漫画では失われた愛の幻想で、なつかしいものであると述べている[14]。(少女の頃24年組をはじめとする少女漫画の少年愛ものを読んでいた世代が、大人になってから既婚・未婚を問わずBLの世界に戻ってきているが、BLは彼女たちに昔の読書体験を思い出させたという[14]。)また千田は、少女が母や妻になることで「居場所」を探したのが少女漫画であったなら、BLは母や妻にならなくても「居場所」を与えられるジャンルであり、男女の恋愛では描けない地平をどこかしら拓いたと述べている[14]。
成人向け青年漫画との違い
三浦しをんは、セックスの表現はボーイズラブにおいて重要視されているが、成人向け青年漫画とは(30冊ほど確認してみた限りでは)傾向が異なると述べている。BLでの魅力的なセックスシーンとは、ストーリーに組み込まれたもので、背景には恋物語が必要である。これは女性がムードに弱い夢見がちな生き物だからということではなく、「心の交流や葛藤と共にあるセックス」でなければ、幸せも満足も喜びも生まれるはずがないと経験則で知っているからだと指摘している。そのためBLでは、成人向け青年漫画のように、ストーリー性が限りなく薄められた作品が主流になることはないだろう、と述べている。(三浦は、これはストーリー性があるものが善で、そうでないものが悪いということではなく、女性と男性では作品から快感を感じ取るポイントが違うらしい、という話だと述べている。)読者を女性・男性で区切るのも無意味なことで、ボーイズラブの読者は「心の交流(それが愛情であれ憎しみであれ)に基づくHシーン」という方法論を支持する人間であるという見解を示している。引用エラー: <ref>
タグ内の引数「三浦」は無効です。サポートされている引数: dir, follow, group, name
魅力
男女の組み合わせでは表現できなかったり、受け入れられにくい、また男同士でしか表現できない関係性を描くことができ、その点が魅力であるといわれる。セクシュアルな表現を含む作品もあり、ポルノグラフィーとしても楽しまれている。
千田有紀は、「<受け>や<攻め>といった男女の役割のメタファーを維持しながら、男性二人がその役割を演じることにより、その役割を換骨奪胎できるのがBLの魅力である」としている。また、生涯未婚率が上がりつつある現在、女性に「子どもが産めなくても、どんな過去があっても、あなたはあなたでいいのだ」という承認、「居場所」がもたらされるジャンルは、BL以外にはないようであると述べている[14]。
よしながふみは、読者が挙げるBLの魅力として、様々な職業が取り上げられることの少ない最近の少女漫画に対して、BLは多様な仕事が取り上げられ未知の職業を知ることができるので、それが特有のおもしろさになっていると述べている[13]。
詩文奈は、基本的にBLには異性であるキャラクターを360度見る自由があり、まるで監督になったように視点を切り替え、心の中でキャラクターを好きに扱う、日常にはない権力や自由が手に入るという、女性にとっては精神レベルでの解放のツールになっていると指摘している[18]。また、日本にはいまだに男女差別ともいえるような社会的な男女の違いと距離(詩は日本の男女の現状は様々な面で1960 - 70年代のイタリアに近いと述べている)があり、ヨーロッパに比べレディーファーストの文化がないことで日本の女性はより過酷な状況にあり、どんな<攻め>でも「愛がないとだめ」というBLの理によって、日本の「父」の不在の影響もある「紳士文化」への憧れの気持ちが満たされるという側面もあるという[18]。
歴史
前史
1970年代に、竹宮惠子ら少女漫画家が美少年・美青年の同性愛を描いた少女漫画を発表して大きな衝撃を与える[19]。これを背景に[19]、1978年10月に「JUNE」の前身「COMIC JUN」が創刊、1981年に「JUNE」(後に「小説 JUNE」、サン出版)が創刊した。
ボーイズラブの系譜において、1976年から1984年まで連載された竹宮惠子の漫画『風と木の詩』が最初の著名な作品として挙げられることがあるが、24年組に代表される少女漫画家による少年愛ものは1980年代半ばにほとんど連載を終えている[14]。よしながふみは、『風と木の詩』は少年同士の恋愛を描いた画期的な作品ではあるが、書店に多く見られるBL作品と直接つながらないと指摘し[13]、源流として、女性を作品世界からきれいに排除し、情報機関(スパイ)や政治といった少女には未知の世界も取り入れた作品を描いた青池保子をあげている[13]。
藤本由香里は、「やおい(BL)」の展開について、「女装の少年」の系譜でとらえた方がいいのではないかと述べている[14]。シリアスな少年愛ものと並行して描かれてきた「美形ホモセクシュアルもの」の流れがあり、青池保子『イブの息子たち』、魔夜峰央『パタリロ』といったコメディ作品も含まれており、これらは明らかに「女装の少年」の系譜を引いているという[14]。さらに藤本は、少女のジェンダー抑圧からの逃避だった少年愛ものと異なり、「女装の少年」の系譜は「少女たちが『性を遊ぶ』ことを可能にし、受動から能動へと視点を転換させる可能性を開いた」「男性の身体を眼差す主体として、女性を位置づけることを可能にした」と指摘している[14]。なお『パタリロ』は、1982年に男性同性愛の要素を全く隠さずアニメ化されており(全49話)、ぶどううり・くすこは、「強いて言えば『パタリロ!』関連のアニメ化をもって BL 及び耽美作品映像化の始まりと言う事も出来ようが、そう言う判断は 2014 年の時点でもほぼ為されていない模様」と述べている[5]。
始まりから拡大
よしながふみ・福田里香は、同人誌で「JUNE」と異なる流れと作ったのは、それまでの耽美でシリアスな少年愛ものと異なる、軽くて明るく同性愛差別が全くない、ゲイばかり登場する学園物を描いた同人作家のえみくりであり、「同人誌で一番耽美が流行っている頃に、えみくりさんは同人誌で一億総ホモっていう世界を確立した」と述べている[13][16]。その影響が後に商業誌に及び、商業誌で確立したのがこだか和麻であるという[13][16]。
1980年代には、少年漫画・少年アニメを題材にしたパロディ同人誌が大量に作られるようになり、アニパロやおい、パロディやおいなどと呼ばれた。霜月りつ(荒木立子)は、80年~85年頃に学漫(大学の漫画同好会)主流の同人誌即売会でアニパロが大流行し、女性の描き手、書き手、読み手が急激に増えたと述べている[6]。同時期に、少女たちの少女漫画離れが起こり[16]、少女漫画家による少年愛ものの連載もほとんどが終了した[14]。86年ごろからキャプテン翼ブームが起こり、聖闘士星矢、天空戦記シュラト、サムライトルーパーと美少年キャラが多数登場するアニメが放送され、女子の同人熱が一気に高まった[6]。パロディやおいの題材としては、「少年たちが共通の目的を持って戦う」パターンの作品が好まれ、パートナーが高じて恋人同士になる、「私生活でも仕事(目標)でもお前が必要なんだ!」(中島梓)といった展開が描かれた[14]。少年漫画や男性同士の恋愛ものが好きだが「JUNE」のような作品を読みたいわけではなく、同人誌のやおいものを好んで読むような少女たちが増えていった。このあたりの同人誌からのちにプロになった作家はかなり多い[6]。
1991年12月10日『イマージュ』(白夜書房)が創刊し、キャッチコピーに「BOY'S LOVE COMIC」と冠した(「ボーイズラブ」の確認される初出)[5]。1992年に角川スニーカー文庫(当時の角川書店は少年向け、少女向けの区別をしておらず、当初ボーイズラブ作品も刊行していた[28])から独立する形で角川ルビー文庫が創刊(現在はBL文庫の老舗として有名だが、当初はBLに特化していたわけではないようである[5])。この時点でボーイズラブという言葉は知られておらず、「耽美」「JUNE」「やおい」などと呼ばれていた[10]。アニパロのアンソロジーを盛んに出していた青磁ビブロスが、1992年にボーイズラブ漫画の専門レーベル第1号といわれる「BE×BOY コミックス」を創刊[5]、1993年に「マガジンBE×BOY(略称・マガビー)」を創刊した[13]。1990年代初頭には、アニメのパロディ同人誌はあるものの、オリジナルで男同士の恋愛を取り扱った女性向け商業漫画誌は「マガジンBE×BOY」しかなく[29]、初期から版元が倒産するまでBL業界を牽引した[13]。よしながふみは、同誌の創刊時、女の子のためのポルノ雑誌ができたと思ったと述べている[13]。初期のボーイズラブは商業誌の描き手が少なかったため、パロディやおいの作家を商業オリジナルに引っ張ってくることも多くあった。霜月りつ(荒木立子)は、初期のボーイズラブはティーンズラブものに比べかなり自由で、ティーンズラブで禁じ手だった、ハッピーエンドではない、好きな人を他の人に奪われる、主人公がひどい目に合うといった展開も許されており、「せっくすシーンさえはいれば何を書いていいという自由さは女性の書き手にかなり広い門戸を開いたと思う。」と述べている[6]。
1984年から95年には、一般向け小説と共に今でいうBL小説を書いてこのジャンルを切り開いた栗本薫(中島梓)が「JUNE」で、読者の投稿小説を批評する「中島梓の小説道場」を連載し、投降者たちの創作活動を支え、ここから江森備、石原侑子、鹿住槙、柏枝真郷、尾鮭あさみ、秋月こお、須和雪里、佐々木禎子、金丸マキといった多くの作家が育っていき、商業BL小説の発展に大きな役割を果たした[3]。
1990年代にはボーイズラブの小説レーベルが次々誕生した。雑誌も次々生まれては消えていき[5]、半分は3号で終わるような状況だった[6]。1990年代後半には出版不況が起こり、ライトノベルやボーイズラブが有力コンテンツとして注目されるようになった[10]。この時代は、ボーイズラブにとって高度成長期のようなものだったという[6]。1994年には、マンガ情報誌「ぱふ」8 月号で、特集 「創刊ラッシュで戦国時代突入―『 BOYS LOVE MAGAZINE 』完全攻略マニュアル」が組まれ(なお、この特集で青磁ビブロスの牧歳子編集長は、回答に「ボーイズラブ」という言葉は使わず「やおい」を使っている)[5]、分野を指す言葉として「ボーイズラブ」が共有されたのはこれ以降といわれる[5]。その後も「ぱふ」はボーイズラブ特集を繰り返し行い、これがボーイズラブという言葉の普及に一役買ったといわれている[6]。コバルト文庫やホワイトハートといった少女小説レーベルもBL要素のある小説を増やしたが、乱立したBLレーベルとの競争が激しかったためか、あまりうまくいかず撤退している[15]。
よしながは、自分より下の世代のBLに大きな影響力を持つ作品として、少女漫画誌「マーガレット」に掲載された尾崎南の漫画『絶愛-1989-』(1990年に第1巻刊行。作者は商業誌での活躍と同時にキャプテン翼のやおい同人作家であり続け、キャラの造形には同人誌の影響も指摘されている[5])、こだか和麻の漫画『KIZUNA-絆ー』(元々は作者の商業少年漫画から派生したオリジナル同人誌(1991年)。1992年商業で第1巻刊行[30])、少女小説レーベルのコバルト文庫から出た桑原水菜の小説『炎の蜃気楼』(1990年第1巻刊行。当初はコバルト文庫ではBLに分類されていなかったようである[5])をあげている。BL的なものを読むが量は多くないという人でも、この3作はほとんど皆読んでいたという[13]。
1999年ごろからネット上で「腐女子」という言葉が見られるようになった[5]。
2000年には、株式会社ソフパルの女性向けゲームブランド・プラチナれーべるよりBL初の商業PCゲーム(18禁)「好きなものは好きだからしょうがない!!― FIRST LIMIT―」が発売、男性向け美少女ゲームの老舗アリスソフトが女性向けBLゲームブランド「Alice Blue」 を立ち上げ、「隠れ月」(全年齢向け) を発売[31]。(コンシューマー機やパソコンというプラットフォームを採用した初期のBLゲームは、販売面では苦戦した[31])WOWWOWで「グラビテーション」(村上真紀原作)が連続アニメされる。地上波放送はないが、これがボーイズラブ初の連続TVアニメといわれる[5]。
2001年には、アメリカのカリフォルニア州で総合イベント「Yaoi-Con」が開催され、日本のBL作家たちがゲストとして招かれる[5]。
「マガジンBE×BOY」の2002年1月号に「夢見る BOYS LOVE マガジン★」というキャッチコピーが付けられ、以降表紙キャッチコピーに「BOYS LOVE」を盛り込むようになった[5]。
2003年に、週刊少年ジャンプ(集英社刊)で連載された許斐剛の少年漫画『テニスの王子様』を舞台化したミュージカル・テニスの王子様(通称・テニミュ) 初公演。出演者は男性だけである。(監督などの女性キャラが登場する場合、音声や映像のみという演出。)
2004年に「ぱふ」(雑草社)5月号の文中で、女性を対象にしたアニメグッズや同人誌などを扱う店舗が密集する池袋の通りに対して、初めて「乙女ロード」の名称が使われる[5]。2005年には雑誌「Newtype」(角川書店)12月号で、乙女ロードが「通称・腐女子ストリート」として紹介される[5]。
2005年にPCゲーム「好きなものは好きだからしょうがない!!」が地上波でアニメ化される。おそらくボーイズラブ初の地上波アニメである。[5]
BL的なものの拡散と一般化
よしながふみは、ボーイズラブ市場が成長して頭打ちになり、限りあうパイを食い合うようになったことで、より最大公約数的な作品が求められるようになり、フォーマットができつつあると述べている(2006年時点)。悲劇でも許され好きに描くことのできた初期に比べ、制約が強くなり、保守化しているという[16]。BLの元編集者は、2011年頃から「勝てない勝負はしない(=利益が見込めるものだけ刊行する)」傾向の版元が増えて市場が膠着しており、BLマンガは電子媒体があるためデビューのチャンスは多いが、小説は1冊分を書き下ろすのが主流であることもあり、長い目で作家を養成する余裕がなくなってきていると述べている[32]。保守化によって面白い作品が減り、読者が離れることが懸念されるという[32]。また、最近ではセックスシーンが絶対必要という雰囲気も薄くなり、セックスシーンのないBLも増えている[32]。
金田淳子は、BL的な要素のある他ジャンルの作品として、最近では『TIGER&BUNNY』や『相棒』、『黒子のバスケ』などの作品があるが、「あの程度のイチャイチャ」は1980年代には始まっており、1990年代には少年誌「ジャンプ」はすでに自覚的であったと述べている[15]。永久保陽子は、出版社や制作サイドは、ボーイズラブ的なものが商売になると理解し、戦略的に使うようになっており、その認識が浸透して最近(2012年)には普通のことになったと述べている[15]。
以前はBLやパロディをかいている漫画家に対して、一般のマンガはかけないといった偏見もあったが、2005年頃にはよしながふみやオノ・ナツメ(basso)が先駆的にBLと一般誌両方で活躍するようになり(二人とも同人作家だった)、BLやパロディ同人誌での経歴も肯定的に捉えられるようになっていった。 2007年ごろから、携帯ゲームなどではBLゲームが人気になり、2010年ごろまで一種のブームになる。これに伴い「BL」の意味もさらに拡散し、男性同性愛作品全般を指す言葉として広く使われるようになった[31]。2007年には雑誌「ユリイカ」で、関連論客による見識を集大成し「総特集 腐女子マンガ大系」(6月)という特集が行われ[5]、「いまBLというジャンルが熟していてアツいんじゃないか?」という認識のもとさらに「BLスタディーズ」(12月)という特集が組まれた[15]。2008年には、BL誌に連載された漫画としては初めて、中村春菊の「純情ロマンチカ」の地上波でアニメ化される[5]。2010年頃には、ヤマシタトモコや雲田はるこなどが一般誌とBL両方でヒットを飛ばし、どちらのジャンルにも偏らず活躍し続ける漫画家も増えた[15]。
金田は、女性は様々なジャンルにBL的な要素があることをわかっており、作品自体が最近変わったわけではないが、女性が少年漫画などにBL的な要素を見出すことに否定的だった男性たちの中にも、そういったものを評価し受け入れる人がかなり増えてきたと述べている[15]。雑誌「ダ・ヴィンチ」や本の年間ランキングを扱う雑誌でBLが取り上げられることも増え、それほどサブカルチャーに興味がなくても、ボーイズラブをいつの間にか知っていたという人も増えた[15]。
小説では、木原音瀬の『箱の外』が、BLレーベルで出版された後に2007年に講談社文庫からも出版され、BLレーベル出身の井村仁美、榎田尤利、菅野彰、椹野道流らが他ジャンルでも活躍している[15]。2008年時点で、ノベルズをジャンル別に見ると、4割弱をハーレクイン社の翻訳ラブロマンス小説が占めており、次いでボーイズラブ小説が約2割となっている[33]。一般向け小説では、BL好きを公言する三浦しをんや有川浩などが男のロマン的なテイスト、BLテイストの入った作品を書いている。永久保陽子は、漫画はそれ自体がサブカルチャーだが、小説は、一般小説がメインカルチャーでBL小説がサブカルチャーという関係がはっきりあり、純文学を頂点とするヒエラルキーがまだ根強いため、カテゴリーの境を超えることが漫画よりも難しいと述べている[15]。また永久保は、BLマンガよりBL小説の方が作品に許される幅が狭いのではないかと指摘している。BL小説が年代を経て洗練された反面、<受け>と<攻め>の設定、ハッピーエンドなどパターン化が顕著になっており、その型からかなり外れた作品を描いている木原音瀬は別格である評価している。三浦しをんは、BL小説の読者はBLマンガの読者より比較的年齢層が高いことと文章による表現であることから、BL小説でもマンガ同様にポップ化が進行中であるとはいえ、「耽美」な雰囲気の作品や大人が主役の作品、任侠ものもBLマンガより残っていると述べている引用エラー: <ref>
タグ内の引数「三浦」は無効です。サポートされている引数: dir, follow, group, name。山藍紫姫子もBLレーベルとそれ以外のレーベルで活躍し、独自の作品世界を確立しているが、BL作家というより耽美作家と呼ばれる[15]。
2014年に、ヨネダコウのBLマンガが原作の実写映画『どうしても触れたくない』(2014年5月31日公開)が、BL実写映画で初めてオリコンのDVD映画週間ランキング(2014年9月15日 - 2014年9月21日)で1位になる[34]。美術雑誌「美術手帖」で、「ボーイズラブ"関係性"の表現をほどく」という特集が行われ[4]、売り上げを伸ばした[35]。
2015年には、ミュージカル・テニスの王子様の累計動員数が200万人を突破[36]。アメリカのコメディアニメ「サウスパーク」で、BL(やおい)を扱った「トゥイーク×クレイグ(Tweek x Craig)」というエピソードが放送された。学校でアジアで流行っている文化としてBL(やおい)が紹介され、その例として生徒トゥイークとクレイグのBLイラストが出され、周囲は二人は本当に付き合っているゲイのカップルだと思い込み、腐女子は大喜びでイラストを量産、当人たちは大迷惑、町中でふたりの恋を応援するのが流行り・・・という話。作中には事前に募集された実際の腐女子によるファンアートが使用された。[37][38]成人男性向けのイラストを扱うSNS「ニジエ」を運営する株式会社ニジエが、18禁BLイラストSNS「ホルネ」をリリースし、サービス開始から6日でユーザー数が3万人を超えた[39]。
2016年には、中村明日美子のBL漫画が原作の劇場アニメーション『同級生』が全国30館で上映をスタート、上映開始から43日で動員数13.5万人、興行収入2億円を突破した[40]。
メディア展開
小説・漫画・映画のみならず、ドラマCD・アダルトゲーム・OVA・アダルトビデオなどがある。ボーイズラブゲームは「ボブゲ」もしくは「BLG」と略される。(ボブ(BOVE)は、ボーイズラブという言葉を作ったといわれる「イマージュ」の編集が、BOYS LOVEの前2文字と後ろ2文字からボーイズラブの略称として提唱・推奨した言葉である[41]。)アニメイトなど、アニメグッズを専門に取り扱っている店の中にはボーイズラブコーナーを設けているところも多い。ウェブの漫画投稿サイト・SNSなどでも、BLのジャンルがあるサービスが増え、専門のサービスもある[39]。
特殊用語
レーベル・媒体
ボーイズラブ小説のレーベル
概要
ほとんどが新書版(ノベルズ)・文庫版での出版だが、角川書店等では高い人気を得た作品は単行本で出版されることもある。
2000年代に入った頃から、男性向けアダルト本の出版社が男性向けの売り上げが様々な規制のあおりを受け凋落し始めたのを受け、そのノウハウをボーイズラブ・ジャンルに応用する形で次々と新規参入を果たしたため、レーベル数は肥大化し膨大になっている。そのため、老舗として知られたレーベルに影響が見え始めており、リーフ出版の倒産、クリスタル文庫の出版鈍化などが起きている。
主なレーベル
- アイノベルス(雄飛)…2007年版元経営破綻により消滅
- アイスノベルス(オークラ出版)
- アイス文庫(オークラ出版)
- アクアノベルス(オークラ出版)
- アズ・ノベルズ(イーストプレス)
- アルルノベルズ(ワンツーマガジン社)
- オヴィスノベルズ(茜新社)
- キャラ文庫(徳間書店)
- キルシェノベルズ(マイクロマガジン社)
- CROSS NOVELS(笠倉出版社)
- クリスタル文庫(成美堂出版)
- GENKI NOVELS(ムービック)
- 講談社X文庫ホワイトハート(講談社)
- SHYノベルス(大洋図書)
- CVノベルス(リーフ出版)…2007年版元経営破綻により消滅
- シャレード文庫(二見書房)
- シャレードパール文庫(二見書房)
- ショコラノベルス(心交社)
- ショコラノベルスHYPER(心交社)
- セシル文庫(コスミック出版)
- ダリア文庫(フロンティアワークス)
- ダリアノベルス(フロンティアワークス)
- ディアプラス文庫(新書館)
- Hug文庫・Hugノベルズ(飛鳥新社)
- 花丸ノベルス(白泉社)
- 花丸文庫(白泉社)
- パレット文庫(小学館)
- ビーボーイスラッシュノベルズ(ビブロス)…2006年版元倒産により、新会社・リブレ出版に移る
- ビーボーイノベルス(ビブロス)…上記に同じ
- プラチナ文庫(プランタン出版・販売フランス書院)
- ベリーノベルス(永岡書店)…2005年に1度出たのみ。その後発行は止まっている
- ラキアノベルス(ハイランド)…版元・ハイランドがビブロスの関連会社だったため、連鎖倒産。レーベルは消滅
- ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ(ハイランド)…上記に同じ
- ラピス文庫(プランタン出版・販売フランス書院)
- リーフノベルス(リーフ出版)…2007年版元経営破綻により消滅
- リンクスロマンス(幻冬舎コミックス)
- ルチル文庫(幻冬舎コミックス)
- 角川ルビー文庫(角川書店)
- Holly Novels(蒼竜社)
主なボーイズラブ漫画誌
現在刊行中の全ボーイズラブ漫画誌は、日本の漫画雑誌#ボーイズラブ漫画誌を参照。
- アクアBLキングダム (オークラ出版) - 携帯コミック誌
- GUSH(ガッシュ) (海王社)
- 花恋(カレン) (日本文芸社)
- Chara(キャラ) (徳間書店)
- コミックアクア (オークラ出版)- 休刊。
- コミックJUNE (ジュネット)-休刊。
- コミックマガジンリンクス (幻冬舎コミックス) - 小説リンクスと合併して月刊リンクスになった。
- CIEL(シエル) (角川書店)
- ダリア(Daria) (フロンティアワークス)
- ディアプラス(Dear+) (新書館)
- drap(ドラ) (コアマガジン)
- 花音 (芳文社)
- BE×BOY GOLD(ビーボーイゴールド) (リブレ出版)
- BOY'Sピアス (ジュネット)
- マガジンBE×BOY(-ビーボーイ) (リブレ出版)
- 麗人 (竹書房)
- ルチル (幻冬舎コミックス)
主なボーイズラブ小説誌
- 小説b-Boy(リブレ出版)
- 小説アクア(オークラ出版)- 休刊。
- 小説リンクス(幻冬舎コミックス)- コミックマガジンリンクスと合併して月刊リンクスになった。
- 小説ディアプラス(新書館)
- 小説キャラ(徳間書店)
- シャレード(二見書房)- 休刊。
- 小説花丸(白泉社)- 休刊。
- 小説ショコラ(心交社)- 紙媒体が休刊し電子雑誌に移行。
主なボーイズラブドラマCDレーベル
- インターコミュニケーションズ
- サイバーフェイズ
- バナナジュースカンパニー(モモアンドグレープス社)
- フィフスアベニュー(販売協力:白泉社・ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)
- マリン・エンタテインメント(販売協力:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)
- ムービック(販売協力:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)
- Binetsu(ランティス)
- リーフ出版
- リブレ出版
- Atis collection
主なボーイズラブゲームレーベル(会社)
- Alice Blue(制作休止)
- ビジュアルアーツ
- プラチナれーべる
- Spray
- アイン
- Nitro+CHiRAL(ニトロプラスキラル)
- パルミエ
- 郎猫儿(ランマール)
堺市立図書館「BL」本排除事件
2008年に大阪府の堺市立図書館で、ボーイズラブ小説が収蔵・貸出されていることを非難する「市民の声」によって廃棄が要求され、ボーイズラブとされた5500冊の本が開架から除去される事件が起きた。この「市民の声」というのは、実際は「匿名市民ひとり(同一人物)から」と、その意向を受けた市議たちで、このことは図書館側も認めている[2]。市議の水ノ上成彰は「世界日報」の記事で、図書館にボーイズラブがあることを激しく批判し「実質的にポルノ本」であり、図書館にあるのはおかしいと主張している[42]。市民活動家の寺町みどりは、「堺市に届いたメールから分かったことは、特定図書を排除したい人たちは、『同性愛』自体を嫌悪している。同性愛への差別と偏見から『BLをこどもに見せるな』といい、『BL本を処分せよ』と迫った。」と指摘している[43]。
このボーイズラブ本除去運動は、議員の介入[43]、純潔教育やジェンダーフリーバッシング、漫画・アニメ・ゲームの性表現や暴力表現に法的規制をかける為のロビー活動を行っている韓国発祥のカルト・統一教会の関連会社「世界日報社」のバックアップを受けていたことが指摘されている。[44][45](なお、統一教会では「同性愛は創造の原理に反する不自然な関係」であるとして否定されており、「同性愛は倫理道徳の問題であり、人権問題ではない」と主張されている。[46][47][48]。)図書館が示す排除の理由は二転三転し、ボーイズラブとされる基準も不明瞭であったが[2]、ボーイズラブ本として約5500冊がリストアップされ、堺市側は、これらの本は「全て閉架に保存」「今後は収集しない」「青少年には貸出しない」と決定した。[49]この意思決定に至る議論や経過は記録に残っていない[43]。図書館の定まらない対応に、市民は不信感を募らせた[50]。
この事件以前に福井でも、バックラッシュの流れの中で、ジェンダーや男女共同参画に関連するとされた本「ジェンダー図書」が、「市民の声」によって図書館から排除される事件が起きており、原因究明のために東京大学名誉教授上野千鶴子・寺町みどりらによって「ジェンダー図書排除」究明原告団が結成されていた。寺町は福井の事件以降、同様の事件を防ごうとバックラッシュ派のインターネット掲示板「フェミナチ[51]を監視する掲示板」に注視しており、そこで匿名男性が図書館にBL本が大量にあるという苦情の電話をかけていることを知ったと述べている[52]。同原告団は堺市の決定を同様の問題ととらえ、連絡を受けた早稲田大学の熱田敬子は除去リストを分析した。熱田敬子は、除去リストには宮乃崎桜子『斎姫異聞』(第5回ホワイトハート大賞を受賞した少女小説)なども含まれており、深く検証する前におかしいことがわかるようなものだったと述べている。堺市は排除理由を「過激な性描写」のあるものとしたと回答しているが、性描写のない本、ほとんどない本も含まれており、「挿絵」も理由として挙げられたが、挿絵に裸や性表現のない本やそもそも挿絵のない本も含まれていた。男性同性愛の要素のない少女小説やセクシュアル・マイノリティの日常を描いた作品が含まれていたり、同じ作家のBLとされる作品でも出版社によって指定されたりされなかったりであったり、同一シリーズの一部だけが指定されていたり、ライトノベルは指定されるが文学は指定されていない、少女向け・女性向けと思われる本は指定しているが、男性向けでセックスをするのが男女であれば性描写の程度に関わらず指定されていない、男性同性愛がテーマでも「ゲイ文学」と認知されているものは含まれていない、性描写の程度では振り分けされていない、ストーリー性や文学性があっても同性愛表現があるだけで指定されているなど、図書館員が共有する基準を持たず各々の判断で選んだかのように一貫性がなく、暗黙の差別があらわになる除去リストであったという。[2](具体的な内容は、熱田が整理したリスト[53]を参照のこと)
堺市の決定に対し、報道やネットで賛成反対様々な意見があがり、BLが図書館にあることを批判する声や、BLの読者を嫌悪するような意見もあった。「図書館の自由」や「表現の自由」を守るため、上野らや市民団体、全国の議員などが反対の声をあげ、堺市長と堺市教育長に対し、市民97人、議員46人、7団体による申し入れがされた[49]。堺市に対して、上野を代表に市民などから監査請求も行われた[49]。監査請求の後、堺市立図書館は「青少年への提供は行なわない」との方針・合意を撤回し、「請求があれば18歳未満にも貸し出す方針を決めた。同日から運用を始めた。」と新聞で報道された[43]。堺市は「拙速で、判断を誤った」としている[50]。「BL図書は収集・保存しない」という措置は、2008年時点では見直されていない[43]。
堺市立図書館は、BL本排除を決定するよう外圧があったことを否定している[43]。これに対し寺町は「インターネットにおける各種情報や新聞等の報道からも、また、事案の経過からも事実に反する。」と述べている[43]。
寺町みどりは、同性愛への嫌悪に基づく要求に従った堺市立図書館にも、「『ボーイズラブは青少年に見せてはいけない』という予断と、セクシュアルマイノリティへの偏見があったのだろう。だからこそ、堺市立図書館で起きたことは、『ジェンダー図書排除』事件にほかならない。[43]」「巷にあふれる『BL本』の悪いイメージをことさらに振りまいて、自己規制を迫るのは、差別する側の常套手段だ。(中略)わたしは、図書を選別し、区別し、隠すことこそが『焚書』であり、『差別』につながると言いたい。[43]」「『どのような理由であろうと蔵書を排除しない』を基本原則としない限り、第二第三の『図書排除』事件は、起きるだろう」と述べている[54][49]。
熱田敬子は、そもそも図書館から本を大量に除去することが大問題であるが、このような乱暴な指定で図書を除去することの原理的な問題として、大きく分けて「『BL』という恣意的な括りで、本が排除されるということ」(BLであるかどうかの明瞭な定義はないので、図書館は除去する本を恣意的に選べる)、「『BL』を一括りに排除することがそもそも恣意的である、ということ」(図書館はゾーニングをするべきか)の2点があると述べている[2]。 他に論点として、次のものが挙げられている[55]。
- BLとは何か。
- BLはわいせつか。18禁か。ポルノか。
- BLが有害であるとするなら、「誰にとって」「何故」有害なのか。
- わいせつ図書は図書館にあっていいのか。
- 図書館の自由という観点において、堺市図書館の対応はいかがなものか。
また論争における問題点として、次のことが指摘されている[55]。
- 図書館の自由に基づきありとあらゆる知を提供するという図書館の立ち位置が知られていない。
- BLへの不快感/自重意識から、思考停止または論点のすり替えが行われた。
この事件は、表現の自由の侵害であると同時に明確な差別事件でもあったが、その点は理解されにくく、当時は報道でも識者の間でもあまり注目されなかった[2]。背景には、女性が性的表現を享受することに対する女性自身の後ろめたさや世間の冷淡さ(保守的なフェミニストも含む)、男性オタクからの腐女子へのバッシングだけでなく、ホモ・フォビアやセクシャル・マイノリティ差別があることも指摘されている[2]。
脚注
- ^ 元編集関係者が語るBL業界事情 第一回「作家と編集の関係」 ボーイズラブ専門レビューサイト ちるちる
- ^ a b c d e f g h 熱田敬子「『BL』排除から見えた差別と性の享受の萎縮 堺市立図書館での「BL」本排除事件」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
- ^ a b c 東園子「私のための物語 やおい再考」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
- ^ a b 美術手帖 2014年12月号 ボーイズラブ | 株式会社美術出版社
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x ボーイズラブ回顧年表:ぶどううり・くすこ文責 【20160322版】 BLlogia準備室
- ^ a b c d e f g h i 霜月りつ(白城るた、荒木立子)「やおいの話をします。」 よろめ記 2013.01.24
- ^ イマージュ 980円 (株)白夜書房より 平成3年12月10日発行 (A5判) ガバチョの部屋
- ^ 1988年に青磁ビブロスとして創業、1997年にビブロスとなった。
- ^ 杉浦由美子 『オタク女子研究 腐女子思想大系』 原書房、2006年、136頁。ISBN 978-4562039920。
- ^ a b c ライトノベル歴史年表1990~1999年 ライトノベル作法研究所
- ^ 「ジューン」と読まない。
- ^ a b 柿沼瑛子・佐川俊彦「「耽美」から「ボーイズラブ」へ!「JUNE」系とは何だったのか」 サイゾーウーマン
- ^ a b c d e f g h i j こだか和麻×よしながふみ「ボーイズラブじゃないと描けないこと」『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』 太田出版、2007年
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 千田有紀『貴腐人、もしくは汚超腐人の密かな愉しみ」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
- ^ a b c d e f g h i j k 金田淳子・永久保陽子「BLの浸透と拡散をめぐって」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
- ^ a b c d e f g h i 三浦しをん×よしながふみ「フェミニズムはやっぱり関係なくないのよ」『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』 太田出版、2007年
- ^ messy 「英語圏の腐女子文化〜知られざるスラッシュフィクションの世界」 BIGLOBEニュース 5月11日
- ^ a b c d e f 詩文奈「マイBL ヌーベルバーグ派」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
- ^ a b c d e f g 千野拓政 東アジアにおけるサブカルチャー、文学の変貌と若者の心 ─ アニメ・マンガ・ライトノベル、コスプレ、そして村上春樹 ─ WASEDA RILAS JOURNAL NO. 1 (2013. 10)
- ^ a b Q. BL、JUNE、耽美の定義 言葉の経緯 葡萄瓜 BLサイト ちるちる
- ^ a b c d Q. 耽美とは? 一応の流れ 葡萄瓜 BLサイト ちるちる
- ^ 三浦しをん『シュミじゃないんだ』 新書館、2006年 引用エラー:
<ref>
タグ内の引数「三浦」は無効です。サポートされている引数: dir, follow, group, name - ^ nodada 「羅川真里茂の『ニューヨーク・ニューヨーク』は「やおいBL」か?」 2008-12-01
- ^ a b 掘あきこ「リアルとファンタジー、そのはざまで見る夢」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
- ^ 『のだめカンタービレ』の主人公のだめの、ピアノの天才でゴミ女、という設定など。
- ^ よしながふみは、少女漫画でも一見男性と対等の女性が描かれることが増えたが、その場合仕事ができるだけでなく容姿もよくおしゃれといった「女力」の高いキャラであると指摘している。少女漫画には「女の子はやっぱりおしゃれで恋をしなくてはいけません」という暗黙のメッセージがあふれており、それをシャワーのように浴び続けるのは大きなストレスであるし、受け入れられない女性もいると述べている。そしてBLの世界に大きな描き手の鉱脈があるのは、「おしゃれ」なものから解放され、もっと別のものが描きたい女性作家が少なくないためではないかと述べている。
- ^ よしながふみは冗談めかして「一穴一棒主義」と呼んでおり、こだか和麻は、これは<受>キャラはある程度読者の理想であるためと述べている。
- ^ 髙木聡司 「ライトノベル」「少女小説」ジャンルの再検討―両性一元的文学史観点からの再整理― Core Ethics Vol. 7(2011)
- ^ BL界のパイオニア「BE×BOY」が20周年 巨匠・魔夜峰央がついにBLを語る 2013年2月1日 ライブドアニュース
- ^ 『KIZUNA -絆-』こだか和麻が描く不朽の任侠BL漫画 PUUL
- ^ a b c BL/ Boys Love ボーイズラブ 同人用語の基礎知識
- ^ a b c 元編集関係者が語るBL業界事情 第四回「BL作家になるには」 ボーイズラブ専門レビューサイト ちるちる
- ^ 08年の新書刊行状況は 全国出版協会
- ^ 快挙!「どうしても触れたくない」オリコン週間ランキングでも1位!ZIP紹介 BLサイト ちるちる
- ^ 2015年はBL解説書がブーム! BLサイト ちるちる
- ^ ミュージカル『テニスの王子様』累計動員数200万人突破!! テニミュニュース
- ^ 腐女子と二次創作問題 あのサウスパークにBLがついに登場! BLサイト ちるちる
- ^ 【腐女子】サウスパーク公式がBL【トゥイクレ】 Present the France Trip
- ^ a b 掘って掘られてたぎりまくるッ! 腐向け18禁イラストSNS「ホルネ」誕生 KAI-YOU.net
- ^ 野島健児さん、神谷浩史さんら出演の劇場アニメ『同級生』の動員数が13万人&興行収入が2億円を突破! 上映劇場も拡大中! アニメイトタイムズ
- ^ 葡萄瓜XQO(ぶどううり・くすこ) 「仇花の記憶~ショタやおい雑話~☆第二巻弐拾八回 存在」
- ^ 堺市図書館に大量の同性愛小説 世界日報 2008年10月28日
- ^ a b c d e f g h i 『む・しの音通信』No.68(2008.12.5発行)
- ^ 平成20年12月28日 堺市監査委員公表 第48号 堺市
- ^ 堺市立図書館BL小説撤去事件(2008年)
- ^ 魚谷俊輔 第五章 統一教会の結婚観について 「洗脳」「マインドコントロール」の虚構を暴く
- ^ 日本の未来を左右する同性婚問題 世界平和統一家庭連合(旧 統一教会)広報局サイト 雲外蒼天
- ^ 【キリスト教保守と韓国社会-2-】統一教会だけじゃない!! こんなにある「お騒がせ教団」 DailyNK Japan
- ^ a b c d Chika Igaya TSUTAYA図書館の選書問題が揺るがす「図書館の自由」 "不適切図書"は誰にとって不適切? 2015年12月25日 ハフィントンポスト
- ^ a b 図書館「ボーイズラブ」に揺れる 堺市、市民の不信感募る 共同通信
- ^ フェミナチとは、フェミニズムとナチスを掛け合わせた、フェミニズムやジェンダーフリーを敵視する人々が使う造語。フェミニズムとナチスに関係があるということではない。
- ^ 堺市立図書館の書架から5499冊の図書が消えた!?/知る権利、表現の自由を守ろう! みどりの一期一会
- ^ 堺市立図書館の5706冊の「特定(BL)図書排除リスト」一挙公開!/著者別、出版社別でも分類・整理 みどりの一期一会
- ^ 堺市立図書館で「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?「ジェンダー図書排除」究明原告団 事務局・寺町みどり みどりの一期一会
- ^ a b natsu_san 堺市図書館BL問題要点まとめ(まとまらなかった) __ScrapBook of Plumber
関連項目
- やおい
- おたく
- スラッシュ (フィクション)
- ボーイズラブ小説家一覧
- 池袋 - 「女性オタクの街」とも呼ばれる。詳細は乙女ロードも参照。