黄金の風
『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』(ジョジョのきみょうなぼうけん おうごんのかぜ、LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO Parte5 VENTO AUREO)は、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart5(Parte5、第5部)のサブタイトル。スタンド(幽波紋)シリーズ第3弾。
黄金の風 | |
---|---|
ジャンル | バトル・アドベンチャー |
漫画:ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風 | |
作者 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表期間 | 1995年52号 - 1999年17号 |
巻数 | 単行本 全17巻(47 - 63巻) 文庫版 全10巻(30 - 39巻) |
話数 | 全154話 |
テンプレート - ノート |
『黄金の風』は後年に付けられた副題で、連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ【黄金なる遺産】」となっていた。なお、英語圏での副題は『Golden wind』として発表されている。以下、本項では第5部の概要について詳述する。
概要
ジャンプ・コミックス単行本47巻 - 63巻に収録。なお、『ジョジョの奇妙な冒険』としての単行本刊行は63巻で一旦リセットし、次作『ストーンオーシャン』以降はシリーズ毎に単行本が刊行されるようになる。
舞台は2001年のイタリア、DIOの息子「ジョルノ・ジョバァーナ」(ジョジョ)が、ギャング「パッショーネ」で憧れのギャングスターへと登りつめて行く姿と、彼の仲間との逃避行を描いた群像劇。今作品は前シリーズまでとは違い、序盤に『Part3』や『Part4』に登場する空条承太郎、『Part4』の広瀬康一、終盤に『Part3』のジャン=ピエール・ポルナレフが登場するものの、前シリーズとの物語上の関連は薄く、主人公の父親であるDIOも回想シーンや肖像写真で登場するのみで、以後のストーリー展開に影響は無く、前シリーズまでとはほぼ独立した物語となっている。
あらすじ
西暦2001年、イタリア。ネアポリスに住む少年ジョルノ・ジョバァーナは、ジョースター家の宿敵・DIOの血を継ぐ息子であった。かつては虐待や虐めなどを受けて荒んでいたが、ある時、名前も知らない一人のギャングを救い、そのギャングにお礼として周りの迫害から助けてもらった体験から、ギャングに憧れを抱いており、いつか自分も「ギャングスター」になるという夢を抱くようになった。
ある日ジョルノは、ふとしたことからギャング組織「パッショーネ」の構成員に重傷を負わせてしまい、そのことが原因でパッショーネの一員であるブローノ・ブチャラティに狙われる羽目になった。スタンド使いであるブチャラティとの戦いを自身のスタンド「ゴールド・エクスペリエンス」の力で何とか制し、窮地を脱したジョルノは、ブチャラティに「子供にまで麻薬を流すパッショーネのボスを倒し、組織を乗っ取る」という自らの野望を告白する。以前から組織のやり口に疑念を抱いていたブチャラティはその想いに共鳴し、ジョルノを自身のチームに引き入れる。パッショーネの幹部となったブチャラティに、パッショーネの「ボス」から直々の命令が下る。それは、彼の娘であるトリッシュ・ウナをボスがいるヴェネツィアまで送り届けるというものだった。だが、それと同時にパッショーネから離反した「暗殺チーム」のスタンド使いたちが動き出す。彼らは正体不明のボスの正体を暴くため、その手掛かりになり得る娘のトリッシュの身柄を確保しようとしていた。ジョルノたちはヴェネツィアへの道中で何度も暗殺チームの刺客との戦いを繰り広げ、その戦いの中でジョルノは次第にチームの仲間であるレオーネ・アバッキオ、ナランチャ・ギルガ、グイード・ミスタ、パンナコッタ・フーゴと信頼関係を築いていく。
ジョルノたちは辛くもヴェネツィアへたどり着くが、トリッシュの引き渡しに向かったブチャラティは、そこでボスの命令の真意を知ってしまう。自分の正体を知られることを最も恐れるボスは、手掛かりとなるトリッシュを自らの手で確実に始末するために、わざわざ自分の下へ送り届けさせたのである。激怒したブチャラティはボスを裏切ることを決意し、連れ去られたトリッシュの救出に向かうが、そこで待ち構えていたボスのスタンド能力の前に返り討ちに遭う。しかしブチャラティは致命傷を負わされてもなお立ち上がり、更に二人の戦いの余波で異変に気づき駆け付けたジョルノの手助けもあって、辛うじてトリッシュを連れて逃がれることに成功する。ブチャラティはチームの仲間に、自分につい てくるか、組織に残るかを選ぶよう告げる。ジョルノを初めとするチームの大半はブチャラティと組織を裏切ることを決断するが、唯一フーゴだけはブチャラティの無謀な考えについていけないと告げ、彼らと袂を分かつ―。
ジョルノたちはボスの正体に関する情報を探っていくが、一方のボスも裏切者となった彼らを始末すべく、自身直属の「親衛隊」を追っ手として差し向ける。トリッシュの言葉からヒントを掴んだジョルノたちは追っ手を倒しながら、ボスの生まれ故郷・サルディニア島へ向かう。しかしそこには、離反した暗殺チームの最後の生き残りにしてリーダーのリゾット・ネエロを破ったボスも到着しており、彼らを密かに待ち構えていた。それに気付かずアバッキオは、ボスの手にかかって命を落とす。アバッキオが死の間際に、自身のスタンド能力を用いて遺した重要なダイイングメッセージを手にしたジョルノたちの下に、ボスを倒す手段を知っているというある人物から通信が届く。
その人物――かつて空条承太郎と共にDIOと戦ったスタンド使いジャン=ピエール・ポルナレフは、素養のある人間をスタンド使いへと覚醒させる「矢」に秘められた未曾有の力を偶然にも知り、その「矢」をボスの無敵のスタンド能力を倒す“切り札”としてジョルノたちに託そうとしていた。「矢」には刺されても生き延びた人間をスタンド使いに覚醒させる用途以外にも、まだ未知の力があった。「矢」が秘めるその絶大な力を制御し得るだけの資質を備えたスタンド使いが、自身のスタンドに「矢」を刺すことで、更なる未知の領域の力を引き出せるという可能性が秘められていたのだった。ジョルノら一行はポルナレフと合流するべく、ボスの切り札となる親衛隊のチョコラータとセッコの妨害を退けながら、待ち合わせ場所であるローマのコロッセオへ急ぐ。だが、何者かがジョルノたちに手を貸そうとしていることに気付いたボス・ディアボロは遂にその正体を現し、ジョルノら一行に先んじて「矢」を奪おうとポルナレフを急襲する。
戦いの末にポルナレフはディアボロに敗れるが、その今際の際に一か八か自ら「矢」を使い、自分のスタンドシルバーチャリオッツの新たな力を引き出そうと試みる。その結果、新たなスタンド「シルバーチャリオッツ・レクイエム」が出現する。しかし、今や戦闘者として再起不能状態のポルナレフにはその強大な力を制御しきれず、レクイエムは暴走。彼の手を離れて「矢を守護するためだけのスタンド」と化してしまう。その強大な力は、ジョルノ達やディアボロを含むローマ一帯の人々の精神を、近くにいた者同士で入れ替えてしまうという奇妙な現象まで引き起こす。チョコラータたちを倒してコロッセオへ辿り着いたジョルノら一行もこの現象に巻き込まれるが、事の次第を知り、その力を暴走させたまま大混乱に陥ったローマを彷徨うレクイエムを止めようとする。しかし、精神の入れ替わりに乗じて誰かの肉体に乗り移り潜むディアボロも、この状況を利用して「矢」を奪おうと目論んでおり“「矢」の争奪戦”という形で最終決戦が繰り広げられることになる。
ディアボロは自身の存在を探り得る生命探知能力を持つナランチャを殺害し、自身が乗り移り潜んでいたトリッシュにも重傷を負わせて「矢」に迫る。しかしブチャラティの捨て身の機転によってレクイエムの能力は解除され、すべての精神が本来の肉体に返った。戻るべき肉体が限界を迎えたブチャラティの霊体はジョルノに後を託して消滅し、ジョルノは彼の遺志を継いで遂に「矢」をその手に掴む。「矢」の力を用いて未知の領域に進化し顕現したジョルノのスタンド「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」は、挑みかかるディアボロのすべての攻撃を無効化する。ジョルノはゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力により、ディアボロに「死」に到る様々な過程を永遠に体験し続けるも、その「死」という真実にさえ永遠に到ることができない「“終わり”のない“終わり”」を与えることで戦いに決着を付ける。
エピローグでは、生き残ったミスタと、「矢」を監視するべくしばらく現世に留まることを選んだポルナレフの霊体に見守られつつ、ジョルノがパッショーネの新たなボスとして君臨したことが示唆され、第5部の物語は幕を閉じる。
登場人物
スタンドのデータは各単行本より。声の項は黄金の旋風版 / ASB版・EOHの順。1つしか記載されていないものは特記ない限り黄金の旋風版とする。
ブチャラティチーム
チーム全員が美形キャラクターである点を作者は「SMAPとかジャニーズ系を意識していたんだと思う」と語っている[1]。
- ジョルノ・ジョバァーナ
- 声 - 朴璐美 / 浪川大輔
- 第5部のGIOGIO(JOJO)。父親はジョースター家の宿敵・DIO。DIOの首から下はジョナサン・ジョースターの肉体であるため、ジョースター家の体質の星型のアザを所持しており、その身体にはジョースター家の血を引いているとも言える特殊な境遇の持ち主。街を浄化するために、ギャングスターになる決意を抱いてギャング組織「パッショーネ」に入団し、任務で出会ったボスの娘、トリッシュをめぐる組織の内部抗争に巻き込まれていく。スタンドは物体に生命を与える能力を持つ「ゴールド・エクスペリエンス」。ラッシュ時の決め台詞は父親譲りの「無駄無駄無駄無駄!」。スタンド名は、『オールスターバトル』の北米版では、"Golden Wind"(ゴールデン・ウィンド)と改名されている。
- ブローノ・ブチャラティ
- 声 - 櫻井孝宏 / 杉山紀彰
- 「組織」のチームリーダーの一人で、ポルポの部下。20歳。人の皮膚や汗の状態で相手の嘘を見抜くと言う特技がある。組織に忠実でチーム内でも厳しく徹しているが根は優しく、時には自身より他人を優先して行動することがある。その人柄故に、ギャングの身でありながらも担当している地域の住民からはとても親しまれており、料理店で代金を支払おうとしても店長の好意で断られるほどで、彼よりもはるかに歳を重ねた大人から相談事を受けることも珍しくない。また、故郷であるネアポリスの近郊に一軒家を持っている。おかっぱに近い髪型で、白地に黒い点が入り多数のジッパーが付いた変形スーツを着用している。
- 7歳の頃に両親は離婚。「母親は一人にしても必ず元気にやっていけるが、父親を一人にしたら過去を引きずってダメになってしまう」と二人の本質を見抜き、将来を憂い父親の方に残ることにした。その父親はブチャラティが12歳の頃に麻薬取引現場を目撃したため重傷を負う。歳並外れて聡明だったブチャラティは、口封じのためとどめを刺しに来たギャングを逆に待ち伏せて殺害。ギャング団の報復から逃れるために街を裏で牛耳る組織に少年の身でありながら忠誠を誓う事になる(父親は傷が元で後遺症を負い、5年後に死亡した)。しかし彼が所属している組織が彼の嫌悪する麻薬の密売に手を染めていたことを知り、疑問を抱くようになる。初登場時はジョルノに対して組織が送り込んだ刺客として出逢ったが、彼の夢に賛同しチームに引き入れた。
- 物語中盤、トリッシュをボスのもとへ護衛する任務を遂行するが、その目的がトリッシュを自らの手で殺害するというボスの真意を知り、これを二度目の裏切りとして激怒し組織を裏切る。この時のボスとの戦闘により致命傷を負うが、ジョルノの「ゴールド・エクスペリエンス」により肉体が死亡した状態で生命エネルギーによってのみ活動する存在となる。最終決戦では己の活動の限界を感じながらもボスの手から「矢」を守り、ジョルノに全てを託した後彼に感謝の言葉を述べて天へと昇って行った。
- ラッシュ時の決め台詞は「アリアリアリ…アリーヴェデルチ(さよならだ / Arrivederci)」。
- スティッキィ・フィンガーズ
- 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - E(2m) / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - D】
- ブチャラティのスーツと同じジッパーが体に付いた人型のスタンド。殴った物体にジッパーを取り付け、物体を切断・接着したり、開いたジッパーの中に空間を作ることができる。他人の体にジッパーを付けて内部に隠れる、腕の途中をジッパーで開いてパンチの飛距離を伸ばす、地面をジッパーで開いて相手と距離を取る、傷をジッパーで閉めて出血を止めるなど、多数の応用技を見せた。
- スタンド名の由来はローリング・ストーンズのアルバム「スティッキー・フィンガーズ」[2]。このアルバムのオリジナルLP版には、開閉できる本物のジッパーが付いているという変形ジャケットで、これが能力のモチーフになっている[2]。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Zipper Man"(ジッパー・マン)と改名されている。
- レオーネ・アバッキオ
- 声 - 稲田徹 / 楠大典
- ブチャラティの部下。21歳。元は正義感溢れる警察官だったが、利益で悪人を見逃す社会に失望し、自らも収賄などの悪事に手を染めるようになる。後に、自身の汚職が原因で同僚が殉職、汚職も発覚し身も心も暗黒に堕ち、ギャングとなった。
- 人をあまり信用しない性格。しかしいったん信頼を置いた人間とはとことん打ち解ける部分を持っている。ジョルノに対しては共に行動する中で徐々に彼の覚悟を認めていきつつあったが、最後まで完全に心を許すことはなかった。テレビや映画が好きで、サルディニアへ飛行機で飛ぶ際は操縦を映画から得た知識でこなそうとした。
- 物語中盤、サルディニア島でボスの正体を探っていた時に、ドッピオの姿で近づいて来たボスに気を許し殺害される。最期の力で石碑にボスの顔を刻み、かつて死んだ同僚と共に旅立っていった。
- ムーディー・ブルース
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - A(再生中に限る) / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 人型のスタンド。額にデジタル表示のタイマーがついており、特定のスタンドや人間の行動をビデオ映像のように再生できる。容姿や大きさは再現できるが、瞬間移動といったスタンドの能力までは再現できない。再生中はその人物に変身するため敵を欺くこともできるが、攻撃・防御が出来ない無防備状態になるという弱点が存在する。
- 作中では主に追跡、探索の目的で使われることが多い。戦闘向きのスタンドではないが、作者によればアバッキオ自身の腕っ節はチーム内で1番強いとのこと[3]。
- デザインはビニールを頭からかぶっているイメージ[4]。
- グイード・ミスタ
- 声 - 伊藤健太郎 / 赤羽根健治
- ブチャラティの部下でチームのムードメーカー。18歳。女性を暴行していたチンピラと対峙し、相手全員を射殺してしまう。行為そのものは正当防衛であったものの、飛んでくる弾丸の中で銃を奪い、弾倉に弾を込め直したという行為を誰にも信じてもらえず、「弾を込め直した」行為の所だけを凶悪な行為として受け止められ、裁判で禁固15年 - 30年を言い渡される。この裁判の記事を読み、ブチャラティが手を回して釈放させ、「試験」を受けて組織に入団した。
- 愛用する撃鉄を覆ったリボルバー式の改造拳銃の弾が切れたときには、帽子の中や袖に隠し持った銃弾を瞬時に再装填する。反面自動拳銃はマガジンに銃弾を装填する必要があり、リボルバーの倍時間を食うため、あまり使いたがらない。しかし、終盤の戦いで愛用のリボルバーが壊れた時には、警察官の手から奪ったベレッタM92を使っていた。
- 「単純に生きる」を信条にしており、性格は常に快活で直情的。ブチャラティを除けばチーム内で、新入りのジョルノに一番早く協力する姿勢を見せた。かなりの験かつぎで、数字の「4」を不吉と信じて極度に嫌っており、「4」が絡むと途端に弱気になる。
- 最終決戦では「ピストルズ」でジョルノたちを援護し、最後まで生き残る。ジョルノがボスとなった後はその片腕として活躍している。
- セックス・ピストルズ
- 声 - 伊藤健太郎[5] / 今井麻美
- 【破壊力 - E / スピード - C / 射程距離 - 弾丸の届く距離まで / 持続力 - A / 精密動作性 - A / 成長性 - B】
- 弾丸にとりついて発射後の軌道を操る小人のようなスタンド。弾丸に馬乗りになって軌道を曲げたり、弾丸を蹴る事で軌道を急激に変える、さらには複数体で力を合わせて弾丸を割り、複数の標的に命中させるといった芸当も可能。また、プロシュート戦ではミスタに放たれた銃弾を受け止め、彼を守ったりもしている。
- 「ピストルズ」は6人で1チームとなっており、それぞれ自意識を持っている。No.1はリーダー格、No.2は明るいお調子者、No.3は短気な暴れん坊、No.5は気弱な泣き虫、No.6はクールで冷静、No.7はサブリーダー(指揮をとったのはNo.1の不在時のみ)。ミスタ自身のジンクスから「No.4」はいない。本体であるミスタとの緻密な連携プレーや、ミスタから離れても自主行動でジョルノたちの援護に回るなどの活躍を見せており、遠隔操作と自動操縦の両方の性質を持つ。「〜匹」と呼ばれるとペット扱いされたと感じて機嫌を損ねる他、スタンドでありながらイタリア人的な生活習慣を持っており、食事や昼寝をさせないと働いてくれないとミスタは語っている。また、同じ群生型のスタンドであるPart4に登場した「バッドカンパニー」や「パール・ジャム」、「ハーヴェスト」と違い、ダメージのフィードバックによって本体が生命の危機に瀕したことがある。
- Part3の「エンペラー」とは違い、弾丸そのものはスタンドではないが、「ノトーリアス・B・I・G」戦では敵本体とスタンドを同時に打ち抜くシーンがあり、スタンドに対してもダメージを与えられる。また、「ピストルズ」自体の攻撃力はほとんど無いに等しく、弾丸よりも重い物体を持ち上げたりすることは苦手。
- スタンド名は「シックス・ピストルズ」という語呂合わせから来ている[4]。『オールスターバトル』の北米版では、"Six Bullets"(シックス・バレッツ)と改名されている。
- ナランチャ・ギルガ
- 声 - 瀧本富士子 / 三瓶由布子
- ブチャラティの部下。17歳。早くに母を亡くし、父には愛されなかった上、信頼していた友人にさえも強盗の罪を擦り付けられて少年院へ収監される。出所後も眼病を患いながら社会に投げ出された上、裏切った友人が広めた眼病の噂のせいで孤立してしまったため、人生に絶望し浮浪者となっていた。この時にフーゴに拾われてブチャラティチームの介護を受ける。その際に自分もギャングにして欲しいと申し出るが、安易にギャングの道に入ろうとしたことをブチャラティに厳しく怒られて家へ帰される。しかし「何の関係も無いはずの自分を、親よりも真剣な態度で怒ってくれた」と感じた彼はブチャラティに憧れるようになり、その恩に報いるため秘密で「試験」を受け組織に入団する。
- 満足な教育を受けていないことに劣等感を持っており、教養・知識の無いことを馬鹿にされると、キレてナイフを振り回す。ジョルノより二つ年上で先輩風を吹かす事があるが、内心ジョルノの才能を認めている。
- 最終決戦まで生き残り、この闘いで生き残ったら学校へ行くという言葉を発した直後、「キング・クリムゾン」で消し飛ばされた世界の中でボスの手により、鉄柵に串刺しにされて殺害された。
- ラッシュ攻撃の決め台詞は「ボラボラボラ…ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)」。
- エアロスミス
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - 数10m / 持続力 - C / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- プロペラ戦闘機型のスタンド。殺傷力が高い機銃や爆弾の他、プロペラでも攻撃が可能。横に伸ばした両腕を滑走路に見立てて出し入れする。
- 二酸化炭素を検知する能力を持っており、ナランチャ本人が目視できない場所にスタンドがいても、レーダーを通してスタンドの周囲の二酸化炭素の存在状況を知ることで、ある程度のコントロールが可能であり、攻撃だけでなく偵察のために使うことも多い。また、銃弾が命中した場合、銃痕から発せられる硝煙による二酸化炭素で相手を追尾することができる。スタンドによる硝煙なので自然に鎮火するまで水などでは消せない。
- ナランチャが目視でコントロールしている時は、少しはなれた場所の車のガソリンタンクを狙って撃ち抜く程度の精密性はあるが、二酸化炭素レーダーを見てコントロールしている時は標的を点と丸でしか認識できないため、狙いは適当になってしまう。飛行速度は本体のナランチャ+実際のプロペラ戦闘機の速度まで出せるが限界があり、作中ジェット機で離陸する際、離陸時に発生する加速Gに対し「エアロスミス」にも相当のGが加わり、スタンドの維持が困難になって戻した(巡航速度の時には機体の周囲を探索できた)。
- 搭乗者の名前は「スミス」[3]。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Li'l Bomber"(リトル・ボマー)と改名されている。
- パンナコッタ・フーゴ
- 声 - 三浦祥朗 / 小田久史
- ブチャラティの部下でチームのブレーン。1985年生まれの16歳。IQ152、大学に行ける資格を買った。普段は紳士的だが恐ろしく短気で、教師に対する暴行事件をきっかけに道を外れ、ギャングとなる。ナランチャが浮浪児となっていた時ブチャラティの元に連れていきナランチャがチームに入るきっかけを作った。チームでは仕事の傍らナランチャの教育係をしている。スタンドによって仲間を巻き込み自分も命を落とす危険があるため、本編で戦ったのは一回だけである。
- 物語の中盤、組織を裏切ったブチャラティに他のチームメンバーが付いていく中、「理想だけでこの世界を生き抜くことはできない」と主張し、一人チームを離脱した。
- 小説『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』の主人公である。
- パープル・ヘイズ
- 声 - 江川央生(ASB版)
- 【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - E / 精密動作性 - E / 成長性 - B】
- 人型のスタンド。ローマの甲冑を着ており[4]、半透明のバイザーで顔を覆い、口は糸で縫われ常に涎を垂らしている。拳に搭載された数個のカプセルから殺人ウイルスをばら撒く。このウイルスに感染すると、人間を含めて抗体を持たないあらゆる生物はおよそ30秒ほどで全身が腐り死んでしまう。本体であるフーゴでさえもウイルスに感染すれば死亡し、解除することもできない[6]。
- 拡散したウイルスは光に弱く、ライトの光程度の強さで数十秒ほどの照射で殺菌されるが、解説によればウイルスは成長もする。スタンドは自意識を持つが、アバッキオ曰く「本体の凶暴さを具現化したような能力」と評するように知性は低く凶暴性が高い。体についた自分の涎をふき取るなど綺麗好きである。本体であるフーゴ自身にも制御しきれないため、滅多に使われないらしい。作中で登場したのはイルーゾォの「マン・イン・ザ・ミラー」戦の一度きりである。
- トリッシュ・ウナ
- 声 - 夏樹リオ / 東山奈央
- 組織のボスの娘。15歳。ボスが組織に君臨する以前に出来た子供で、最近までボス自身も存在を知らなかった。それまでは母と2人で暮らしていたが、母が病死するにあたり遺言で父親(ボス)を探してくれと偶然にも組織に依頼したことでボスに知られることとなり、ボスを知るための鍵と思われ、組織内の抗争に巻き込まれたがボスの指示でペリーコロに保護され、ブチャラティチームに護衛されることとなる。
- 初めは潔癖症で高飛車だったが、ブチャラティ一行との関わりが彼女を成長させ、もともと強かった芯がより強くなり、性格も丸くなった。名前の由来はスーパーモデルのトリッシュ・ゴフ[3]。本誌および単行本では、一部トリッシュ・ウノと誤記されているページも存在した。ナランチャと同じ境遇なのもあり、彼と会話をする機会が多い。
- スパイス・ガール
- 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - C】
- どんな物質も柔らかくできる、意思を持った女性型スタンド。ボスのキング・クリムゾンと似た模様が体表にある。柔らかくできる範囲は弾性のあるゴム状から不定形に近いレベルまで自在で、自らの体を柔らかくして当たった銃弾のダメージを軽減することもできる。時計などの機械を柔らかくしても機能は持続する。
- 自我のあるタイプのスタンドで、トリッシュとは対等の友人のような関係である。普段は敬語で喋るが、戦闘になるとガラが悪くなり、本体譲りの激しい気性が露呈してくる。ラッシュ時は「WANNABEEEE--!(ワナァァーービィィィー!)」と叫ぶ。
- デザインには猫と四則演算が取り入れられている[4]。
暗殺チーム
ギャング組織「パッショーネ」の暗殺専門部隊。総員は9名。仕事の性質上、ボスから「信頼」が得られず、仕事上の命の危険性に反して報酬・地位等の面で冷遇されていたため、ボスを暗殺し組織の麻薬ルート乗っ取りを目論む。ボスの正体を暴くために、娘であるトリッシュを拉致しようとした。
- リゾット・ネエロ
- 声 - 根岸朗 / 黒田崇矢
- 暗殺チームのリーダー。28歳。シチリア出身。18歳の頃に飲酒運転でいとこを殺した犯人を殺害し、それが切っ掛けで裏の世界に身を投じた経緯がある。
- サルディニア島でブチャラティチームを追跡中、ドッピオと遭遇。エアロスミスを認識していたことから、彼がスタンド使いであると気付き、攻撃を仕掛ける。死闘の末、片足を斬り飛ばされながらも彼を追い詰めるが、ドッピオの主人格であるディアボロの策略でエアロスミスに攻撃されて致命傷を負う。今際の際に一矢報いようとしたものの、キング・クリムゾンの能力には敵わず死亡した。その死に様にディアボロは敬意を表した。
- メタリカ
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - 5〜10m / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 鉄分を磁力により操作する群体のスタンド。非常に小さく、本体の体内に潜んでいるという珍しいタイプ。磁力で相手の血液中の鉄分を刃物等に作り変えることで、体内から攻撃することができる。標的は攻撃を受けるうちに体を内から裂かれたための多量の出血と、体内の鉄分を減らされることで結果的に酸素欠乏症となり、行動不能に陥る。また、砂鉄を身に纏うことで周囲の風景に溶け込むこともでき、高い攻撃力と隠密性を兼ね備えた、暗殺向けの能力といえる。切断された部位を、血液中の鉄分を利用し接着することもできる。
- デザインのイメージは細胞や赤血球および『ムーミン』に登場するニョロニョロ[4]。
- ホルマジオ
- 声 - 岸祐二
- 暗殺チームの一人。口癖は「しょうがねえなあ」。買い出しに出たナランチャを襲撃、拷問して隠れ家の場所を吐かせようとする。自身のスタンド能力を「知恵の使い様」で最大限に活かし、ナランチャやエアロスミスの行動から能力を推察して見破るなど、知略家ぶりを見せたが、キレたナランチャの後先考えない激しい攻撃によって返り討ちにあい敗北、死亡する。その際、皮肉的な台詞を残した。
- イルーゾォ
- 声 - 根岸朗 / 中井和哉
- 暗殺チームの一人。強気な反面、追い詰められるとかなり動揺を伴う性質だが、パープル・ヘイズの能力を逸早くウイルスだと見抜く判断力と強い警戒心も持ち合わせている。
- ポンペイの遺跡を訪れたジョルノらを待ち受け、1人ずつ順番に襲撃し、鏡の中へ引きずり込んでいく。しかし、ジョルノが自らパープル・ヘイズの殺人ウイルスに感染しながら鏡の中へ入ってきた事で自身もウイルス感染し、感染した腕部分を切り離して鏡の外へ脱出するも、現実世界のパープル・ヘイズのスタンド能力により死亡した。その身体はウイルスによって消滅し、同時にスタンド能力も解除された。
- マン・イン・ザ・ミラー
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - C(「鏡の中」の世界では数百m(B)) / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - E】
- 顔にゴーグルを着けた人型のスタンド。「鏡の中の世界」を作り出し、鏡を出入り口としてその中に出入りする。鏡の中の世界を移動して別の場所から外に出る事も可能で、通常は鏡を覗き込んでもイルーゾォの姿を見つける事は出来ないため、目標に全く気づかれる事無く追跡等が出来る。ターゲットにされた者は鏡の中にいるイルーゾォが見えるようになり、「イルーゾォの姿に気づく」「何らかの鏡に映っている」の2つの条件を満たすと鏡に引き込まれる。鏡の中の世界ではイルーゾォ以外は物を動かしたりする事が出来ない。鏡の外の世界で周囲の物体に何らかの変化があると、鏡の中の世界でも連動して変化が起こる。
- 鏡の中の世界にはイルーゾォが「許可」したものしか入る事が出来ず、通常は本体のみ「許可」してスタンド能力は「許可」しないと言った引きずり込み方をするため、スタンドは鏡の外に取り残される。ただしイルーゾォが「本体を許可」と言っても相手の本体とスタンドを自動的に判別するような事は出来ず、イルーゾォが本体だと思っているものが実はスタンドであったりすると、スタンドの方を許可してしまう欠点がある。鏡の中に引き込むことにエネルギーを集中させているため破壊力はあまり高くない。鏡の中の世界で丸腰の人間を相手にする事が前提であるため、力負けする事は殆ど無いが、強力なスタンドを持つチームの中では直接的な殺傷効果を持たず、また敵を閉じ込めるための持続力も弱いスタンドでもある。
- スタンド名の由来はマイケル・ジャクソンの楽曲「マン・イン・ザ・ミラー」[4]。デザインのイメージはヴェネツィアの仮面[4]。
- プロシュート
- 声 - うすいたかやす / 寺島拓篤
- 暗殺チームの一人。目的のためなら一瞬も惑わない覚悟をもち、無関係の人間をも躊躇なくスタンド攻撃に巻き込む。その一方で、弟分のペッシに対しては「マンモーニ(ママっ子)」と叱り付けつつも、精神的な成長の大切さを説くなど兄貴肌の面倒見の良い性格。
- フィレンツェ行き特急内で、ブチャラティチームを列車の乗客ごと始末しようとするが、ブチャラティとの交戦の末に車外に転落。その際に瀕死の重傷を負いながらも、ペッシにその「覚悟」を見せつけ彼を成長させた後に死亡。単行本にあるスタンド紹介の本体名には「プロシュート兄貴」と書かれている。
- ザ・グレイトフル・デッド(偉大なる死)
- 【破壊力 - B / スピード - E / 射程距離 - 列車一本程度は十分 / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 全身に無数の目を持ち、人型に近いが下半身がなく、脚のように太い二本の腕で歩行する特徴的な姿のスタンド。全身の目から周囲の生物を無差別に老化させるガスを放つ。ただし、体温が低い相手に対しては効果が薄くなる。スタンドや本体の腕で直に触ったほうが老化は速く、本体は老化と老化解除が自在に出来る。また、老化能力は、敵味方の区別もできないため、近くにいる場合は、仲間も「氷」などで体を冷やす、という対策を講じておく必要がある。老化にエネルギーを集中させているため多くの近距離パワー型スタンドほどの破壊力は無いが、相手を老化させていることが前提であるため最低でも互角程度に戦うことが可能で、列車の運転席を破壊する程度のことができるだけのパワーはある。スピードはEとなっているが、両腕は老化してスピードの落ちたスティッキィ・フィンガーズのラッシュを捌く程度の動きが可能である(脚がないため、移動の速度は遅い)。
- デザインのイメージは全身に目がある妖怪[4]。
- ペッシ
- 声 - 西村朋紘 / ふくまつ進紗
- プロシュートと行動を共にする弟分。暗殺チームであるにもかかわらず、今まで一度も人を殺したことがなかったらしい。プロシュートからはその精神的な弱さを叱咤されている。
- 初めは臆病で自信の無いチンピラだったが、瀕死の状態でもなお攻撃を止めないプロシュートの「覚悟」を見て未熟から脱し、冷酷な暗殺者に成長。その成長振りはブチャラティを驚かせ、彼と死闘を繰り広げたが、首を折られて敗北する。死ぬ間際に、亀の中のジョルノたちを道連れにしようとしたが、この行為がブチャラティの怒りを買い(それまでは「お前の中に気高い精神を見た」と認めていたブチャラティは、「堕ちたな、ただのゲス野郎に」と彼を見下した)、最後はスティッキィ・フィンガーズのラッシュで、全身をバラバラにされて死亡した。
- ビーチ・ボーイ
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - 糸の距離 / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 釣竿状のスタンド。釣り糸や釣り針は標的以外の全てを水のように透過し、壁や床などの物体に垂らして敵を探し、相手の体内に侵入し内側から切り裂く。一旦標的の体内に入り込んでしまえば竿の弾性で相手の体力を奪うことが出来る上、体内に入り込んだスタンドは相手の神経に絡み付いている為、釣り糸へ加えられた攻撃エネルギーは釣り糸を経由して相手に返される。また針が刺さった部分や相手の身体的特徴を細かく察知できる。
- 『オールスターバトル』の北米版では、"Fisher Man"(フィッシャー・マン)と改名されている。
- メローネ
- 声 - 木内秀信 / 野島健児
- 暗殺チームの一人。口癖は「ディ・モールト[7](非常に)!」。いきなり女性に近づいて健康状態や性的嗜好を偏執的に調べようとするなど、性格はかなり屈折している。
- 列車で採取したブチャラティの血を組み込んだスタンドに一行を追跡させ、ブチャラティとトリッシュを捕らえて一度はジョルノを瀕死にまで追い込んだが、ジョルノが自らのスタンド能力を応用して「破損した肉体を修復する」能力に目覚めた事で形勢が逆転し、追跡に使用したバイクでベイビィ・フェイスを撃破されてしまう。直後にメローネ自身もジョルノが放った「スタンドの残骸から生まれた毒蛇」に噛まれ、死亡する。
- キャラクターのイメージはヴェネツィアの仮面[4]。
- ベイビィ・フェイス
- 声 - 木内秀信[8]
- 【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - 教育次第 / 成長性 - 教育次第】
- パソコンから手足が生えたような「親」と、標的の血液を採取して遺伝子を分析した後に女性を媒体にして生まれる「息子」の二体で構成されるスタンド(「息子」は受胎した女性から出産される[9]が、生まれる過程は作中では詳しくは描かれていない)。戦闘を行う「息子」は自意識を持つ遠隔自動操作型で、人間が媒体なので実体化している。本体の方も、一般人にも見えている。標的の血液が必須で、その標的と相性の悪い女性から生まれるのが好ましいようである。「息子」がどのような性格になるのかは母親と、誕生後の教育次第であり、それらが上手くいけば「パワーを兼ね備え、ある程度の操作も可能な遠隔操作型スタンド」というスタンドの原則を無視した、理想的なスタンドとして運用することが可能で、たとえ「息子」が撃退されたとしても標的の血液がある限り、何度でも新たな個体を生み出すことができ、自身にダメージもない。
- 「息子」の方は物質を分解させ、別の物体に作り変える能力を持つ。本体とはチャットのように意見の交換を行うため、情報収集やある程度の命令が可能であるが、本体への報告は文字によってのみ行なわれ、「息子」の主観に基づいているため、戦況がわかりづらく、「息子」の自我が強くなると指示に誤差が生じる、という弱点がある。今回の個体は非行少年的な性格で、ジョルノとの戦いでは劣勢に追い込まれたことでメローネの指示に次第に従わなくなったが、「キレた」ことで恐ろしいほどの成長スピードで一気に間合いを伸ばし一度は優位に立ち、「シンプルがいい。オレはオレのやりたいようにやる」と完全に命令を無視して戦うも一歩及ばず、追跡に使ったバイクの部品を利用され体内から爆破されて死亡した。
- デザインのイメージは広瀬康一のスタンド「エコーズACT3」の悪い版および悪魔少年[4]。
- ギアッチョ
- 声 - 西村朋紘 / 鈴木達央
- 暗殺チームの一人で眼鏡が特徴。言葉の言い回しや使われ方の矛盾に異常に反応し、唐突に怒り狂う性格の持ち主。
- 自殺したペリーコロのそばに落ちていた写真の燃えカスを復元し、ブチャラティチームの行き先がヴェネツィアだと特定。ボスからの指令により、サンタ・ルチア駅前に隠されたOA-DISCの回収に向かうジョルノとミスタの自動車を襲撃する。2人を追い詰め、ジョルノ達よりも先にDISCを奪う事に成功するが、ミスタの捨て身の覚悟で尖った鉄柱に首を撃ち込まれ、最後は復活したジョルノのラッシュで完全にのどを貫かれ絶命した。
- ホワイト・アルバム
- 【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 極低温を操り、水分を凝固させたスピードスケート用スーツのような装甲で本体を覆うという珍しいタイプのスタンド。低温は防御だけでなく攻撃にも使用でき、敵を瞬時に凍結させ破砕する。凍らせるスピードも速いが、凍能力を解除すれば一瞬で融ける。スーツ内部は周囲の温度と無関係に適温が保たれている。空気を凍らせて自身の周囲に無数の氷の壁を作り、弾丸などの攻撃を反射する防御技「ジェントリー・ウィープス(静かに泣く)」を使うことも出来る。これによってミスタを相手に優位に戦いを進めた。スーツはゴールド・エクスペリエンスのラッシュや拳銃の弾丸程度は軽く防ぎ、破損もすぐに再生する。通気口の役目を果たす首の後ろの穴が唯一の死角となっているが、空気を凍らせて内部に取り込んでから溶かす、という方法により通気口をなくすことも可能。
- ソルベ
- 暗殺チームの一人。ジェラートと気味が悪いくらい仲が良い。2人でボスの正体を探ろうとしたが、それがボスの逆鱗に触れてしまい、体を生きたまま足元から輪切りにされて殺された上、ホルマリン漬けにされて額縁に収められる「処刑」を受けた。彼の死は他の暗殺チームメンバーに「自分への反逆が何を意味するのか」をまざまざと知らしめることとなり、トリッシュの存在が浮上するまでは事実上首輪をつけられた状態となっていた。スタンドは劇中に登場しない。
- ジェラート
- 暗殺チームの一人。ソルベと共にボスの正体を探ろうとしたため一緒にボスに捕まる。ソルベが惨殺される光景を目にし、余りのショックと絶望から猿轡を飲み込んでしまい窒息死した。スタンドは劇中に登場しない。
ディアボロ直属親衛隊
- スクアーロ
- 声 - 木内秀信 / 森訓久
- パッショーネのボス、ディアボロの親衛隊の一人。ティッツァーノと共にヴェネツィア市内でブチャラティ一行を襲撃する。「トーキング・ヘッド」に取り憑かれたナランチャを利用して、他のメンバーを順次始末しようと計画するが、ナランチャに正体を見破られ、エアロスミスのラッシュを受けて死亡。
- ティッツァーノ
- 声 - 石野竜三
- 親衛隊の一人。スクアーロと共にヴェネツィア市内でブチャラティ一行を襲撃する。
- ナランチャにスタンドを取り付かせてブチャラティチームを攪乱するが、自分の舌を切り落としたナランチャに正体を見破られ、スクアーロをエアロスミスの弾丸からかばって死亡する(スクアーロをかばったのは、撃たれた自分の血をナランチャに浴びせることで、スクアーロのスタンドが瞬間移動する場所を作り、ナランチャに対して攻撃できるようにするためでもあった)。
- カルネ
- 親衛隊の一人。不気味な風貌の太った男で、劇中ではカルネ自身は一言も発することなくミスタによりあっけなく射殺されるも、スタンド「ノトーリアス・B・I・G」を発現させる。
- ノトーリアス・B・I・G[10]
- 【破壊力 - A / スピード - ∞ / 射程距離 - ∞ / 持続力 - ∞ / 精密動作性 - E / 成長性 - A】
- 本体が殺された時の恨みをエネルギーとし、近くにある動くものの中から「最も速く」動くものを、それを上回る速さで優先的に追尾し攻撃する自動追尾型スタンド。人間やスタンド、飛行機の燃料など様々なエネルギーを吸収し成長する。本体が死亡しているため射程距離が無限大であり、ダメージを与えることはできるが次々に再生するため、完全に消滅させることはかなり困難。
- サルディニア島行きの飛行機内でブチャラティらを襲い、ミスタ、ナランチャ、ジョルノを次々に戦闘不能にした。その後スタンド能力に目覚めたトリッシュの機転でダメージを受けて消滅したかに思われたが、今度は飛行機の燃料を吸収することで飛行機内部を埋め尽くすほどに成長し、再びブチャラティチームを窮地に陥れる。しかしトリッシュが飛行機のコックピット部分を破壊して切り離した事により、大部分は墜落していく機体の爆発に巻き込まれて消滅し、スパイスガールの能力によってパラシュートと化したコックピットにくっついていた個体は、ブチャラティが片腕を犠牲にして海に投棄した。スタンド自体は最も速く動くものを攻撃するだけであり、特定の標的を追尾する事はできないため、ブチャラティチームに逃げ切られた後は海に浮かんで永遠に波飛沫や通りかかった船を攻撃するだけの存在になってしまった。
- このスタンドは、本体であるカルネ自身が死亡したことで発動したと説明されているが、カルネはミスタに射殺される直前にノトーリアス・B・I・Gに似た人型のスタンドを出しかけている。
- スタンドと同名のアメリカのラッパー「ノトーリアス・B.I.G.」も本作連載中の1997年にカルネと同じく射殺されており、作者が『週刊少年ジャンプ』巻末のコメント欄でそのことについて触れている[11]。
- チョコラータ[12]
- 声 - 石野竜三 / 内田直哉
- ボスの切り札の一人。34歳で元医者。医療ミスで病院を解雇になった所を組織に拾われたが、実態は人の死や痛みを観察するのを楽しみとする猟奇的な殺人鬼であり、極悪非道そのものの男。無差別に他者を殺傷する能力を見たジョルノは「限りない悪意」と評し、ボスにすら「最低のゲス」といわれた。医療ミスに見せかけた人体実験も解雇以前から故意に行なっており、ボスいわく「ヤツにミスがあるとすれば、バレてしまったこと」。その暴走しがちな能力と本人の性格とが危険視され、セッコ共々ボスによって封じられていた。ブチャラティチーム追跡のためにボスが解き放ったが、ブチャラティ達を撃退した後はボス自らの手でセッコ共々抹殺するつもりだった模様。
- ブチャラティたちを追跡中にローマで能力を発動。全ローマ市民もろともブチャラティ一行を抹殺しようとする。また、前々からボスの座を狙っていて、ディアボロがローマに来ていると推測し、闘いが終わったらディアボロを倒し新たなボスになろうと決意していた。
- しかし、ピストルズNo.5の活躍とジョルノの機転により敗北、怒りのジョルノによって7ページ半(雑誌掲載時では、掲載ページによる影響で5ページ半のみの掲載だった)に渡る「無駄無駄」のラッシュを打ち込まれ、ゴミ収集車まで吹っ飛ばされ死亡した。
- グリーン・ディ
- 【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】
- 人型のスタンド。頭部や頚部に無数のパイプのようなものがあり、そこから現在の位置より少しでも低い所に降りると急激に繁殖して肉を腐らすカビを散布する。また医師としての技量とカビを駆使し、自らの体をバラバラにし、傷口をカビで覆い止血・保護することで物陰に隠れ、攻撃することもできる。ただでさえ、カビは散布範囲を無差別に攻撃するうえに、犠牲者の死体を媒体として無制限に攻撃範囲が広がって行くという、チョコラータの一点の良心も持たない残忍非道な性格が反映されている。カビは生物であれば何でも朽ちさせることができるが、死んでいるものにはカビは生えず、カビに侵された生物も死亡した時点で侵食が止まる。そのため、肉体が既に死亡していたブチャラティにはカビは生えなかった。また、セッコにもカビは生えていなかったが、理由は不明。
- 原作中ではスタンドの上半身しか映るシーンがなかったが、PlayStation 2用のゲーム『黄金の旋風』での登場に際して、原作者が下半身部分を描き下ろしている。
- セッコ
- 声 - うすいたかやす / 下野紘
- ボスの切り札の一人。ディアボロ曰く「考えの読めない男」。チョコラータの元患者で、彼の言うことしか聞かない。チョコラータ同様ボスにゲス呼ばわりされている。
- チョコラータの投げた角砂糖を口でキャッチし、留守録の声にすら泣いて喜ぶなど、ペットのように振舞っているが、実は饒舌で計算高い性格の持ち主。チョコラータに従っていたのは彼の下につけば安心出来るという思惑からであり、彼がジョルノ達に倒されたことを知ると本性を現して彼を罵倒した。チョコラータのメッセージによりブチャラティたちの目標がコロッセオであることを知ったことから、彼を確保した上でその持つ秘密でボスを倒してトップになりかわろうと暴走する。しかし最期はブチャラティにより聴力を奪われた上で、ジッパーで自らの手とノドとを繋がれ、自分のノドを液状化して自滅。チョコラータと共にゴミ収集車送りとなった。
- オアシス
- 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 身に纏う形のスタンド。周囲のあらゆるものを泥化させる。これを利用して地中にダイブし、自身の進行上の全ての物を液状化した地面に飲み込む。敵や物質を液状化した地中に引きずり込んだり、液状化させて破壊することもできる、また、ある程度距離が離れれば、液状化した物も再び固体化するため、液状化した石を口に含み雨のように吹き付けることで即興の遠距離攻撃も可能である。恐ろしく鋭い聴力がソナーとなって、地中でも方向を誤ることがない。ヒジで地面を打ってドロ化し、その反動を利用してパンチを繰り出すことで、ブチャラティの「スティッキィ・フィンガーズ」をもしのぐパワーとスピードでラッシュを繰り出すこともできる。真価はチョコラータ自身の能力との組み合わせによって発揮される。
パッショーネの重要人物
- ディアボロ
- 声 - 宮本充 / 森川智之
- 組織「パッショーネ」のボス。スタンドは時間を消し飛ばす能力を持つ「キング・クリムゾン」。
- ヴィネガー・ドッピオ
- 声 - 宮本充 / 石田彰
- 「パッショーネ」の参謀を務める「ボス」の第二人格。ドッピオの時は、「キング・クリムゾン」の能力の一部「エピタフ」(近い未来を予知する能力)と、「キング・クリムゾン」の両腕のみ、操ることができる。スタンド名は、『オールスターバトル』の北米版では、"Emperor Crimson"(エンペラー・クリムゾン)と改名されている。
- ポルポ
- 声 - 岸祐二
- 組織「パッショーネ」のネアポリス地区幹部。とてつもない肥満体の巨漢。身動きできない自分の身を護るため、ワザとネアポリス刑務所に入っており、そこから外部に指示を出している。また入団希望者に試験を課す試験官でもある。警察にも影響力があり、独房は高級食材や著名作家の絵画、果ては爆弾や銃器の所有までも許されるなど、完全にスイートルームと化している。この世で最も大切なのは「信頼」であり、最も忌むべきことは「侮辱」することであるとジョルノに説いていたが、内心では素気ない態度を取るジョルノを見下していたためどこまでが真意だったのかは不明。
- ジョルノに課題を与えたが、その途中、自身のスタンドが無関係の老人の命を奪ったことでジョルノの怒りを買い、彼の能力でバナナに変えられた拳銃を食べようとして自ら頭を撃ち抜いて死亡した。現場が密室だったことに加え、拳銃もポルポ自身の所有物だったため表向きには死因は自殺とされた(組織内でも「あの体型だからメランコリックな気持ちになったんだろう」とほぼ疑わなかったが、ブチャラティだけはジョルノの顔を見つめながら「何故ポルポが死んだのかはどうでもいい…」と発言しており、密かな疑いをかけている)。
- ブラック・サバス
- 【破壊力 - E(押さえつける力はA) / スピード - A / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 影の中を自在に移動し、捕えた人間の魂またはスタンドを引きずり出して、内蔵されたスタンドの才能を引き出す「矢」で突き刺す自我を持ったスタンド。才能が無い人間の魂は矢に貫かれると死亡し、スタンドは矢の刃に触れた部分がひび割れる。ライターを「再点火」した際に発生する影から出現し、再点火を見たものを無差別に攻撃するように設定されている。完全な自動操縦タイプで、発動そのものがポルポの意思とは無関係であり、たとえ破壊されようとポルポには一切ダメージは伝わらないどころか、スタンドが戦っていることにすら気づくことはない。日光が弱点であり、日光に曝されると蒸発するように消えるが、たとえ倒したとしても一時的に姿を消すだけであり、ライターを再点火すると何度でも現れる。
- デザインのイメージは映画『カサノバ』に登場するようなヴェネツィアの仮装カーニバルの衣装と死神[4]。
- ペリーコロ
- 声 - 伊藤健太郎
- 組織「パッショーネ」の老幹部。ブチャラティの上納金(ポルポの遺産)を受け取りにカプリ島に現れ、彼の幹部への昇進を告げると共に、ボスからの指令「娘の警護」の任務を与えた。スタンド能力はない。
- 組織に忠実で、最後はミスター・プレジデントの中で秘密保持のために自殺した。なお彼の自殺は命令によるものだが、組織のおかげで余生を謳歌できた彼に迷いはなく、笑顔のまま死んでいった。
その他の構成員
- ルカ
- パッショーネの組員。喧嘩の後遺症で常に右目に涙が滲むようになったため、「涙目のルカ」の異名を持つ。チューリップが描かれた服を着ている。恨みを持たれるタイプの性格であり、チンピラ同然のことを繰り返しているため、ミスタたちからも快く思われていなかった。空港でジョルノからショバ代を奪おうとするが、ジョルノが逆らったことで激昂、ジョルノが生みだした蛙ごとスコップでジョルノを殴りつけたが、カエルによって衝撃が脳天に反射され、自らの攻撃で再起不能になり、その後ポルポによってブチャラティに犯人捜索の命が下された。
- 後に死亡したことが明らかになり、彼の眼球や指はブチャラティが犯人を目撃したと睨んだジョルノを尋問するときに使われた。死亡した経緯について、ブチャラティは尋問相手のジョルノに対しては「重体」で見つかりその後組に始末されたと語ったが、ミスタたちにルカのことを話した時にはルカは「変死体」で見つかったと語っている。
- マリオ・ズッケェロ
- 声 - 石野竜三
- パッショーネの組員。ローマのチンピラで、はれぼったい唇と巻貝のような髪型が特徴。ポルポの遺産を狙って、相棒サーレーと共にブチャラティチームを追跡した。
- ブチャラティチームのボートに自らの能力で萎ませたボートを被せた上で、自身はその隙間に入り込んでブチャラティチームを襲い、ブチャラティ以外を捕らえることに成功したが、ブチャラティに居場所を見破られ、船を沈められそうになったことで姿を現す。それでもなおスタンドで萎ませたアバッキオを人質にして脅すがスティッキィ・フィンガーズに首を落とされ、逆に捕らえられる。その後、ミスタから仲間のことを話すよう拷問されるが、口を割らなかった(実際はブチャラティの能力によって口をジッパーで塞がれていたため、話す意思があったのかさえ不明)。ブチャラティたちがポルポの遺産を手に入れた後は気絶した状態のままブチャラティチームの乗ってきた船に放置された。
- ソフト・マシーン
- 【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - E】
- 手にしたレイピアで刺した物体を、空気を抜かれた風船のように萎ませる人型のスタンド。生物の場合は萎んでも生存可能だが、意識を失い行動不能になる。本体自身を萎ませることも可能で、この場合は萎んだままでも行動が可能。姿を隠しながら相手を戦闘不能にすることには最適だが、スティッキー・フィンガーズのジッパー攻撃を全く避けられないなど、正面きっての格闘戦は苦手であるとブチャラティに見破られた。
- サーレー
- 声 - 木内秀信
- パッショーネの組員。ズッケェロの相棒。
- 船で人質をとったズッケェロと合流する予定だったが、ムーディーブルースでズッケェロの行動をリプレイした事によりブチャラティチームに存在がばれてしまい、先手を打って上陸したジョルノとミスタの内ミスタと交戦する。ミスタの弾丸を自らのスタンド能力で防ぎ、スタンドで固定した銃弾を逆に利用してミスタを追い詰めるが、ピストルズの連携プレーにより頭部表面に残った弾丸を別の弾丸で押し込まれ、能力のおかげでギリギリで死には至らなかったものの気絶してしまい、敗北。ブチャラティ達がポルポの遺産を手に入れた後は、ズッケェロ共々気絶した状態のままブチャラティチームの乗ってきた船に放置される。
- 連載時には名前は出ず、ブチャラティからは「ミスタにやられた奴」と呼ばれていた。名前はその後単行本のスタンドパラメータで明かされた。
- クラフト・ワーク
- 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - E / 持続力 - C / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 本体やスタンドが触れた物体をその場に固定する人型のスタンド。岩の破片を空中に固定して足場にしたり、敵の飛び道具を無効化できる。固定中でも衝撃は物体に蓄積され、固定が解除されると溜まった衝撃は一度に開放されるため、向きを相手に向けて反撃することができる。欠点は固定の解除をあまり精密にできず、解放による反撃は動いている標的に当たらないこと。
その他の人物
- 広瀬 康一(ひろせ こういち)
- 声 - 夏樹リオ
- Part4『ダイヤモンドは砕けない』の登場人物。Part4と同様、語り部としてParte5序盤に登場。スタンドは音を操る「エコーズ」。
- 空条承太郎に依頼され、ディオの息子である汐華初流乃(ジョルノ・ジョバァーナ)の皮膚の一部を採取(本当にDIOの子供なのかを遺伝子的に確認)するためにイタリアへやってくる(費用は承太郎によりSPW財団持ちで、無料)。イタリア語を流暢に喋っているが、これは岸辺露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」で話せるようにしてもらったためである。
- 物語冒頭でジョルノにパスポートの入った荷物を奪われ、奪回しようと彼の部屋を訪れた際にジョルノの「入団試験」に関わってしまう。そのため、ブラックサバスに対してジョルノと共闘したが、その後は彼と別れて承太郎への報告を最後に登場しなくなる。
- 『黄金の旋風』では出番がカットされているが、サウンドトラックに音声が収録されている。
- 空条 承太郎(くうじょうじょうたろう)
- 声 - 稲田徹
- Part3『スターダストクルセイダース』の主人公。スタンドは時を止める「スタープラチナ」。
- DIOに息子がいる可能性を知り、ジョルノの皮膚の一部を採取するよう康一に依頼する(スタープラチナよりエコーズの能力の方が適しているのもあるが、DIOの息子には会いたくないというのも理由の1つ)。康一からの報告で、ジョルノがスタンド能力に目覚めていることやジョースター家の一員としての片鱗を見せたことを知り、調査を打ち切ったことを最後に登場しなくなる。
- 『黄金の旋風』では出番がカットされているが、サウンドトラックに音声が収録されている。
- ジャン=ピエール・ポルナレフ
- 声 - 根岸朗 / 小松史法
- Part3『スターダストクルセイダース』の登場人物。スタンドは剣士の姿をした「シルバーチャリオッツ」。
- 重傷を負い第一線で戦えなくなった自分の代わりに、ブチャラティチームにディアボロ撃退を託すべく、矢の秘密を教えるためにローマのコロッセオを訪れる。
- 亀(ココ・ジャンボ)
- ボスが娘の保護のために用意したスタンド能力を持つ亀。背中のくぼみに「鍵」を取り付けた時のみ、スタンドを発生させるように訓練されている。名前は劇中においては「ない」ということだったが[3]、画集「JOJO A GOGO」にて、ココ・ジャンボと正式に発表された。物語終盤、チャリオッツレクイエムによってポルナレフと魂が入れ替わり、能力解除後は元に戻るも彼の魂を部屋に留めることとなった。
- ドナテラ・ウナ
- トリッシュの母親。サルディニア島でソリッド・ナーゾと名乗っていた若い頃のボスと知り合い、娘を出産した。トリッシュがブチャラティらと会う2か月前に病気で死亡している。
- スコリッピ
- 声 - 木内秀信
- エピローグ『眠れる奴隷』に登場する彫刻家。モンテサント広場にある花屋の娘のボーイフレンドで、彼女が不可解な自殺を遂げたために花屋の父から調査依頼を受けたブチャラティ達に出会い、彼らが過酷な運命を歩む姿を知ることになる。
- 茨の冠を模したティアラを着けている。
- ローリング・ストーンズ
- 【破壊力 - なし / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - なし】
- 「凶」と彫られた石球の姿をしたスタンド。自動的に近く死ぬ運命にある者の姿(彫刻)となって追跡し、その人物が石に触れると安楽死させる。スタンドだが、石や銃弾との衝突でも壊れる。抗えない「運命」をエネルギー源としており、本体のスコリッピにも制御できない。対象者以外の者が石を破壊すれば追跡から免れられるが、スタンドの姿はその人物の運命を表しているため、運命の変化によってはより残酷な形で(時には他人を巻き込む形で)死を迎えることになるようである。
- 能力はミケランジェロのエピソードから影響を受けている[4]。
- ギャングの男(ジョルノの恩人)
- パッショーネとは違うギャング団の幹部だったらしく、かつて別のギャング団との抗争で負傷していたところを小学校から下校途中だった小学生当時のジョルノに助けてもらったことがきっかけで、彼の近辺を調べて義父による虐待や近所の子供達によるいじめを解決し、その後も陰からジョルノを見守り続けた。「1人の友人」として対等の立場で接することを通し、ジョルノに「人を信じるまっすぐな心」を教えた「人生の恩人」である。
- この男は、ジョルノを「ギャングの世界に巻き込まない」という厳しい姿勢を取っていたらしいが、犯罪が悪質化して警察も役に立たない社会においてそれは叶わず、ジョルノはこの男のような「ギャングスター」になろうと憧れ、ギャング団に入団することを夢見るようになる。
- ジョルノの母親
- 日本人で、名前は不明。Part3『スターダストクルセイダース』の頃、エジプトへ旅行していた際にDIOと出会い、ジョルノを妊娠し出産する。美人ではあったが母親としての愛情に乏しく、幼いジョルノを放置しては夜な夜な遊び歩くなど、育児放棄をしていた。後にイタリア人男性と結婚してイタリアへ移住したため、ジョルノもイタリアへ移住することになる。
- ジョルノの義父
- イタリア人で、名前は不明。どのような経緯かは不明だが、ジョルノの母親と知り合い結婚し、ジョルノは母親共々イタリアへ移住することになる。猜疑心が強く、自分を見る幼いジョルノの視線が自分を馬鹿にしていると思い込み、ジョルノを虐待していた。ジョルノが助けたギャングの男から何かしらの警告を受け、ジョルノに対する虐待はしなくなるが、その後も二人の折り合いは悪く、ジョルノは両親とは同居せずに寮で暮らすことになる。
- DIO(ディオ)
- Part1『ファントムブラッド』、Part3『スターダストクルセイダース』でジョースターの血統に対する宿敵として登場した人物で、ジョルノの父親。
- 今作では初期にジョルノが持っていた写真に登場する。実父の存在に対して特にジョルノが関心を抱いたシーンは存在しない。ゲーム『アイズオブヘブン』ではタッグ戦でジョルノとチームを組んだ場合の特殊セリフが発生する。
小説版オリジナルの登場人物
『ゴールデンハート/ゴールデンリング』の登場人物
- コニーリオ
- ヴェネツィアのホテルで働く17歳の少女で、愛称は「コニー」。12月生まれ。生まれつきスタンド能力があるが、周囲から気味悪がれることを恐れ、人前では使わずに封印している。
- 元は父母・兄と4人家族であったが、小学生の頃両親が離婚し、以来父と兄とは別居している。
- 母親とローマに住んでいたところを、4か月前、ヴェネツィアのホテルに勤めていた実家の祖母が突然失踪したという知らせを受け、ホテル側からの依頼で彼女の代役として清掃員の仕事を始め、2か月後に祖母の遺体が発見されてからは正式な引き継ぎとなった。
- ある日、パープル・ヘイズのウイルスによって友人ウィノナや大勢の人間を殺され、自らの能力でこれを治療できると知って以降は封印を解き、能力を使って積極的に人々を助けるようになる。しかし度重なるパープル・ヘイズの襲撃と短期間の過剰な治療数により、精神的な限界を迎えると同時にスタンドが暴走、高濃度の殺人ウィルスを無差別にばら撒く危険な存在となってしまう。その後、ジョルノとブチャラティの説得と強い意志により奇跡的に制御し、事態を収拾した。
- 事件後はアメリカのイリノイ州に旅立ち、各地を転々としながら自身の能力で人々を癒し、一生をかけて自分が救えなかった人達への償いをしていくことを決意する。その姿はいつしか都市伝説として語られるようになった。
- 彼女もジョースター家の血が流れている事が示唆されているが、その真相は一切語られておらず不明である。
- ザ・キュアー
- 白いウサギのような姿のスタンドで、本体や相手の怪我や病気・心の悩みなどを、口の部分から吸収して癒すことができる。吸収された「痛み」や「悩み」はスタンドの体内に溜めこまれ、その分スタンドの体が少しだけ大きくなる。通常、吸収したそれらは時間をかけて徐々に発散されていく(=スタンドの大きさも元に戻る)が、許容量を超えると暴走して本体の制御がきかなくなってしまう。その際は巨大な亜人のような姿になる。また、スタンド自身の痛みも吸収し、ダメージを与えた分だけ巨大化してしまうため、直接攻撃で倒すことは不可能である。
- ソリョラの策略により、ごく短期間のうちにパープル・ヘイズのウイルスを吸い込み続けたことで巨大化し、暴走。街を破壊しながら体内に溜めた高濃度のウイルスを撒き散らし、パープル・ヘイズを超える被害をもたらしてしまう。
- 対峙したゴールド・エクスペリエンスとスティッキー・フィンガーズの攻撃によるダメージさえも吸収し暴走を続けたが、最後はコニーリオの叫びに応える形で暴走を止め、綿毛を散らして元の姿に戻った。
- ソリョラ・ロペス(セッピア老人)
- ヴェネツィアのギャング達を取り仕切っているパッショーネの幹部。サン・マルコ広場裏の一角に根城を置く。ただし、表向きはカンナレージョ地区のアパートに住む、武器を扱う組織の幹部「セッピア」を名乗り、密かに部下たちの行動を監視している。
- 子供の頃に両親と死別し、万引きやいかさま賭博で生計を立ててきた過去がある。かつて自分を見下し蔑んだ人間を見返すためにギャングとなり、組織の幹部にまで上り詰めた。自分が現在牛耳っている辺境のヴェネツィアにはあまり愛着はなく、今回の一件で手柄を立てて出世し、別の支部へ移転させて貰おうと考えている。
- 外見は禿げ頭で口髭を生やした小柄な老人で、口調は丁寧だが知略に長けた狡猾な性格。強力な兵器に喜ぶ様は、フーゴから「新しいおもちゃをもらった子供のようだ」と形容されている。
- ボスからの指令により、組織を裏切ったブチャラティ達の命を狙う刺客となり、その際、町に住むスタンド使いの少女・コニーリオや新たに自分の部下となったフーゴを利用する作戦を思いつく。まずセッピア老人として自ら失踪することで、アバッキオのムーディー・ブルースによる「リプレイ」の追跡を予測して逆手に取り、スタンド能力を利用した機雷のトラップや部下のリガトニをけしかけ、彼らを圧倒する。さらにコニーリオのザ・キュアーにフーゴのパープル・ヘイズのウィルスを取り込ませることによって「覚醒」させ、それによって彼らを倒そうと目論んでいた。
- しかし最終的にはフーゴの裏切りにより、「ジョルノにはパープル・ヘイズのウイルスが効かない」という情報を知らされていなかったために計画は失敗、その後逃亡するも、ミスタ・ブチャラティ・ジョルノの連携プレーによって捕えられ、ブチャラティからの怒りのラッシュを叩き込まれて死亡する。
- 挿絵にはスーツを着た彼の姿が描かれているが、最終決戦時にはパープル・ヘイズのウィルスを無効化させる特殊なラバースーツを(不本意ながら)着用していた。
- ジョイ・ディヴィジョン
- 左右それぞれの手で触れた物を瞬時に入れ替えることができる。入れ替えは時間差も可能な為、あらかじめ触れていた物を爆弾等と入れ替える事でトラップとする事ができる他、壁や床と自身の位置を入れ替える事で壁の向こう側や階下へと移動する事もできる。
- リガトニ
- 組織に属するヒットマン。その任務はスタンド使いを専門とした暗殺であるため、その存在は組織の中でも機密扱いとなっている。そのスタンドの特性ゆえにスタンド・キラーとして恐れられるが、スタンド使いでない相手には使用できないため、かつてはミスタとコンビを組んでいた。
- 現在は第一線を退いているが、刺激のある人生を送るために今でも依頼があれば動き、今回もミスタと対決できることから依頼を引き受ける。
- サン・マルコ広場の鐘楼からの長距離狙撃でナランチャのエアロスミスを封じ、アバッキオを負傷させた上でミスタと対決、セックス・ピストルズの攻撃をものともせずミスタにスタンドを放つが、ゴールド・エクスペリエンスによってコウモリに変化したミスタの銃弾を打ち抜いたことでダメージが自分に返り自滅する。しかし、それでもなおスタンドを命中させ、ミスタを戦闘不能に追い込んだ。
- パブリック・イメージ・リミテッド
- サメのような頭をした青い銃弾型のスタンド。愛用のライフルから全スタンドエネルギーを込めて発射することで、通常の銃弾の4倍のスピードと軌道上の全てを貫通する破壊力、標的を決して外さない精密性を持つ。
- スタンドエネルギーを全て使い切る事はスタンド使いの死を意味するが、標的がスタンド使いであった場合、パブリック・イメージ・リミテッドは標的に到達した際に自身が使い切ったスタンドエネルギーを相手から回収する事で死のリスクを回避している。またその能力を応用し、手加減して撃つことで相手のスタンドを封じた上で生かすことも出来る(その場合、リガトニが死亡すれば奪われたエネルギーは相手に戻る)。ただしスタンド使いでない者からはエネルギーを回収できないので、事実上スタンドを使用できない。
- なお、ミスタに止めを刺そうとするときの台詞の一部「ロックは死んだ」は、スタンドと同名のバンドパブリック・イメージ・リミテッド を結成したジョン・ライドンがセックス・ピストルズの脱退表明時に言った言葉でもある。
- コニーリオの祖母
- ヴェネツィアの実家に住んでいたコニーリオの祖母。数年前に夫を亡くし、以来ホテル「モンド・アーリア」の従業員として働いていた。
- 年齢は60歳超で、小太りだが豊満な体つきで色気があり、近所からは「新しい男を引っ張り込んでいる」などといった噂も立っていたという。
- 物語開始時点から4か月前に突然失踪、その2か月後に交通事故に遭い、遺体となって発見された。警察の捜査によるとそのとき男(宿泊台帳によると「ミスター・ブラウン」)と一緒にいたらしいが、男の行方は分かっていない。
- コニーリオの母
- ローマに住んでいるコニーリオの母。娘が幼い時に離婚し、夫・長男と別居している。生物テロ事件で病院送りとなった娘を心配してヴェネツィアの実家にまで来ていたが、その後の事件でもウィルスの被害には遭わずに済んだ。その後もローマで暮らしているという。
- レオーニ
- 「モンド・アーリア」に10年来勤めているコックで、コニーリオの同僚。コニーリオが気にになっているらしく何かにつけて誘いをかけ、デートの約束もしているが、彼女はあまり乗り気ではない。ウィノナによれば他にガールフレンドがいるらしい。事件後の消息は不明。
- ウィノナ
- コニーリオの同僚で友人の女性。21歳。ヴェネツィア大学の二年生(アメリカからの交換留学生)で文学専攻。父親が「モンド・アーリア」ホテルの重役であるらしく、立場上はアルバイトのようなものだが実質清掃員のマネージャーのような仕事もしている。
- 黒縁の分厚いメガネをかけており、素顔はハリウッド女優のように整っている。挿絵によれば長い黒髪を持つ色黒の女性で、私服はチューブトップに「VENEZIA」と書かれたローライズパンツを履いている。またこのときは裸眼であった。
- 「仕事で一番大切なのは人間関係だ」という言う持論を持ち、周囲の人間の情報集めを怠らないが、周囲からは「頭がいいのが取り柄の口うるさい女」といった印象を受けがちで、評判はあまりよくない。
- コニーリオとカフェで待ち合わせたところを散布されたパープル・ヘイズの毒にかかり、悶え苦しんだ末に死亡する。
- ピーター・フォーク(仮名)
- 本名は不明。トレンチコートを着たピーター・フォークにそっくりの中年刑事。生物テロ事件の捜査にあたっていた。
- 若い警官
- ピーター・フォークと一緒にいた警官。コニーリオは「以前にどこかであったことがある」ような感覚を覚えたが、真相はわからなかった。
- マリオ・セガーリ
- ネアポリスにいる倉庫の警備員。口髭を生やした男で、ナランチャによれば『スーパーマリオ』のマリオによく似ているらしい。本作では直接的には登場しない。
『恥知らずのパープルヘイズ』の登場人物
用語
- パッショーネ
- ジョルノが入団しているギャング団で、イタリア語で「情熱」という意。創立者はディアボロ。
- 構成員756人でボスのディアボロ兼参謀のドッピオ(二重人格のため)を筆頭に複数の幹部とチームで構成されている。またボスの直属として親衛隊チームも存在している(チョコラータとセッコは親衛隊の中でも独立した存在とされている)。なお、ボスの座は前のボスから任命されるか、もしくはボスを倒すことにより新たにボスの座に就くようである。
- 主にイタリア各地で活動しており、ホテル・港の運送会社・建築会社・葬儀屋・レストラン・賭博場での収益で稼いでいて、賭博や麻薬での収益が大半を占めている。麻薬は本来「義賊」という建て前で禁じ手としていたが、組織拡大で組織基盤が確立したと同時に開拓し、その結果、開拓した年からヨーロッパ全土の麻薬犯罪件数は約20倍に拡大した。
- 入団方法の一つは幹部の1人であるポルポに会い、ポルポから出題された「試験」に合格することである。しかしそれは同時に「矢の試練」によるスタンド能力者を増やす策略であり、スタンド能力者になればそれでよし、真面目に試験の内容を守ればそれなりに利用価値があり、もし失格してすんなり入団をあきらめたり、「矢の試練」で命を落としても関係なしと非情なものである。入団の際には団員の証としてバッジが手渡される。
- さらに幹部になる方法としては(この場合は幹部が死亡して、幹部の席に空きが出来た場合)、組織に多額の上納金を納めた者が「組織に最も貢献した者」として次の幹部になることが出来る。作中、幹部のポルポが死んだとき、隠し財産の管理をしていたブチャラティが当時ボスに最も信頼されていたペリーコロに隠し財産の全額を上納したため、ブチャラティがネアポリス地区の新たな幹部になった。
- ジョルノ入団時は「暗殺チーム」が仕事に不相応な報酬額に不満を持っていて、仲間のソルベとジェラート2人がディアボロの近辺を調べようとしたばかりに最も残虐な手段で殺害されたこともあり反旗を翻していた他、親衛隊のチョコラータやセッコも虎視眈々とボスの座を狙っていた。
- 物語終盤でディアボロが倒された後は、ジョルノが新ボスに、ミスタが副長に就任した。
- レクイエム(鎮魂歌)
- スタンド能力を覚醒させる「矢」によって、スタンドを射抜くことで未曾有の領域の力を覚醒させたスタンドの姿。
- ポルナレフはウイルス進化説を紹介して、「矢」の力がウイルスによる淘汰の副産物であるとし、「矢」が秘めるその絶大な力を制御し得るだけの資質を備えたスタンド使いでなければ到達できないと推測している。
- 事実、今や戦闘者として再起不能状態のポルナレフが使用した際には、何とかレクイエムには到達するも、その強大な力を制御しきれずレクイエムは暴走してしまった。
備考
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- 登場人物の名称はイタリア語の料理や食材、スタンドの名称は洋楽のバンド名や曲名、アルバム名などをアレンジしたものが多い。
- 主人公が一度も「ジョジョ」の名で呼ばれることがない。
- 単行本裏表紙の「JOJO」のロゴが「GIOGIO」に変更されている(イタリア語は外来語以外に「J」の用法がないため)。
- Part3〜4の敵は、倒されて再起不能にこそなるものの死亡することはほとんどなかったが、Parte5は、生死を懸けたギャング同士の抗争と言うこともあり、敵味方問わず多数の死亡者が出ている。敵として登場して死亡していないのはズッケェロ、サーレーのみである。
- 物語冒頭で、康一がタクシーの料金を尋ねる際やジョルノが康一を白タクに勧誘する際の通貨単位が本誌では「リラ」となっていたが、単行本以降は「円」に変更されている。
- ブチャラティがポルポの遺産を回収しに行くとき、雑誌掲載時には目的地をタオルミーナと言っていたが、実際に行ったのはカプリ島だった(単行本では目的地を告げるときの台詞もカプリ島に修正)。目的地の変更理由は不明。
- このParte5からPart6『ストーンオーシャン』の前半に掛けては、劇中の描写と単行本のおまけページなどで設定に一部異なる部分がある。
- 週刊少年ジャンプ誌上で連載当時、キャラクター人気投票を募ったことがあるが、結果は発表されなかった。
- 単行本49巻で、フーゴが勉強のできないナランチャに対する罵倒のセリフの「ド低能」の部分が差別用語に接触するとされ、文庫版31巻において別のセリフ「クサレ脳ミソ」に変更されている(単行本も後に変更された)。作者は文庫版30巻のあとがきでこの件について触れ、直接的な表現こそ避けながらも編集部に対する不満ともとれる文を書き連ね、「もめ事を起こしても疲れるだけだから、とりあえず従っておく」とコメントしている。
- 本作以降、敵味方ともにデータにおいて破壊力Aのスタンドが急増している。
- 作者の荒木飛呂彦によると、Parte5はそれまでと異なり「哀しみ」をテーマに描いているため、明らかに作風が変わったという。印象に残っている場面としてブチャラティがボスを裏切ることを仲間たちに告げるシーン、アバッキオが死ぬシーン、エピローグの「眠れる奴隷」を挙げており、「眠れる奴隷」は『ジョジョ』の25年間の歴史の中でも最も印象的なエピソードであり『ジョジョ』シリーズの神髄が表れていると語っている[13]。
- 初期構想ではミスタ、ナランチャ、フーゴ、アバッキオの内、誰かがチームを裏切る予定だったがカットされた。フーゴが物語の途中で退場するのはこの構想の名残である[14]。
小説
- 『ジョジョの奇妙な冒険II ゴールデンハート/ゴールデンリング』(宮昌太朗、大塚ギチ、2001年)
- Parte5を題材にした小説作品。詳しくは下記を参照。
- 『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』(上遠野浩平、2011年)
いずれもジャンプ ジェイ ブックスから。
『ジョジョの奇妙な冒険II ゴールデンハート/ゴールデンリング』
概要
著者は宮昌太朗、大塚ギチの二名の共作。2001年5月31日初版刊行。
本書は『ジョジョの奇妙な冒険』第五部の時点(2001年)のイタリア・ヴェネツィアを舞台に、チャラティチームがギャング組織「パッショーネ」から離反した直後(原作の時間軸でいえば4月2日前後)の物語を描いたオリジナルインサイド・ストーリーである。
主人公は本作オリジナルキャラクターのスタンド使いの少女・コニーリオと、ヴェネツィア脱出を試みるブチャラティーチームの面々であり、二者の動向が交互に描かれる形式である。また、チームの中で唯一組織に残ったパンナコッタ・フーゴも、彼らを狙う刺客のひとりとして登場する。
本作独自の解釈・設定
- サン・ジョルジョ・マジョーレ島のキング・クリムゾンとの戦いの後、ブチャラティ一行は数日間(トリッシュの発言からして3日間)ヴェネツィアに滞在・潜伏している。「ヴェネツィアからの脱出」を当面の目標としているが、その具体的な方法や次なる進路については示されていない。
- 原作の時間軸では4月2日早朝にヴェネツィア入りし、当日中にサルディニアへ発っている。
- 「トーキング・ヘッド」のスタンド使い(ティッツアーノ)が、ブチャラティ達のヴェネツィア入りを阻む「裏切者グループ」のひとりとしてカウントされている。
- キング・クリムゾンの能力が「世界から数十秒だけ時間を消し去」る能力と説明されている(原作では「十数秒」)。
- 各キャラクターのファッションについては多くは否定的であり、ブチャラティチーム全員を「おかしな恰好をした集団」と説明している。
- 原作では不明であった各キャラクターの色彩が明確に指定されている。例えばジョルノの服は緑、ブチャラティの服は白、ナランチャの服は黒、フーゴの服はモスグリーンである。
- フーゴについて
本作における用語
- モンド・アーリア
- ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸沿い、サン・マルコ寺院のすぐ側に建つホテル。元は16世紀に建てられた名家の別荘で、100年ほど前に買い取られ、ホテルに造り替えられた。
- エントランスロビーは3階まで吹き抜けで、1階はホテルのフロントと曲がって右がイタリアンレストラン、左には小さなカフェがある。客室は何度も改装された跡があるが、どこか落ち着いた雰囲気がある。
- 生物テロ事件(1)
- ヴェネツィアの「モンド・アーリア」ホテルで起きた正体不明の生物兵器(警察は「新種のウィルス」と推測)によるテロ事件。建物周辺が停電した後、ロビーにいた多くの観光客や従業員の身体が腐って死亡、唯一コニーリオのみが生存し、病院に搬送された。
- 事件翌日には新聞の一面に掲載され、それを見たブチャラティ達はフーゴのパープル・ヘイズのウィルスによるものと推測している。
- 生物テロ事件(2)
- コニーリオから数えて3度目のパープル・ヘイズのウィルスによる無差別テロ事件。彼女もザ・キュアーで治癒に奔走するも間に合わず、100人を超える犠牲者を生み出した。前回と同様に周囲の建物は停電しており、二次的に火災も発生している。翌日に新聞で報じられた。
- 「荒野に建つ教会」
- 上述の事件後、口伝えに広まった新しい都市伝説(どの場所で広まったのかは不明)。
- 一人の少年が友人の家から帰る途中、荒野を遭難していたところ、そこに美しい女性が現れ、彼女の住むあばら家に招待される。そこで食事を供され、彼女や白いウサギに心身の傷を癒されて、ベッドで横になるが、目を覚ますと彼の家の側にあるベンチで寝ていた、といった内容の物語である。
- 話によっては舞台が砂漠や海の孤島であったり、主人公の設定もまちまちであるが、大筋のストーリーは同じであるという。これは作り話や流言ではなく、その後のコニーリオをモデルとした実話である。
登場した実在の地名・施設など
()内はイタリア語の表記。
- サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂(Basilica di San Giorgio Maggiore)
- リアルト橋(Ponte di Rialto)
- サン・マルクオーラ教会(Chiesa di San Marcuola)
- サン・ジェレミア教会 (Chiesa di San Geremia)
- サント・ステファーノ教会 (Chiesa di Santo Stefano)
- サン・マルコ広場(Piazza San Marco)
- 鐘楼(Campanile di San Marco)
- サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)
その他
ゲーム
カプコンから2002年7月25日にPlayStation 2用ゲームソフト『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』が発売されている。
脚注
- ^ 「男たちの奇妙な愛情!?『ジョジョの奇妙な冒険の平行世界』」『ユリイカ 11月臨時増刊号 総特集☆荒木飛呂彦 -- 鋼鉄の魂は走りつづける』青土社、2007年11月25日、32頁。ISBN 978-4-7917-0170-4。
- ^ a b c d e コラム「気分はJOJO 最終回SPECIAL!!〜5部Q&A〜」(『週刊少年ジャンプ』、1998年9号)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』の荒木飛呂彦によるコメントより。
- ^ アミュレートのプロフィールページより。
- ^ 『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』p.58に「ブチャラティに手伝ってもらって試した」という旨の記述がある。
- ^ 本来のイタリア語では会話の際にこの言い方はしない(話し言葉としては不自然な表現)ので、本作がイタリア語に訳された際は、自然な言葉に差し替えられている。
- ^ “過去の作品”. 木内秀信の公式サイト. 2012年9月30日閲覧。
- ^ 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』175頁。
- ^ 「B・I・G」は当初「ビー・アイ・ジー」や「ビッグ」と混同に表記されていたが、文庫版では「ビッグ」に統一されている
- ^ 『週刊少年ジャンプ』97年36号
- ^ 登場話の後期では名前が「チョコラート」と表記されていた。文庫版以降は「チョコラータ」に統一されている。
- ^ SPURムック『JOJOmenon』より。
- ^ 文庫本39巻より。
外部リンク
- ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風(カプコン) - 公式サイト