聖典
創作物の種類
聖典(せいてん)とは、神や神的存在、聖人の言行が書かれたもの、または教説がつづられたものの内、それぞれの宗教内で、特に権威ある書物をいう。神道に於いては、「神典」(しんてん)と呼ぶ。教典ともいう。
また比喩的に、ある分野の指針となるような典籍をいうことがある。(『性の聖典』『古典詰将棋の聖典』など)
書き手は、神自身や聖人自身とされるものもある。テキストを持つ宗教は数多あり、それが重要な役割を果たしていることも少なくない。しかしその殆どはは、教えや儀式の備忘録といった扱いにあり、それ自体が神聖不可侵なものとされることは少ない。
しかし「アブラハムの宗教」すなわちユダヤ教、キリスト教、イスラム教にあってはその位置づけはまったく趣を異とする。即ち、テキスト(聖書、コーラン)がその宗教内の中心部に位置し、常に読まれ、朗読され、聞かれ、事あるごとに引用され、その一字一句を巡って討論される。そして極端な場合には、その本自体が神聖不可侵な崇敬の対象として機能することさえある。福音主義・聖書主義や原理主義の背景には、こうした要因も大きい。