生来の決意作戦

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生来の決意作戦(せいらいのけついさくせん Operation Inherent Resolve)は、2014年8月に開始されたアメリカ合衆国及び有志国連合軍による過激派組織ISILに対する軍事作戦。8月当初はイラク国内に限定し、イラク軍クルド人部隊の地上勢力支援や救援物資の搬入を目的とした限定的な作戦行動であったが、翌月以降は作戦の範囲が拡大した。20カ国以上が軍事作戦に参加している。

生来の決意作戦

空母から発進する戦闘機
戦争:生来の決意作戦
年月日:2014年8月〜継続中
場所:イラク・シリア全土
結果:継続中
交戦勢力
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

フランスの旗 フランス

カナダの旗 カナダ

イギリスの旗 イギリス

オーストラリアの旗 オーストラリア

オランダの旗 オランダ

ベルギーの旗 ベルギー

ドイツの旗 ドイツ

 デンマーク

ヨルダンの旗 ヨルダン

サウジアラビアの旗 サウジアラビア

アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦

バーレーンの旗 バーレーン

ISIL(イスラーム国)の旗ISIL
指導者・指揮官
アメリカ合衆国の旗バラク・オバマ

アメリカ合衆国の旗ドナルド・トランプ

イギリスの旗デーヴィッド・キャメロン

フランスの旗フランソワ・オランド

ヨルダンの旗アブドゥッラー2世

サウジアラビアの旗サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ

ISIL(イスラーム国)の旗アブー・バクル・アル=バグダーディー
損害
ヨルダン軍のF-16一機撃墜、1人ISILにより処刑。 ISIL戦闘員少なくとも553人死亡
Template:Campaignbox シリア騒乱

経緯

 
ISILの敵対国家
    生来の決意作戦統合任務部隊参加国
    その他の対立国
    2015年末のISIL最大勢力範囲

2014年

  • 8月7日 - フランスの求めにより国連安全保障理事会の緊急会合が非公式で開催。過激派組織ISILによる攻撃で、危機に直面しているイラクを支援する呼び掛けが行われる。同日、アメリカのオバマ大統領がISILに対する限定的な空爆を承認。
  • 8月8日 - アメリカ中央軍がイラク国内のISILの拠点に対して空爆を開始。以後、フランスサウジアラビアアラブ首長国連邦バーレーンヨルダンも作戦参加表明。
  • 9月23日 - 空爆対象区域をISILの活動範囲に合わせてシリアにも拡大。
  • 9月25日 - ベルギーオランダが作戦参加表明。
  • 9月26日 - 有志国としてイギリスデンマークが参加表明。ギリシアも参加の意向が伝えられる[1]
  • 10月7日 - カナダ国会が作戦参加を決議。
  • 10月9日 - オーストラリアが参加。同国空軍FA-18が初空爆。
  • 10月15日 - 作戦名「生来の決意作戦」を公式発表。作戦内容は軍事のみではなく外交諜報経済などの手段も使うことを言及[2]
  • 10月23日 - シリア国内への空爆1ヶ月間の死者数が、ISIL戦闘員を中心に553人に達する。
  • 11月8日 - イラクのモスル近郊の爆撃により、ISIL指導者アブー・バクル・アル=バグダーディーが死亡または負傷したと報じられたが[3]、ISILは11月13日に音声を公開し死亡報道を打ち消した[4]
  • 12月24日 - 空爆に参加していたヨルダン軍のF-16が墜落(ISIL側は撃墜を主張)し、パイロット1人がISISに拘束された[5]。パイロット拘束の後から、ヨルダンとアラブ首長国連邦は空爆作戦への参加を停止している[6]

2015年

  • ジャスティン・トルドー2015年カナダ総選挙で勝利した後、電話でバラク・オバマに米国主導の対ISIS空爆からの漸次撤収を伝達。カナダ空軍のジェット戦闘機CF-18を中東から撤収させる意向を示した[7]。具体的撤収時期を設定することは避けた。北イラクにいる約70のカナダ特殊部隊のミッションについては継続させる。トルドーは約3500万人のカナダ人の代表として、我々は戻ってきたのだというメッセージになると述べた[7]
  • 2月3日 - ISILが、拘束していたヨルダン軍パイロットを焼死させる映像を公開。ヨルダン政府では、1月3日に殺害されたことを確認しているという[8]。この映像の公開を受け、ヨルダン軍はISILに対する空爆を再開した[9]。しかし、アラブ首長国連邦の方は空爆をまだ停止しており、再開の条件として、新型輸送機オスプレイの作戦への投入など、米軍が態勢を強化することを提示している。

2016年

  • 偵察任務に就いているドイツ空軍のトーネードがソフトウェア・アップデートを行ったが、これにより操縦室補助照明の照度がパイロットの視力に影響を与えるほど上がり、ドイツ空軍は夜間作戦を中止している[10]

出典

  1. ^ “対イスラム国空爆、英国など欧州3か国が参加承認”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年9月27日). http://www.afpbb.com/articles/-/3027227 2014年11月9日閲覧。 
  2. ^ “米軍作戦名は「生来の決意」 「イスラム国」空爆”. 毎日新聞社. (2014年10月16日). http://www.asahi.com/articles/ASGBJ2H1BGBJUHBI007.html 2014年11月9日閲覧。  {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  3. ^ “有志国連合がイラク北部で空爆、バグダディ師死亡の情報も”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年11月9日). http://www.afpbb.com/articles/-/3031234 2014年11月9日閲覧。 
  4. ^ “イスラム国、バグダディの音声を公開 死亡説に対する反駁”. 新華社. (2014年11月14日). http://news.livedoor.com/article/detail/9467585/ 2015年3月6日閲覧。  {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  5. ^ 【イスラム国】ヨルダン政府「ヨルダン機撃墜」と発表、パイロット1人拘束 米は否定 産経ニュース 2014年12月25日付
  6. ^ UAE、対「イスラム国」空爆参加を停止 ヨルダン操縦士拘束受け AFP BB 2015年2月5日付
  7. ^ a b Canada to end airstrikes in Syria and Iraq, new prime minister Trudeau saysJ. Murphy, The Guardian, World, 21 Oct 2015
  8. ^ ヨルダン軍パイロットの殺害映像か 「イスラム国」が投稿 ハフィントンポスト 2015年2月4日付
  9. ^ 【イスラム国事件】ヨルダン軍「報復」空爆開始 UAEは中断、米主導に足並みの乱れ 産経ニュース 2015年2月5日付
  10. ^ http://jp.sputniknews.com/europe/20160119/1458270.html

関連項目