チェーホフ・コレクション
『チェーホフ・コレクション』は、未知谷が発行するアントン・チェーホフ関連の叢書。チェーホフ没後100年である2004年より刊行されている。作品にはイリーナ・ザトゥロフスカヤやエカテリーナ・タバーフなどロシアの画家たちが絵を添えている。
ロシア文学者の沼野充義は「チェーホフ文学とロシアの画家魂の稀有の出会いの結晶と呼ぶべきもので、日本における翻訳出版文化史上の小さな宝物」(『週刊読書人』第3177号)[1]と書いた。
ソビエト連邦崩壊がコレクション創刊の遠因であり、それまで国によって生活を保障されていた画家たちは「仕事はないお金は入らない状態に一転」した。
シリーズのラインナップ
- チェーホフ作品
- 『中二階のある家 ある画家の物語』(マイ・ミトゥーリチ絵、工藤正廣訳、2004年)
- 『カシタンカ』(ナターリャ・デェミードヴァ絵、児島宏子訳、2004年)
- 『ロスチャイルドのバイオリン』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、児島宏子訳、2005年)
- 『大学生』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、児島宏子訳、2005年)
- 『可愛い女』(ナターリャ・デェミードヴァ絵、児島宏子訳、2005年)
- 『たわむれ』(ユーリー・リブハーベル絵、児島宏子訳、2006年)
- 『すぐり』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、児島宏子訳、2006年)
- 『少年たち』(エカテリーナ・タバーフ絵、児島宏子訳、2006年)
- 『箱に入った男』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、中村喜和訳、2008年)
- 『僧正』(ドミトリー・テーレホフ絵、中村喜和訳、2008年)
- 『恋について』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、中村喜和訳、2009年)
- 『泥棒たち』(ワレンチン・オリシヴァング絵、中村喜和訳、2009年)
- 『谷間で』(エカテリーナ・タバーフ絵、中村喜和訳、2009年)
- 『黒衣の修道僧』(ユーリー・リブハーベル絵、中村喜和訳、2010年)
- 『首にかけたアンナ』(エカテリーナ・タバーフ絵、中村喜和訳、2010年)
- 『いいなずけ』(ラリーサ・ゼネーヴィチ絵、児島宏子訳、2011年)
- 『エゴール少年 大草原の旅』(エカテリーナ・ロシコーワ絵、中村喜和抄訳、2011年)
- 『モスクワのトルゥブナヤ広場にて』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、児島宏子訳、2011年)
- 『ワーニカ』(イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵、児島宏子訳、2012年)