パーフェクトワールド (有賀リエの漫画)
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『パーフェクトワールド』は、有賀リエによる日本の少女漫画。主人公の女性と、事故により身体障害者となった男性との恋愛を描く[2]。『Kiss』(講談社)において、2014年5月号に読み切りとして第1話が掲載され、その後、同年9月号から連載化されている。
| パーフェクトワールド | |
|---|---|
| ジャンル | 少女漫画 恋愛漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | 有賀リエ |
| 出版社 | 講談社 |
| 掲載誌 | Kiss |
| レーベル | 講談社コミックスKiss |
| 発表号 | 2014年5月号 - |
| 発表期間 | 2014年3月24日[1] - |
| 巻数 | 既刊5巻(2017年7月現在) |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画 |
| ポータル | 漫画 |
2018年、本作を原作とした実写映画の公開が予定されている。主演は杉咲花と岩田剛典の2人が務め、杉咲にとっては本作が映画初主演作となる[3]。
東京のインテリアデザイン会社に勤務する川奈つぐみは、ある日、設計事務所との飲み会の席で初恋の人・鮎川樹と再会する。 樹にときめきを覚えるつぐみだったが、彼は事故で車椅子に乗る身体障害者となっていた。 「樹との恋愛は無理」と思うつぐみだったが、樹と接していくにつれ恋愛感情が止められなくなっていく。
登場人物
- 川奈 つぐみ(かわな つぐみ)
- 本作の主人公。
- かつてイラストレーターになりたいという夢を抱いており、高校卒業後、東京のインテリアデザイン会社に就職するが、後に職を辞し、地元である長野県松本市に戻る。
- 高校時代、樹に対して無自覚ながら初恋を抱いており、東京で再会した後、彼と交際する。しかし樹から別れを告げられ、現在は是枝と交際している。
- 鮎川 樹(あゆかわ いつき)
- 本作のもう1人の主人公。東京の設計事務所に所属する一級建築士。
- つぐみは高校の同級生であり、高校時代は互いの将来の夢について語り合う間柄だった。その後、大学時代に事故で身体障害者となり、現在は車椅子に乗っている。
- 是枝 洋貴(これえだ ひろたか)
- 東京でシステムエンジニアとして働く男性。つぐみや樹にとって高校の同級生にあたり、高校時代はつぐみに好意を抱いていた。松本でつぐみと樹に再会してから、つぐみにアプローチをかけるようになり、現在はつぐみと交際している。
- 長沢(ながさわ)
- 樹の介護ヘルパー。元はリハビリセンターに勤めていた看護師で、樹とは彼が障害を負い、リハビリセンターに入院した頃からの付き合い。樹に想いを寄せている。
作風・評価
本作は、「障害を持つ相手との恋愛に感じるハードル」という難しいテーマを真摯に描いた点が読者から評価されている[4]。作者は本作を執筆するにあたって、実際に身体に障害を負った人やその関係者に取材を行っており、身体障害者が抱える葛藤がリアリティーをもって描かれている[5]。
ライターの和久井香菜子は、女性たちが社会に対して抱く「不自由な気持ち」と身体障害者が抱えるコンプレックスには親和性があると分析しており、それ故に少女漫画では、身体障害者は精神的な障壁を具現化した存在として描かれることが多かったが、本作はそれまでの少女漫画とは異なり、身体障害者の現実を客観的にまとめ、物語として見せている、と評している[6]。
また和久井は、本作について、身体障害者と接する中で遭遇することを「淡々と」伝えている、と述べている[6]。同様の意見は他でも見受けられ、『このマンガがすごい!2016』に掲載されたレビューでは、過剰な感動や不幸で物語を盛り上げる方向に走らず、等身大の恋愛ドラマとして描かれている、と評されている[7]。
書誌情報
- 有賀リエ 『パーフェクトワールド』 講談社〈講談社コミックスKiss〉、既刊5巻(2017年7月1日現在)
- 2015年2月13日第1刷発行(同日発売[講 1])、ISBN 978-4-06-340948-2
- 2015年8月12日第1刷発行(同日発売[講 2])、ISBN 978-4-06-340962-8
- 2016年3月11日第1刷発行(同日発売[講 3])、ISBN 978-4-06-340980-2
- 2016年9月13日第1刷発行(同日発売[講 4])、ISBN 978-4-06-340995-6
- 2017年3月13日第1刷発行(同日発売[講 5])、ISBN 978-4-06-398014-1
出典
- ^ “有賀リエの2014年3月24日のツイート”. 2017年7月1日閲覧。
- ^ “車椅子生活になった初恋の人との恋描くマンガ「パーフェクトワールド」実写化”. 映画ナタリー. ナターシャ (2017年5月27日). 2017年7月1日閲覧。
- ^ “三代目JSB岩田剛典&杉咲花、来年公開「パーフェクトワールド」でW主演!”. SANSPO.COM. 産業経済新聞社 (2017年6月10日). 2017年7月1日閲覧。
- ^ “【4月の「このマンガがすごい!」ランキング オンナ編】人外あり、不倫あり、男×男あり…だけどやっぱり「LOVE」なんだ!”. このマンガがすごい!WEB. 宝島社. p. 2 (2015年3月20日). 2017年7月1日閲覧。
- ^ “初恋の彼と再会したが車イスに乗る障害者になっていた、新鋭・有賀リエが描く痛切で美しいラブストーリー「パーフェクトワールド」無料配信中”. music.jpニュース (2017年1月4日). 2017年7月1日閲覧。
- ^ a b 和久井香菜子 (2016年7月27日). “歩きスマホで車いすに轢かれるかも? 『パーフェクトワールド』はユニバーサルな社会を生きるための教則本だ!”. HONZ. 2017年7月1日閲覧。
- ^ 『このマンガがすごい!』編集部 編『このマンガがすごい!2016』宝島社、2015年、91頁。ISBN 978-4-8002-4731-5。
講談社コミックプラス
以下の出典は『講談社コミックプラス』(講談社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
- ^ “パーフェクトワールド (1)”. 2017年7月1日閲覧。
- ^ “パーフェクトワールド (2)”. 2017年7月1日閲覧。
- ^ “パーフェクトワールド (3)”. 2017年7月1日閲覧。
- ^ “パーフェクトワールド (4)”. 2017年7月1日閲覧。
- ^ “パーフェクトワールド (5)”. 2017年7月1日閲覧。
外部リンク
- パーフェクトワールド 有賀リエ - Kiss公式サイト
- 映画『パーフェクトワールド』公式サイト
- 映画『パーフェクトワールド』 (@pworld_movie) - X